KOFヒドゥンストーリー:包編MI
さてみなさん、今回のKOFヒドゥンストーリーは包(パオ)のMIにてのシナリオをお送りいたします。いわゆるネスツ編において秘めたる力を持ったキャラクターながら、その後のストーリーでは出場に機会も少なくなったことから、今後の活躍に期待を込めてこのシナリオをしたためました。はたして彼の運命やいかにといったところで、それでは、ごゆっくり。
オープニング
中国奥地の村で鎮に引き取られ、今やサイコソルジャーチーム候補生として日夜修行の日々を送っている包(パオ)。拳崇の力の影響やら飛賊のものたちとの因縁やらで表立っての大会への参加をしばらくは控えていたが、今回の大会においても何やらの胸騒ぎを感じ、ひとまずは参加を決め込んだのだが。
第5回戦(対デュオロン)
・仕合前
包「やはりお兄さんも少しイヤな気を持っているけど、そんなに悪い人のように見えないかな」
デュオロン「俺が悪人ではないと誰も決められない、お前も大人になれば分かると言いたいが」
包「うん、闘わなきゃいけないのは分かるけど、僕だって易々と負けられないよ」
デュオロン「そうだ、今を生きるもお前自身の意思だ、その意思をあえて俺の前に見せてみるがいい」
・仕合後
包「ちょっと気分が悪くなっちゃったけど、こんなものかな、手加減されちゃったのは仕方がないけど」
デュオロン「お前にも先に行く目的があろう、まずはお前に行かせんが、この先は安からぬ、せいぜい気を付けることだ」
デュオロン、姿を消していく。
包「僕の目的か、ただ進むだけじゃダメだよね」
第8回戦(対ルイーゼ)
・仕合前
包の目の前にルイーゼが現れる。
包「あれ、お姉さんもテレポートできるの」
ルイーゼ「そんなところね、ほんと、この星にはユニークな人間が多くて飽きないわ」
包「なんだか宇宙人みたい、たしかにそれらしい気がするけど」
ルイーゼ「さあどうかしら。ひとつ言っておくけど、ここから先、あなたは闘い抜く覚悟はあるの、ここで負けた方があなたの身のためよ」
包「でも、僕も負けられないし、やっぱり本気出さないとダメだからね」
・仕合後
包「ふう、お姉さんの闘い方も本物だったからちょっと手ごわかったな」
ルイーゼ「でも、あなたも強かったわ、それを見込んで、あなたにお願いがあるんだけど、次の仕合、絶対に負けないで」
と、ルイーゼは姿を消す。
包「お姉さんの言葉、なんだか嫌な予感するなあ。でもやるだけやってみるよ」
第9回戦(対デューク)
・仕合前
屋敷の扉の前に立つ包
包「この扉の先、なんだかとっても強そうな人がいるみたい、だけど」
扉が開き、デュークが現れる。
デューク「ふふ、“奴”に挑まんとするのは貴様か、とお前は本当に子供か」
包「おじさんが次の相手だね、ちょっとこわいけどお相手してくれるかな」
デューク「これもいい度胸だな、だが一つ忠告するが身を引いても多少長くは生き延びることはできるだろう」
包「でもここでさがっちゃいられないからね、僕も全力出さなきゃ」
・仕合後
デューク「これほどの超能力とはな、決して侮ったわけではないが、気に入ったぞ」
包「やっぱりおじさんも強かったなあ、でもこれ以上の強い人がいそうだなあ」
デューク「そうだ、ここから先、世界を裁く力がお前を待っている。行って乗り越えてみることだな」
デューク、去っていく。
包「やっぱり行かなきゃいけないね、この先にいる本当に強くて、冥い力に」
最終戦(対ジヴァートマ)
・仕合前
中央広間にたどり着いた包
包「とうとうここまで来ちゃったけど、この冥い気を持っている人はどこにいるんだろう」
「わたしはここにいるよ、そしてここが最後の舞台、君の闘いもここで終わるだろう」
柱の間から長身の男が現れる。
包「やはり出てきたんだね、あなたは一体誰なの」
「ああ、君の対戦相手であると同時に、今大会の主催者でもある、クシエルを統べる闇の爪、ジヴァートマと見知り置いて頂こう」
包「ええと、“くしえる”の“じばーとま”さん、っていったい何なの」
ジヴァートマ「この星の闇を支配する、秘密結社“アデス”その“アデス”が持つ無数のペルソナの一つと思って貰いたい」
包「まだよく分からないけど、お兄さんの目的は一体なに」
ジヴァートマ「強靭な肉体を持つ格闘家を集めるため、と言っておこう。もちろん君が幼い子供とはいえその例外ではないさあ、その肉体を“我々”に委ねたまえ」
包「やはりどこかイヤな感じだから、お兄さんには勝たなきゃいけないね」
・仕合後
ジヴァートマ「・・・流石だな、まさか、この星の人間に敗れるとは、思わなかったよ・・・・・」
包「僕も、勝てるとは思わなかったから、でもお兄さんは一体何者なの」
ジヴァートマ「フッ、いずれ君もその事実に恐怖することになるだろう、“我々”は、不滅なのだよ・・・・・」
と言って姿を消すジヴァートマ。
包「消えちゃった、やっぱり普通の人じゃない、それは先のお姉さんと、同じなの・・・・・」
その後屋敷が音を立てて崩れ始める。
包「わっ、逃げなきゃ、テレポート」
エンディング
なんとか屋敷から抜け出せた包。
包「何だろうこの気持ち、今まで面倒なことに巻き込まれちゃったけど、今度はこれ以上なの」
「・・・ふふ、いずれにしても大したことではない」
包「うっ、この気、まさか・・・・・」
「いずれ会うこともあるだろう、ひとまずはさらばだ・・・・・」
包「あの人もまだ僕を狙ってる。でも僕の力もまた、大きくなっている」
そこにアテナたちも駆けつける。
アテナ「包くーん」
拳崇「おーい、大丈夫かー」
包「あっ、アテナのお姉ちゃん、拳崇兄ちゃん」
拳崇「よう頑張ったなあ。さあこんなところ長居は無用や、今からパオパオカフェで優勝パーティーに行こう」
アテナ「でも大丈夫、拳崇、まだ大変なことになっちゃいそうだけど」
拳崇「まあ大丈夫やろ、面倒なことはハイデルンさんに任せて。今俺らは修行して強くなればいいだけやからな」
アテナ「もう、拳崇ったら」
そんな彼らを遠目に見るデュオロンの姿がいた。
デュオロン「そう、彼らの運命もまだ見えない。いずれは交わることもあろうが・・・・・」
そしてデュオロンもまた消えていく。
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