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ドラえもん・オリジナル大長編:のび太の源氏物語(その1)

さてみなさん、今回のドラえもんオリジナル大長編は、今年放映された大河ドラマ『光る君へ』に出演なされたママ、我らが三石琴乃女史を記念して、ひとまずドラえもんも源氏物語の世界に入り込ませようといった企画です。
はたして平安の雅な世界と裏の物騒さ、そして物語の主人公たる光源氏との関わりがいかなるものになるかこれもこうご期待、といったところで、それでは、ごゆっくり。

この日家に帰ってきたのび太くん、部屋でママが何やら本を読んでどこかうっとりしていた。
のび太「どうしたの、ママ」
見ると卓上には一冊の本が置いていた。
ママ「あらのび太、おやつなら戸棚の中よ」
のび太「ところでなに読んでたの」
のび太くんもママが読んでた本にふと気になったようだ。
ママ「これは『源氏物語』といって、むかしの日本のお話なの。その主人公の光源氏という人はそれはすてきな人で、多くの女の人とすてきなひとときを過ごしてきたのよ。ああ、昔がなつかしいわ・・・・・」
ママが物語にひたっている中、のび太くんは「ふうん」と部屋を後にしようとする。
ママ「ちょっとのび太、ママがせっかくこの本のすばらしさを言おうとしてるのに、なんなのそのそっけなさは」
のび太「そ、そんなこといったって」
ママ「とにかく、あんたもこの本を読みなさい。それまで家から出ちゃだめよ」
とママから源氏物語の本を差し出されるのび太くん。

ドラえもん「ふうん、それはたいへんだね」
のび太「まったくいい迷惑だよ、こんなむずかしそうな本を読めっていうから」
と部屋に戻ったのび太くんはドラえもんにもママから渡された源氏物語の本を見せる。
ドラえもん「これは大人の文学だね、これを読まなきゃいけないのかい」
のび太「だってドラえもん知ってるでしょ、僕が難しい本を読むと眠くなっちゃうの」
ドラえもん「それはきみがちゃんと本に向き合わないからだよ」
と、ひとまずそっけなく応えるドラえもんなのだが。
のび太「何かうまく本を読める方法ってないのかな、そうだ、前に借りた“絵本入りこみぐつ”はないかな」
ドラえもんもひとまずその靴を出すのだが。
ドラえもん「それでこの本のお話を追っていくの、でもこれは絵本にあわせてつくられたんだよ。こんな文学作品に使ったらどうなることか」
のび太「これもやってみなきゃわかんないよ」
と、早速くつをはいてから、物語の本に入り込むのだった。
ドラえもん「うーん、大丈夫かなあ」
と、心配げに物語のページをめくっていくのだった。

気がつけばここはどこかの竹やぶの中、のび太くんはたしかに物語の中に入っていったはずなのだが。
のび太「あれ、ここどこだろう、物語の中だからどこかのお屋敷にいるはずだけど。そうだこの森を抜けるとお屋敷にたどり着けるかな」
と、竹やぶを道沿いに沿って歩き続けていくのび太くん、そのうち目の前の明かりに気が付き、走り寄っていく。
のび太「おーい、道に迷ったんですけど、近くにお屋敷はありませんか」
ところがたどり着いた先は、たき火を囲んでいたいかつい男たちであった。
「何だお前、まだ子供じゃねえか。おれたちはこの森をナワバリにしている山賊と知ってまぎれ込んだのか」
のび太「わっ、えーと、僕は、その・・・・・」
逃げようとしたがたちまち捕まるのび太くん。
「こいつを捕まえて金目のものをふんだくろうにも一文なしのようだからな、いっそ晩飯に食っちまうか」
のび太「えーつ!?」
その時、一本の矢が山賊の目の前をかすめ、草むらから若い貴族の人が現れる。
「乱暴はやめてただちにこの子をはなしなさい。さもなくばこの矢を本当に当てることにする」
「げっ、ミヤコのお貴族さまだ、こいつはかなわねえから逃げよう、おぼえてろ」
と、山賊は一目散に逃げ去っていった。
「あぶないところだったね坊や。夜道の森はひとり出歩くものではないのだよ」
のび太「はい、いえ、僕も道に迷って」
「それならば我が屋敷で休むといい。わたしは光源氏という貴族の者だよ」
のび太「ええっ、それじゃあなたがあの光源氏さん」
源氏「ほう、わたしを知っているとは光栄だね。ともかくゆっくりとしていきなさい」
のび太「あ、はい」
というわけで、光源氏に助けられ、屋敷に連れられることになったのび太くん。果たしてどうなることになるのやら。

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