ドラえもん

映画ドラえもん・のび太と空の理想郷(ユートピア)、ですか

さてみなさん、来る3月に劇場版ドラえもん『のび太と空の理想郷(ユートピア)』が公開される運びとなりました。
その予告映像も紹介され、小型の飛行機で空を自由の飛ぼうとするのび太くんたち、そこから広がる大空に浮かぶ陸地が、これから繰り広げられる冒険への期待を否が応にも高まることでしょう。はたしてその冒険の先にあるものとはいかに、といったところであとは来年の春まで待つことにいたしましょう。

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ドラえもんとゆかいな仲間たち:自分会議<本当は怖いドラえもん>

今回取り上げたいのは、藤子F先生の短編の一つ『自分会議』について、ひとまずドラえもんの2エピソードを織り交ぜてのべることにしましょう。当記事は先の記事をもう少し詳しく記したことをここに記しておきます。さておきまずはこのお話をば。

『ドラえもんだらけ』
ある日のび太くんの宿題の代行を頼まれたドラえもんは、2時間ごとの自分に手伝わせることにする。
ところがその自分たちは何故かボロボロな姿。それは宿題を済ませた後で、後の自分たちにとっちめられた自分の姿だったのだ。しかも時間を追うごとに寝不足で追い詰められつつ、先の自分に引っ張り続けられるはめになったそうな。

『ぼくを止めるのび太』
ある日前から買いたかったプラモデルを買うつもりが、食べたかったカップ麺を買ってしまい後悔したところ、過去に戻ってプラモを買うように説得せんとする。
ところがさらに先の自分がカップ麺を買うよう説得し、そこで口論からの大げんかにもつれ込む。
結局その後のボロボロの自分たちの説得でけんかも収まり、事態の収拾の末、何故かカップ麺のプラモを作ることになったそうな。

まず『ドラえもんだらけ』のエピソードは、ドラえもんに降りかかった問題とそれを解決しようとした結果。どうしてその結果になったのかを描いたものだった。
続いての『ぼくを止めるのび太』はその当時発売されたカップ麺の話題を上げつつ、先のドラえもんだらけのお話のオマージュを込めて、さらに複雑なタイムパラドックスを描いたつもりでお話を組んだものだけれど。たしかに前者よりも後者の方が良くてひねりを利かせ、悪くて話がこんがらがってしまった感さえもある。

さておき本編の『自分会議』では、幼い頃の悪夢を頼りに借りたアパートで、相続した山林をめぐって未来の自分たちが訪れその扱いを話し合うも結局紛糾してしまう。
そこにたまたま連れてこられた過去の自分が、未来の自分たちの姿に絶望してアパートの窓から身を投げ部屋は誰もいなくなってしまったそうな。

これもいろんな時代の自分の言い争いから子供時代の時分の身投げの後でのパラドックスによる自己喪失でのオチ。
これを深く読めば当初の青年の記憶について、たとえ子供の認識の変化がわずかな歴史の改変がなされたとしても、結局青年の記憶に帰結してしまうのではないか。そこでこういったお話のアレンジが自分勝手ながらも、
「身を投げた子供時代の自分が気が付いたら、自分の家で倒れていて、起こそうとした母親に泣きつきつつ。後にあれが自分の姿だと認め、青年時代に至って、時代に流されないように自分自身の意思で生きていこうと決心するのだった」といったオチも考えられる

つまりは子供の件で青年の記憶が活かされ、「いいかげんな」未来の自分が消滅して、残された青年がより良い自分にならんとするか否かが物語における今後の課題といったところか。

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なくて七クセ悪いクセ~物の投げ捨てに気を付けて<本当は怖いドラえもん>

ドラえもんのお話の中では時おりママあたりが『地球製造法(コミックス5巻)』然り『温泉ロープ(22巻)』然りと、のび太くんの部屋のものを窓から投げ捨てるくだりがある。一見「それは乱暴な」という方もおられるだろうが、いっつも部屋の中を散らかしっぱなしなのにママも辟易してのことだから、無理もないという意見もあるにはある。
これもいわゆるズッコケオチにいたるハプニングの一環でもあるけれど、今の情勢ならいざ知らず、当時としてはギャグマンガのシチュエーションととらえても差し支えはない、かもしれない。たとえば『ムシャクシャカーッとしたら(44巻)』のお話にてその“ムシャクシャタイマー”の道具の効能を試すため、机のイスを窓ガラスごとぶん投げるのがまさにそれである。
とはいえ実際窓からの投げ捨てはいろいろな被害をこうむることは述べるまでもなく、『季節カンヅメ(44巻)』のお話はいろんな季節のかんづめを投げ捨てた結果、お隣の庭がいろんな季節でパニックになったり、『すなおなロボットがほし~い(大全集9巻)』のお話では、何気なく投げ捨てたオモチャが交通事故を引き起こした。こればかりは昔も今も大ごとである。
あと少しパターンを変えながらも『オールシーズンバッジ(16巻)』のお話にてはひと通り季節のレジャーを楽しんだ後で、タケコプターで家に帰ろうとした時に、わざわざポケットから予備のバッジがいくらかこぼれ落ちて落ちた辺りが異常気象さながらにいろんな季節に変化してしまった。これもいささか強引ながらもズッコケオチとしては有効だったなと今となっては言えるけれど。
そんなこんなで、こういう一見乱暴なシチュエーションも先に述べたとおりに純粋なギャグと受け止めてもいいのかもしれない。たしかにのび太くんには最後災難でもあるのだが。

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ザ・ドラえもんズオリジナル・怪盗ドラパン編:セリーヌと産業革命(その1)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは、怪盗ドラパン・セリーヌと産業革命の第1回目をお送りいたします。
フランス革命から時が流れた頃、イギリスの産業革命のあおりを受け。セリーヌたちも騒動に巻き込まれる様をお送りする運びで。今回はそのさわりをお送りすることとなります。まずはセリーヌの産業革命に対する想いをお楽しみください、といったところで、それでは、ごゆっくり。

その日もセリーヌとソフィー、マイアたちはソフィーの知り合いが経営する近所の工場で洗濯仕事に精を出し、ドランことドラパンは工場の荷物の積み下ろしに従事していた。
それからややあって作業を切り上げ、工場長がセリーヌたちを労う。
工場長「いやあご苦労さん、ティータイムの前に汚れた体を洗いたまえ。隣に浴場があるから」
工場長の言葉に従ってセリーヌたちは少しぬるめのシャワーを浴び、体を清める。ついでにソフィーがドランの体を磨いていく。ドランもこれは苦手だが、きれい好きなソフィーの言いつけだからあまり文句も言えない。
その後で工場長夫人の主催でささやかなティータイムが催され、小さなマフィンと淹れたお茶でひと時を楽しんだ。
そこで工場長がある話題を切りだす。
工場長「最近となりのイギリスで工業などが著しく発展したという話題を耳にするけど」
ドラン「うん、それは産業革命ってやつか、むぐっ!」
心なしか口に出したドランの口をセリーヌがふさぐ。
セリーヌ「ちょっとドラン、ここでこの話はまずいでしょ」
ちなみにセリーヌもドランことドラパンが未来の世界のロボットであることを知っていることから産業革命のことはある程度分かっていた。だからこそここで産業革命という言葉を切りださされてはまずいと思ってのことだったのだが。
工場長「うむ、そのネコ君の呼び方は結構うまいな、いや革命という言葉も物騒だが、国民の生活が豊かになることは喜ばしいことだよ。たとえば洗濯にしても荷物運びにしても、イギリスで導入される機械の力があれば君たちもそう苦労しなくても済むだろうがね」
セリーヌ「あ、はい、でも、私たちも生活のためにお仕事も欲しいですし、あまり楽になるのも考えもの、だと思います、けれど」
工場長「そうだね、まあその時はその時で考えればいいさ、何せ君たちも若いから。さあさあ、お茶が冷めるから早めに飲みなさい。代わりのお茶も用意しているからね」
「あ、はい・・・・・」

というわけで工場長のはからいでお茶会の後に夕食にも招待され、ドランの先導で帰路につくのだった。
ソフィー「工場長さん、感じのいい人だったね」
マイア「でもセリーヌの言うことも一理あると思うよ。あたしだって体動かしたいし、家族の為にもおカネも欲しいしね」
セリーヌ「おカネねえ、でもそれだけで生活が豊かになるとも限らないからね」
マイア「へえ、いいこというじゃない、たしかにいい服と食べるものさえあればあとはそういらないからねえ」
ソフィー「そうねえ、おカネさえあれば何でもできる、ってわけじゃないから。でもたまにはパーッと使ってお遊びしたいからねえ」
セリーヌ「これもソフィーらしいわねえ、でも今は次の仕事をどうしようかを考えていきましょう」
帰路話に花が咲く三人をよそに、ドランも物思いにふけるのだった。
ドラン(でも産業革命か、たしかにこの時期に差し掛かっているけど、このフランスでも何かの動きがあるかもしれないな。でもその時はその時だし。そろそろ僕らの仕事も欲しいな)
ドランもドランなりに考えを巡らせつつ家路につくのだった。

次の日、セリーヌの部屋に届けられた新聞が二人の話題となった。
ドラン「なになに、イギリスのマイルス男爵が来訪。新たに開発した機械を紹介する。だって」
セリーヌ「そういえばドランが言ってた産業革命の機械の紹介ってところね。結構面白そうね」
先日の仕事で幾分懐が温かくなり、少しユタカな朝食をとることができた二人。食事をとりつつも新聞の話題に花を咲かせ、それに伴っての“次の仕事”に話題を移そうとした時だった、
ソフィー「ねえセリーヌ、マイルス男爵の機械の展覧会についてだけれど」
ピエール「今度の休日にぜひ一緒に行かないかな」
なんとソフィーとピエールが一緒にセリーヌたちのもとを訪れたのだった。
セリーヌ「そ、それはいいけど、めずらしいわね、二人一緒に訪れるなんて」
ソフィー「そもそもピエールがセリーヌ目当てで訪れたからね」
ピエール「え、いや、それは・・・・・」
ドラン「おおかた展覧会のことセリーヌに伝えようとしたら途中ソフィーにつかまったのか、ばかだなあ」
セリーヌ「そんなこと言うものじゃないわよ」
ドランを小突きながらもセリーヌが返す。
ピエール「ほら、せっかく僕も休暇をもらったからね。セリーヌも一緒にと思ったんだ」
セリーヌ「うん、でもたまの休日なら今回はみんなで行きましょう。最近仕事ばかりだったからね」
ソフィー「それじゃあ決まりね、マイアにも伝えておくから」
と、一足早くマイアのもとに駆け付けるべく部屋を後にするソフィー。
ピエール「僕も支度をしてくるから外で待っていて」
ピエールも部屋を後にする。
セリーヌ「行っちゃったわね」
ドラン「でも今回は機械の展覧会だから“仕事”はお預けかなあ」
セリーヌ「これもしょうがないわよ、さあ、私たちも支度をしよう」
というわけでセリーヌたちも外出の支度をしてピエールたちを待つことになる。
しかしこの展覧会でセリーヌたちもとてつもなく恐ろしくも恥ずかしい目にあうことは今はまだ知らないのであった。

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ぼくらの宇宙戦争番外編:ハロー地球人たち<本当は怖いドラえもん>

ドラえもんのお話の中には魅力的な宇宙人が多数登場している。
その中には宇宙開拓史や宇宙漂流記やらの友好的な人たちもいれば、地球を侵略せんとする危険な奴らもいる。今回はそんな宇宙人たちからの視点で地球と地球人たちをどうみているのかを考察したい。まずはその代表例たるこのお話をば、

『ハロー宇宙人』
スネ夫たちのインチキUFO写真に対抗するために、のび太くんたちも火星のコケから宇宙人を進化させ、UFOで地球に来てもらおうとした。はたして宇宙人たちも自前で宇宙船を開発し、地球へと調査のために訪れたのだが、その地球人を好戦的な生物と思い込んで、宇宙のさらなる彼方に旅立ってしまったそうな。

えてして(我々地球人が想像する)宇宙人というのは地球人よりも能力や文明レベルが優れており、地球人を能力、ことに心のレベルが劣っていると見なしているきらいがある。その代表例なのがウルトラマンの宇宙人たちだが、彼らの場合はそれなりの人格描写があるものの結局は毎回登場する怪獣とさして代わりはないだろう。
さておき前述のお話の宇宙人が調査したのがのび太くんたちとその界隈だったのが、いわゆる漫画的滑稽さを表していたかもしれない。これは『天井うらの宇宙戦争』などや大長編『のび太の小宇宙戦争』も同じことだろう。
それでもドラえもんたちと先述のロップル(開拓史)、パピ(小宇宙戦争)やリアン(宇宙漂流記)たち宇宙人たちとの交流を通じて、地球と宇宙との交流も決して夢ではないことをこれらのお話を通じてあらためて信じてみたい。

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ドラえもんオリジナル・しずかとミノタウロスの皿(その3)

さてみなさん、今回のドラえもんオリジナル大長編は、しずかとミノタウロスの皿の第3回のストーリーをお送りいたします。
原作のお話は当時よりかなり問題がありいろいろと制約がある中、できるだけその魅力を引き出せられるかに心を砕いたつもりです。
はたしてズン類たちの儀式に供せられるしずかちゃんたちをのび太くんたちはいかに助けるか乞うご期待といったところで、それでは、ごゆっくり。

ちなみに前回までのお話はこちらから。
しずかとミノタウロスの皿(その1)
しずかとミノタウロスの皿(その2)
というわけで、あらためてごゆっくり。

突然の事態に戸惑うばかりのしずかちゃんたちに、ズン類の一人が近付いてきた。
しずか「あの、これは一体どういうことなんですか」
麗子「というより、これでは私たちがごちそうみたいじゃないですか」
するとそのズン類はやけに穏やかな口調で応える。
「そうだよ、君たちこそ僕らのためのごちそうなんだ。それためのこの“ミノタウロスの皿”なんだよ」
その言葉に誰もが信じられない表情をあらわし、それでも彼の言葉を理解しようとするしずかちゃんは憮然と、麗子は内心の怒りを込めて彼の言葉を聞き続けるのだった。
「前にも言った通り、僕らの星のウスは絶滅しちゃって、僕らズン類も衰退の一途をたどりつつあるんだ。それでも食用の植物を育てて食いつなぎながら今まで生き延びてきたんだ。
しかしそれでは僕らもいずれ滅び去る運命にあるかもしれない。そこで僕は他の星でスバラシイ技術を学んだんだよ。
それは体の一部分を同じ材料で創り出す技術なんだ。つまりは君たちの手足や頭、そして胴体を寸分たがわぬコピーを創り出して、僕たちの宴に供するんだよ」
そのうちに立花さんと乙梨さんは気を失い、そんな中しずかちゃんたちがすべての勇気を振り絞って抗議する。
しずか「そんな、それじゃあ私たちは・・・・・」
「もちろん君たちはケガをするわけでも、まして死ぬわけでもないよ、僕たちの宴に参加して君たちの体のコピーを提供するんだ」
麗子「それでも私たちを食べるのには変わりはないじゃないですの」
「分からないなあ、痛みはないって言ってるだろう」
まるで考えそのものが違うことについて、もはや二人は何も言えない。
しかしその時である。
「おい大変だ、空から何かが近付いてくるぞ」
「なんだと、どういうことだ」

少し話を戻して警備隊の宇宙船の中、ドラえもんのポケットの中から何やら警報が鳴り響く。
のび太「うん、どうしたのドラえもん」
ドラえもん「まずいな“虫のしらせセンサー”が鳴って、しずかちゃんたちの危機を伝えてる」
のび太「ええっ、それじゃあしずかちゃんたちは・・・・・」
リイナ「どっちにしても急がなきゃいけないみたいね、今から飛ばすからしっかりつかまってね」
二人「あ、はい・・・・・」
こうして宇宙船はアルデバランに突っ込んでいく。

その宇宙船はまっすぐミノタウロスの祭壇に突っ込み、ミノアの像はそのまま倒れていく。
それからややあって宇宙船からリイナが現れる。
リイナ「私は宇宙警備隊のリイナ、アルデバランのズン類一党、あなたたちを誘拐の現行犯及び宇宙医療法違反の容疑で逮捕します」
「ええっ、何で宇宙警備隊が、僕たちはズン類の復興に力を注いだだけなのに」
リイナ「医療目的以外での部分的クローンは禁止されているはずよ。ともかくおとなしくしなさい」
手にはショックガンが握られていたこともあり、たちまちズン類たちはおとなしく手を上げて降伏していく。
そのうち警備隊の宇宙船が続々降りてきて、ネズミ型の捜査官たちがズン類のクローン装置を押収していき、ブタ型の捜査官もズン類たちを確保していく。
のび太「でもしずかちゃん大丈夫かな」
ドラえもん「とにかく助けに行こう、でもその前に、祭壇に突っ込んじゃったから上の像も倒れちゃった。ここは“復元光線”で」
ドラえもんが復元光線で祭壇を修復し、あのミノアの像ももとの姿に戻っていった。
のび太「でもこの女の人の像。本当にきれいだなあ、ってそんなこと言ってる場合じゃない。急がなきゃ」
こうしてドラえもんとのび太くんは山車にのぼり、しずかちゃんたちのもとにたどり着いた。そこにはしずかちゃんたちがぐったりと座り込んでいた。
ドラえもん「大丈夫しずかちゃん、ってこれは恥ずかしい格好だなあ」
のび太「手足が鎖でつながれちゃってる。カギをさがさなきゃ」
ドラえもん「待って、こういうときは“ゴマロック”これで鎖を外すんだ」
ドラえもんとのび太くんがこの道具で手かせ足かせにタッチして「ひらけゴマ」ととなえると、はたして手かせ足かせは外れ、しずかちゃんは自由の身となった。
「しずかちゃん、だいじょうぶ」
しかし気が付いたしずかちゃんは、目の前ののび太くんを「いや~!」と押しのけてしまった。それをすかさずリイナが受け止めたのだが。
リイナ「あらあら、今度はのび太くんが助けようとしたのにね」
しずか「えっ・・・・・」
しかしそこにすかさず、前もってドラえもんに助けられた麗子がのび太くんのもとに飛び込んでいく。
麗子「のび太さぁん、助けに来てくれたのねえ」
しずか「ああっ、もう麗子さんったら」
こうしてミノタウロスの皿事件はひとまず解決し、しずかちゃんたちはもちろん地球に帰されることとなった。立花さんと乙梨さんはワルいユメを見たのだと言い聞かせることにして、麗子としずかちゃんもそれぞれ自分を落ち着かせることはできた、のだが。

後日麗子はひんぱんにのび太くんのもとを訪れるようになる。先のお礼ということでデートに付き合わせることとなったのだ。
麗子「・・・それで敵の只中にのび太さんたちが飛び込んで牛のズンルイたちをなぎ倒して・・・・・」
のび太「ああ、しずかちゃん」
しずか「どうぞ、ごゆっくり」
当面は麗子に付き合わなければならなくなったのび太くんだった。

しかしもうちょっとお話を述べることにして、しずかちゃん家でバーベキューに呼ばれたのび太くんたち。焼き上がったお肉をみんながおいしそうに頬張る中、何故かしずかちゃんはお肉を口にするうちに涙が流れ落ちていく。
のび太「あれ、どうしたのしずかちゃん」
しずか「うん、なんだか食べてるうちに涙が止まらないの、でも、大丈夫だから・・・・・」
そんなしずかちゃんの様を誰もが見守って気づかいつつ、みんなバーベキューのお肉を楽しむのだった。

おわり

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クリエイターの執念とは:藤子不二雄A・安孫子元雄先生編

さてみなさん、今回は先日亡くなられた藤子不二雄Aこと安孫子元雄先生について一言二言と語りたいと思います。それでは、ごゆっくり。
藤子A先生といえは今の若者からみれば「もう一人の藤子不二雄」といった認識でしかないやもしれない。
そもそも藤子A先生は藤子F不二雄こと藤本弘先生と小学生のころに知り合い、後にともに上京して漫画家の道を歩み、長じて藤子不二雄の名で世出したのはご存知のところ。
それから各自の代表作をA先生は『怪物くん』『忍者ハットリくん』『プロゴルファー猿』と次々と送り出していった。
そんな中、両者合作というのもしばしば行われ、パーマンとハットリくんとの合作も2本上映され、ドラえもんにてもハットリくんから『ニンニン修行セット』、怪物くんから『怪物くん帽子』などのエピソードが生まれた。
それが80年代半ばになり、いわゆる藤子ブランドも肥大化して利権というものも出来てしまったこともあれ、それぞれの仕事と著作権を分化しようとあえてコンビを解消してしまったということであった。しかしその友情は終生変わらなかったことはここで一マンガファンとして明記したい。
そんな藤子A先生の作品について、まず『怪物くん』は人とは違う生物の怪物たちが住む怪物ランドからやってきたランドの王子様怪物くんが人間界にやってきて奇想天外な活躍を見せるお話で、『忍者ハットリくん』は伊賀の里からやってきたハットリくんが奇想天外な活躍を見せるお話でもある。
他にも、ゴルフに際して天才的な才能を持つ猿丸が裏のゴルファー組織と死闘を繰り広げると『プロゴルファー猿』や、自身の漫画人生を描いた『まんが道』も忘れてはならない。
その反面『魔太郎がくる!!』は生来いじめられやすいほどの気弱な少年魔太郎は実は魔族の血を引いていて、夜な夜な「うらみ念法」なる魔術でいじめっ子たちを凝らしめるというお話である。これはひとまずの勧善懲悪が成されているからいいけれど。
同じく『笑ゥせぇるすまん』は、現代社会の片隅でいろいろな悩みや鬱屈抱える人たちに喪黒福造なる人物が取り入ってその心の隙間を埋めるべく様々なサービスを提供するも、やがてはその欲望に呑み込ませて破滅に追い込むといったある程度の陰鬱さがうけたものだった。
そういった作品群もあれ、F先生に対してA先生はある程度の陰を背負っているとも受け止められる。
ともあれマンガ史の一時代を築いた藤子不二雄A先生に際し感謝の言葉を添えて、この記事をしめたいと思います。
藤子不二雄A先生
数多くの作品を我々の感動とともに
お送りしていただき
本当にありがとうございました。

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なくて七くせワルいくせ:置きっぱなしにご用心<本当は怖いドラえもん>

よくドラえもんのひみつ道具の中で、おもむろに置かれていたのを、のび太くんあたりがたまたま動かしてお話が進むシチュエーションがある。
結論から言ってしまえばこれも「お約束」の類いであろうというのはいまさら述べるまでもない。
これまた知る人ぞ知るものだが、ドラえもんのひみつ道具は四次元ポケットにあらかじめ収まっているものや、途中で未来のデパート等にて購入したり借りたりするものがある。今回取り上げるのはそれら後者のものでもある。これは先に述べた事情から、のび太くんが何らかの問題にあってからドラえもんと相談の末ひみつ道具を出してもらうということの簡略化だろう。
と、そこまではいいけれど、問題はその置きっぱなしでトラブルにつながるといったことである。
その代表が大長編の『のび太の大魔境』にて空き地に置きっぱなしの“どこでもドア”を近所のおじさんたちに燃やされたり(原作)壊されたりして(新旧映画)帰れなくなり、『魔界大冒険』では置きっぱなしの“もしもボックス”をママが捨ててしまい、もとの世界に戻せなくなったというくだりである。
これは物語の中で冒険における「退路を絶つ」つまり「後戻りができなくなる」というシチュエーションで、それなりの緊張感を得られたこともある。
それはそうとこれら二つの事柄をまじめに検証すれば、別に置きっぱなしにしなくてもよかったのではないか。そうしないと道具の効き目がなくなる、とも描かれていないのでそう考えられる。
とはいえこれも最初の事情も相まっての、結局は作者の藤子F先生の漫画を描く際の、あえて言えば悪いクセから生じたものであったともいえるかもしれない。これを持ち味ととらえるかどうかはやはり読者の判断に任せてもいいことだけれど。

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ドラえもんオリジナル:しずかとミノタウロスの皿(その2)

さてみなさん、今回のドラえもんオリジナル大長編は、前回に引き続きズン類の星に連れられたしずかちゃんたちがズン類たちの歓待を受けるいきさつをお送りする運びです。しかしそれを追うのび太くんたち。はたしてどうなることやら。といったところで、それでは、ごゆっくり。

ちなみに前回のお話はこちらから。
しずかとミノタウロスの皿(その1)
というわけで、あらためてごゆっくり。

一方でウシ型の宇宙人ズン類の宇宙船に乗せられ、アルデバランへと旅立ったしずかちゃんたち、どれだけの時間が過ぎたのだろうか、しずかちゃんたちは案外と広い宇宙船の中で時を過ごしていた。
途中ズン類の一人から勧められ、シャワーで体を清めてから、あらかじめ用意された白い服に着替えたのだ。
立花「でもどうして着替えが用意されてるのかな」
乙梨「それに私たちの服はしまっちゃいましたのですね」
麗子「これからのパーティーにふさわしい服を用意したのですわね。ちゃんとした服装で臨まなければならないものもありますから」
そこにズン類の一人がしずかちゃんたちに話しかける。
「さあみなさん、もうすぐアルデバランですよ。そこで大事な儀式が控えておりますので、皆さんご用意のほどを」
「はーい」
と、立花さんたちはそろって返事をする。しずかちゃんもそれに倣ったのだが、しかしどこか煮え切らないきらいがあった。
こうしてアルデバランの星についたしずかちゃんたち。あらためてズン類の一人が開けた景色を紹介する。
「ようこそ、ここが僕たちの惑星ですよ」
立花「ここがズンルイさんたちの惑星かしら」
しずか「でもちょっとさびれているなあ」
「昔はウスやズン類たちがともに栄えていたからね。ほら、ここがミノタウロスの神殿です」
神殿の中に入るしずかちゃんたち、そこには端整な顔立ちの女性の像が立っていた。
しずか「きれい」
乙梨「こんなりっぱな女の人がおられたなんて」
「そう、彼女こそがウスの中のウス伝説のミノタウロスの皿“ミノア”なのだよ」
「今じゃ僕らの星のウスも絶滅しちゃって、あのお祭りを行うには他の星のウスを探すしかなかったんだよ」
麗子「それで私たちが選ばれたのですわね」
「そう、あらためて言うけど、君たちこそ今の時代のミノタウロスの皿、すなわち現代のミノアなのだよ」
立花「でも私たちでつとまるのかしら」
「もちろんだよ、そのために宇宙中を探し回って、ようやく見付けたのか君たちなんだ」
そこでもう一人が現れて告げる。
「さあさあ、控えの間でエサ、もといごちそうが用意しているから」
「あ、はーい」
立花さんたちも心なしか心を弾ませながらも控えの間に招かれるまま足を運ぶ。
ところで並べられた料理の皿は控えめに言ってサラダの類と雑穀のおかゆを中心、ワルく言えば、そう牛のエサみたいだった。
立花「でもごちそうといっても、お野菜ばっかりね」
しずか「ほら、牛のズンルイさんたちも草食だから、自然とお野菜中心になっちゃうかもしれないわね」
立花さんたちが軽く不満を述べるのをしずかちゃんがなだめるも、
麗子「でもお野菜というよりは干し草見たいですわね、でもシャキシャキしていておいしいですわ」
一方の麗子もフォークとナイフを巧みに操ってごちそうを味わうのだった。
しずか「せっかく出されたお料理だから、ゆっくりと食べましょう」
立花「うん、そうだね・・・・・」
というわけでみんなが料理を立てたのだが、そのうちに眠りこけていったのだ。
「みんな寝入ったようだね」
「よし、直ちに皿に運んでいこう」
と、ズン類たちはゆっくりと眠りこけたしずかちゃんたちに近付いていくのだった。

一方地球から発った宇宙船がアルデバランに向かっていく。その宇宙船の中でのび太くんたちはおそるべき報せを受けていた。
のび太「なんだって、しずかちゃんたちが、そのズン類に食べられちゃうの」
リイナ「ありていで言えば、そういうことなのよ」
ドラえもん「でもズン類っていうのはウシの宇宙人でしょ、でも何で人間を食べちゃうの」
リイナ「実はアルデバランのズン類は人間型のウスを食料として共存していたの。それがある時を境にそのウスが絶滅しちゃって、ズン類も衰退をしつつも細々と暮らしていたの。でもあなたたちの考えも分かるけれど。アルデバランの人たちにもそれなりの生き方があったのよ。問題は今しずかさんたちを連れて行って食料にしようとすることなの。何としてもそれを止めなきゃいけないわ」
ドラえもん「そのために僕たちの力を必要としたんですね」
のび太「だったら一刻も早くしずかちゃんたちを助けなきゃ」
リイナ「そうこなくっちゃね、それじゃあ、飛ばすわよ」
こうしてリイナの宇宙船はアルデバランに向かってワープ航行に移るのだった。

どれだけの時間が過ぎたのだろうか、しずかちゃんたちが気が付いたときには、何やらの山車の上の巨大な皿、周りに菜っ葉らしきものが盛り付けられ、自分たちはそれぞれ背中合わせで皿の周りに並べられていた。その山車は前方の祭壇、上にはあのミノアの像が立っているそこに進みつつあったのだ。
立花「え、なに、これってどういうこと」
乙梨「どうして私たち、お皿に盛りつけられているんですか」
麗子「ちょっとしずかさん、これでは私たちが料理されるようじゃないですか」
しずか「あの、どうしてこんなことに、ちょっと、ズン類さーん」
その一方のズン類たちは、何やらの祭典の準備に余念がなかったのであった。

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禍福のアンバランス:逃れられないのが運命なのか<本当は怖いドラえもん>

繰り返しながらも元来のドラえもんの目的といえば、不運つづきでどん底の運命を送りそうなのび太くんを助けてより良い運命を歩ませるといったことであった。
それに関連してそもそも“運命”というものは「はじめから定まっているもので変えようもない」ことがある。その前提というのは『ミノタウロスの皿』やら『ノスタル爺』やらの運命を変えようとして結局ままならなかったといったお話から読めることだろうけれど、ドラえもんのお話についてもそれに近いお話がいくらか掲載されていて、それらを紹介してその問題点について述べたいと思う。

『あとから日記』
日記をつけようにも三日坊主でなかなか続かないのび太くんのために“あとから日記”を出して今までの行動を書くことができた。ところがこれから起こりうる事柄も書いてしまい、その中に「スキーですべってけがをした」という事項があり、何とかスキーでけがをするのを防ごうとスキーを部屋にしまおうとして、階段ですべって結局けがをしてしまったそうな。

『タイムマシンで犯人を』
その日のび太くんは学校の窓ガラスを割った犯人に仕立て上げられ、その無実を晴らそうとタイムマシンで犯人を見付けようとするも、隠れて見張った際にぶつけられたボールを投げ返した際に、結局自分がガラスを割ったことに相成ったそうな。

とまあ代表的なお話を挙げてみれば、結局初めにあげられた事柄の因果関係、つまりどのように起こってしまったかをつきとめるといったお話で、最初にあげられたお話よりは深刻なことになるまでもなく、分かってみれば「ああ、そうだったのか」と思った読者の人も少なくはないはずである。
それでも最悪の事態をひとまずは回避しようとするお話もある。その代表としてこのお話をば。

『災難予報機』
その日電話型の道具でジャイアンに連絡をしようとするも、受話器から「ふみつけられる」というメッセージが流れ、はたしてジャイアンは母ちゃんにお尻で押しつぶされてしまった。
これは誰かの災難を予報する道具で、しかもそれを回避することはできないという。それでもしずかちゃんの災難を知ることができ、何とか回避しようと見守ったところ、のび太くんがゴキブリの着ぐるみをきたタレントにぶつかったことでしずかちゃんの災難を回避したそうな。

といったところで「災難は回避できなくて、それを無理やり回避しようとすれば自分に災いが降りかかる」といったシチュエーションを描いたお話も終わってみればいつものズッコケオチにもつながるという、つまりは笑い話ということにもなり、先の悲壮感はそうそう感じ得ないものでもある。
そんなこんなで、日頃災難に囲まれがちなのび太くんでも、そうそう回避しえなくてもひとまずの努力次第でそのダメージを抑えられる。つまりは心がけ次第で悪い事態も防ぎえることができるというのが結果として描いたものではないだろうか。

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