さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは、キッド編、のび太のガンマスター(その3)をお送りいたします。
いよいよ悪漢たちの本格的な襲撃を受けることとなったウエスタンシティ。成り行き街を守る羽目になったドラえもんたち。しかし肝心のドラミちゃんは忙しくてなかなか来られないという。はたしてこの危機をどう切り抜けるというのか、といったところで、それでは、ごゆっくり。
ちなみに前回のお話はこちら
ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター
(その1)
(その2)
といったところで、あらためてごゆっくり。
無法者にさらわれかけるも賞金稼ぎの女性、カラミティジェーンに助けられ、ふたたびシティに合流したのび太くんたち。無法者たちの襲撃を明日に控え、各自街の防備に余念がない。
一方のび太くんやマークたちはまだ子供ということでどちらかというと街の中央広場の防御にあたることになり、迎撃、すなわち打って出る役目は保安官たち大人やジェーンが受け持つこととなる。
とはいえジェーン、今夜はシェリーのお世話を買って出て、この夜はふたりでお風呂タイムに興じていた。
シェリー「でも本当にいいのかしら、周りは忙しそうなのに私たちだけお風呂に入って」
ジェーン「こういうのは英気を養うのがいちばんいいからね、ほら、腕を上げて」
シェリー「あはっ、くすぐったい」
一方マークたちも別に用意された風呂場で汗を流していた。
マーク「今度はシェリーがお相手かあ」
ケビン「しょうがないよ、女の子同士だから」
グラント「久しぶりの風呂だからな、いっぱい汗を流して明日に備えようぜ」
その一方ののび太くんは、
のび太「でも明日本当に街を守れるかな」
ドラえもん「しょうがないよ、ここはみんなを信じていくしかないからね」
キッド「そうだよ、おれたちやみんながいれば怖いものなしさ(でも本当にドラミは来るかなあ)」
ドラえもん「そんなこと僕に言われても、でも来ると言ったから信じて待つしかないよ」
のび太(やっぱり心配だなあ・・・・・)
ドラえもんとキッドの小声での会話を耳にしながらいまいち安心できないのび太くんだった。
次の日、街はずれの向こうから土煙が立ち上り、今まさに悪漢たちが乗り込まんとしていたのだ。
保安官「いよいよ来るぞ、みんな、準備はいいか」
ジェーン「オッケー、いつでもいいよ」
「ええ、こちらも準備オッケーです」
街の住人たちもジェーンに倣い応える。
一方マークたちやキッド、のび太くんにドラえもんも、
キッド「いよいよ来るぞ、みんな準備はいいか」
のび太「お、オッケー」
マーク「ぼ、僕もオッケーだよ」
ケビン「ぼ、僕らは後ろに控えてるから、ここまで来ないんじゃないかな」
マーク「わ、わかんないよ、前にも街中に入り込まれたから」
グラント「何弱気になってんだ、大人たちがダメならおれたちががんばらなきゃいけないんだぞ」
シェリー「もう、みんなだらしがないんだから」
ドラえもん「ともかくショックガンや空気砲だけじゃやはり心もとないから、かといってあぶない武器は最近の規制やらで使えないから。ともかくも何とか持てる道具で工夫して」
と、到るところに仕掛けられた罠を確認する。しかしのび太くんは別の懸念、つまりは心配事があった。
のび太「本当にドラミちゃんくるのかなあ」
ドラえもん「ともかく来るまで持ちこたえなきゃ」
そんな二人の心配をよそに、やがて悪漢たちの一団が街の近くまで迫ってきたのだ。
「親分、いつでも攻め込めますぜ」
子分の呼び掛けに腕を組んで街を見下ろした親分は、あらためて味方の陣容を見やる。
ここで親分の過去も語られる。彼はかつてのモルグシティの悪漢の頭目の親分の子孫であることは先に語られた。
かつての親分の息子はしばらく労働等で生計を立てていたが、やがて彼も裏稼業、つまりは武器や違法な物品の売買に手を染めて私腹を肥やし、それから代々その勢力を伸ばしてきた。
そして今の親分の代になって、今まで集めてきた子分たち、彼に協力する宇宙マフィアたち、その他もろもろの無法者たちがウエスタンシティ並びに英雄ノビータことのび太くんを狙わんとしたのだ。
親分「うむ、たしかに頃合いだな、野郎ども、用意はいいか」
「おう!」と、子分たちも一斉に掛け声をあげる。
「よーし出撃だ、街の奴らに目に物を言わせてやる」
一斉に悪漢たちは街へと駆けていく。
保安官「来るぞ!」
巻き起こる土煙に保安官の掛け声が上がり、街の人々、そしてジェーンも銃を構える。
まずは10数騎の騎兵が手綱片手に銃で襲い掛かる。迎え撃たんとする人々に突進し、ひるんだすきにショックガンで撃って動けなくする。しかしジェーンは騎兵の突進をかわしつつ果敢に攻め入って撃退する。続いて保安官も着実な射撃で敵を撃ち取り、それに奮起してまわりの市民も続いて奮戦する。
しかしその騎兵たちはまだ先兵に過ぎなかった。
続いて襲撃してきたのは主力である幌馬車部隊。馬型ロボットに引き連れられて街じゅうに突っ込み、そこから数人ずつの悪漢たちが出てきて街中に散らばるのだ。
直接市民を撃ち取らんとする者、家々に入って中で身を守っている市民~女子供がほとんどだが~を投げ縄銃で捕らえる者と、こちらも徐々に街に被害を与えていく。
やがて敵も街の中央広場へと入り込んでいくんだが。
「保安官、敵が中央広場の広場へ入り込んで来ました」
保安官「ううむ、数が多いだけにさすがに守り切れないか、いや、ここで弱音を吐いたらますます敵の思うつぼだ」
ジェーン「やっぱりあの子たちが心配だ、保安官ここはあたしが行ってこようか」
保安官「すまない、我々も何とか食い止めてみる」
と、ジェーンはマークたちの援護に回り中央広場に向かう。
保安官「なんとしてもここ守り切る。できる限り敵を食い止めるんだ」
「はい!」
こうして保安官たちも守りを固め、いまだ街の外に陣取っている親分の本隊を迎え撃たんとしていたのだが。
そして街の中央広場、そこは避難した女性や子供たちが身を寄せていた。そこを守るのがキッドやマーク、そしてドラえもんやのび太くんである
そんな中央広場に悪漢たちが押し寄せてきたのだ。
ケビン「わっ、こっちに押し寄せてくる」
グラント「おれたちで食い止めるんだ、行くぞ」
キッド「よし、まずはこのおれが」
とドラえもんと一緒に空気砲で悪漢の群れを撃ち倒す。これで何人かは倒すことができ、残りは着実に撃ち倒していく。グラントやケビン、マークらはともかくのび太くんもひとまずは確実に撃つことができたが、やはり人を傷つけるのも何なのでちょっと及び腰だった。
「くそっ、奴らガキのくせになかなかしぶといぜ」
「ひるむな、親分が来るまで何とかここを落とすんだ」
キッド「敵の親分が来るのか、こいつは大変だ」
マーク「でもパパの方は大丈夫かな、その親分を食い止めればいいけど」
のび太「ここは一番安全だって言ったじゃない、ドラえもん」
ドラえもん「それはそうだけど、って、まさか・・・・・」
ドラえもんはふと何かに気付き、少し青ざめてしまう。
そんなドラえもんの懸念に合わせ、中央広場のちょうど後通りで、ゆっくりと騎馬を進める人影がいた。その人影は建物の柱を撃ち、そこに仕掛けられたひもと連動し、上の窓から球状に巻きつけられた木の塊が飛び出してきた。
「思った通りだな、後ろを罠で固めて正面で迎え撃つのか。たしかに子供っぽいやり方だな」
と、その男は後ろの罠を一つずつ解いていくのだった。
戻って中央広場、キッドやドラえもんたちも残る敵を一人ずつ倒していく。そんな折、のび太くんも一つ心配事がある。
のび太「何とか守り切れたらいいけど、後ろの方は大丈夫かなあ」
シェリー「大丈夫よ、あれだけ厳重な罠を張り巡らしているんだから」
傍らのシェリーが励ましついでに応え、ふと後ろを見やる、しかし一人の男が自分たちに銃を構え狙わんとしていた。
シェリー「あぶない!」
のび太「うわっ!」
すかさずシェリーがのび太くんをかばって押し倒し、男が放った銃を受ける。はたしてシェリーは投げ縄銃で縛られ、男のもとに引き寄せられる。実はその男こそ、手下の服装に身を包んだ親分だったのだ。
マーク「シェリー」
のび太「ああ、シェリーさん」
親分「チッ、ノビータを捕まえようとしたがこの小娘か」
シェリー「は、放して」
眼帯と付け髭をはがして素顔に戻った親分はあらためてのび太くんたちに告げる。
親分「まあいい、英雄ノビータよ、この小娘を助けたかったら、今夜までにおれたちのもとに来るんだな」
と、空から呼び寄せた自分の馬に乗って去っていくのだった。
ジェーン「あの馬は奴らの親分、まさかみんなは」
駆け付けたジェーンのもと、マークとのび太くんが駆けつける。
のび太「ああ、大変だよ、シェリーさんがさらわれて」
マーク「あいつらのもとに連れられて、ああ、どうしよう」
のび太「ここは助けるしかないじゃない」
ジェーン「そうだね、いまだあいつらの陣容は厚いけど、ここはやるしかないわ」
こうして街をひとまずは守りきれたが、まだまだ無法者との戦いは終わっていなかったのだ。
つづく
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