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「だからいったのに」の警鐘と期待<本当は怖いドラえもん>

今更述べるまでもなく、ドラえもんならずとギャグの基本はドタバタ喜劇、いうなればスラップスティックといえる技法に尽きる。
繰り返しながらもドラえもんのお話の骨子は、何かと問題を起こし、あるいは巻き込まれ、ドラえもんに対処を頼み、出されたひみつ道具の力を借りてひとまずの解決をする。というのが基本なのだが、
それがページの関係から話の尺が拡がるうち、ひとまずの解決からはめを外してからズッコケて、かえってひどい目にあうお話がしばしば見受けられた。
今回は例示のお話が少し多いこともあり省くけど、ともかくそのお話の流れの中で一つのシチュエーションに貸した道具を通じて「使い方次第でひどい目にあう」と警告を発し、それではめを外したのび太くんが、ズッコケてからひどい目にあう。そのありさまに「だからいったのに」とドラえもんがしめる、といったものがある。
これも一般論では「ひみつ道具は使い方次第ではひどい目にあう」というものだが、はじめに言ったように“ギャグマンガ”としての“スラップスティック”に基づいて、のび太くんが活躍してからズッコケてしめるシチュエーションでもあり、これも今でいう“お約束”ともいえる。
その意味でもドラえもんの“忠告”も、後に起こるのび太くんの“ズッコケ”への期待ともいえる。
そういうのもひとまず素直な読み方といえるのだけれど、そういうお話がある程度続き、時折強引に話を進めたお話もあって、これらのお話を通じて、そもそも学習雑誌を中心とした小学館に関わりのある大人の人が、のび太くんの責任を問いつつもっともらしい意見を述べ、これに作者の藤子F先生も困惑しながらもお話を作り続けることとなった。
そういったありきたりなドタバタ話がある程度の教訓話として重くのしかかり、後々にそれが違和感にもつながったかなという想いがしないでもないのだが。

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