ドラえもん

のび太のおとぎ話:西遊記の孫悟空<本当は怖いドラえもん>

さて今回、ドラえもんにおけるおとぎ話との関わりについて中国の『西遊記』を取り上げたいと思います。
西遊記といえは昔々の中国の三蔵法師がありがたいお経を持ち帰るべく天竺(昔のインド)へと旅をし、途中三人の怪物をお供に苦難の旅を繰り広げるという中国の昔ばなしである。
そのなかで孫悟空という猿の怪物が八面六臂の大活躍を繰り広げ、三蔵の旅の手助けをしたのだ。
その孫悟空をモチーフとしたひみつ道具も数多くあることで、ひとまずお送りしたい。

まず“風の子リング”と“ごくうリング”は前に述べた通り悟空の頭にはめた緊箍児という環を元に造られたものである。前者が寒さに負けないように戒めるもので、後者はだらけた生活を戒めるものである。いずれも戒めを目的にした道具であるが、いずれも結局付けられた当人が迷惑を被ったことがもっぱらとなったのは述べるまでもない。
お次に悟空が乗る筋斗雲からヒントを得た“きんとフード”これはまずきんと雲を一種の生物ととらえてそれを飼いならす道具である。結局そのきんと雲もウマタケと同じく飼いならすのが難しかったというオチとなったが。
それから悟空が妖怪たちと戦うべく手にした“如意棒”についてはそれに当てはまる道具は見当たらず、その代り“ピーヒョロロープ”やら“世話やきロープ”などがその代わりともいえるだろうが。前者がインドの蛇使いよろしく笛で操るのに対し、後者は対象の人物(この場合はのび太くん)を守るように仕向けたものだった。
そして“クローンリキッドごくう”は髪の毛から自分の分身を作るといった道具で、これでいろいろ役に立てようとするも、自身の能力をもコピーしてしまい結局は役には立たなかったそうなといったオチにいきついてしまった。
といったところで、これらの道具から西遊記、ことに孫悟空というキャラがいかに親しまれていることをここに記しておきたい。

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ザ・ドラえもんズオリジナル・怪盗ドラパン編:セリーヌと産業革命(その3)

さてみなさん、今回の大長編ドラえもんは、怪盗ドラパンのセリーヌと産業革命の第3弾ということで、館に閉じ込められたセリーヌ一行と、館から出された後セリーヌたちを救い出さんと再び館に入り込まんとするピエールたちの奮闘をお送りいたします。それでは、ごゆっくり。

なお前回のお話はこちら
怪盗ドラパン・セリーヌと産業革命

その1

その2

といったところですので、あらためてごゆっくり。

マイルス男爵の館を訪れたセリーヌ一行は、奇妙な機械によって、あられのない姿で監禁されてしまう。一方のピエールとドランことドラパンは何故か外に放り出されてしまう。
はたして一行はからくり男爵の罠を抜けることができるのか。

マイア「なんたってあたしたちがそれをこんな目に合わなきゃいけないのよ」
ソフィー「まさかあの時と同じなの、そんなのいやよぉ」
セリーヌ「だから泣いたって始まらないわよ、一刻も早くここから出なきゃ」
ソフィーたちをなだめつつ、あらためてセリーヌは閉じ込められた部屋を見渡したが、
ソフィー「でもどうやって出るの、この部屋は出口の扉もないのに」
その見渡したこの部屋は四方が真っ白な壁に囲まれていたのだ。
セリーヌ「とはいっても、そもそもここに入れられたのだから、いつまでも閉じ込めることが目的じゃないはず。どこかに開け口があるのかしら、ってこれは」
セリーヌが見上げた先、天井近くの片隅に何やらの開口部が開け放たれていた。
セリーヌ「あそこから空気の流れを感じるわ。そこをくぐって出られないかしら」
マイア「でもあそこまでの高さはどうするの、それにあまり広くないし」
セリーヌ「そこはそれ、私たちが力を合わせれば」
というわけでマイアがセリーヌ、そしてソフィーを肩車に乗せ、
ソフィー「ほ、本当に入んなきゃいけないの」
セリーヌ「しょうがないでしょ、あの開け口に入れるのはソフィーだけだから」
そう言われ、しぶしぶと開口部に入るソフィー。おそるおそる四角くせまい管を通っていく。
ソフィー「うう寒い、流れる空気のせいなのね。でもどこまで通じてるの、ってこれは」
管の途中にもう一つの窓が開け、喜び勇んで窓に向かい、ゆっくりと外に顔をのぞかせる。そして誰もいないことを見計らい、ゆっくり足から降り出し、意を決して飛び降りる。
多少の足のしびれを感じつつも壁からノックする音が聞こえ、おそるおそる音の方向に向かうのだった。
その場所にソフィーもノックし、壁向こうからのノックの返事が聞こえ、思わず呼び掛ける。
ソフィー「そこにいるのはセリーヌでしょ、今壁向こうに行ったけど、それからどうすればいいの」
セリーヌ「今いるのが通路だったら部屋を開けるスイッチなんかがあるんじゃない」
そう言われてソフィーはふと、何かのスイッチみたいなものを見かけ、それを押し、はたして部屋の壁の一部が開き、セリーヌとマイアも部屋から脱出できた。
マイア「ありがとうソフィー、やっぱりあんたは頼りになるわねえ」
セリーヌ「喜んでる暇はないわ。一刻も早くこの屋敷から出ないと。続いてこの通路を抜ければいいのよね」
というわけで三人は出口を探して通路を進むのだった。

変わっていち早く屋敷から脱出したピエールとはじめから外に放り出されたドラン、屋敷内のセリーヌたちのこともあり、引き続き屋敷に再潜入せんと試みる。
ドラパンとしてひみつ道具を用いれば手っ取り早いが、ピエールがいる手前これもままならない。だからこそ二人力を合わせてことに当たらねばならない。
ピエール「僕が脱出した部屋は扉が閉ざされてしまったけど、どこか別の入り口があるはずだ」
ドラン「かといって正面玄関はかえって怪しまれちゃうからね。さてどこにあるんだろう」
そうこうと探しているうちに、地上から2、3メートルほどに入り口らしき開け口があった。
ドラン「しめた、あそこの開口部から中にはいれるはずだ」
ピエール「そうか、そこから入れば中に入れるけど」
ドラン(でも道具も使えないしな・・・・・)
ピエール「ドラン君」
ドラン「あっ、え、う、うん」
ピエール「あそこの高さなら僕の身長できみを乗せられるけれどどうかな」
ドラン「ああ、そうか」
ここであらためて説明をしよう。ドランことドラパンは未来の世界のネコ型ロボットであり、その体重は129.3キロであり、ピエールでも持ち上げるのには一苦労だろう。しかしそこはマンガ、いやいや未来の世界の技術。実はもしものときに使用者がロボットの体を運べるように重力制御装置が常設されていて、それでピエールもひとまずは肩車でドランを乗せられるのだ。
ともかくもドランを肩車に乗せ、件の開口部まであと50センチ足らず。あとはドランのペタリハンドでひたすら登るのみ。
ピエール「ふう、意外に重かったなあ、大丈夫かいドラン」
ドラン「うん、なんとかね、でもこいつは送風ダクトだな、屋敷に新鮮な空気を送り込むための。うかつに入ったら目の前の扇風機でバラバラになっちゃう」
ピエール「えっ、それじゃ中に入れないの」
ドラン「ちょっと待って、今入れるようにするから」
と言いつつ、ひそかにハットを取り出し、そこから“通りぬけフープ”を出してダクトの空気弁に取り付ける。これでダクトの扇風機も通り抜けられるのだ。
ドラン「(今となっては一緒に行かないと怪しまれるから)これで通り抜けられるよ。今ロープを出すから」
と“ナゲーなげなわ”を出してピエールに放り投げる。ピエールがなわをつかむや、ダクトまで引き寄せられるのだ。
ピエール「僕もなんとか上れたけど、入って大丈夫かな」
ドラン「なんとかセリーヌたちを助けないとね」
と、フープを外し、もとの扇風機が回るダクトに戻す。
ピエール「ほんとに大丈夫かな」
ドラン「まあまあ、僕らも先に急ごう」
ピエールをせかしつつ、ドランたちも内部に潜入するのだった。
しかしややあって、二人の紳士が屋敷を訪れた。
「どうやらこの屋敷でまちがいなさそうだね」
「わざわざフランスまで来たかいもあったものだよ、ホームズ」
とりあえず二人の紳士も先のドランたちとは違う形で屋敷に立ち入ろうとするのだが。

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映画ドラえもん・のび太と空の理想郷(ユートピア)、ですか

さてみなさん、来る3月に劇場版ドラえもん『のび太と空の理想郷(ユートピア)』が公開される運びとなりました。
その予告映像も紹介され、小型の飛行機で空を自由の飛ぼうとするのび太くんたち、そこから広がる大空に浮かぶ陸地が、これから繰り広げられる冒険への期待を否が応にも高まることでしょう。はたしてその冒険の先にあるものとはいかに、といったところであとは来年の春まで待つことにいたしましょう。

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ドラえもんとゆかいな仲間たち:自分会議<本当は怖いドラえもん>

今回取り上げたいのは、藤子F先生の短編の一つ『自分会議』について、ひとまずドラえもんの2エピソードを織り交ぜてのべることにしましょう。当記事は先の記事をもう少し詳しく記したことをここに記しておきます。さておきまずはこのお話をば。

『ドラえもんだらけ』
ある日のび太くんの宿題の代行を頼まれたドラえもんは、2時間ごとの自分に手伝わせることにする。
ところがその自分たちは何故かボロボロな姿。それは宿題を済ませた後で、後の自分たちにとっちめられてしまう。つまり彼らのボロボロな姿はとっちめられた自分の姿だったのだ。しかも時間を追うごとに寝不足で追い詰められつつ、先の自分に引っ張り続けられるはめになったそうな。

『ぼくを止めるのび太』
ある日前から買いたかったプラモデルを買うつもりが、食べたかったカップ麺を買ってしまい後悔したところ、過去に戻ってプラモを買うように説得せんとする。
ところがさらに先の自分がカップ麺を買うよう説得し、そこで口論からの大げんかにもつれ込む。
結局その後のボロボロの自分たちの説得でけんかも収まり、事態の収拾の末、何故かカップ麺のプラモを作ることになったそうな。

まず『ドラえもんだらけ』のエピソードは、ドラえもんに降りかかった問題とそれを解決しようとした結果。どうしてその結果になったのかを描いたものだった。
続いての『ぼくを止めるのび太』はその当時発売されたカップ麺の話題を上げつつ、先のドラえもんだらけのお話のオマージュを込めて、さらに複雑なタイムパラドックスを描いたつもりでお話を組んだものだけれど。たしかに前者よりも後者の方が良くてひねりを利かせ、悪くて話がこんがらがってしまった感さえもある。

さておき本編の『自分会議』では、幼い頃の悪夢を頼りに借りたアパートで、相続した山林をめぐって未来の自分たちが訪れその扱いを話し合うも結局紛糾してしまう。
そこにたまたま連れてこられた過去の自分が、未来の自分たちの姿に絶望してアパートの窓から身を投げ部屋は誰もいなくなってしまったそうな。

これもいろんな時代の自分の言い争いから子供時代の時分の身投げの後でのパラドックスによる自己喪失でのオチ。
これを深く読めば当初の青年の記憶について、たとえ子供の認識の変化がわずかな歴史の改変がなされたとしても、結局青年の記憶に帰結してしまうのではないか。そこでこういったお話のアレンジが自分勝手ながらも、
「身を投げた子供時代の自分が気が付いたら、自分の家で倒れていて、起こそうとした母親に泣きつきつつ。後にあれが自分の姿だと認め、青年時代に至って、時代に流されないように自分自身の意思で生きていこうと決心するのだった」といったオチも考えられる

つまりは子供の件で青年の記憶が活かされ、「いいかげんな」未来の自分が消滅して、残された青年がより良い自分にならんとするか否かが物語における今後の課題といったところか。

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ザ・ドラえもんズオリジナル:怪盗ドラパン編・セリーヌと産業革命(その2)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは、怪盗ドラパン・セリーヌと産業革命の2回目のお話をお送りいたします。
イギリス貴族の展覧会に赴くセリーヌたちだが、そこで巻き込まれる恐ろしくも恥ずかしい目とはいかにといったところで、それでは、ごゆっくり。

ちなみに前回のお話はこちら

アパルトメント前に集合したピエールとセリーヌ、ソフィーにマイア、そしてドランの一行。ピエールの友人のアンリが御者を務める馬車に乗り、件の展覧会の会場へと向かう。

ソフィー「男爵の展覧会なんて、今から楽しみねえ」
マイア「まったくね、今日はいっぱい楽しみましょう」
ピエール「ここは僕がエスコートしなくちゃいけないですね。うん、どうしましたドラン君」
そもそも未来のロボットたるドランも、ちょっとつまらなさそうに窓の外を見つめていたが。
ドラン「あ、うん、ちょっと考え事でボーっとしちゃって」
セリーヌ「おおかた昼寝のしすぎじゃないの、もっとしっかりしてよね」
とまあ、話に花を咲かせながらも馬車はマイルスの屋敷へと進めるのだった。

郊外のマイルス邸は先の産業革命にて富を得たイギリスの貴族の一家で、最近になってかつての大貴族の邸宅を買い、荒れ果てた内装を改築して別荘としたという。
ドラン「貴族のお屋敷にしちゃ少し広いかな」
セリーヌ「そう言っちゃ失礼よ」
ピエール「まあまあ、それだけ出し物が多いでしょうから」
そこに屋敷の主、マイルス男爵が現れる。
マイルス「よくぞ参られたお嬢さんたち、わたしが当家の主マイルスである」
マイルスの呼び掛けにセリーヌたちは会釈で応え、代表でピエールが挨拶をする。
ピエール「このたびはお屋敷にご招待いただき誠にありがとうございます」
マイルス「うむ、当方が用意した機械の数々、心行くまで楽しんでくれたまえ」
やけに馴れ馴れしい笑顔でマイルスが応え、一同は屋敷へと入る。

マイルスこれが蒸気機関だ、この中で水を温めて蒸気と化し、タービンを回して動力とするのだ。この機関の基本構造ははるか昔、古代ギリシャのアルキメデスのアイデアによるもので・・・・・」
屋敷内に並べられた機械たちを、マイルスが熱心かつ丁寧に説明し、ドランとセリーヌ以外の一同が目を輝かせながら聞き入っていた。
ピエール「これだけすごい機械がこれからの文明に役立てるのはまさにすごいですね」
マイルス「うむ、機械の文明がもたらすのは人類の幸福でなければならない。その上で自然との調和もはからねばならないからね」
ドラン「そうですねえ、機械がもたらされる公害も考えなきゃいけないですから」
セリーヌ(ドラン・・・・・!)
マイルス「おお、公害とな、なかなかうまいことを言うねネコ君。たしかにロンドンではえんとつの煙やらで空が汚れがちになって困っているが。これも人類の努力で切り抜けられると信じているよ」
マイルスの言葉にいまいち信じ切れないドランをよそに、ピエールたちも半ば感心して聞き入れるのだった。

こうして数多くの機械を目にした一行は、とある施設にたどり着く。
セリーヌ「この機械は、なんですか」
マイルス「これこそ我が屋敷が誇る最高の機械なのだよ、基本は坂道を滑って遊ぶのと同じ、いわば滑り台を派手にしたものだが。今までの機械の説明で少し肩が凝っただろうし。ここで少し楽しんでいきたまえ」
ドラン「滑り台か、これって箱の中に入って滑るんじゃないの、ちょっと危なさそうだな」
ソフィー「まあまあ、こういうのもなかなかに楽しそうじゃない」
ピエール「まずは僕が試していきましょう。楽しむにしても安全でなくちゃいけないですから」
と、まずはピエールが入口に入る。しかししばらくたっても何も反応がないのを受け、
ソフィー「何も起きないわね」
マイア「きっと別の部屋についているのよ」
セリーヌ「こうなったらドラン、あんたも入っていきなさいよ」
ドラン「あ、ちょっと・・・・・」
と、半ば強引に入口に入れられる。ちなみにマイルス男爵の姿はいつの間にか消えていて後ろの扉も閉ざされていった。しかしそうとは知らずセリーヌたちも、
マイア「こうなったらあたしたちも楽しもうよ」
と言ってまずマイアが、
ソフィー「ちょっと怖いけど、あたしも」
と、ソフィーがそれぞれ施設の中に入っていく。
セリーヌ「もう、しょうがないわねえ」
こうしてソフィーも入り、部屋には静けさだけが漂っていた。

滑り台を降りるセリーヌ。途中一つ二つの抜け穴に気付くも、それを通りすぎたその先、滑り台から動く床~ベルトコンベアーみたいなものに乗せられる。そこで何やら機械の手みたいなものが近付いてきて、セリーヌの衣服を脱がしてしまい、あられもない姿にしてしまったではないか。
セリーヌ「ちょ、ちょっと何これ、一体どういうことかしら」
そして床に運ばれるままにおそらくは地下だろう一室にたどり着く。
マイア「ちょっとセリーヌ、これいったいどういうこと」
ソフィー「何であたしたちがこんな目に」
セリーヌ「あらら、あなたたちもやられちゃったわけ」
マイア、セリーヌもあられのない姿で地下室に閉じ込められてしまったのだ。

一方ドランは機械のダクト(空気穴)を通って屋敷の外へと放り出されてしまっていた。
ドラン「あれ、ここは屋敷の外、ってことは僕は仲間外れってこと、ひどいなあ。というかあの男爵何か企んでいるな。こうなったらここは怪盗ドラパンの・・・・・」
ピエール「・・ドラン君」
屋敷の角からピエールが現れ、ドランに呼び掛けた。すかさず上着から取り出しかけたハットをしまう。
ドラン「や、やあピエール。君も追い出されたのかい」
ピエール「僕は別の部屋に入れられてしばらくたって、みんなの姿が見えないと思って探したら、まず君が見つかったわけなんだ」
ドラン「とすると狙いはセリーヌたちだな、やはり女の人だからまたどこかに売り飛ばそうと」
ピエール「それは大変だ。何とか手を打たないと」
ドラン「そ、そうだ、警察隊に連絡しに行こう。その間僕がセリーヌたちを助けに」
ピエール「いや、まずは一緒にセリーヌを助けに行こう。その後で連絡を取ってもいいだろう」
ドラン「う、うん・・・・・」
ドランとしてはピエールが連絡している間にドラパンになってセリーヌを助けてかたを付けんとしたが、そのピエールが一緒にいるとそれもままならない。こうなったらピエールと一緒に事を進めるしかない。こうなればドラパンとしてのひみつ道具もうまく使えないのが一番の問題だ。
ドラン「しょうがないな、まずはセリーヌたちがどこに閉じ込められてるかを調べてみよう」
というわけでピエールとドランがセリーヌの行方を探すために行動を起こす。そのセリーヌたちだが、あのまま手をこまねいて待っているわけではなかったのだ。

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なくて七クセ悪いクセ~物の投げ捨てに気を付けて<本当は怖いドラえもん>

ドラえもんのお話の中では時おりママあたりが『地球製造法(コミックス5巻)』然り『温泉ロープ(22巻)』然りと、のび太くんの部屋のものを窓から投げ捨てるくだりがある。一見「それは乱暴な」という方もおられるだろうが、いっつも部屋の中を散らかしっぱなしなのにママも辟易してのことだから、無理もないという意見もあるにはある。
これもいわゆるズッコケオチにいたるハプニングの一環でもあるけれど、今の情勢ならいざ知らず、当時としてはギャグマンガのシチュエーションととらえても差し支えはない、かもしれない。たとえば『ムシャクシャカーッとしたら(44巻)』のお話にてその“ムシャクシャタイマー”の道具の効能を試すため、机のイスを窓ガラスごとぶん投げるのがまさにそれである。
とはいえ実際窓からの投げ捨てはいろいろな被害をこうむることは述べるまでもなく、『季節カンヅメ(44巻)』のお話はいろんな季節のかんづめを投げ捨てた結果、お隣の庭がいろんな季節でパニックになったり、『すなおなロボットがほし~い(大全集9巻)』のお話では、何気なく投げ捨てたオモチャが交通事故を引き起こした。こればかりは昔も今も大ごとである。
あと少しパターンを変えながらも『オールシーズンバッジ(16巻)』のお話にてはひと通り季節のレジャーを楽しんだ後で、タケコプターで家に帰ろうとした時に、わざわざポケットから予備のバッジがいくらかこぼれ落ちて落ちた辺りが異常気象さながらにいろんな季節に変化してしまった。これもいささか強引ながらもズッコケオチとしては有効だったなと今となっては言えるけれど。
そんなこんなで、こういう一見乱暴なシチュエーションも先に述べたとおりに純粋なギャグと受け止めてもいいのかもしれない。たしかにのび太くんには最後災難でもあるのだが。

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ザ・ドラえもんズオリジナル・怪盗ドラパン編:セリーヌと産業革命(その1)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは、怪盗ドラパン・セリーヌと産業革命の第1回目をお送りいたします。
フランス革命から時が流れた頃、イギリスの産業革命のあおりを受け。セリーヌたちも騒動に巻き込まれる様をお送りする運びで。今回はそのさわりをお送りすることとなります。まずはセリーヌの産業革命に対する想いをお楽しみください、といったところで、それでは、ごゆっくり。

その日もセリーヌとソフィー、マイアたちはソフィーの知り合いが経営する近所の工場で洗濯仕事に精を出し、ドランことドラパンは工場の荷物の積み下ろしに従事していた。
それからややあって作業を切り上げ、工場長がセリーヌたちを労う。
工場長「いやあご苦労さん、ティータイムの前に汚れた体を洗いたまえ。隣に浴場があるから」
工場長の言葉に従ってセリーヌたちは少しぬるめのシャワーを浴び、体を清める。ついでにソフィーがドランの体を磨いていく。ドランもこれは苦手だが、きれい好きなソフィーの言いつけだからあまり文句も言えない。
その後で工場長夫人の主催でささやかなティータイムが催され、小さなマフィンと淹れたお茶でひと時を楽しんだ。
そこで工場長がある話題を切りだす。
工場長「最近となりのイギリスで工業などが著しく発展したという話題を耳にするけど」
ドラン「うん、それは産業革命ってやつか、むぐっ!」
心なしか口に出したドランの口をセリーヌがふさぐ。
セリーヌ「ちょっとドラン、ここでこの話はまずいでしょ」
ちなみにセリーヌもドランことドラパンが未来の世界のロボットであることを知っていることから産業革命のことはある程度分かっていた。だからこそここで産業革命という言葉を切りださされてはまずいと思ってのことだったのだが。
工場長「うむ、そのネコ君の呼び方は結構うまいな、いや革命という言葉も物騒だが、国民の生活が豊かになることは喜ばしいことだよ。たとえば洗濯にしても荷物運びにしても、イギリスで導入される機械の力があれば君たちもそう苦労しなくても済むだろうがね」
セリーヌ「あ、はい、でも、私たちも生活のためにお仕事も欲しいですし、あまり楽になるのも考えもの、だと思います、けれど」
工場長「そうだね、まあその時はその時で考えればいいさ、何せ君たちも若いから。さあさあ、お茶が冷めるから早めに飲みなさい。代わりのお茶も用意しているからね」
「あ、はい・・・・・」

というわけで工場長のはからいでお茶会の後に夕食にも招待され、ドランの先導で帰路につくのだった。
ソフィー「工場長さん、感じのいい人だったね」
マイア「でもセリーヌの言うことも一理あると思うよ。あたしだって体動かしたいし、家族の為にもおカネも欲しいしね」
セリーヌ「おカネねえ、でもそれだけで生活が豊かになるとも限らないからね」
マイア「へえ、いいこというじゃない、たしかにいい服と食べるものさえあればあとはそういらないからねえ」
ソフィー「そうねえ、おカネさえあれば何でもできる、ってわけじゃないから。でもたまにはパーッと使ってお遊びしたいからねえ」
セリーヌ「これもソフィーらしいわねえ、でも今は次の仕事をどうしようかを考えていきましょう」
帰路話に花が咲く三人をよそに、ドランも物思いにふけるのだった。
ドラン(でも産業革命か、たしかにこの時期に差し掛かっているけど、このフランスでも何かの動きがあるかもしれないな。でもその時はその時だし。そろそろ僕らの仕事も欲しいな)
ドランもドランなりに考えを巡らせつつ家路につくのだった。

次の日、セリーヌの部屋に届けられた新聞が二人の話題となった。
ドラン「なになに、イギリスのマイルス男爵が来訪。新たに開発した機械を紹介する。だって」
セリーヌ「そういえばドランが言ってた産業革命の機械の紹介ってところね。結構面白そうね」
先日の仕事で幾分懐が温かくなり、少しユタカな朝食をとることができた二人。食事をとりつつも新聞の話題に花を咲かせ、それに伴っての“次の仕事”に話題を移そうとした時だった、
ソフィー「ねえセリーヌ、マイルス男爵の機械の展覧会についてだけれど」
ピエール「今度の休日にぜひ一緒に行かないかな」
なんとソフィーとピエールが一緒にセリーヌたちのもとを訪れたのだった。
セリーヌ「そ、それはいいけど、めずらしいわね、二人一緒に訪れるなんて」
ソフィー「そもそもピエールがセリーヌ目当てで訪れたからね」
ピエール「え、いや、それは・・・・・」
ドラン「おおかた展覧会のことセリーヌに伝えようとしたら途中ソフィーにつかまったのか、ばかだなあ」
セリーヌ「そんなこと言うものじゃないわよ」
ドランを小突きながらもセリーヌが返す。
ピエール「ほら、せっかく僕も休暇をもらったからね。セリーヌも一緒にと思ったんだ」
セリーヌ「うん、でもたまの休日なら今回はみんなで行きましょう。最近仕事ばかりだったからね」
ソフィー「それじゃあ決まりね、マイアにも伝えておくから」
と、一足早くマイアのもとに駆け付けるべく部屋を後にするソフィー。
ピエール「僕も支度をしてくるから外で待っていて」
ピエールも部屋を後にする。
セリーヌ「行っちゃったわね」
ドラン「でも今回は機械の展覧会だから“仕事”はお預けかなあ」
セリーヌ「これもしょうがないわよ、さあ、私たちも支度をしよう」
というわけでセリーヌたちも外出の支度をしてピエールたちを待つことになる。
しかしこの展覧会でセリーヌたちもとてつもなく恐ろしくも恥ずかしい目にあうことは今はまだ知らないのであった。

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ぼくらの宇宙戦争番外編:ハロー地球人たち<本当は怖いドラえもん>

ドラえもんのお話の中には魅力的な宇宙人が多数登場している。
その中には宇宙開拓史や宇宙漂流記やらの友好的な人たちもいれば、地球を侵略せんとする危険な奴らもいる。今回はそんな宇宙人たちからの視点で地球と地球人たちをどうみているのかを考察したい。まずはその代表例たるこのお話をば、

『ハロー宇宙人』
スネ夫たちのインチキUFO写真に対抗するために、のび太くんたちも火星のコケから宇宙人を進化させ、UFOで地球に来てもらおうとした。はたして宇宙人たちも自前で宇宙船を開発し、地球へと調査のために訪れたのだが、その地球人を好戦的な生物と思い込んで、宇宙のさらなる彼方に旅立ってしまったそうな。

えてして(我々地球人が想像する)宇宙人というのは地球人よりも能力や文明レベルが優れており、地球人を能力、ことに心のレベルが劣っていると見なしているきらいがある。その代表例なのがウルトラマンの宇宙人たちだが、彼らの場合はそれなりの人格描写があるものの結局は毎回登場する怪獣とさして代わりはないだろう。
さておき前述のお話の宇宙人が調査したのがのび太くんたちとその界隈だったのが、いわゆる漫画的滑稽さを表していたかもしれない。これは『天井うらの宇宙戦争』などや大長編『のび太の小宇宙戦争』も同じことだろう。
それでもドラえもんたちと先述のロップル(開拓史)、パピ(小宇宙戦争)やリアン(宇宙漂流記)たち宇宙人たちとの交流を通じて、地球と宇宙との交流も決して夢ではないことをこれらのお話を通じてあらためて信じてみたい。

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ドラえもんオリジナル・しずかとミノタウロスの皿(その3)

さてみなさん、今回のドラえもんオリジナル大長編は、しずかとミノタウロスの皿の第3回のストーリーをお送りいたします。
原作のお話は当時よりかなり問題がありいろいろと制約がある中、できるだけその魅力を引き出せられるかに心を砕いたつもりです。
はたしてズン類たちの儀式に供せられるしずかちゃんたちをのび太くんたちはいかに助けるか乞うご期待といったところで、それでは、ごゆっくり。

ちなみに前回までのお話はこちらから。
しずかとミノタウロスの皿(その1)
しずかとミノタウロスの皿(その2)
というわけで、あらためてごゆっくり。

突然の事態に戸惑うばかりのしずかちゃんたちに、ズン類の一人が近付いてきた。
しずか「あの、これは一体どういうことなんですか」
麗子「というより、これでは私たちがごちそうみたいじゃないですか」
するとそのズン類はやけに穏やかな口調で応える。
「そうだよ、君たちこそ僕らのためのごちそうなんだ。それためのこの“ミノタウロスの皿”なんだよ」
その言葉に誰もが信じられない表情をあらわし、それでも彼の言葉を理解しようとするしずかちゃんは憮然と、麗子は内心の怒りを込めて彼の言葉を聞き続けるのだった。
「前にも言った通り、僕らの星のウスは絶滅しちゃって、僕らズン類も衰退の一途をたどりつつあるんだ。それでも食用の植物を育てて食いつなぎながら今まで生き延びてきたんだ。
しかしそれでは僕らもいずれ滅び去る運命にあるかもしれない。そこで僕は他の星でスバラシイ技術を学んだんだよ。
それは体の一部分を同じ材料で創り出す技術なんだ。つまりは君たちの手足や頭、そして胴体を寸分たがわぬコピーを創り出して、僕たちの宴に供するんだよ」
そのうちに立花さんと乙梨さんは気を失い、そんな中しずかちゃんたちがすべての勇気を振り絞って抗議する。
しずか「そんな、それじゃあ私たちは・・・・・」
「もちろん君たちはケガをするわけでも、まして死ぬわけでもないよ、僕たちの宴に参加して君たちの体のコピーを提供するんだ」
麗子「それでも私たちを食べるのには変わりはないじゃないですの」
「分からないなあ、痛みはないって言ってるだろう」
まるで考えそのものが違うことについて、もはや二人は何も言えない。
しかしその時である。
「おい大変だ、空から何かが近付いてくるぞ」
「なんだと、どういうことだ」

少し話を戻して警備隊の宇宙船の中、ドラえもんのポケットの中から何やら警報が鳴り響く。
のび太「うん、どうしたのドラえもん」
ドラえもん「まずいな“虫のしらせセンサー”が鳴って、しずかちゃんたちの危機を伝えてる」
のび太「ええっ、それじゃあしずかちゃんたちは・・・・・」
リイナ「どっちにしても急がなきゃいけないみたいね、今から飛ばすからしっかりつかまってね」
二人「あ、はい・・・・・」
こうして宇宙船はアルデバランに突っ込んでいく。

その宇宙船はまっすぐミノタウロスの祭壇に突っ込み、ミノアの像はそのまま倒れていく。
それからややあって宇宙船からリイナが現れる。
リイナ「私は宇宙警備隊のリイナ、アルデバランのズン類一党、あなたたちを誘拐の現行犯及び宇宙医療法違反の容疑で逮捕します」
「ええっ、何で宇宙警備隊が、僕たちはズン類の復興に力を注いだだけなのに」
リイナ「医療目的以外での部分的クローンは禁止されているはずよ。ともかくおとなしくしなさい」
手にはショックガンが握られていたこともあり、たちまちズン類たちはおとなしく手を上げて降伏していく。
そのうち警備隊の宇宙船が続々降りてきて、ネズミ型の捜査官たちがズン類のクローン装置を押収していき、ブタ型の捜査官もズン類たちを確保していく。
のび太「でもしずかちゃん大丈夫かな」
ドラえもん「とにかく助けに行こう、でもその前に、祭壇に突っ込んじゃったから上の像も倒れちゃった。ここは“復元光線”で」
ドラえもんが復元光線で祭壇を修復し、あのミノアの像ももとの姿に戻っていった。
のび太「でもこの女の人の像。本当にきれいだなあ、ってそんなこと言ってる場合じゃない。急がなきゃ」
こうしてドラえもんとのび太くんは山車にのぼり、しずかちゃんたちのもとにたどり着いた。そこにはしずかちゃんたちがぐったりと座り込んでいた。
ドラえもん「大丈夫しずかちゃん、ってこれは恥ずかしい格好だなあ」
のび太「手足が鎖でつながれちゃってる。カギをさがさなきゃ」
ドラえもん「待って、こういうときは“ゴマロック”これで鎖を外すんだ」
ドラえもんとのび太くんがこの道具で手かせ足かせにタッチして「ひらけゴマ」ととなえると、はたして手かせ足かせは外れ、しずかちゃんは自由の身となった。
「しずかちゃん、だいじょうぶ」
しかし気が付いたしずかちゃんは、目の前ののび太くんを「いや~!」と押しのけてしまった。それをすかさずリイナが受け止めたのだが。
リイナ「あらあら、今度はのび太くんが助けようとしたのにね」
しずか「えっ・・・・・」
しかしそこにすかさず、前もってドラえもんに助けられた麗子がのび太くんのもとに飛び込んでいく。
麗子「のび太さぁん、助けに来てくれたのねえ」
しずか「ああっ、もう麗子さんったら」
こうしてミノタウロスの皿事件はひとまず解決し、しずかちゃんたちはもちろん地球に帰されることとなった。立花さんと乙梨さんはワルいユメを見たのだと言い聞かせることにして、麗子としずかちゃんもそれぞれ自分を落ち着かせることはできた、のだが。

後日麗子はひんぱんにのび太くんのもとを訪れるようになる。先のお礼ということでデートに付き合わせることとなったのだ。
麗子「・・・それで敵の只中にのび太さんたちが飛び込んで牛のズンルイたちをなぎ倒して・・・・・」
のび太「ああ、しずかちゃん」
しずか「どうぞ、ごゆっくり」
当面は麗子に付き合わなければならなくなったのび太くんだった。

しかしもうちょっとお話を述べることにして、しずかちゃん家でバーベキューに呼ばれたのび太くんたち。焼き上がったお肉をみんながおいしそうに頬張る中、何故かしずかちゃんはお肉を口にするうちに涙が流れ落ちていく。
のび太「あれ、どうしたのしずかちゃん」
しずか「うん、なんだか食べてるうちに涙が止まらないの、でも、大丈夫だから・・・・・」
そんなしずかちゃんの様を誰もが見守って気づかいつつ、みんなバーベキューのお肉を楽しむのだった。

おわり

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クリエイターの執念とは:藤子不二雄A・安孫子元雄先生編

さてみなさん、今回は先日亡くなられた藤子不二雄Aこと安孫子元雄先生について一言二言と語りたいと思います。それでは、ごゆっくり。
藤子A先生といえは今の若者からみれば「もう一人の藤子不二雄」といった認識でしかないやもしれない。
そもそも藤子A先生は藤子F不二雄こと藤本弘先生と小学生のころに知り合い、後にともに上京して漫画家の道を歩み、長じて藤子不二雄の名で世出したのはご存知のところ。
それから各自の代表作をA先生は『怪物くん』『忍者ハットリくん』『プロゴルファー猿』と次々と送り出していった。
そんな中、両者合作というのもしばしば行われ、パーマンとハットリくんとの合作も2本上映され、ドラえもんにてもハットリくんから『ニンニン修行セット』、怪物くんから『怪物くん帽子』などのエピソードが生まれた。
それが80年代半ばになり、いわゆる藤子ブランドも肥大化して利権というものも出来てしまったこともあれ、それぞれの仕事と著作権を分化しようとあえてコンビを解消してしまったということであった。しかしその友情は終生変わらなかったことはここで一マンガファンとして明記したい。
そんな藤子A先生の作品について、まず『怪物くん』は人とは違う生物の怪物たちが住む怪物ランドからやってきたランドの王子様怪物くんが人間界にやってきて奇想天外な活躍を見せるお話で、『忍者ハットリくん』は伊賀の里からやってきたハットリくんが奇想天外な活躍を見せるお話でもある。
他にも、ゴルフに際して天才的な才能を持つ猿丸が裏のゴルファー組織と死闘を繰り広げると『プロゴルファー猿』や、自身の漫画人生を描いた『まんが道』も忘れてはならない。
その反面『魔太郎がくる!!』は生来いじめられやすいほどの気弱な少年魔太郎は実は魔族の血を引いていて、夜な夜な「うらみ念法」なる魔術でいじめっ子たちを凝らしめるというお話である。これはひとまずの勧善懲悪が成されているからいいけれど。
同じく『笑ゥせぇるすまん』は、現代社会の片隅でいろいろな悩みや鬱屈抱える人たちに喪黒福造なる人物が取り入ってその心の隙間を埋めるべく様々なサービスを提供するも、やがてはその欲望に呑み込ませて破滅に追い込むといったある程度の陰鬱さがうけたものだった。
そういった作品群もあれ、F先生に対してA先生はある程度の陰を背負っているとも受け止められる。
ともあれマンガ史の一時代を築いた藤子不二雄A先生に際し感謝の言葉を添えて、この記事をしめたいと思います。
藤子不二雄A先生
数多くの作品を我々の感動とともに
お送りしていただき
本当にありがとうございました。

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