ガンダム

第16話:天のいかづち<機動戦士ガンダム・鉄血のオルフェンズDAWN>

さてみなさん、今回のオルフェンズDAWNは、ラスタルとの会談を終え久しぶりの休暇を楽しむ暁たち、そこにある意味本当の宿敵ともいえる指宿が接近し自体は一触即発の事態に陥るかにみえるがという展開をお送りする運びとなっております。多はしてその顛末やいかにということで、それでは、ごゆっくり。
 
あと今までのストーリーもこの場を借りて紹介したいと思いますので、ご興味があればそれらもお目通し下さい。
 
第1話:暁に立つ
 
第2話:汚名
 
第3話:世界を知れ
 
第4話:アステロイドの猫
 
第5話:テイワズの息子
 
第6話:マクギリスの遺産
 
第7話:散る命、守る命
 
第8話:鉄血の志
 
第9話:クアールのガンダム
 
第10話:再び赤き星へ
 
第11話:出会いと再会と
 
第12話:復讐こそ我がのぞみ
 
第13話:明日への誓い
 
第14話:女神再臨
 
第15話:ラスタル・エリオン
 
以上をもとに今回のストーリーをお送りいたします。あらためてごゆっくり。
 
 
ラスタルとの会談を終え、オーストラリア、ネオシドニーへとついた鉄血隊。そこではジュニアらネオ・タービンズをはじめ、近隣の表裏あわせての各都市の実力者が顔を合わせて待ち構えてきた。彼らは鉄華団の悪名や勇名を前々から見知っていて、最近の鉄血隊の活躍、そして先日のラスタルとの会談を受け、今回の出迎えと相成ったのだ。
ちなみにかつて鉄華団に一時近付いた火星の企業団は大半がノブリスの息がかかった者たちで、彼の死後にロウ社とアトモス商会、そしてファクトリーが整理統合を行い、ノブリスの影響はひとまず払拭されたのだが。
それを踏まえてまず地球の表の企業団や裏と関わる各組織はGHと距離を置きつつ、かといって私益に走り過ぎずに近隣の発展と安定に心を砕いているとも告げて、あらためて鉄血隊にあいさつを交わす。
そして暁が応えるかのごとく彼らにあいさつを交わすと、代表たちは一斉それにならう。ことに三日月の悪名と勇名も彼らの知るところで、会談の件であらためて暁の勇名も否が応に高まったのだ。
ともかくも鉄血隊にとっても少し肩がこる祝宴交じりの会見を済ませ、後日久しぶりの自由時間を取ることに相成ったのだ。
お忍びでネオシドニー市街に繰り出した暁たち、それぞれショッピングや観光を楽しむことと相成った、しかし時折彼らが件のサムライなのかと噂する者もいて、おそらくアーブラウの一件を知ってか、大半が好意で囁いていることにはこれまた少し窮屈な感じを各々が受けていたのだが。
しばらく各々がしばらく歩き回っているうちに、何故か暁が独りきりで行動していた。暁自身観光にはあまり興味がなくショッピングといっても軽食を中心とした食べ歩きで済ませ、近くの公園のベンチで一休みをしていた。
そこに一人の青年が暁に近付く。
「そこ、空いてますか」と暁が座していたベンチの隣端に腰を下ろす。
「このネオシドニーは初めてですか」と青年は暁に問いかけ、暁もまた「ええ」と応える。暁としても青年にはそんなに嫌悪は感じないが、どこか引っ掛かる感もあった。
「俺、いや自分も任、仕事が忙しかったので、久しぶりの休暇を楽しんでいるんですが」
「それは何より、これからが忙しくなりますから、暁くん」
「やはりあんただね、たしか指宿って人」
そう、隣に座している人物こそ反乱軍のリーダー、指宿・カミーチェである。
「今までいろいろとやってたみたいだけど、今度は何の用」
と問いかける暁、手には銃どころかテーザーも持っていない、徒手空拳で渡り合おうにも、指宿自身はともかくどこかで護衛がひしめいているか分からず。やはり手を出せずじまいだ。
「いえ、僕も観光ですよ。たしかにこれから行うことについて、まず市街を襲うほど愚かではありません。僕らの目的はあくまでエリオン公の首ひとつですから」
「でも火星のハーフメタル鉱山はしっかり襲ったよね、あれで友だちの家族がいっぱい死んだんだ。それにドルドの件、フミタンさんの像がなければどれだけ被害が広がったか」
「実際僕らも大きくなりましたからね、僕もやりやすいようお邪魔になる人は早々に退場願ったのですが」
半ば不敵に応える指宿に苦い怒りで対する暁。しかし指宿のやけに落ち着いた態度に徐々にその怒りを鎮め、彼自身の深慮に暁自身も思いをいたす。
かつてマクギリスは己の情念とともに野望を進め、それがもとでラスタルに隙を突かれて敗れ去った。そんなマクギリスの失敗を学びつつ己の野心をはぐくみ計画を進めたのだろう。
「今日は君と出会えてよかったですよ、お父上なら有無を言わさずズドンといったところでしょう。ここは退散するとしましょう、もうすぐお友だちも駆けつけることでしょうし」
「そうだね、それじゃあ戦場なりでまた会おうか」
と、指宿がこの場を去る。ややあってラッシュや陽日らも駆けつける。
「大丈夫、兄貴」とラッシュが声を掛け、
「あらためての挑戦状ってところさ。俺一人じゃ彼にも敵わないからね」と暁も応える。
実は先日の会見で要人の一人に、反乱軍のリーダーが近々この街に現れるとライドに告げ、ライドも暁たちにそのリーダーの動向を探るべく自由時間がてらにそのリーダー指宿の動向を探るべく行動を起こしていたのだ。
実際ラッシュたちも指宿派のメンバーの監視を受け警戒をしていたが、ひとまず監視どまりということで、暁のセンサー~各々前もってヤマギたちに手渡された、異変が起きれば(この場合暁が一定時間一か所にとどまった)報せる機能を持っていた~が反応して駆けつけたのだ。
ともかくも反乱軍の動向を知ることができ、今後の対策をとタービンズ支部へと戻る。
 
一方で反乱軍も指宿の指令で宇宙各地のアリアンロッド艦隊に襲撃を仕掛ける。前もって艦隊の動向をさぐり、無人操作の砲艦を差し向け、搭載したダインスレイヴで甚大な被害を与える。
こうして着実にGHにダメージを与え続け一気に追い詰めんとしていた。
そういえばGH本部も人員が避難していたのはこのためだったとあらためて気が付いたが。
「奴らが着実にGHにダメージを与え続け、最後にはGHの中枢、ことにエリオン公の首を討ち取ろうとするのは間違いない」とライドが告げるが、
「気に入らないな」と暁が返し、
「先生やオジキらが言ってたように、ファリド公は本気で世界を変えようとするきらいがあった、最後エリオン公に倒されたけど、その代わりに改革は成ったんだ、もっともファリド公の考えとは違ったようだけど。いずれ指宿のやってることは単なるゲームだ。世界を弄ぶ、ひいては先生や母さんたちにも被害が及ぶかもしれないやり方が許せないな」
その言に誰もが賛同する。
「ともかく今は、奴らの動向をGHの対策と合わせて見守るしかない。エリオン公の矜持もあるだろうが、必要に応じて俺たちも動く時もある。その時が本当の勝負だ」
ライドが告げた言葉に一同が強く頷き、暁を中心に沈みゆく夕日に想いを馳せるのだった。
そして一連の襲撃事件を経て、艦隊の再編成をラスタルが命じ、それに合わせて指宿派もそれを追い、事態は急展開を告げるるかにみえた。
 
次回、機動戦士ガンダム・鉄血のオルフェンズDAWN
助けて、マッキー
マクギリス、これが貴様の遺産ならば、堂々と受けて立とうではないか。

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機動戦士ガンダム・水星の魔女、ですか続報

さてみなさん、ファン待望の『機動戦士ガンダム・水星の魔女』について、また一つ述べることになりました。それでは、ごゆっくり。
その水星の魔女、先の記事でヒロインがストーリー等世界観の鍵を握っていると述べましたが、なんとそのヒロインがメインを張るということで、それにかかわるキャラクターや世界観をいかに渡り合うかが期待してもいいところ。
そしてそのヒロインが駆るモビルスーツ、ガンダム・エアリアル
その機体が持つテクノロジーをして彼女を魔女と呼ぶならば、彼女を利用するもの、彼女と敵対するもの、そして彼女の力となるものが入り交じってのストーリーが分かり切ったことながらも予想され。否が応にも期待を持たずにはいられない。
ともかくも今後公開されるであろうプレストーリー等の関連情報にも期待を持ち、来秋の本編を待とうではありませんか。

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劇場版 ククルス・ドアンの島、ですか

さてみなさん、今でも色褪せぬガンダムシリーズの原点たるファーストガンダムから『ククルス・ドアンの島』が映画化される運びとなりました。
このお話はファーストの一エピソードをオリジンをベースにして再構成して製作されたもので、ジオンの脱走兵と彼がかくまった子供たちをくしくもアムロたちが守るといったストーリーでもあります。
古き良きガンダムの想いを今一度思い起こされる方から、新たな視点でガンダムの世界を楽しまれる方まで、足を運ばれるのもいいかもしれませんね。

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鉄血のオルフェンズ特別編、ですか

さてみなさん、今やガンダムシリーズの異色作として名高い『鉄血のオルフェンズ』が9本分の特別編として放映される運びとなりました。
太陽系内縁部にまで進出するも、世界の混乱が今も尾を引いている中、社会のどん底から這い上がりなお上げんとする少年たち“鉄華団”がかつての戦乱で猛威を振るったモビルスーツ“バルバトス”をひっさげて活躍するストーリーを今一度お送りしようとする運びということで。
三日月やオルガをはじめ敵味方の雄姿、そして鉄華団の栄枯盛衰をもう一度我々視聴者の胸に刻み込まれることでしょうが、それらが続編のオルフェンズG、そして編者が予想研究を行ったオルフェンズDAWNと合わせてごらんになればと淡い期待を抱いてキーを叩きましたが。

 

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PHASE1:戦乱は再び幕が上がる<機動戦士ガンダムSEED CRISIS>

さてみなさん、今回のホームページ更新は、今やもう一つのガンダムSEEDともいえる、機動戦士ガンダムSEED CRISISから、PHASE1:戦乱は再び幕が上がるをお送りいたします。
かつての戦乱から時が流れ、新たな主人公と新たなヒロインたるべき少女との対峙を通じて新たなる物語の幕開けとなるエピソードをお送りする運びです。
はたして大いなるSEED:命のものがたりの幕開けともいえる今回のエピソードからどのような展開となるか、それでは、ごゆっくり。
 
ちなみに指定ページの行き方は、ホームページから
ENTER>アニメ・テレビ番組・映画>機動戦士ガンダムSEED CRISIS>PHASE1~5
となっております。

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第15話:ラスタル・エリオン<機動戦士ガンダム・鉄血のオルフェンズDAWN>

さてみなさん、今回のオルフェンズDAWNは、かつての敵役にして、今や暁にとっては越えるべき存在でもあるギャラルホルン議長ラスタルとの対面を中心にお送りする運びです。はたして暁はこの最大の試練をいかに切り抜けるのか乞うご期待、といったところで、それでは、ごゆっくり。
 
あと今までのストーリーもこの場を借りて紹介したいと思いますので、ご興味があればそれらもお目通し下さい。
 
第1話:暁に立つ
 
第2話:汚名
 
第3話:世界を知れ
 
第4話:アステロイドの猫
 
第5話:テイワズの息子
 
第6話:マクギリスの遺産
 
第7話:散る命、守る命
 
第8話:鉄血の志
 
第9話:クアールのガンダム
 
第10話:再び赤き星へ
 
第11話:出会いと再会と
 
第12話:復讐こそ我がのぞみ
 
第13話:明日への誓い
 
第14話:女神再臨
 
以上をもとに今回のストーリーをお送りいたします。あらためてごゆっくり。
 
 
GH本部への途上、朝食がてら今後の対策を練ることとなった鉄血隊。
先の“事件”のことはもはや言うに及ばず、この先も更なる無理難題を吹っ掛けてくるかは容易に推測できる。かといってサンダルフォンの件は半ば預かり知らぬこととも理解はしているのだが。
そしてGH本部、人工島ヴィーンゴールヴにたどり着いた鉄血隊。降り立ってすかさずGH士官の一人が、GH本部にて今後の対策の協力のための会談をとある場所で行いたいという、ラスタルの意思を伝える。
その際に会談の要員をライド、暁、そして陽日を指名する。
ライドと暁はともかく、何故陽日なのかという問いに、やはり曽祖父の蒔苗老の縁だろうとライドは説明する。誰しも納得する中、陽日も多少の困惑交じりでひとまず承諾する。
ともかくGH本部、その上層部に向かうライドたち。かつてその本部とさらに中枢に乗り込んだ三日月のことを思い起こさんとする暁だが、エレベーターが上層にたどり着くや、ライドにならって回廊に足を踏み入れる。その際に案内役の士官は残り、会談の場であるセブンスターズの間に向かうよう告げる。
かくしてそのセブンスターズの間に入る一行、そこにはGH議長ラスタル・エリオンが一席に座していた。
 
一方で留守のラッシュたちは一応自由時間が与えられ、VGの施設は自由に使えるように取り付けているとは言われたものの、暁たちが心配なのか、とてもその気分ではなく、とりあえずは宿舎内での待機を続けていた。しかし何より気がかりなのは、あの指宿派がどう動くか、でもあるのだが。その一方で雪乃と春香、そしてクアールが物資の買い出しと称して密かにVGの動向をはかるべく施設内を回っていったのだが。
 
「よくぞ来た、鉄血隊の諸君。まずは向かいの席にかけるがいい」
戻ってセブンスターズの間、ラスタルが向かいの席に座るよう告げ、ライドたちもそれに倣う。はじめラスタルは陽日に向かい、
「まず蒔苗嬢には老の縁もあり、これからの彼らの、そして我らの行いを見極めたく思い、こうして招いたものだが」
「畏れ入ります、ですが今の私は鉄血隊の隊士としてこの場に参りましたこと、お見知り置きをお願いしますが」
と、陽日とラスタルの挨拶についで、
「ところで、こうしてお目にかけられるとは光栄だな、暁・ミクスタ・オーガス。ちなみに今座っている席は、彼のマクギリスが座していた席でもある」
と、暁にも声を掛ける。こうしてラスタルと鉄血隊との会談が開かれることとなった。
はじめラスタルは鉄血隊の目的、かつての鉄火団の名誉回復についてはすでになされたも同然と告げる。それは今後彼ら鉄血隊の行動次第で彼らの勇名も自然と高まると付け加えたりもしたのだが。
それについてはライドをはじめ暁、陽日もそれを承諾する。あらためて暁に話が向けられ、中でも三日月の悪名とともに勇名も話が持ち上がる。それを踏まえて自分との対峙をほのめかし、そのうち暁に銃口を向ける。
それにはライドも反応し、ことに陽日も席を立たんとするも「大丈夫だよ、陽日」と暁がたしなめる。
ラスタルが本気で自分を撃たないと踏んだことについて、まず今やGHのトップたるラスタル自身が上座の席ではなく脇の席に座したこと~そもそもその席がエリオン家の席でもあるが。この部屋がGHにとって神聖な場所であり、自分の血で穢すことはないだろうと応える。
そして「俺も母さんや先生の教えを受けたつもりだけど、父さんより扱いやすいとは限りませんよ」とも告げる。
その明快なる応えにラスタルも快い笑いとともに銃を収める。
その上でラスタルはあらためて問いかける。
「先に告げたが、かつての鉄火団、そしてお前たち鉄血隊が、単なるチンピラで終わるか、時代を築く志士となるか、今後の活躍にかかっている。我らGHを利用するもよし、己の力で切り拓くもよし、いずれにしてもそれだけを成すことは、お前にできるか暁よ」
「やってみます」と、ラスタルの問いに強い意志で応える。
こうしてひとまずの会談を終え、鉄血隊は反乱軍との対峙を任され、その際にGHの可能な限りの協力も取り付ける。ライドたちの退出にあたりラスタルは、GHにおけるMSの動力たるエイハブ・リアクターの自前での製造について、その施設をひとまず利用しているに過ぎないと告げる。
「ご忠告感謝する。これからも我ら鉄血隊の活躍を照覧あれ」
と鉄血隊一同が部屋を退出する。それを見届けた後に天を仰ぎつつ呼び掛けるように告げる。
「こういうこととあいなった。今一度世界の命運をかける戦い、お前も戦い抜けるか指宿よ」
それは、前もって仕掛けられた小型の盗聴器を察知しながらも、鉄血隊との会談を利用してのラスタルの挑戦状でもあった。
鉄血隊の宿舎にてまず雪乃たちが戻ってきて、施設のいくらかが閉鎖されていて、GHの兵士も動きが慌ただしいと報告する。後はライドたちが戻っての相談だとヤマギが返し、一抹の心配とともにライドたちを待つも、ややあってライドたちが戻ってきた。
ラッシュが暁に会談の帰趨を問うも、自分はなんとか切り抜けられたと応えたとともに、わざとらしくラッシュの頭を抱え込み「これから大変なことが起きるんだ、それだけは覚悟してもらおうか」
その呼び掛けにラッシュも圧倒されつつも「わ、わかったよ、兄貴」と応える。
続いて会談の詳細をライドに求め、そのライドも今すぐVGを発ち、自分たちなりに指宿たちの動向を迎え討つと告げる。
GHには遠く及ばないとはいえ指宿派の戦力も侮れないところもあり、それと直接対するのもまた、ある程度無理難題でもある。
「でも、あのMAよりは幾分楽に・・・・・」とラッシュが応えんとするも。陽日の厳しげな表情にある程度の状況の厳しさまでも理解したきらいがあった。それを察してかライドも先のラスタルの忠告を告げる。
「もし指宿がリアクター施設を求めるなら、たしかに軍事的に優位に立てるかもしれない。だが・・・・・」
なぜかこれ以上は言を止める。しかしラッシュなりに踏ん切りをつかせるのには十分だった。
「いずれにしても今後のことを踏まえてオーストラリアに行こう。そこでジュニアと落ち合うことになっているんだ」
ということで、鉄血隊はかつての厄災戦の被害を受け、今は巨大な港湾都市となってい、テイワズの支部も構えているオーストラリアへと向かう。
後の輸送船の甲板で、ふと暁は風を受けつつあらためて遠い日の誓いをあらためて思い起こす。
「この空の下で俺の手はちっぽけだけど、父さんや団長が目指した未来、この手で今度こそ掴むんだ、俺なりにね」
その誓いをラッシュが、そして陽日が見守っていて、そんな二人に暁も振り返りざまに昼食にしようと呼び掛け船内に戻るのだった。
 
次回 機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズDAWN
天のいかずち
俺たちの戦いは決して無駄じゃなかったってわけだね、オルガ、それに暁。

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アルセス・リターンズ(その2)<機動戦士ガンダム・クレイドルエンド>

さてみなさん、今回のクレイドルエンドは、アルセスの再始動に伴いかつての英雄マツナガが訪れ、新たなる力となるいきさつと、キッカの部隊内での新たなるつながりが結ばれたいきさつと合わせてお送りたく思います。それでは、ごゆっくり。
 
ちなみに前回のストーリーはひとまずここに。
第12話:アルセス・リターンズ
その1
それでは本編をば、あらためてごゆっくり。
 
 
その日、アルカディアの“CLUB EDEN”に初老の男が訪れた。
あれからアルセス一党はキッカたちの特務隊をはじめ、各組織の動向を見守りつつ、自身もきたる戦いに備え英気を養っていた。そこにその初老の男、シン=マツナガが訪れたのだった。
はじめマツナガが厳かに敬礼をすると、それに応え、アルセスとジョアンが、ややぎこちないながらもリッドたちが敬礼で返す。
「ランバ=ラルの息子、アルセス=ハモン=ラルです」
「シン=マツナガです」
互いの自己紹介の後に、少し整ったテーブルに腰を下ろす。そして腰を下ろすなり、マツナガが向かいのアルセスに向かい話を切りだす。
「何を話すべきか、まずは単刀直入に申し上げるが、小官も貴君らのお仲間に加わりたい」
リッドたちの軽いどよめきの後、アルセスが返答する。
「それはありがたい事、一年戦争以来の英雄の一人であるマツナガ大尉のお力を借りられることは望外の喜び、自分としても名誉なことでもありますが」
マツナガとしてもアルセスをはじめジョアンたちも緊張の面持ちで自分を見ていることに気が付き表情を幾分か和らげる。
「うむ、そう固くなることもありますまい。たしかにこれからの使命やらは易からぬこともありますが」
「ええ、そうですね」
マツナガの言にアルセスも幾分緊張を解きほぐし手応える。
「ところで我らの目的について、まずミネバ様とアルテイシア様の会談の実現は小官としても望むところ。それを阻む輩についての動向を探るべきなのだが」
「アルテイシア様か、祖父の代、ザビ家とは政敵同士だったが、そもそもはダイクンのもとスペースノイド、ひいては人類の生きるべき路を求めんとした同志。自分もその末裔として何をすべきか、ドズル中将、ひいてはミネバ様ゆかりのマツナガ殿の力添えはあらためて有難い」
「なれば我らも微力ながら行動を起こすべきですか。しかしアルセス殿、貴殿も今一つ策を講じていようかな」
アルセスの表情に不敵さが戻る。
「もちろん、一人心当たりが、それはかのトリントンゆかりの者といえばお判りいただけるが」
「やはり彼女か」
マツナガも得心する。
「自分としても味方は多いに越したことはない。もちろん信頼に値するかは別の話だが」
「できうる限り行動を起こしたほうがいい、来るべき時にそなえてですかな」
「まあ、そんなところでしょう」
そんなこんなで話はまとまり、マツナガもひとまずアルセス一党の食客として世話になることになった。
(さて、アルセス一党の件に関してひと段落はついたが、これでよろしいかな、ウラキ少尉・・・・・)
心の中でマツナガは独語し、軽く天井を見上げるのだった。
 
北米大陸のとあるダイナーにて、一人の男が食事を済ませてのコーヒーを傾けんとしているところ、若い一人の男が訪ねてきた。
「やあ、久しいなタクヤ君」
その男コウが、ミネバのエージェントの一人たる若い男タクヤに背中越しで応える。そのタクヤはそのまま隣の席に腰を下ろし、話を切りだす。
「今回のマツナガ氏の件は、これでよろしかったでしょうか」
つまりマツナガにアルセスとの接触を持ち掛けたのは実はコウだったのだ。
「たしかにアルセス氏も一度ならずキッカ大佐に敵対したが、彼としてもそう彼女たち、ひいては連邦に敵意を持っているわけではなさそうだからね、これは今の体制の連邦にも言えるだろう」
コウはコーヒーを一口すすり続ける。
「俺もいろいろあったけど、最終的に旧ジオンが落ち着いければ一つの時代に決着が付くんだ。そのためのミネバ様とセイラさんの接触は好ましい。俺としてもできうる限りの布石は打てたと思っている」
コウとしても面と向かってではないが、ダイクンの娘、キャスバルの妹やら、財団の総裁としてよりも、連邦の元軍人たるセイラの方が親しみがあったのだ。
「やはり、そんなところでしょうか」
半ば肩をすくめるタクヤの席にもマスターのおごりということでコーヒーが出された。
「まあ、マツナガ氏としても踏み出すきっかけが欲しい所だったから、少々お節介を焼いたけどが」
「あとはうまくいくか、といったところですか」
「まあ、うまくいくだろう。さて・・・・・」
再びコウは席を立つ。
「中米あたりで何やら不穏な動きがある、そこを鎮めればいくらかは彼女も楽になるだろう」
「はい、ご武運を・・・・・」
タクヤの言葉を背に、コウはダイナーを後にしつつ、空を仰ぎ独語する。
「とはいえ、今回の件一人では少しきついな。そういえばミウは、キッカ大佐のところでうまくやってるかな」
 
「・・・ところでどうしました、ミウさん」
TWの食堂室で何やら物思いにふけるミウに、向かいのアレンが話しかける。
「ああ、アレン少尉、ふと父のことを思い出しまして」
「うん、たしかウラキ元少尉ですね。大佐から聞きましたが、確か傭兵として活躍しているとか」
「はい、最近ミネバ様のもとに、身を寄せているとか」
「結構複雑な身の上だとは思いますが、僕もできうる限り力になりますから」
暗く沈みがちなミウの表情もアレンとの会話で次第に好転した感もあった。
「ありがとうございます、今はお気持ちだけで十分ですが」
ミウもゆっくり席を外す。それを見届け、ややあってアレンも自室へと戻っていく。
しかしそれぞれ二人が部屋に向かう途上、傍らで見届けた者たちがいたのだ。

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ガンダムUC・ENGAGE、ですか

さてみなさん、来年度のガンダムについて先に水星の魔女なるアニメ作品が放映されると述べましたが、もう一つ、スマホアプリで稼働する運びとなったUC・ENGAGEについても述べたいと思います。
この作品はファーストからUC、そして宇宙世紀2世紀の物語にも連なる一大叙事詩といったところでしょうか。
主人公はかつてはジオンのパイロットとして、後にアナハイムのテストパイロットとして活躍する女性兵だということで。一年戦争ではザクレロに登場するというある意味マニアックな下りから、彼女自身のガンダムであるエンゲージガンダムなるMSで次代を駆けめぐるといったところか。
はたして彼女が時代ごとの主人公たちにどう関わるかもまた一つの期待を込めるべきではないかとは思うけれど。これも長い目で見守っていきたいとは思う。

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第12話:アルセス・リターンズ(その1)<機動戦士ガンダム・クレイドルエンド>

さてみなさん、今回のクレイドルエンドは、ひとまずはキッカたちの敵対勢力となっているアルセス一党とその周囲の人たちのお話をお送りする運びです。キッカたち同様にアルセスたちも時代の帰趨とともに、新たなる時代を築かんと奔走してくことをあらためて述べるとともに、彼らのさらなる活躍も期待できるストーリーをここに記す予定です。それでは、ごゆっくり。
 
ちなみに前回までのストーリーはひとまずここに(都合により一部割愛)。
イントロダクション
第1話:ホワイトベース最後の勇者(その1)
第2話:生きるということ(その1)
第3話:継ぐものたち(その1)
第4話:月で待つもの(その1)
第5話:ガンダム、行きます!(その1)
第6話:忘れられた地で(その1)
第7話:古き友来たる(その1)
第8話:老兵は語らず
(その1)
(その2)
(その3)
第9話:リッド奮戦
(その1)
(その2)
(その3)
第10話:宿敵の刃
(その1)
(その2)
(その3)
第11話:望まれし子
(その1)
(その2)
(その3)
それでは本編をば、あらためてごゆっくり。
 
 
とあるバーにてリンダは一人の恰幅の良い男との対面に臨んでいた。お互い初めての対面だったが、全くの他人というわけではなく、言ってしまえばリンダとその男アルベルトとは、かのサイアム=ビストが関係していたのだ。
 
まずリンダの曾祖母のシャーラは先の“事件”にて兄サイアムが残した報酬と死亡時の補償金を得た上で、母親とともにアンダルシアに移り住み、其処でささやかながら職を得て細々と暮らすことになる。
その際兄が遺した“汚い金”は手をつけず、かといって放棄することもできずに、まず借りた家の片隅に、後にある程度の貯えを元手に購入した郊外の家の地下室に厳重に保管することとなる。
こうして新たな生活を送ることとなったシャーラ、しかし母親はその後の病状が芳しくなく、残念ながらほどなく亡くなってしまう。その後も細々と暮らし、よき夫と結ばれ一女をもうけ、UC50年にその生涯を終える。
その娘のイレーヌはやはり母シャーラとともにつつましく暮らしていたが、成人して間もなくUC元年の“事件”に関する多くの事柄を知りつつ心にとどめ、やがて激動の70年代を迎える。
ドン・テアボロの災難を経てその後の艱難辛苦を難なく切り抜ける。その陰で自身の遠い親戚と名乗る連邦軍人~後にビスト財団のカーディアスと名乗る~の男のひそかな援助を受けつつ。彼女もやはり一女をもうけ、UC80年にこの世を去る。
そしてリンダとその母マイアの代になる。しかし両親のマイア夫妻は彼女が幼い頃に事故で他界。その後も財団の密かな援助を受けつつ。リンダは自身の宿命にも薄々感じ、ついに曾祖母からの戒めを破り、家の裏の“汚い金”に手を付ける。これで民間に払い下げたMS及び裏ルートで手に入れた武装一式をそろえ、自身のMS“アッガイカスタム”を手に入れるに至り、以降傭兵として各地を転々とする。
そんな中かのラプラス事変の、いわゆるトリントンの惨劇にて自身も旧ジオン側に立って戦おうとするもにべのなく断られる。それ自体は承知の上だったが、先に知り合った友人、ひいては妹同様に付き合っていたロニを失ったことが彼女にとっては衝撃だった。
それ以降傭兵稼業に身を引き、各地を転々としていたが、東京の争乱を受けてその当事者の不良たち、ことにセシルという少女にかつての友人ロニを重ねてか、その取り巻きもろとも自分の仲間に加え現在に至り、今遠縁のアルベルトとの対面を果たす。
 
「それで、界隈のテロリスト、というより今やチンピラたちを何とかしろというのかい」
今回の会合について、まず依頼されるだろう要件をリンダが推して述べる。
「そういう、ところだな。もちろんただでとは言わない。それなりに報酬も用意している」
やけに愛想がいいアルベルトにリンダも軽いため息交じりに応える。
「たしかにひい婆さんからの縁もある。あまり面倒なことは御免こうむりたいけど、あたしとしてもいろいろと面倒ごとに巻き込まれちまったからね。ここらで一気に片付けたいのも正直なところさ」
結局は快諾の意を伝え、アルベルトも安堵の表情を浮かべる。
「うむ、ありがたい。これからの行動について必要な装備等に関しては遠慮なく言ってもらいたい」
そう告げた後、傍らのガエルが手に持った端末を差し出す。それをリンダは傍らのセシルに手渡す。セシルも端末に記載されたMSの機体にひと通り目を通し、しばらくの熟考の末にあるページを差した端末をリンダに、そしてアルベルトに返す。
それは第一次ネオジオン抗争以降起動された水陸両用MSのカプールだった。
「うむ、カプールか、もう少し性能がいい機体もあるが」
アルベルトの言に対し、リンダに促されてセシルが応える。
「え、はい、この機体が小回りが利きそうなので」
「・・・分かった、すぐにとはいかないが直ちに手配しよう」
というわけで、セシルのカプールをはじめ、他のメンバーには量産機ながらも高性能の“ガズ”なる機体の提供を取り付けて、アルベルトたちがバーを後にする。
 
「・・・まず感じのいい人でしたね」
残ったリンダとセシルがアルベルトの人となりについて話し合う。
「そうさねえ、はじめはどこか陰気っぽい奴と思ったけど、彼も彼なりに困難な目に遭ったってところだね」
リンダとしてもラプラス事変についてはトリントンの件もあって推して知り得た事項でもあったが。
「今の連邦も腐っているのは分かるし、あたしもあたしなりに糺そうと思ったんだ。それでカークスたちと付き合ってたんだ。でも」
「姐さん」
気遣うセシルにリンダはため息交じりで続ける。
「あの時の決起であたしは関係ないと言って外されて、本当はロニも外したかったけど、そこにどこかからあのデカブツを寄越されて、結果あの娘をバケモノにしちまったんだ」
「・・・はい」
「結局力押しじゃ世界も時代も動かないからね。かといって身を引いてたんじゃやはり埒が明かない。だからこの機会を利用してね・・・・・」
そのためにセシルたちを引き入れ、遠縁のアルベルトのビスト財団の協力話にも乗ったのだ。
「ええ、私でよかったらこれからじっくりと」
「ありがとうね。でももう一人、手を組みたい奴がいるんだ」
「それって、どういう人ですか」
いきなりとは思いつつも、セシルは問いかける。
「そうさね、正確には二人いるけれど、一人は古い英雄さんで、もう一人は別の英雄の息子さ、いずれもジオンに関わりのあるんだ」
その言葉にセシルも目を輝かせる。ジオン関連の言葉に反応したわけではないのはもちろんだが、リンダが言葉を弾ませていたのをセシルも胸を躍らさずにはいられなかったのだ。
ともかくもリンダ一党もその連中との交渉に臨むべくまた歩み出すのだった。
しかしその連中、まずアルセス一党は、もう一つの古い英雄、シン=マツナガとの交渉に臨まんとしていたのだ。

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第11話:望まれし子(その3)<機動戦士ガンダム・クレイドルエンド>

さてみなさん、今回のクレイドルエンドは、セイラとの会談の際にもう一人の人物についての近況を知ることとなったキッカと、ふとしたことから再会したクムとミネバとの交流、そして今後の物語に関わるであろうカガチ少年の誓いをお送りいたします。それでは、ごゆっくり。
 
ちなみに前回のストーリーはひとまずここに。
第11話:望まれし子
その2
それでは本編をば、あらためてごゆっくり。
 
 
「それから、あなたにはもう一つ聞いてほしいことがあるわ」
セイラは今一つの事柄について語り出す。
「やはり、アルセスのことですか」
キッカの応えにセイラも重く静かにうなずく。
「それなら、ランバ=ラルのことも知っているわね」
「はい、あの戦いは本当に苦しいものでした」
「でも、その前のことは知らないから。今こそ話しましょう」
実際キッカもあの襲撃戦のこと以外は知らなかった。そういえばラルが自決したまえにセイラが何やらを呼び掛けたことはおぼろげながらも知っていたが。
「そもそもラルは父ジオン、後のデギン公王と同じ、旧サイド3のムンゾ独立に力を尽くしたジンバ=ラルの息子として、幼い頃の私とキャスバルも世話になったの。
後に私たちがムンゾを離れ、息子のランバはミネバの父ドズルのとりなしで後のジオン軍に身を置いてそこで頭角を現したけれど。ギレンやキシリアに疎まれたか、地球に飛ばされてあの戦いに至ったわけよ」
それでラルがセイラを真にあたりにして、あの事態に陥ったというか。との想いがキッカの頭をよぎる。
「でも、アルセスが言ったように、戦場で仇を求めるのは、ラルにとっても本意ではなかったはず」
そもそもラルの襲撃はガルマ=ザビの敵討ちを名目にしていたものとキッカも承知していたが。これもまたギレンやキシリアの思惑があったことだろうが。しかしいずれにしても、
「ええ、たしかにリュウをはじめ多くの人たちの死は彼に責任があったけれど、彼の死に関しては私自身にあるわ。だからこそ彼とハモンの間の子、アルセスのことを知って、まず彼を探してからいろいろと援助をしようとしたけれど・・・・・」
一旦言葉を切り、紅茶を口に含んで一息入れる。
「まず断られたので遠くから見守って今に至ったわけなのよ」
「そして今私たちと対峙しているということですか。たしかに武人の意地やら歴史のけじめやらといろいろと理由がありますが」
「いずれにしても、あなたとの対立はもはや意味がないのは彼自身も分かっていることだから」
その言葉にキッカも深くうなずく。
「分かりました、私としてもできうる限り」
「ごめんなさいね、いざという時は覚悟しているけれど。やはりどこか踏ん切りがつかなくて」
事実このようなセイラを見たくはなかったという想いもある。キッカにとってははじめ近付き難かったが、今となってこうして顔を合わせられるのは自分は大人になってか、さておきセイラの願いもできうる限り聞き入れてみようと心に誓うキッカだったが。
「いずれにしても、悪いようには致しません」
キッカにとっては精一杯の返事だった。それには傍らのアレンも深くうなずいた。
(それにしても、クムの方は大丈夫かしら)
心の中でキッカも独語する。
 
裏庭から少し離れた少し広めの池では、ミコットの警備のもとクムとオードリー、ミネバとが木造の桟橋に腰を下ろして佇んでいた。
「こうして二人きり、あの時はシンタもいましたね、ともあれ本当に久しぶりです」
ミネバの言にクムも何かを思い出したような表情で応える。
「やっぱりあの時は本物だったわね」
それは第一次抗争にてミネバが影武者と入れ替わったことを指していて、おそらくグレミーの反乱から旗色が悪くなってのことだろう。ちなみに影武者の彼女はしばらく連邦の施設に逗留の後、セイラのとりなしで今グラナダの財団支部で働いているのだった。
「私の方も、今面と向かって話せる状況ではないことは変わりはないのですが」
「やっぱり、アルセスたち、いえ他の“連中”の仕業かしら」
クムの問いにミネバも重い口で応える。
「この際だから話しますが、自治権を失ったとはいえ、共和国の高官も連邦に取り入っていろいろ便宜を図っています。それ自体は統治の手段として間違ってはいないのですが。ことコロニーの民衆としては・・・・・」
「・・・やはり安寧が保証されればね」
「そうですね、その意味でも私自身の足かせとなっています。だからこそこうして再び自らを偽って様子をうかがっています。これはあなたに殴られても仕方がないことですが」
「まさか、ウォンさんじゃあるまいし。でもことがこれからの事態にもかかわるから」
ちなみにクム自身ジャブローの一件は知らなかった。
「いずれにしても大佐ともこれから相談をするから、そう長くは待てないけど」
「ええ、ありがとう」
ミネバとクムがゆっくりと固い握手を交わし、再会を約束する。
 
「というわけで、ミネバ=ザビの方も今一つ都合を合わせなければならず、そのための障害を取り除くことを約束しました。それについても、大佐の承認を」
「ええ、分かってるわ、こちらもセイラさんの承諾を取り付けたわ」
会談の後にミネバがこの場を離れた後、クムの報告をキッカが受けた。キッカの方もクムの会話を逐一伝えられたうえでのことでもあった。ともかくも双方の大まかな調整は組まれ、あとはそのお膳立てを整えねばならない。
「それでは、私たちは次の任務に赴きます、セイラさんも気を付けて」
「ええ、あなたの方も余りむちゃはしないでね」
キッカとセイラが厳かな握手をかわしつつ、一行は“望まれし子の家”を後にする。
それを見送った後、ややあってセイラが、続いて他の子供たちが家に戻る。
しかし残ったのはリュキア、そしてカガチの二人だった。
「・・・行っちゃったね」
「うん、行ってしまったね」
「アルテイシア先生とキッカ大佐、そしてミネバ様が新たな時代の礎を築いていくのを同じく、私たちもその次の時代を築いていくのね」
「そうだ、いずれ僕たちの時代が来る。その時がよりマシな時代になるために、そして僕らもさらによい次代を創るんだ」
いつしかカガチの手がリュキアに伸びる。はじめリュキアも戸惑ったが、この時のカガチの純粋な心を感じて、その手を軽くつかむ。
「とにかく、これからが大変だろうけれど、どんなことがあっても、僕は、君を守るよ」
「・・・うん」
リュキアにとっても、カガチのその言葉は自身の胸に刻まれた。そしてこのカガチの誓いもまた、本当の意味で形となるのは、それから、半世紀の後になるのだったが。
ともかくも、二人手をつないで家に戻るのだった。
 
新たなる時代の扉を開くのに一つの戦いを経なければならない。
それは彼女たちと対するあの男も感じ入っていた。そして彼のもとにも大いなる力が集っていくのだった。
次回 機動戦士ガンダム・クレイドルエンド
『アルセス・リターンズ』
君は、生き延びた先に何を見るのか。

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