ガンダム

第1話:ジオンの子<今更ながらジ・オリジンレビュー>

さてみなさん、今回からアニメ版『ジ・オリジン 前夜・赤い彗星』の知ったかぶりのレビューをお送りする運びとなりました。
すべてはファーストガンダムの真実の物語をと安彦先生が描き上げられた連載をベースに製作された当作品。ある意味もう一つのファーストガンダムと割り切って楽しめばと思い視聴の末に今回のレビューと相成ったわけですが。ともかくその第1回『ジオンの子』について述べたく思います。それでは、ごゆっくり。
 
すべてはジオン=ダイクンが、自治権拡大における演説の際、心臓の病で斃れたことから始まった。先日まで演説の草案をまとめ、その上で自らが犠牲のヒツジとなって宇宙の移民たちを目覚めさせると嘯きつつ、子供たち、特に娘アルテイシアの身を案じていた。そんな父の姿をベッドの中で息子キャスバルもまた感じ取っていたのだ。
ダイクン斃れるの報せを受け駆け付けた妻アストライアと子供たちキャスバルとアルテイシア、後のシャアとセイラである。突然の父の死にそれぞれ受け止めかねる二人に、側近の一人ジンバ=ラルが同じく側近のデギン=ザビの陰謀だと告げ。保護をせんと持ち掛ける。
しかし民衆は連邦の陰謀と受け止め暴動を起こす。その暴動が脱出中のキャスバルたちにも塁が及ばんとするが、キシリアがそれを退けひとまず難を逃れる。
しかし余計なことと後に次兄サスロがキシリアを責める。しかしこの時点からザビ家の骨肉の争いが始まったともいえるのだろうか。
後日ダイクンの葬儀に際し、今度はサスロが乗った車がテロによって爆破されサスロは死亡、同乗していたドズルは負傷にとどまった。根が優しい男なだけにこの事件は今後に響いたものだろうが。これも陰謀の一端でもあるのだが、はたして。
ともかくこの事件はジンバの陰謀と決めつけられ、憎悪の矛先を向けられつつあった。そんな中息子のランバがアルテイシアからとある頼みを持ち掛けられた。一方この情勢を静観するデギンらはどう動くか。
民衆の敵意が渦巻く中ランバはとあるクラブハウスで一人の女性と会っていた。その女性ハモンに愛猫の保護のついでに亡命の便宜を図るよう持ち掛けるのだが。
その夜子供たちが寝静まったのをよそに、キシリアがラル邸に乗り込んできた。キャスバルたちを保護の形で軟禁せんと持ち掛けんとするが。そこに身なりを整えたキャスバルがそれに応えんとした。彼もまた父の死がザビ家の陰謀と信じていた。たしかにジンバの言もあるが彼なりに確信はしていただろうが。
しかしキシリアもキシリアでこのまま引き下がれず、腕ずくでもキャスバルを抑えんとする。しかしキャズバルも屈することはない、そう、彼もジオンの子としてザビ家と対する覚悟はできていたのだ。

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ep25:新たな世界<今更ながらビルドダイバーズレビュー>

突如センターに出現した異形の機体。世界中のセンターにも同様の機体が出現し、リクたちのそれにエネルギーを送り続けている。そのセンターに陣取っている機体は、あたかもリクたちの想いにも立ちはだからんとしていた。リクたちもここまで来ればもう後には引けない。後は立ち向かうのみだが。
そもそもレイドボスとして造られたその機体、その装甲の熱さは半端ではなく、加えてバグの力で一層強化されている。そんな強大なる敵に立ち向かうリクたち、そして先に激闘を繰り広げたキョウヤたち、ことにロンメルたちも世界の直接の危機のためリクたちの一縷の望みに力を貸すこととなったわけだ。
そして各地のボスたちも百鬼を中心に当たり、かつて出会った者、対戦相手として戦ったもの、そしてツカサまでも加勢し、ともかくも世界中のダイバーたちが己の未来のために立ち向かうのだ。そんな彼らの想いを受けリクたちそしてサラもそれに応えねばならない。それでもボスと対するには何かが足りないと開発者は言うのだが。
案の定みるみる押し開けされるが、ここにきてGMも重い腰を上げ修正プログラムでその動きを止める。彼らもまたリクと想いを同じくしていたのだ。
こうして反撃に転ずる味方側。各地のボスも着実に撃破されていく。
そしてリクとキョウヤの力を合わせ、中枢のボスを撃破していく。戦いはここに、終わったのだ。
この上でサラの転送を行うこととなり、まずリクが預かったペンダントをサラに手渡す。
ここに一抹の不安と希望を、そして今までの想いを胸に、サラは旅立つ。そして目覚めた先、現実世界のモビルドールとしてみんなと再会するのだった。
後日リクたちが一堂に会し、素顔のダイバーたちとの対面にあたる。ややあってマギーが、タイガが、シャフリが、そしてキョウヤが訪れる。
マギーの店で一堂に会し、あらためてサラとの対面を果たす。その性能に感嘆する一同だが、制作の力添えをしたツカサは表立っては出られないのも分かるが。
それぞれの想いもあり、GBNもある意味立て直しにも余念がない。しかし今は一堂に会したことを祝い宴に興ずることになる。
その上でそれぞれの近況も語られ、その話題の中でもやはりガンプラに関連した話も。リクにとっては実力を伸ばしたとはいえまだまだ経験も浅いといえる。その上で再びキョウヤたち上位の者たちに憧れ、挑み続けることを誓うリクだった。
こうして楽しいひと時は過ぎ、あらためてGBNへとダイブするリクたち。そこには自らの機体を得たサラの姿もあった。こうしてリクたちの戦いは続く。新たなる世界、そして新たなる物語に向けて。
こうしてリクたちの物語はひとまずの区切りをつけるこちになったが、続編の放映も決まったことだし、これからの展開次第でリクの活躍も改めて見られるかもしれない。そのてんにおいても楽しみにしたい。
そしてビルドダイバーズのレビューも遅ればせながらもひとまずはここまでということで。お付き合いありがとうございます。

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ep24:決戦<今更ながらビルドダイバーズレビュー>

ついに対峙することとなったリクとキョウヤ、初めて対面したあの時から彼を規範に腕を上げてきたリク。しかし今になっての対戦は必ずしも本意ではなかった。リクは大切な仲間のため、キョウヤはチャンプの矜持のため、そして二人とも世界の命運をかけ、それでいてお互い引けない戦いだったのだ。
今だ強大な有志連合の陣容、リクたちの一縷の望みも今まさに打ち砕かんとするかのごとくに、なおも容赦なく攻勢をかける。
一旦倒されたタイガとシャフリを気遣うマギー、彼らの前にロンメルが包囲する。ここでも大義を掲げて攻めてきたか。しかしサラをただのプログラムと見るロンメルの大義はやはり認められない。マギーたちも一ダイバー、そして真の戦士の誇りにかけて立ち向かうのだ。サラと世界の両方を救うために。たとえそれが遊びでも、己の命を懸けるために。
それはユッキーも、モモも、そしてアヤメやコーイチらもそれぞれの誇りと想いをかけるため、今や強大な敵に立ち向かうのだ。
一方でベースのツカサもビルドデカールの準備が整い、あとはコーイチ、そしてリクの防戦に期待をかける。こちらも世界のために戦っていたのだ。たとえそれが本意でないとしても、いや彼なりの本意に従って。
なおも圧倒するキョウヤも応戦と奮起をリクに言い渡し、それに応えてトランザムを発動するリク。対してキョウヤもEXバーストを発動する。作品ごとの覚醒業ということだが、もはやいずれの力、そして想いが勝敗を分ける、とも言いたいが。
激突する力と力、業と業、しかしキョウヤのビットがリクを捕らえる。
そして各地の仲間たちも圧倒され、それを見守るGMも戦いの勝利を確信する。同じくその様を見守っていたサラ、キョウヤの言葉を反芻しつつ、ついに自らの想いをこめての叫びをあげる。
そこに現れたのはオーガ。キョウヤを獲物と定めつつリクに加勢する。同じく百鬼の面々もユッキーやコーイチらを援護するため駆け付けた。ドージたちもまたダイバーズが望むすべてを守る想いに応えたのだ。
オーガの熱き闘いをも受け止めつつキョウヤも冷静に攻撃を受け流すも、今度は仕切り直したリクも加勢する。オーガのトランザムを合わせてキョウヤに挑むリクたち。それでも二人を圧倒し勝負は見えたかに思われた。
キョウヤの最後の問いかけに、かつての想いを告げ応えるリク。その言葉に戦いを見守ったダイバーたちも少しづつだが心を動かされた。
リクにとってはサラとの出会いがすべてのはじまりだった。それによってGBMで歩んでいけたこと。ここでその歩みを止めるわけにはいかないこと。それはモモやユッキーたちも同じことだった。その想いを込めて最後まで戦う決意を固めたリクたちの想いが高まり、ついにはそれに応えたオーガとともに最後の反撃に転ずる。
ここに二つの大義が激突し、同じくサラの想いとシンクロし、ついにはキョウヤをも討ち破る。
こうして最強の相手、して己の限界をも乗り越え、サラのもとにたどり着いたリク。そのめぐり逢いがどのような可能性を見出すかはともかく、リクたちダイバーズの勝利が告げられた。これにはロンメル、そしてGMも認めざるを得ないか。
その可能性の光に満たされての勝利の後。サラの受け入れ態勢も整い、向かわんとしたリクたち。しかしその先には異形の機体が。やはりバグそのものは未だ残っていたのだ。これこそが世界の破滅をもたらすのか。そうだとしてもリクたちはそれを討ち破ることができるのだろうか。いずれにしてもこれが本当の最終決戦の幕開けであることには変わりはないのである。

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第3話:継ぐものたち(その1)<機動戦士ガンダム クレイドルエンド>

さてみなさん、今回のクレイドルエンドは、休暇を終えいよいよ戦いの場へと乗り出さんとするキッカ。彼女のことを語る前にまず関連する人物たちの動向をお送りする運びです。はたして彼らは後にどうかかわってくるというのか、それでは、ごゆっくり。
 
なお前回までのストーリーはひとまずここに。
イントロダクション  
第1話:ホワイトベース最後の勇者
その1 その2 その3  
第2話:生きるということ
その1 その2 その3  
それでは本編をば、あらためてごゆっくり。
 
 
キッカ=コバヤシ大佐生還の報せは世界中を駆け巡り、彼女に敵対する者はともかく、もともと好意を寄せるものもその報せに心を震わせた。
とあるダイナーにコーヒーを片手に端末のニュースに目を通す一人の女性。二人の男女に囲まれ、自身もサングラスで表情を隠しているが、ひとかど高貴な女性であると目に見える。
その女性もコーヒーを一口付けてから言を発する。
「ようやく、立つのですね、キッカ大佐」
 
そのダイナーに、休息を取らんと傭兵らしき一人の男が訪れる。
男の名はコウ=ウラキ。かつてのデラーズ紛争にて機密漏洩の罪を着せられ拘束されるも不起訴となり釈放されたのち復隊する。
その後半ば要注意人物としてティターンズの監視下に入る。その監視役というのがモンシア以下ティターンズに移籍したかつての仲間たちで、ともかく監視という名の保護を受け88年まで平穏に暮らしていたが、グリプス戦役のどさくさにモンシアたちとともに軍を脱走。ネオジオンの台頭後も潜伏を余儀なくされたが、戦役終結後正式に除隊。月に移住し今度こそ平穏な生活を送ることになるはずだった。
しかし、コウの脳裏には仇花となって散っていった宿敵にして友ともいえる、アナベル=ガトーの残滓がいまだくすぶっていて、93年のシャアの反乱を気に、妻子を捨てて地球へと再降下。そのまま傭兵として戦場の各地を回りつつ今に至る。
そのコウが、この日行き付けのダイナーで定期のツケの支払いのために訪れたのだ。
「やあコウさん、いらっしゃい」
ダイナーのマスターは親しげに迎え入れる。商売を抜きにした親しい仲でもあったのだ。
「マスター、まずはメシといつものやつ、それに先月から3月分の・・・・・」
「いや、それがコウさん、こちらの方が今までのツケと今後の支払いを引き受けてきたんですよ。おそらくはコウさんを雇うみたいですよ」
マスターが指し示したその人物、またかと思いつつも、コウもその人物に近付かんとする。その人物、歳は二十歳前後の女性、サングラス越しだがいまだ少女の面持ちを保っていながらも、ひとかどの威厳も感じられた。両脇のサングラスの男女、同じ年代に見えておそらくジオンの人間ではない彼ら、その一人が席を立とうとするのを制しつつ、女性はコウに向かって告げる。
「コウ=ウラキ様ですね、私どもは、アナベル=ガトー縁の者と見知りおいて頂くものとして、貴方のお力をお借りしたいのです」
「・・・・・?」
その女性に感じられる威厳を感じ入りつつコウは応える。
「俺に、何か、いえ、そういう、貴女は・・・・・」
「オードリー=バーン、まずはそう名乗らせて頂きます」
「そうですね、そういうことなら、どこか静かな場所で・・・・・」
コウの応対に対し、マスターが別室を案内して、オードリーと呼ばれた女性、両脇の男女、そしてコウが中に入っていく。
 
ところ変わってアルカディアにある“CLUB EDEN”と書かれた建物。
一見すると廃れたクラブハウス跡なのだが、これがアルセス一党がまだ不良グループだったころのクラブ跡風に偽装して建てたたまり場だった。そこにはアルセスと目付け役のジョアン。そしてジョアンとは前々から顔なじみだったろう、一人の男と交渉に当たっていた。
「それでMS1機の追加の件は間違いないんだな」
ジョアンの問いに、男も多少愛想のよい口調で応える。
「それはもう、ただ今回の件に関してて一つお頼みしたいものがありまして・・・・・」
男の依頼に聞き入ったアルセスとジョアン。しかし憮然とジョアンが応える。
「何だと、宇宙(そら)に上がって機体の性能を試せだと」
「早い話、宇宙で飛び回ればいいだけのことです。船の方も我々で手配いたしますので」
男も軽く応えるが、今の状況でただ飛び回るだけで済まされるものでもないのは予測できることだった。ここ最近テロ対策のため連邦も哨戒の目を広げていて、それに抵触しようなら戦闘もやむなしの状態にもなりかねない。
「結局我らは実験体ってことか」
ジョアンが軽く毒づく。
「これも、望むところだ」
しかし傍らのアルセスは身を乗り出して応える。
「アルセス様」
「どのみち俺たちは先に進まねばならない。どんなに回り道でも袋小路に迷ってばかりよりは幾分かマシだろう」
「それは、そうですが」
「ともかく追加のMSの件は間違いないだろう。それだけの仕事はこなすさ」
アルセスの視線は鋭い。その視線に刺されてか男の表情も引き締まる。しかし男も愛想を保ちつつ応える。
「いやはや、ありがとうございます」
「そうと決まれば早速あいつらにも連絡だ。そういえばティクバも立ち直っているだろうからな」
「はっ、そうですな」
とアルセスたちは軽い挨拶とともに部屋を後にする。
「連邦とジオンの息がかからない、新たなスペースノイドの萌芽、か。もはやラプラスの呪縛も解かれたのだ。人類が生まれ変わるには100年、十分すぎる時が過ぎたのだからな」
感慨とともに、一人残ったその男マイツァー=ブッホも部屋を後にする。
 
一方でアルセスの交渉の行方をの行方を別室で待機し、その行方を案じていたレトーとリッド、そしてティクバがいた。
そのティクバはあれから今までどうしたかというと、一党に身を置いて間もない頃は、あてがわれた部屋でじっと佇んでいたが、しばらくして“施設”でのMSのシミュレーターにての訓練にいそしむようにもなった。そのうちリッドとも訓練に付き合うようになり、ひとまずは友達付き合いの仲にもなりつつあった。
「兄貴、どうしてるかな」
「ああ、今おやっさんと一緒に難しい話をしているみたいだ。おそらく新しいMSをもらう代わりに何か面倒な仕事を押し付けてくるかもしれないぜ」
「それも、望むところだよ」
レトーの懸念に応えたのはティクバだった。
「お、おい、ティクバ」
「どのみち生き残るためには何かしなくちゃいけないからね、あの時そう誓ったんだ」
ティクバの言葉には大きな意思が込められていた。
「俺がパラオを発ったのは、その前に父さんが死んだこともあったけれど。ジンネマン艦長は敵の襲撃で死んだって言うけど、おそらくあの白い奴に撃たれたかもしれない・・・・・」
白い奴、と言ったらあのMSのことだろうとリッドたちも思った。ティクバはなお続ける。
「・・・でも、たとえそうでも俺、バナージを恨んじゃいないよ。バナージもいろいろ苦しんでたと思う。艦長や父さんもいろいろ面倒見ようとしてたんだ。今は艦長やミネバ様と一緒に混乱をおさめようとしていて、俺も本来そこで働かなきゃいけなかったんだ」
その白いMSのパイロットだろうその名を心にとどめつつ、リッドはとある懸念について問う。
「いつかそこに帰るの」
「今は帰れないよ。あそこまで世話になっちゃったからね。それにあの時の戦いだって、負けたのはたしかにくやしかったけど、あれはMSの性能はもちろん、何よりそっちの方が腕はよかったからね」
「そ、そうかなあ」
「いずれにしても、俺はもっと強くならなきゃいけない。自分のために、そして時代の役にたつために」
改めて二人に向き合うティクバ。その言葉に頷きつつ、自分たちもティクバに負けじとその意思を固めんとする。
そしてそのやり取りを階段越しに聞いていたのがアルセスだった。それを汲んでしばらく間を置こうと無言でジョアンに呼び掛け、ジョアンもそれに応える。
ややあってアルセスとジョアンがリッドたちの部屋に入っていく。
「みんな、仕事の依頼だ。一月後に宇宙に上がり、実験を兼ねた操縦訓練だ」
「そ、宇宙(そら)、いきなり大仕事だなあ」
ジョアンの切り出しにリッドは軽く驚愕する。
「もちろん敵の哨戒に気を付けての任務だ。それなりのスタッフも同行するからそう心配はない」
「・・・それなら、やってみましょうや」
と軽口ながらレトーは応じる。おそらく自分が一番踏ん切りをつかないだろうと思えばこそ、彼なりに気を引き締めんとの軽口だった。
「うむ、決まりだな。それでは我々は英気を養うことにしよう、隣り街にいい店がある。今夜は俺のおごりだ」
ジョアンの呼び掛けにリッドたちは歓声でそれに応える。傍らのアルセスも一つの想いをはせる。
「宇宙か、いよいよ巣立つ刻、かな、本当の巣立ちはまだだろうが、ともかく、俺たちの戦いもまた・・・・・」
「さあ、アルセス様も、参りましょう」
「うん、あれこれ考えるのは、後でもいいか」
と、ジョアンの呼び掛けにアルセスも応えてこの場を後にするのだった。

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第8話:鉄血の志<機動戦士ガンダム・鉄血のオルフェンズDAWN>

さてみなさん、今回のオルフェンズDAWNは、木星圏を襲ったMAを退け、新たなる決意を固め新たなる任務につかんとする暁たちをお送りする運びです。果たしてその先に何が待ち受けているか。それでは、ごゆっくり。
あと今までのストーリーもこの場を借りて紹介したいと思いますので、ご興味があればそれらもお目通し下さい。
 
第1話:暁に立つ
 
第2話:汚名
 
第3話:世界を知れ
 
第4話:アステロイドの猫
 
第5話:テイワズの息子
 
第6話:マクギリスの遺産
 
第7話:散る命、守る命
 
以上をもとに今回のストーリーをお送りいたします。あらためてごゆっくり。
 
 
サンダルフォンの驚異は去った。しかし資源衛星周辺の被害は甚大だった。鉄血隊のイサリビはかろうじて被害が少なかった衛星に着艦する。帰還したバルバトスから出ようとする暁を、キャノピーの先にはいつになく真剣な表情のライドが待ち構え、体の具合を聞いてから肩で担ぎ下ろされる。傍らには救急用の担架が用意されてライドにそこで横になるように固く言いつけられる。ラッシュのことが気になるが、クアールのことはライドも承知の上で、今はそっとしてやるようにも言い渡される。
そこに同じく生き延びた衛星の主任の男が訪れる。元CGS代表のマルバ・アーケイだった。もはやテイワズに対する負債はなく、労役義務はとっくに消えた今でも、この生活になじみ今更外界には未練はないと告げる。何と彼にも家族ができていたのだ。そんな彼も鉄血隊に向かい、特に三日月の息子の暁に、バカなことができるのは若いときだけだと告げてこの場を離れる。それは搬送される暁にも聞こえていたのだ。
一方で同じくあの主任も菊千代に助け出され、駆け付けた雪乃に、多くの仲間を助け出せなかったと自嘲しつつも自分の無事を受け入れる。その言葉は雪乃の心を重くした。
こうして事後処理をネオ・タービンズに委ね、ライドたちは歳星に帰還する。一方でネオ・タービンズ旗艦ハンマーヘッド2世に帰還したジュニアはことの次第を歳星のアジーに伝える。対するアジーも承知はしていて事態をGHにも伝えていた。彼らは別の地点で何やらの調査を行っていて、その帰還の際に無駄を承知での連絡を取り付けたのだ。憮然としながらも連絡を受けるジュニアだったが、ひとまずの確認を行うためブリッジへと上がる。
戦場跡には件のGHの調査艇が到着していてそれを確認するも、オペレーターの妹たちは不満をあらわにしていた。
「いい気なものね、まったく今頃になって御到着なんて」
「そう言うなよ、彼らが後片付けをしてくれるんだからそれだけでもありがたく思わなくちゃな。そもそもGHもエリオン公があの時よりもマシにしてくれたんだからな」
と、妹たちの不満をなだめつつ。歳星への帰還を指示するのだった。
こうしてイサリビが歳星に着くや、暁は病院へと急行しそこで検査と治療を受けることになる。鼻血はともかく血涙まで流した様はライドやアジーらの心を寒からしめたが、幾度か精密検査の結果、機体のシンクロニティの影響なのは判明したものの今のところは特に障害や後遺症は見受けられなく、大事を取るためには養生を施していくことで一致した。暁自信は大丈夫だと返すも、ライドたちの言いつけならばとひとまずは従うのだった。
当面は車イスの生活を余儀なくされる暁。三日月やガエリオはどんな気持ちだろうと思いつつ、ラッシュのことが気になりさしあたり立ち寄りそうな場所を探そうと、まずは名瀬の墓標に赴く。案の定そこにはラッシュが佇んでいた。
クアールのことは暁も周知しており、沈んだままにみえたラッシュにふと「彼女が死んだと決まったわけじゃない」と漏らす。その言にラッシュも受け止め、自分は大丈夫と半ば強がりで返す。そこにジュニアも赴くも、墓標の前で二人にしか分からない無言の会話を交わしているかに見え、二人の邪魔をしてはならぬと思いつつこの場を外す。
そして部屋に戻らんとする際半ば自動で動けるはずの車いすをラッシュが押す。大丈夫と言いつつもラッシュの気持ちを受け止める。しかしどこか懐かしい感じがする暁だった。
その一方、今回の件で数多くの作業員が犠牲になり、その際雪乃は自分は何もできなかったことを悔いていた。菊千代にはなだめられたがやはり気が重く、菊千代もまた今はそっとしておいてやろうとライドに言われていたのだが。
その後で雪乃はネオ・タービンズの女性エージェントらに誘われる。彼女らも先にクアールの世話した縁から、彼女のことについて落ち込んでいたのだ。それを併せて他の姉妹たち、あと先に出会ったテイワズのメカニックの春菜らも加わって、その気持ちを晴らさんと、一つの宴席を設けるのだった。
かくいう雪乃もクアールのことも気にかけており、彼女への想いも合わせて今夜は最後まで付き合おうと思い宴に参加する。
ひと通りの盛り上がりの末、主催した副代表のエーコが話しかける。そのエーコの“お母さん”が言うには、先に隊の役に立ちたいという想いをくんで、操船技術を学んでみないかと持ち掛けたのだ。その言葉に雪乃も一つやってみようと心に決めるのだった。
その夜雪乃が帰ってきて、遅くなったと詫びるも、ライドも菊千代も宴席の事情を知っていて労いの言葉をかける。その上で雪乃もエーコを通じてのアジーからの言伝を告げる。それは暁たちとジュニアの兄弟の盃の儀を執り行うというのだ。かつて旧タービンズと鉄華団との儀とは違いあくまで個人的なものなのだが、お互いの友ぎのためとのことで、念のため暁たちの承諾を得てからというのだが、暁をはじめ誰もがそれに賛同するのだった。
この頃には車イスの拘束から解かれ、あらためてバルバトスを前にする暁。誰もいないその格納庫に暁は心の中で三日月に話しかける。
『父さんはあのMAと、“事件”とで後でどう戦ったのかな。俺も最後まで戦い抜くつもりだけど、最後まで自分を失わないでいられるかな』
ふと暁の心の中に、三日月の言葉が聞こえるかに思えた。
(大丈夫だ、お前にはバルバトスが、そして俺もついている。それにオルガも、昭弘も、シノもいるんだ。いやもうお前には、仲間がいるじゃないか。とにかく、大丈夫だよ)
『うん、そうだね、父さん』
暁も意を決するようにバルバトスから離れ、自室へと戻る。その様を傍らのヤマギが、遠目でジュニア、そしてライドの姿がいた。
その後日兄弟の盃の儀を執り行うことになり、収監時に身に着けた書写の技術を振るう介添人ライド(雷弩抹主)、暁のほか義弟、義妹としてラッシュ(羅主美亭)、菊千代、雪乃、そしてクアール(紅亜瑠華照)の名も記されていた。
「あいつには迷惑だろうが」と告げつつも「きっと喜んでくれますよ」とラッシュも返す。
こうして儀は滞りなく行われ、個人的な関係ながらもジュニアと暁たちは義兄弟となった。
その後でアジーから、MAの被害は大きかったが一応の治安維持は保たれたことを機に、近々アーブラウでの議員改選選挙がありそこでの不穏を収めてほしいとの知らせが届いたのだ。ジュニアも治安維持のためしばらくとどまるがいずれは合流すると告げ、代わりにメカニック助手として春菜をよこすという。
こうして木星圏の治安維持に一段落を付けた鉄血隊は歳星を発ち、一路地球圏へと旅立つのだった。その様を見てアジーは感慨する。
「あの子たちも、三日月たちの志をちゃんと受け継いでいる。私たちが、名瀬や姐さん、それにラフタたちの志を受け継いでいるように・・・・・」
いつしかアジーはジュニアの背中に抱き寄っていた。もはやアジーの背を追い抜いているジュニアだったが、父名瀬に比べればまだ小さいと思いつつ、
「俺もすぐに行くぞ、暁」
とあらためて虚空に消えたイサリビを見据えていた。
再びトレーニングにいそしむ暁、新たにイサリビのメカニックとしてヤマギから指導を受ける春菜、その傍らでメカニックの手伝いをする傍ら操縦シミュレートでの訓練にもいそしむ菊千代、自室にこもり操船術のプログラムを学ぶ雪乃、そして地球圏でのニュースに目を通すライド、その画面に書かれていたのは旧友たるタカキが先年急死したアレジの後継者としての地位を固めるべく選挙に臨むという記事だったのだ。
そしてラッシュは通路の大窓の宇宙空間を見据えて「俺も、最後まで戦い抜くよ、クアール」と告げてからややあってこの場を後にするのだった。
それより少し前のこと、イサリビらが戦場を去って数刻後、件のGH調査艦が奇妙なMSの残骸を見かけ、そこの生命反応をキャッチし、ひとまずそれを回収したのだが。
 
次回・鉄血のオルフェンズDAWN
“クアールのガンダム”
「生きている限り路は開けてくる、決して立ち止まるんじゃねえぞ」
 
一応のキャラクター設定
春菜・ブロッサム:テイワズのメカニック見習いで、かつての整備長(故人)の最後の弟子となった。着艦したイサリビに応対したのをはじめ、鉄血隊のマーク修正をはじめいくらかの仕事を受け持った縁からイサリビ付きの派遣要員となる。

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ep23:宿命の二人<今更ながらビルドダイバーズレビュー>

リクたちビルドダイバーズ、キョウヤたちアヴァロンをはじめ有志連合との互いのメンツを建前に世界の命運をかけた戦いが始まった。
ロータスが手配したシャトルで強行突破をはかるリクたち。ロータスもまたリクの可能性を信じていたかはともかく、手薄な空中からの強襲により敵の砲撃をかいくぐりほとんどが不時着ながらも戦場にとりつき、防衛網を着実に叩いていく。
その様を見守るサラのもとにGMが姿を現す。あらためてサラの排除を最優先事項とするも、そこにキョウヤがGMの先走りをたしなめる。サラがバグの原因なのと同じくダイバーたちの想いも彼女を創ったのだとキョウヤも説き、あらためてサラに自分が成すべきことを問い、その上で自身も戦場に赴くのだが。
そのうち後方に控えた部隊も戻ってきてそれはユッキーのジェガンが対するがなんとサテライトキャノンを駆使して敵をなぎ払う。それでも敵の陣容は未だ強大。しかしユッキーの奮闘にタイガたちも奮起する。
一方リクたちはシャトル大破を偽装し城内の水路に潜入する。その偽装に一役買ったのがオトリ役を買って出たシャノワールのヒロ達だった。彼女たちの想いを込めて敵地の奥に突き進む。
アヤメたちのもとに今度はエミリアが大群を率いての増援を繰り出し、水路のモモにもカルナが待ち構え、そしてリクのもとにもいずれ強敵ぞろいの伏兵が立ちはだかるのだった。
さらにタイガたちにはロンメルとシャフリが立ちふさがる。タイガにとっても避けては通れない強敵との戦いの幕が上がろうとしていた。
改めてシャフリに対する真意をただす。あくまでゲーム内のことと割り切るもその言葉に檄しきれぬタイガもここは本気を出さざるを得ない。
一方のロンメルもマギーとの対戦にこぎつける。お互い守る者の相違ゆえの対戦というのだが。ともかく上位ランカーたちの対戦も熱を帯びてきた。
近接戦モードとトランザムでタイガを押し返すシャフリだが、新たなる奥義でタイガも押し戻す。ここにきてシャフリの真意が語られる、本気の彼らと戦わんために運営側に回ったのだ。その想いに区切りをつけんとするも、そこにキョウヤも現れ、彼らを抑えんとする。流石にチャンプの名は伊達ではなく、二人がかりでもやはり動じなかったか。
リクも敵の猛攻に抗するのがやっとに見えるが、ここまできて倒れるわけにはいかない。
それはコーイチやモモ、ユッキーらも同じことだった。
ベースにおいてナナも趨勢にやきもきしているところ、あのツカサが現れ、かつてのGBDのシステムを介してビルドデカールを組み込まんとする。そこに開発者もコンタクトを取りその状況を見守らんとした。かつて効率のみを追い求めたGBNに失望した彼も結果世界そのものを救う身となった。それもまた純粋にバトルに取り組むものとしての想いを込めて。
ともかくも本当の意味でのサラを救い出すミッションが開始される。それはまた世界をも救うことにつながるかはまだ分からないとしても。
そして大陸の一つの落着とともに、タイガ、シャフリを退けたキョウヤがリクに立ちはだかる。若い挑戦者とチャンプ、ひいては純粋な戦士同士が今こそ対峙するのだった。

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ep22:誓う心<今更ながらビルドダイバーズレビュー>

ELダイバー・サラを確保し、再び有志連合を結成してGBMを護ると宣言するキョウヤ。その事態にモモたちも何とか助けようとするも軽挙を慎むようアヤメにたしなめられる。
そこにコーイチが現れ、件のサラ救出の手を見出したと告げられる。
開発者とともに告げた方法とは、件のモデルドールととにサラのデータを移送し、サラがもたらしたバグの因子を除去するというものだった。そのために用いるのがビルドデカール、つまりはかのブレイクデカールを応用した、これもツカサが創ったものでもある。GBMならびにリクたちに因縁があるツカサをコーイチも何とか説き伏せんとしたが、ツカサもある程度は理解はできたみたいだったか。
こうして作戦の概要は整ったがいざ実行するにもその成功率は極めて低いのだ。サラを形成するプログラムは膨大でその再構成をする際世界に多大なる影響を及ぼし崩壊の危険性さえあり得るのだ。それでも、やるしかないとリクは返す。それが希望につながると信じて。
そこでキョウヤにメッセージを送るもロンメルとマスターはやはり懐疑的だった。やはり世界の存亡にかかわる分慎重にならざるを得ない。それを受けてかリクも一人で動き出す。これも若さがゆえか。そして城内のサラ、リクたちの思い出をたどりながら自分の運命、ひいては世界の運命に想いを致しているのか。そこにキョウヤが訪れ、あたらめてサラの気持ちを問うも、自分の消去をとの応えにキョウヤも納得はしておらずひとまず部屋を後にする。
そこにリクが現れ、一旦は守衛に阻まれるもエミリアが通すように言い渡すが。
ともかく対面の場を得たリクだったが。キョウヤが告げた言葉は、やはり作戦の成功率の低さとそのリスクだった。今後の進展次第というのもあるがそれも心もとなく、やはり世界がかかっているだけにその言葉はリクに重くのしかかる。加えて何かと風当たりが強いリクにあらためて覚悟を問う。それらを受けて帰り際のリクは、サラにあらためて呼び掛ける。一縷の希望さえあればとの思いを込めて。
モモたちの迎えの後、ネストではマギーが、シャノワールが、タイガが駆け付けてくれた。すべてはサラのため、リクのため、そしてもちろん世界のために。
彼らを交え、あらためて作戦会議を始める。件の修正パッチはきたるレイドバトルと併せてのことで、作戦結構はその時だという。もちろん運営側の妨害、もっともそちらは妨害排除のつもりだが、ともかくもその時に備えて準備を整えることで一致した。
こうしてリクたちの想いを込め、ビルドデカールとサラの器、そしてリクたちの機体の製作が進められ運命の日を迎える。作戦の成功率は相変わらず心もとないが、ここまで来たら後は進むのみ。
それは有志連合、キョウヤたちの前にリクが改めて作戦の実行を告げる。誰もがリクの作戦を疑う中、確かなる意志をもって、まずキョウヤたちアヴァロンに戦いを挑む。それをキョウヤも快諾し、こうして世界の命運をかけた第1戦が開始される。

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ep21:君の想い<今更ながらビルドダイバーズレビュー>

一連のバグ事件の原因としてGBN内で公開されたサラ。全体で騒然となる中、姿を消したサラのことが心配に思うリク、そしてサラもついていくモルに離れるよう言いつけつつ、どこへ行こうとするのか。
それから数日後、サラの居所は依然として知れず、心当たりの問い合わせにも埒もあかず、さらには迎えんとしたマッチングバトルにも出場できずじまいになった。それはある男も容認できるものではなかった。
サラへの思いが募る中、眠れぬ夜を過ごすリクたちも日を改めてサラを探さんと誓うのだが。一方運営側も対策の追われていてこちらも手こずっているがこれも時間の問題か。そんな中マスターが呼び出しを受け、そこには開発者が待ち構え、マスターの真意をただす。その中で開発者はサラを世界の進化の可能性を示す生命体として、一方マスターは単なるバグと見なしている。それらの思惑からのサラの処遇を巡り意見が平行線に至る。つまりは世界を取るか、一つの命を取るか。
一方でコーイチはある用のためダイブしなかった。開発者が発した“想い”の意味を求めるべくとある場所、その場所であのツカサにサラのために一つのことを持ち掛ける。
引き続きリクもサラを探していく中、自分を慕うモルとともに未だ身を隠し続けているサラのもと、キョウヤが姿を現し、彼女の存在意義をあえて問おうとする。
そしてリクのもと赤い機体が襲撃してきた。先の試合を戦い損ねたオーガだった。大方の事情はオーガにも理解しておりその上でのリクとのバトルを仕掛けたのだ。その上リクの実力のすべてがサラによるものとその際の不正をも疑い始めるが。それを本気で信じているかはともかく、リクもまた己の想いを否定されるわけにはいかない。
すべては打倒リクのために力を高めたオーガ。その実力で圧倒するもリクも意を決してトランザムを発動する。対するオーガも発動しあらためて今の真意をただしつつ立ち向かう。ここに互いの力と力がぶつかり合うのだった。
一方でキョウヤもサラを救う道を探りつつひとまずアヴァロンのネストに招くも、マスターもロンメルともに動き出し直ちにサラを引き渡すよう要求する。マスターはともかくロンメルとて世界を守るためあえて苦渋の決断をしたのだ。そしてサラも、それに応えてか自らの身を預けんとする。
そしてリクとオーガ、力尽きたかにみえたリクになおもオーガは立ちはだかり、最後のとどめとばかりにオーガの刃が振り下ろされる。リクのサラを想う心、それに呼応してダブルオーは再び動き出す。そして死力を尽くして最後の力をぶつけあう。
一応の引き分けに終わった勝負の中、キョウヤによって告げられた報せは、サラの拘束と、有志連合の再結成というものだった。これはロンメル、そしてマスターが持ち掛けた最後の譲歩でもある。
この絶望に近い報せにリクの叫びが響く。一方でコーイチがツカサに持ち掛けたのはリアルタイプのブレイクデカールと。とある人型のモデルだった。これが解決のカギということか。

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第二話:生きるということ(その3)<機動戦士ガンダム・クレイドルエンド>

さてみなさん、今回のクレイドルエンドは第二話のその3をお送りいたします。
第1話冒頭にて遭難し、南の島で雌伏していたキッカがいよいよ助け出されるエピソードをお送りいたします。今回の創作に際し、ジ・オリジンのEDからとあるエピソードが思いつき分にしました。それのイメージで読んでいただければとも思っております。それでは、ごゆっくり。
 
なお前回のストーリーはひとまずここに。
生きるということ
(その2)
それでは本編をば、あらためてごゆっくり。
 
 
ノックスがカルイザワのコバヤシ家を訪れ、今後成すことを確認してから一月後、今彼は南太平洋上の哨戒の任に当たっていた。先の作戦からテロリストの活動も下火になり。ノックス自身もきたる争乱の前触れと感じ、あらためて気を引き締めつつ任務に臨む。しかし自らに課した本来の目的についてこの任は絶好の機会でもあった。そして自分たちが乗る艦にはある人物も乗っていたのだ。キッカが率いたコバヤシ隊に所属していたクムだった。
あの襲撃事件からしばらく経ち、今クムはノックス隊のもとに身を寄せていた。はじめのうちは不安を禁じ得なかったが、キッカの腹心的な存在ということもあり当初より好意的に受け入れられていた。そんな彼女も進んでノックス隊の中に入ろうともした。それに対してキッカはまだ生きているとの想いも大きくなりつつあった。
そんなある日のこと、クムはライエルの立会いのもとノックスとの対面の場を得た。
対面においてまずノックスが話を切り出す。
「君もうすうす感じていると思うけれど、キッカは生きている。近々彼女を迎えようと思うが居所が分からない。そこで思いきって君の力を借りようと思い、こうして持ちかけるんだが」
「あの、それは・・・・・」
ノックスの言から、クム自身にもあの“力”を持っていると踏んで、それを頼りにキッカを探そうというのだ。
「もちろん、無理強いはできない。君の心のままに彼女を感じなければならないからね」
「はい、私も出来る限り、頑張って、いえ、とにかくやってみます」
「すまないな、今現状は穏やかだがそれもどう転ぶか分からない。できるだけ早く、頼みたいな」
ということで、生返事ながらもクムは応え、ぎこちない敬礼とともに部屋を後にする。ノックスとしても即答できる事柄ではないことは承知していてその応えを受け入れた。
「やっぱり、闇雲に想ってもらちは明かないからな。それでもあの力があれば、すぐに探すこともできるけれど。でも、どこにいるんですか、大佐・・・・・」
ガルダ通路の窓から、クムはただ空を仰ぐのみだった。
 
一方のあの南の島、キッカもそれなりの島の生活を満喫しつつ、何かを待っているかに見えた。
自分の使命(みたいなもの)は多少なりとも自覚はしており、その刻(とき)に備え、還るべき場所に還り、今度こそそれを果たす。それが今のキッカの成すべきことではなかったか。しかしどうやって還るのか。それが当面の問題だった。
「助けの来るのを待ってるのもいいけれど、そんな時間もないかもしれない。それなら今自分がここにいることを、伝えられるかな。
でも誰に、どこに。クムあたりに伝えられればいいのだけれど。
それもどうやって、やはりあの時のように“声”を伝えられれば。
でもそんな力、もう残っていないというのに。人は、そう便利になるわけは・・・って、あーっ、これあの時のセイラさんの言葉じゃないの!」
そのうちに思案をするのも面倒になり、カプセルにこもってひと眠りにつく。
その夢の中、水の中に自分がいて目の前にはある女性が姿を現す。その女性は優しい声をかけるのだった。
「あせっては、ダメよ。もうすぐ、迎えが来るから・・・・・」
キッカははっと目を覚ます。
「・・・聞こえた、でもこの“声”は、聞き覚えがないはずなのに、でもどこか懐かしい。あの黒い髪、少し黒い肌。そうだ、あの人の名前は・・・・・」
そう思いつつも、島の夜明け、暁の空に向かい、キッカはもう少し待ってみようと思った。
 
そして後日、クムがブリッジに上がり艦長席に座しているノックスに話しかける。
「あの、中佐」
「やあ、何か分かったかね」
ノックスも軽く応える。先の問いがあいまいなものなのでそう応えるしかなかった。
「はい、大佐がとある島に流れ着いて、そのまま生活をしているような感じがするのですが」
「それは、そこから、近いのか」
「はじめは、わずかですが、時を追って強く感じられます。これも曖昧ですが、およそ10時の方向に」
「10時の方向、ですか」
傍らのライエルも半ば賛同するように応える。
「はい、この辺りは島らしきものの確認はできておりませんが」
オペレーターが確認のため地勢図に目を通す。
「あれから20年だ、海域の地形も変わっているかもしれない。これも任務のうちだから行ってみる価値もある」
ノックスが足組みを外し姿勢を整える。何かを決断するときの仕草である。
「もし見つからなかったら次の手を考えるが、見つかったら君とライエルで調査してくれ」
「はい、ありがとうございます」と、クムも一礼する。
こうしてノックス隊のガルダは、10時の方向に転進する。そこにキッカがいるかもしれないと期待を込めて。
 
キッカが目覚めた時、海の向こうに何かの機影を視界に認めた。それは連邦のガルダだった。そういえば“彼女”が言った迎えが来たのかと思い、そのガルダに向かい、大きく両手を振る。
「中佐、“島”が確認されました。そこに誰かがいます。今モニターに出します、これは、キッカ大佐です!」
オペレーターも映像を操作し、もたらされた現在の状況を半ば興奮気味に告げる。ノックスも頷きつつ指示を出し、クムもライエルとともにドックへと向かう。
こうしてガルダは旋回の末海面に着水し、前面のハッチが開き、移送艇が発つ。そこにはたしかにクムが乗っていた。
キッカにとってようやくその時が来たのだ。永い雌伏の時から今解放されるのだ、島の暮らしはそれなり楽しかったが、自分がいるべき場所に、ようやく戻るのだ。
艇が海岸へとたどり着き、クムとライエルの姿を確認できた。喜びにあふれたクムはともかく、ライエルはいささか恥ずかし気だった。そういえば自分は下着姿に多少軍服の切れ端をまとうのみだったのだ。
そして次の瞬間、大いなる喜びとともにクムがキッカに抱きつく。
「お帰りなさい、大佐!」
「・・・ただいま、クム」
一瞬駆け付けたクムが“あの人”に重なったかに見えた。ともかく、キッカの休暇は、終わったのだ。
 
南の島から帰還し、新たなる部隊の司令官の辞令を受けるキッカ。
新たなる仲間たちとともに新たなる戦いへと向かう。
次回、機動戦士ガンダム・クレイドルエンド『継ぐものたち』
君は、生き延びた先に何を見るのか?

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ep20:真実<今更ながらビルドダイバーズレビュー>

先の大会を経て正式にフォースのメンバーとなったナミ。いずれは自分の機体を得るためにリクやコーイチらが協力することになるが、それに伴いナミがある提案をする。
一方運営側では一連の異変についてとある核心に迫ろうとしていた。
きたるマッチングバトルに先立ち、ネストの部屋の模様替えを持ち掛けるナミ。純粋な腕試しの前の気分転換をとアイテム入手のためのミッションに向かうことに。一方でGMはキョウヤに異変の元凶についての調査について対策を施すというのだが。
それをよそに、いろいろとミッションにチャレンジするリクたち。ネストのアクセサリ装備の充実もともかく楽しいひと時を過ごしていくリクたち。
その中でリクもきたるバトルで戦うべき好敵手とのバトルに期待を抱いていた。
そんな中とあるMSが現れ、モモやナミ、そしてサラたち、さらにはエミリアやローズ、先のアスロンに出場した者たちにも配されていた。そのガード機の調査の末、サラに対し異常を検知して捕えんとしたが、彼女から発した光とともに、ガード機が機能を停止し同時に各地で災害が発生する。更には件の鳥が姿を現しガード機を退け各地のバグを抑えたという。そしてその鳥はこのGBNの開発者だと名乗るのだが。
その開発者と名乗る鳥は、とある部屋へと導いていく。その開発者が言うには一連のバグの原因はやはりサラだという。サラはGBNにおいてデータの転送時に余剰データの蓄積から創られた電子の生命体で、ダイバーの想いに呼応して生まれたのだった。それがリクたちとともにいて成長し、それに伴ってバグの発生も呼び起こしたものだった。それが最も影響をしたのがあのデカール事件だった。あれを解決したかと思えば更なる脅威をもたらしたというのか。
このままでは世界のデータの容量オーバーによってGBNそのものが崩壊してしまう。それを防ぐためにはサラを消さなければならない。もちろんリクたちにとってそれは容認できるものではない。そしてサラ自身も自分がどんな存在なのかに疑問を抱いていて、それを伝えられなかった。
そんな彼女を救う術は今のところ見いだせないでいるが、開発者もリクたちに一縷の望みをかけてはいるが。その一方でGMとキョウヤも非情の対策を講じんとしていたのだ。
様々な思惑が流れる中、サラも自分の運命、ひいては世界の命運をについて思いを巡らせんとしていた。そしてリクたちもサラを救う術をつかみかねていた。そんな時にマギーがサラを見かけたとの知らせが。置き手紙を残しサラは一人去っていき、同じくGMもその行方を追っていくことに。はたして彼女はこのまま消えゆくのか。それとも。

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