ドラえもん

ドラえもんとゆかいな仲間たち:ジャングル黒べえ<本当は怖いドラえもん>

さて今回のゆかいな仲間たちは、特殊な事情からの放映から一時封印されつつも近年再評価されたといういわくつきの作品たる『ジャングル黒べえ』について語りたいと思います。

ある日前々から設置した鳥かごに奇妙な子供が舞い降りてきた。その子は人呼んで“黒べえ”と名乗る、はるか遠くのジャングルからやってきた不思議な民族の子供であった。
それからというもの、住まわせてもらった恩返しということで、家の子供シシオの手助けをするということだが、黒べえのやることなすことはジャングルの掟と称して、日常の非常識な活躍をして周囲をけむに巻く。
これは当時のはやりともいうべき、ナンセンスなギャグ漫画の典型的な例でもあり、それでいて、世界の国において、ところ変わればその生活様式等の習俗も違うといった極端な表現とも受け止められるかもしれない。
あと黒べえの力といえば、魔法の力を用いて何らかの問題を解決しようとすることがある。これはドラえもんにおけるひみつ道具と同じシチュエーションとも受け止められるが、この魔法もどちらかというと当て外れな作用を引き起こし更なる問題を引き起こすこともしばしばある。つまりはその黒べえも藤子F先生作品お決まりの“ダメ”な主人公でもあったのだ。
そんなこんなで街じゅうを暴れ回る黒べえのもと、弟の赤べえとペットのパオパオ、そしてアニメオリジナルながら黒べえのライバルたるガックなどのキャラクターがお話の華を添えることとなった。
そのアニメといえば、実は東京ムービー主導のアニメ企画からテレビアニメが制作、放映され後に藤子F先生がマンガを描かれたいきさつもあり、どちらかといえばアニメが原作でマンガが派生メディアとも受け止められるのだった。ちなみに当初のアニメ原案にはかの宮崎駿監督も関わったとか。
その黒べえも、80年代後半からの差別問題のあおりを受けて一時放映ができない状況となるも、近年の藤子F先生の評価を受けてメディア化も成されていったのだ。
さておきキャラクターについて、まずはのび太くんのポジションたるシシオ、ジャイアンとスネ夫のポジションのタイガーとオカラ、そしてしずかちゃんポジションのタカネといったところ。
それに加えて赤べえについてはどちらかといえばオバQのO次郎、ガックはドロンパのポジジションに当てはめられるなど、キャラ的にオバQの要素も含まれてもいた。
あと黒べえのもう一人(一頭)の仲間たるパオパオについて、そもそも黒べえのふしぎな要素の一つに、そのパオパオをはじめふしぎな動物たちのシチュエーションがある。生物学的にはナンセンスながらもウルトラマンの怪獣やら仮面ライダーの怪人などとも通じているかもしれない。
まず頭だけのゾウの外見のパオパオについてはその愛らしい造形から、黒べえの故郷の珍獣とともに大長編の『のび太の宇宙開拓史』に、最近の『南極カチコチ大冒険』にもゲスト出演とあいなったのだ。
それに引き続いてガックが召喚するゆかいな珍獣たち。彼らと黒べえとの対戦が物語後半のお話におけるシチュエーションとして、これもまたドラえもんにおけるひみつ道具的なシチュエーションとも受け止めてもいいかもしれない。
このように様々ないきさつが絡んで制作されたこの黒べえも、今や立派な藤子F作品といえるのではないか。

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ドラえもん・オリジナル大長編:のび太の源氏物語(その2)

さてみなさん、今回のドラえもんオリジナル大長編は・のび太の源氏物語の第2回ということで、源氏物語の主人公光源氏に助けられ、彼の屋敷にかくまわれたのび太くん、ひとまず屋敷の生活を送ることにもなる中、とある事件に巻き込まれるさまをここにお送りする運びです。はたしてどうなることやら、ひとまずはそれでは、ごゆっくり。

ちなみに前回のお話はこちら

ドラえもん・のび太の源氏物語

(その1)

といったところで、あらためてごゆっくり。

“絵本入り込みくつ”にて『源氏物語』の中に入り込んだのび太くん。しかし森の中に迷い込み、さらにはそこに根付く山賊たちに襲われたりもするも、そこに一人の人物に助けられる。その人こそはかの光源氏だったのだ。
源氏「ここは都から離れた村の一つだけれど、わけあってここに屋敷を構えて暮らしているのだよ」
のび太「そこが源氏さんのおうちなんですね」
源氏「うむ、少し狭いところだが、ほとぼりが冷めるまでは休んでいきなさい」
と源氏に連れられて森の中を歩く。源氏は馬に乗っているのに対し、のび太くんは徒歩。つまりそのまま歩いているのだが、源氏もどこか近づきがたい雰囲気で、ひとまずはついていくだけでせいいっぱいだったのだ。
やがて少し広い屋敷にたどり着き、そこから二人の子供が迎え入れる。
源氏「今帰ったよ」
「ああ、お帰りなさいませ、ご主人様」
のび太「あれ、ジャイアンにスネ夫」
「何言ってんだ、おれはタケヒコという源氏さまの召し使いだ」
「僕はスネヒコという同じく召し使いだよ」
源氏「今夜はここでゆっくりしていきなさい」
と、源氏は屋敷の中に入っていく。
のび太「それじゃあ、お邪魔します・・・・・」
タケヒコ「おっと、お前はこっち」
タケヒコがのび太くんのえりをつかんで引き止める。
源氏「二人とも、彼のお世話を頼むよ」
「はーい」
源氏の呼び掛けにタケヒコとスネヒコの二人が返事し、のび太くんもそれに倣うのだった。
脇の小屋に連れられたのび太くん。たしかに昔ながらのたたずまいなのだが、ともかくのび太くんもその小屋の中に上がるのだった。
タケヒコ「おれたちはこの近くの村に住んでいるんだけどな、源氏さまが自分の世話をする召し使いにと、この屋敷に住まわせてくれたんだ」
スネヒコ「源氏さまはとてもお優しい人だからな、同じくお前も拾われたようだけれど、どこか頼りないんだよな」
のび太「なんか僕も源氏さんの召し使いになるのかな、早く帰らなくちゃいけないし」
「あら、この人は新しい召し使いの人」
そこにもう一人の女の子が入ってきた。手にはある程度の野菜も抱えていた。
のび太「あれ、しずかちゃん」
「えっ、私はシズネという源氏さまのお女中の見習いよ。さあみんなで夕げ(晩ごはん)のしたくをしましょう」
こうしてシズネの手料理で、野菜と雑穀(アワやヒエなどの穀物)のおじやで夕げをいただくのび太くん。その夜はタケヒコとともに寝ることとなった。

次の日、ニワトリの泣き声で目が覚めたのび太くんたち。
タケヒコ「おお、もう朝か、それじゃあ朝の仕事始めようぜ」
スネヒコ「うん、遅れるとお頭におこられちゃうからな」
のび太「あ、ええと、僕も行かなきゃいけないのかな」
タケヒコ「当り前だろ、おれたちゃまだ子供だから、モノを運ぶとか簡単な仕事しかできないけどな」
と、二人についていくのび太くんだった。そこに洗濯物を小脇に抱えたシズネが現れた。
シズネ「あら、ノビタさん、ちょうどよかったから私のお仕事手伝ってくれない」
のび太「あっ、はいはい」
と、二つ返事でシズネについていくのだった。
タケヒコ「ちえっ、調子いいなあ、あいつ」
ちょっとうらやまし気に見送るタケヒコたち。ややあって少し身なりのいい子供も近付いてきた。
シズネ「あら、デキマロさん」
のび太「あれ、今度は出木杉そっくりの子かな」
デキマロ「ああ、君が源氏さまに助けられた子だね。君も後でみんなと勉学に来ないかい」
のび太「ベンガク、ってなんか学校みたいだなあ」
シズネ「さあさあ、早く小川の方に行きましょう」
のび太「あ、はーい」
と、シズネについていき、小川にたどり着くのび太くんだった。そこでは小脇に抱えた着物を川の水に浸して、それを水でゆすいで洗う、数人の女の人たちがいた。
「あらシズネ、この子は誰だい」
「ほら、昨日源氏さまが助けたって子だよ」
「とにかくシズネ、あんたも早く入った入った」
シズネ「はーい」
と、シズネも着物を脱ぎ、胸を覆うさらしと腰巻姿のちょっとあられのない姿になった。
シズネ「これからこの着物の汚れを落とす仕事にかかるけれど、あなたもちょっと手伝って」
のび太「あ、うん」
と、のび太くんもくつと靴下を脱いで小川に入る。
のび太くんとシズネは水に浸した着物を足でゆすぐことになり、はじめ約10分ほどはシズネと一緒に足踏みをしていたが、次第に疲れて水の中に倒れ込んでしまい、ついには川に沈んでいく。溺れたのび太くんを助け出すシズネたち。
「あらあら、まだ時は立っていないのに、だらしがないわねえ」
シズネ「しょうがないわよ、この子は本当はお客人だけどちょっと人手が足りないので簡単なお仕事を手伝ってもらうことになったから」
「まあいいわ、ちょっと木陰で休んでもらいましょう」
と、のび太くんを木陰まで運び休ませてから、残りの着物を洗うことにした。

それからややあって、のび太くんはどこかの建物の部屋で横になっていたが、
タケヒコ「おい、起きろのび太氏(うじ)」
と、タケヒコに小突かれて目が覚める。
のび太「あれ、ここは、って何この着物」
いつの間にかのび太くんは洗濯の女中たちによって着物に着替えられてこの部屋まで運ばれたのだ。
デキマロ「やあお目覚めかいのび太氏、これから勉学をするけど、君はこの書に目を通すだけでいいよ。読むのはもっぱら僕の役目だから」
と、デキマロにならって巻物をひらく」
のび太「・・・!・・・・・?」
しかし、巻物の中に書かれているのはいわゆる崩し字であって、とてもじゃないけど読めるものじゃなかったのだ。
のび太「な、なにこれ、まるでミミズがのたくっているだけじゃない」
タケヒコ「おい、失礼なこと言うな、これでも源氏さまが書かれた書なんだぞ」
デキマロ「まあまあ、書を写したのは僕も手伝ったけどね」
シズネ「しょうがないわよ、文字なんて誰でも読めるわけじゃないから。ここは私がどう書いてるか教えてあげるね」
のび太「あ、はい、おねがい、シマス・・・・・」
と、シズネに寄り添われ、デキマロが読む書の文字をシズネの指を追って読むことになったのび太くん、途中気が遠くなりそうになるも、タケヒコに小突かれたりシズネやデキマロに気遣われたりしてなんとか目を通すことができたのだった。しかしほとんどがのび太くんにとっては理解しがたいものであったが。

こうして勉学の時間が終わり、タケヒコたちは部屋での自由時間と相成った。もちろんのび太くんもそれに付き合うことになるのだが。
ちなみにシズネは源氏の言いつけでお客人の出迎えに付き合うことになった。その際のび太くんの服も小川で洗い、タケヒコたちの小屋に置いたのだとシズネは言っていたが。
そもそも小屋の中には何もなかったので、ともかくも夕げまで昼寝と、横になろうとした。
のび太「あ~あ、物語の世界に入って源氏さんにお話を教えてもらおうと思ったのに、これじゃあちょっと割りが合わないなあ・・・・・」
ふと、傍らにたたまれていたのび太くんの服に目をやる。シャツやズボンはあるけど肝心のくつがない。
のび太「あれ、僕のくつは」
スネヒコ「何言ってんだ、お前の着物はシズネたちが洗ってここに置いたって言ったじゃないか」
のび太「でもくつがないよ、ここにないってことは、土間には、ああ、やっぱりない」
慌てて外に飛び出したが、やっぱりどこを探せばいいのからちがあかず、途方に暮れてしまう。
のび太「どこを探せばいいのか、これじゃあ元の世界に帰れないよお」
そんな時、馬上のある男の人がのび太くんに話しかける。
「おお、だいぶ困っているようだね。たしか、のび太氏とかいったが」
のび太「あれ、僕のことを知っているの、ってお兄さんは誰ですか」
「うむ、わたしは安倍晴明(あべのせいめい)という者で、おそらく君の力になれるやもしれない。君が他の世界から来たことも前々から調べていて、おそらくこの世界に起こる災難を解決できるかもしれないこともすでに調べをついているのだよ」
源氏「ともかくも詳しい話は屋敷で話そう、ついてきなさい」
のび太「あ、はい」
と、源氏たちに連れられて屋敷でこれからのことを話すことになったのだ。

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ドラえもん・オリジナル大長編:のび太の源氏物語(その1)

さてみなさん、今回のドラえもんオリジナル大長編は、今年放映された大河ドラマ『光る君へ』に出演なされたママ、我らが三石琴乃女史を記念して、ひとまずドラえもんも源氏物語の世界に入り込ませようといった企画です。
はたして平安の雅な世界と裏の物騒さ、そして物語の主人公たる光源氏との関わりがいかなるものになるかこれもこうご期待、といったところで、それでは、ごゆっくり。

この日家に帰ってきたのび太くん、部屋でママが何やら本を読んでどこかうっとりしていた。
のび太「どうしたの、ママ」
見ると卓上には一冊の本が置いていた。
ママ「あらのび太、おやつなら戸棚の中よ」
のび太「ところでなに読んでたの」
のび太くんもママが読んでた本にふと気になったようだ。
ママ「これは『源氏物語』といって、むかしの日本のお話なの。その主人公の光源氏という人はそれはすてきな人で、多くの女の人とすてきなひとときを過ごしてきたのよ。ああ、昔がなつかしいわ・・・・・」
ママが物語にひたっている中、のび太くんは「ふうん」と部屋を後にしようとする。
ママ「ちょっとのび太、ママがせっかくこの本のすばらしさを言おうとしてるのに、なんなのそのそっけなさは」
のび太「そ、そんなこといったって」
ママ「とにかく、あんたもこの本を読みなさい。それまで家から出ちゃだめよ」
とママから源氏物語の本を差し出されるのび太くん。

ドラえもん「ふうん、それはたいへんだね」
のび太「まったくいい迷惑だよ、こんなむずかしそうな本を読めっていうから」
と部屋に戻ったのび太くんはドラえもんにもママから渡された源氏物語の本を見せる。
ドラえもん「これは大人の文学だね、これを読まなきゃいけないのかい」
のび太「だってドラえもん知ってるでしょ、僕が難しい本を読むと眠くなっちゃうの」
ドラえもん「それはきみがちゃんと本に向き合わないからだよ」
と、ひとまずそっけなく応えるドラえもんなのだが。
のび太「何かうまく本を読める方法ってないのかな、そうだ、前に借りた“絵本入りこみぐつ”はないかな」
ドラえもんもひとまずその靴を出すのだが。
ドラえもん「それでこの本のお話を追っていくの、でもこれは絵本にあわせてつくられたんだよ。こんな文学作品に使ったらどうなることか」
のび太「これもやってみなきゃわかんないよ」
と、早速くつをはいてから、物語の本に入り込むのだった。
ドラえもん「うーん、大丈夫かなあ」
と、心配げに物語のページをめくっていくのだった。

気がつけばここはどこかの竹やぶの中、のび太くんはたしかに物語の中に入っていったはずなのだが。
のび太「あれ、ここどこだろう、物語の中だからどこかのお屋敷にいるはずだけど。そうだこの森を抜けるとお屋敷にたどり着けるかな」
と、竹やぶを道沿いに沿って歩き続けていくのび太くん、そのうち目の前の明かりに気が付き、走り寄っていく。
のび太「おーい、道に迷ったんですけど、近くにお屋敷はありませんか」
ところがたどり着いた先は、たき火を囲んでいたいかつい男たちであった。
「何だお前、まだ子供じゃねえか。おれたちはこの森をナワバリにしている山賊と知ってまぎれ込んだのか」
のび太「わっ、えーと、僕は、その・・・・・」
逃げようとしたがたちまち捕まるのび太くん。
「こいつを捕まえて金目のものをふんだくろうにも一文なしのようだからな、いっそ晩飯に食っちまうか」
のび太「えーつ!?」
その時、一本の矢が山賊の目の前をかすめ、草むらから若い貴族の人が現れる。
「乱暴はやめてただちにこの子をはなしなさい。さもなくばこの矢を本当に当てることにする」
「げっ、ミヤコのお貴族さまだ、こいつはかなわねえから逃げよう、おぼえてろ」
と、山賊は一目散に逃げ去っていった。
「あぶないところだったね坊や。夜道の森はひとり出歩くものではないのだよ」
のび太「はい、いえ、僕も道に迷って」
「それならば我が屋敷で休むといい。わたしは光源氏という貴族の者だよ」
のび太「ええっ、それじゃあなたがあの光源氏さん」
源氏「ほう、わたしを知っているとは光栄だね。ともかくゆっくりとしていきなさい」
のび太「あ、はい」
というわけで、光源氏に助けられ、屋敷に連れられることになったのび太くん。果たしてどうなることになるのやら。

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ザ・ドラえもんズオリジナル:のび太のガンマスター(最終回)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは、のび太のガンマスターの最終回をお送りする運びです。
何とかシェリーを助け出し、いよいよ悪漢たちとの決戦に臨むキッドやのび太くんたち。はたしてどう戦い抜くのか、といったところで、それでは、ごゆっくり。

ちなみに前回のお話はこちら
ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター

(その1)

(その2)

(その3)

(その4)

といったところで、あらためてごゆっくり。

敵地に乗り込んだまではいいけれど、親分の罠にはまって敵のただ中に囲まれたキッドやのび太くんたち。しかし銃撃戦の末に偶然飛び出したシェリーのおフロ缶でピンチを切り抜ける形となった。しかし未だピンチは脱してはおらず、はたしてどう切り抜けるのか。

のび太「あの缶でいっぱいやっつけたけど、それにシェリーさんも助かったみたい」
マーク「ほんとだ、大丈夫、ってこれはちょっと恥ずかしいな」
ジェーン「あらあら、これはちょっとまずいわね、ピピ」
呼び寄せたピピの着せ替えライトによってカウガール姿となったシェリー。気が付くと目の前にはマークたちの姿があった。
マーク「大丈夫シェリー、本当によかった」
シェリー「ああ、マーク、こわかったあ」
マークに抱き着くシェリー、その様をのび太くんも羨ましそうに見守っていた。
のび太「いいなあマーク君も。でも僕もしずかちゃんがいるから」
ジェーン「さあさあ、ここでじっとしちゃいられないよ。早くここを抜け出さなきゃ」
と、何故かエドが御者を務めるジェーンの駅馬車が飛んできたのだ。
エド「ヒャッポー、エド様の参上や、どうら、悪党はどこにいるんや」
ジェーン「いい所に来たねえ、でも戦いはこれからだからね」
チチ「さあさあ、早くジェーンのところに近付けて」
と、駅馬車をジェーンのところに近付け、ついでピピとチチがケビンとグラントを助け出し、その駅馬車に乗り込まんとした時、数発の銃撃が駅馬車の車輪を撃ち抜いた。
親分「はっはっは、人質を助けて街へと戻ろうと思ったか、そうは問屋は下ろさんぞ」
ジェーン「まさか、さっき倒したのは」
親分「そいつはおれの影武者、つまりは身代わりってところだ。さあ、少しばかり痛めつけてもかまわん。全員ひっつかまえろ」
と、悪漢たちの総攻撃が始まり、ピピたちの介抱で気が付いたグラントやケビン、シェリーも再び仲間に加わり、ジェーンたちも果敢に応戦する。
しかしやはり多勢に無勢、多すぎる悪漢たちに次第に押されていく。だがその時だった。
当然時空の穴がのび太くんたちの上空に開き~それでいてみんなは気付かずに~そこから一筋の光とともにドラミちゃんが現れたではないか。
ドラえもん「ドラミ」
のび太「ドラミちゃん」
キッド「やっぱり来てくれたんだ」
ドラミ「ごめんなさい、遅くなって。仕事が終わりしだい駆けつけようと思ったけど、時差のためにどうしてもすぐには行けなかったの」
マーク「でも、まだ敵はいっぱいいるんだよ」
ドラミ「それも大丈夫、私たちには“新型マッドウォッチ”があるから。これで私たちの周りの時間を少し遅くしたのよ」
のび太「それで敵の動きもいくらか遅くしたのか」
ドラミ「さあ、その隙にみんなやっつけましょう」
というわけで、ドラミちゃんのマッドウォッチのおかげで、悪漢たちよりも速く動くことができ、そのまま楽に反撃に転ずることができた。
マーク「こうなったらこっちのものだ、それ、覚悟しろ、ってあれ・・・・・」
ジェーン「早く動けるのはあたしたちだけだから、ショックガンの弾も放ったらゆっくり飛ぶだけなのよ」
のび太「それじゃあ、悪者の近くで撃ったら当たりやすいんじゃない」
ドラえもん「それもそうだね、のび太くんにしちゃ上出来だ」
のび太「のび太にしちゃってのは余計だよ」
こうして悪漢たちをほとんど片付け、残るは親分ただ一人だけとなった。しかし親分も何かのスイッチを押そうとしていて、あと一歩のところでそのスイッチが押され、はたして親分の動きも元通りの速さに、というかマッドウォッチの効き目が取り消されてしまったのだ。
ドラミ「ああっ、せっかく時間をゆっくりとしたのに」
親分「おっと、危ないところだったぞ、まさか時間を緩めて動きを封じようとはな。あいにくおれも少しばかりは道具に詳しいんだ」
のび太「あと少しだったのに」
親分「さあ、まだ残りの子分たちもいることだし、お前らさっさと片付けちまえ。もちろんおれに当ててもかまわんぞ。このとおり防護ジャケットを着ているからな」
こうして残りの子分の銃撃からのがれ、元の駅馬車にみんな後戻りののび太くんたち。
マーク「今度こそやっつけたかと思ったら、これじゃあ元のモクアミじゃないか」
のび太「なにその「モトノモクアミ」って」
マーク「今までやったことが無駄になるってことだよ、この前パパが言ってたけど」
ジェーン「あきらめちゃダメだよ、このままじゃ街も落とされちゃう、ってシェリーはどこ」
キッド「ここに逃げたっきり姿が見えないけれど、あれ・・・・・」
そのうち親分以下の悪漢たちが駅馬車を取り囲む。
親分「さあ、もう逃げ場はないぞ。おとなしく降伏しろ」
親分の呼び掛けに何とジェーンが、それに倣ってマークやキッドたちが、武器を持たずに姿を現す。
親分「よーし、なかなか素直じゃないか。それじゃあゆっくりと手を上げてこっちへ来い」
ジェーンが軽くうなずきつつ両手を上げ、みんなもそれに倣った。しかし次の瞬間、なんと高台から缶を持ち上げたシェリーが親分めがけてそのおフロ缶を投げつけた。
シェリー「やった、でもこれが本当の親分さんかしら」
親分「くっ、おれとしたことが、油断しちまったぜ」
缶は親分に直撃し、そのままのびてしまった。事態をつかみかねる子分たち。その隙にピピとチチがショックガンと空気砲をみんなに手渡していく。
ジェーン「さあ、親分はやっつけたよ。あんたたちもおとなしく降伏しな」
と、子分たちも一斉に武器を捨てて手を上げる。こうして、悪漢たちを撃退することができたのだ。

明け方、近隣の星の捜査局が駆けつけ、悪漢たちを拘束、そのまま連行していく中、シティではシェリーの無事と街が護られたことで喜びに沸き立っていた。
保安官「いやいや、本当によかった。それからマーク、いかにジェーンに連れられたとはいえ、あんまり危ないことをしてくれるな。まあそれはそうとみんなも無事でよかった」
キッド「結局おれたちも何もできなかったな」
マーク「結局親分はシェリーがやっつけちゃったからな」
ジェーン「でもあんたたちががんばったおかげで悪い奴をやっつけられたんだ。しいて言えば勇気をふるって立ち向かったからかな」
のび太「勇気かあ」
ドラえもん「いざとなれば勇気を出せればなんだってできるってことだね。もちろん自分ができる限りには」
のび太「そんなもんかなあ」
キッド「とにかく、今日は街の平和が戻ったことのパーティーだ」
ドラミ「私もおもてなしするからみんなで楽しみましょう」
といったところで、シティ総出でのパーティーにも付き合った後で、ドラえもんとのび太くんは、シティを後にして、元の時代へと帰っていったのだ。

後日街の空き地にて、ガンマンごっこに興ずるジャイアンとスネ夫たちが通りかかったのび太くんを見かける。
ジャイアン「おーいのび太、こっちでガンマンごっこに付き合わねえか」
ふと足を止めるのび太くん。しかし、
のび太「うーん、悪いけど僕は遠慮しておくよ。こういうの興味ないんだ」
ジャイアン「なんだ、おれたちと付き合えないってのか」
スネ夫「のび太のくせになまいきだぞ」
と、二人でのび太くんを追いかけようとした。しかし、隣の家の木の枝が、突然二人の頭に落ちたではないか。
ジャイアン「いたたた、なんで木の枝が落ちたんだ」
そこに家の主のおじさんが飛び出してきた。
「こおらお前たち、うちの木を折るとは何事だ」
ジャイアン「わっ、おれたちじゃないよお」
と、おじさんに追いかけられるジャイアンたちだった。突然の出来事におどろくのび太くん。目の前にスーツ姿のお姉さんが小型の銃をしまいつつ立っていたのだ。現代を訪れたあのジェーンだったのだ。
のび太「あれ、ジェーンさん・・・・・」
ジェーン「大丈夫ノビータ。でもお節介かしら」
のび太「うん、僕は大丈夫だよ」
ジェーン「それはよかった。もしよかったらいつでも街に遊びにおいで。あたしは近隣の星で仕事してるけど、時々街にもよるからね」
のび太「はあい」
と言って背中を向けて去っていくジェーン。それをのび太くんも見守っていくのだった。

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ザ・ドラえもんズオリジナル:のび太のガンマスター(その4)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは。キッド編、のび太のガンマスター(その4)をお送りいたします。街の銃撃戦にて悪漢たちにさらわれたシェリーを救うべくマークたちとのび太くん、そしてジェーンが敵の砦の乗り込んでの大活躍をここにお送りする運びです。はたして無事にシェリーを助けることができるか乞うご期待、といったところで、それでは、ごゆっくり。

ちなみに前回のお話はこちら
ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター

(その1)

(その2)

(その3)

といったところで、あらためてごゆっくり。

街中から親分が放った信号弾に合わせ、無法者たちは一旦街から離れていく。一方街はずれでは、親分風の服装で陣取っていた子分の一人が、近付いてくる空飛ぶ馬に気付く。
「あっ親分だ、でもこの女の子は」
「とりあえず街を落とすのはもう少し後だ、この娘はそのためのエサになる。とりあえず丁重に扱ってやれ」
「へい、というわけで大人しくしてろよ」
と、シェリーはその子分に連れられて行くのだった。

その一方シティでは、大きな被害を出しながらも守り切りつつも、続いての襲撃に対し対策を練らんとして頭を悩ませる保安官たち。シェリーがさらわれたことを案ずる両親。そして当のマークたちも。
マーク「やっぱりどうしても助けなきゃいけないけど、どうやって助けよう」
のび太「そりゃ、相手の中に忍び込んで、こっそりと」
グラント「そううまくいくもんか、相手の守りもとっても固いんだぜ」
のび太「それはそうだけど、そうだ、ドラえもんなら何とかしてくれるよね」
と、みんなの視線はドラえもん、そしてキッドに向けられる。
ドラえもん「え、ちょっと、どうして僕の方を向くの」
キッド「まさかおれたちの道具頼りに忍び込もうとすんのか」
のび太「だってそのためのドラえもんだろう」
ドラえもん「軽く言わないでよ、昔の西部開拓時代ならともかく、ここは未来のウエスタンワールドだよ」
キッド「まして相手は未来世界の無法者揃いだ、こちらもこの時代ならではの道具や武器を持ってるんだ。こちらの道具がかなうかどうか」
ジェーン「そこを何とかしなきゃいけないだろ」
と、ジェーンが割って入ってきた。
のび太「あ、ジェーンさん」
ジェーン「さしあたってあたしが奴らのもとに忍び込むことで話をまとめたけど、あんたたちももぐり込むんだったら、ここはこの子たちの道具と合わせていくのもいいよね」
マーク「そうか、ジェーンさんがいれば何とかなるかも」
ジェーン「まあほんとはあたしだけじゃ心もとないからね」
ケビン「そうか、ジェーンさんと一緒に忍び込んで、シェリーを助けるんだ」
グラント「ひとまずはおれたちも何とかがんばってみるけど」
ジェーン「まあいざとなったらあたしが特にがんばるけどね。いざとなったらあんたたちも力を借りるよ」
のび太「何が何でも行かなきゃいけないのかなあ」
ドラえもん「しょうがないよ、ここまで来たんだから。でも本当に来るのかなあ、ドラミ」
と、夕暮れ時の空を見上げるドラえもんだった。

一方駅馬車が周りを取り囲んだ悪漢たちの砦、その中のお頭の駅馬車。そこでシェリーがとらわれていた。
シェリー「ねえ、これから私、どうなるの」
「サアナ、ドコカノ星ニ売り飛バスンジャナイノカ」
と、シェリーを監視しているハゲタカ型ロボットがからかいながらも応える。
「でもきっと、キッドやマーク、それにノビータさんが助けに来てくれるから」
と思いつつも、ふとシェリーが口にしたのは、
「・・・おフロに、入りたいなあ・・・・・」
ハゲタカ「オッ、ふろニ入リタイノカ、ソレナラ」
と、ハゲタカの懐から一個の缶を取り出す。
シェリー「え、なにこれ・・・・・」
ハゲタカ「コレガ“わんかっぷオふろ缶”ダ。コレヲ開ケルト、ッテココジャ親分ニ怒ラレルナ」
と、部屋の外の中庭にシェリーを連れ出す。
ハゲタカ「トモカクコノ缶ヲココニ置イテ、コノフタヲ開ケルンダ」
ハゲタカが両足で缶のふたを開け、はたして缶はみるみる大きくなり、お湯をたたえたドラム缶風呂に早変わりと相成った。
シェリー「でもこんなドラム缶風呂じゃあ」
ハゲタカ「文句ヲ言ウナヨ、オ前ガオふろ入リタイッテ言ッタジャナイカ」
と、今度は着せ替えライトをあて、シェリーをあられのない姿に変えた。
シェリー「きゃあ!」
ハゲタカ「コレデオふろニ入レルナ、サア入ッタ入ッタ」
と、くちばしでつつかれて缶のおフロに入れられるのだった。
親分「おい、何をやってる」
そこに親分が割って入ってきた。
ハゲタカ「アッ親分、コノ娘ガオふろ入リタイッテイウカラ」
親分「うむ、たしかにきれいにした方がいいからな。引き続き監視は怠るな」
ハゲタカ「ヘーイ」
と、ふたたび中庭を後にした親分。シェリーも監視役のハゲタカにみらっることを機にしつつも缶のおフロに身を沈めるのだった。

一方で砦の近くまで忍び込んだジェーンたち。本当はジェーン一人だけで忍び込んで、あわよくばシェリーを助けるといった算段だったが、マークたちも保安官たちにないしょでジェーンについていったのだ。ともあれ敵の陣地に近付いたマークたちだが。
ジェーン「ここまで近づいたけど、問題はこれからだからね」
マーク「どうやって砦に忍び込もうかな」
ドラえもん「ちょうどこの“石ころぼうし”があるけれどね」
と“石ころぼうし”を取り出し、各員がそれをかぶる。
ジェーン「それであいつらに気付かれないように忍び込むのか」
ケビン「そううまくいくのかなあ」
グラント「途中でぼうしが脱げないよう祈るしかないぜ」
のび太「脱げなくなるのもちょっと困るけれど」
と、ドラえもんたちは砦に入り込む。

ぼうしの効き目はうまくいったみたいで、見張りの悪漢たちは自分たちに気にも留めなく、ただ砦の外を見張っているのみで、できるだけ音を立てずに忍び込んで、目指すは砦の中心、シェリーがとらわれた親分の駅馬車である。
ようやく駅馬車にたどり着き、中に入ろうとした次の瞬間、まわりの地面めがけてショックガンが放たれるではないか。
のび太「わっ、これはどういうこと」
そこに親分をはじめ悪漢たちが周りを取り囲んでいったのだ。
親分「ようやくおいでなすったな、英雄ノビータと賞金稼ぎカラミティ・ジェーン」
ドラえもん「まさか“石ころぼうし”のききめはしっかり効いてるのに」
親分「バカめ、おれたちがそいつに気付かないとは思ったか、いや気付かぬふりをしてお前たちをおびき寄せたのだ」
ジェーン「うっ、うかつだったわね」
親分「まずはお前達から始末して、それから街を乗っ取るのだ。それ、一人残らず捕まえろ」
と、悪漢たちとの銃撃戦にもつれ込んだ。マークたちも果敢に攻めるも、まずケビンが、続いてグラントがショックガンの餌食となった。
マーク「ケビン、グラント!」
グラント「だ、大丈夫だ、おれたちにかまわず早くシェリーを・・・・・」
こうなってしまったらマークはともかくのび太くんたちも真剣に応戦せざるを得ない。まず敵の銃撃をかいくぐりながらも着実に悪漢たちを仕留めていくジェーンはもとより、もともと射撃の腕はからっきしだったが、人知れず練習を積んで腕を上げたマーク。現代の銃に比べて人を傷つける力は少ないとはいえ、人に向かって撃つのはためらいがちなのび太くんもここぞとばかりはそうはいっていられない。そしてドラえもんとキッドは空気砲でやたらめっぽうに撃ちまくって、これまた悪漢たちを倒していく。しかしその一発が親分の駅馬車に当たってしまった。
はたして駅馬車は大きく揺れ動き、それに伴って中庭もさらに揺れ動いた。
シェリー「きゃっ、何が起こってるの」
缶ブロのシェリーも、事態の異変に驚きつつ、湯舟に身をかがめんとする。
しかし更なる砲撃で車輪が撃ち抜かれ、駅馬車も大きく傾いてしまう。

「なんだこりゃ、こっちには人質がいるんだぞ」
ついには中庭の缶ぶろは倒れてあちこちに転がり続ける。
ハゲタカ「ワッ、缶ガ転ガッテクル、グワッ!」
シェリー「ちょっと、マークたちは何やってるの」
ハゲタカを踏みつぶしながらもあちこちに転がり続け、ついには駅馬車から飛び出していきた。
はたしておフロの缶は近くの悪漢たち、ついには親分をもなぎ倒し、ついには近くの岩場にぶつかってようやく転がるのを止めた。そこからあられもない姿のシェリーが缶から出てきたではないか。

つづく

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ザ・ドラえもんズオリジナル・ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター(その3)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは、キッド編、のび太のガンマスター(その3)をお送りいたします。
いよいよ悪漢たちの本格的な襲撃を受けることとなったウエスタンシティ。成り行き街を守る羽目になったドラえもんたち。しかし肝心のドラミちゃんは忙しくてなかなか来られないという。はたしてこの危機をどう切り抜けるというのか、といったところで、それでは、ごゆっくり。

ちなみに前回のお話はこちら
ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター

(その1)

(その2)

といったところで、あらためてごゆっくり。

無法者にさらわれかけるも賞金稼ぎの女性、カラミティジェーンに助けられ、ふたたびシティに合流したのび太くんたち。無法者たちの襲撃を明日に控え、各自街の防備に余念がない。
一方のび太くんやマークたちはまだ子供ということでどちらかというと街の中央広場の防御にあたることになり、迎撃、すなわち打って出る役目は保安官たち大人やジェーンが受け持つこととなる。
とはいえジェーン、今夜はシェリーのお世話を買って出て、この夜はふたりでお風呂タイムに興じていた。
シェリー「でも本当にいいのかしら、周りは忙しそうなのに私たちだけお風呂に入って」
ジェーン「こういうのは英気を養うのがいちばんいいからね、ほら、腕を上げて」
シェリー「あはっ、くすぐったい」
一方マークたちも別に用意された風呂場で汗を流していた。
マーク「今度はシェリーがお相手かあ」
ケビン「しょうがないよ、女の子同士だから」
グラント「久しぶりの風呂だからな、いっぱい汗を流して明日に備えようぜ」
その一方ののび太くんは、
のび太「でも明日本当に街を守れるかな」
ドラえもん「しょうがないよ、ここはみんなを信じていくしかないからね」
キッド「そうだよ、おれたちやみんながいれば怖いものなしさ(でも本当にドラミは来るかなあ)」
ドラえもん「そんなこと僕に言われても、でも来ると言ったから信じて待つしかないよ」
のび太(やっぱり心配だなあ・・・・・)
ドラえもんとキッドの小声での会話を耳にしながらいまいち安心できないのび太くんだった。

次の日、街はずれの向こうから土煙が立ち上り、今まさに悪漢たちが乗り込まんとしていたのだ。
保安官「いよいよ来るぞ、みんな、準備はいいか」
ジェーン「オッケー、いつでもいいよ」
「ええ、こちらも準備オッケーです」
街の住人たちもジェーンに倣い応える。
一方マークたちやキッド、のび太くんにドラえもんも、
キッド「いよいよ来るぞ、みんな準備はいいか」
のび太「お、オッケー」
マーク「ぼ、僕もオッケーだよ」
ケビン「ぼ、僕らは後ろに控えてるから、ここまで来ないんじゃないかな」
マーク「わ、わかんないよ、前にも街中に入り込まれたから」
グラント「何弱気になってんだ、大人たちがダメならおれたちががんばらなきゃいけないんだぞ」
シェリー「もう、みんなだらしがないんだから」
ドラえもん「ともかくショックガンや空気砲だけじゃやはり心もとないから、かといってあぶない武器は最近の規制やらで使えないから。ともかくも何とか持てる道具で工夫して」
と、到るところに仕掛けられた罠を確認する。しかしのび太くんは別の懸念、つまりは心配事があった。
のび太「本当にドラミちゃんくるのかなあ」
ドラえもん「ともかく来るまで持ちこたえなきゃ」
そんな二人の心配をよそに、やがて悪漢たちの一団が街の近くまで迫ってきたのだ。

「親分、いつでも攻め込めますぜ」
子分の呼び掛けに腕を組んで街を見下ろした親分は、あらためて味方の陣容を見やる。
ここで親分の過去も語られる。彼はかつてのモルグシティの悪漢の頭目の親分の子孫であることは先に語られた。
かつての親分の息子はしばらく労働等で生計を立てていたが、やがて彼も裏稼業、つまりは武器や違法な物品の売買に手を染めて私腹を肥やし、それから代々その勢力を伸ばしてきた。
そして今の親分の代になって、今まで集めてきた子分たち、彼に協力する宇宙マフィアたち、その他もろもろの無法者たちがウエスタンシティ並びに英雄ノビータことのび太くんを狙わんとしたのだ。
親分「うむ、たしかに頃合いだな、野郎ども、用意はいいか」
「おう!」と、子分たちも一斉に掛け声をあげる。
「よーし出撃だ、街の奴らに目に物を言わせてやる」
一斉に悪漢たちは街へと駆けていく。

保安官「来るぞ!」
巻き起こる土煙に保安官の掛け声が上がり、街の人々、そしてジェーンも銃を構える。
まずは10数騎の騎兵が手綱片手に銃で襲い掛かる。迎え撃たんとする人々に突進し、ひるんだすきにショックガンで撃って動けなくする。しかしジェーンは騎兵の突進をかわしつつ果敢に攻め入って撃退する。続いて保安官も着実な射撃で敵を撃ち取り、それに奮起してまわりの市民も続いて奮戦する。
しかしその騎兵たちはまだ先兵に過ぎなかった。
続いて襲撃してきたのは主力である幌馬車部隊。馬型ロボットに引き連れられて街じゅうに突っ込み、そこから数人ずつの悪漢たちが出てきて街中に散らばるのだ。
直接市民を撃ち取らんとする者、家々に入って中で身を守っている市民~女子供がほとんどだが~を投げ縄銃で捕らえる者と、こちらも徐々に街に被害を与えていく。
やがて敵も街の中央広場へと入り込んでいくんだが。
「保安官、敵が中央広場の広場へ入り込んで来ました」
保安官「ううむ、数が多いだけにさすがに守り切れないか、いや、ここで弱音を吐いたらますます敵の思うつぼだ」
ジェーン「やっぱりあの子たちが心配だ、保安官ここはあたしが行ってこようか」
保安官「すまない、我々も何とか食い止めてみる」
と、ジェーンはマークたちの援護に回り中央広場に向かう。
保安官「なんとしてもここ守り切る。できる限り敵を食い止めるんだ」
「はい!」
こうして保安官たちも守りを固め、いまだ街の外に陣取っている親分の本隊を迎え撃たんとしていたのだが。

そして街の中央広場、そこは避難した女性や子供たちが身を寄せていた。そこを守るのがキッドやマーク、そしてドラえもんやのび太くんである
そんな中央広場に悪漢たちが押し寄せてきたのだ。
ケビン「わっ、こっちに押し寄せてくる」
グラント「おれたちで食い止めるんだ、行くぞ」
キッド「よし、まずはこのおれが」
とドラえもんと一緒に空気砲で悪漢の群れを撃ち倒す。これで何人かは倒すことができ、残りは着実に撃ち倒していく。グラントやケビン、マークらはともかくのび太くんもひとまずは確実に撃つことができたが、やはり人を傷つけるのも何なのでちょっと及び腰だった。
「くそっ、奴らガキのくせになかなかしぶといぜ」
「ひるむな、親分が来るまで何とかここを落とすんだ」
キッド「敵の親分が来るのか、こいつは大変だ」
マーク「でもパパの方は大丈夫かな、その親分を食い止めればいいけど」
のび太「ここは一番安全だって言ったじゃない、ドラえもん」
ドラえもん「それはそうだけど、って、まさか・・・・・」
ドラえもんはふと何かに気付き、少し青ざめてしまう。

そんなドラえもんの懸念に合わせ、中央広場のちょうど後通りで、ゆっくりと騎馬を進める人影がいた。その人影は建物の柱を撃ち、そこに仕掛けられたひもと連動し、上の窓から球状に巻きつけられた木の塊が飛び出してきた。
「思った通りだな、後ろを罠で固めて正面で迎え撃つのか。たしかに子供っぽいやり方だな」
と、その男は後ろの罠を一つずつ解いていくのだった。

戻って中央広場、キッドやドラえもんたちも残る敵を一人ずつ倒していく。そんな折、のび太くんも一つ心配事がある。
のび太「何とか守り切れたらいいけど、後ろの方は大丈夫かなあ」
シェリー「大丈夫よ、あれだけ厳重な罠を張り巡らしているんだから」
傍らのシェリーが励ましついでに応え、ふと後ろを見やる、しかし一人の男が自分たちに銃を構え狙わんとしていた。
シェリー「あぶない!」
のび太「うわっ!」
すかさずシェリーがのび太くんをかばって押し倒し、男が放った銃を受ける。はたしてシェリーは投げ縄銃で縛られ、男のもとに引き寄せられる。実はその男こそ、手下の服装に身を包んだ親分だったのだ。
マーク「シェリー」
のび太「ああ、シェリーさん」
親分「チッ、ノビータを捕まえようとしたがこの小娘か」
シェリー「は、放して」
眼帯と付け髭をはがして素顔に戻った親分はあらためてのび太くんたちに告げる。

親分「まあいい、英雄ノビータよ、この小娘を助けたかったら、今夜までにおれたちのもとに来るんだな」
と、空から呼び寄せた自分の馬に乗って去っていくのだった。
ジェーン「あの馬は奴らの親分、まさかみんなは」
駆け付けたジェーンのもと、マークとのび太くんが駆けつける。
のび太「ああ、大変だよ、シェリーさんがさらわれて」
マーク「あいつらのもとに連れられて、ああ、どうしよう」
のび太「ここは助けるしかないじゃない」
ジェーン「そうだね、いまだあいつらの陣容は厚いけど、ここはやるしかないわ」
こうして街をひとまずは守りきれたが、まだまだ無法者との戦いは終わっていなかったのだ。

つづく

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ザ・ドラえもんズオリジナル・ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター(その2)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは、キッド編、のび太のガンマスターその2をお送りいたします。
ウエスタンワールドにて悪漢と戦う羽目になったのび太くんたち。しかしその悪漢につかまりそうになるも、一人の賞金稼ぎのお姉さんに助けられてからのお話をお送りいたします。それでは、ごゆっくり。

ちなみに前回のお話はこちら
ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター(その1)
といったところで、あらためてごゆっくり。

保安官「なんだって、ノビータとマークが悪漢にさらわれたんだって」
悪漢たちの襲撃の報せはマークのパパの保安官事務所にももたらされた。
ドラえもん「ええっ、そいつは大変だ」
キッド「何とか助けないといけねえな」
エド「ほなわいらで行かないと」
と、騎馬モードへと変形し、いつでも出られるよう準備は整ったが、
突然一羽の鳥、ハチドリ型のロボットが窓をつついてきた。
ドラえもん「あれ、鳥のロボットなんて珍しいな。何の用だろう」
ドラえもんが窓を開けるや、ハチドリは部屋に飛び込み、まくしたてるように伝言を伝える。
ハチドリ「ピピピ、男の子たちはジェーンが助けたよ。今夜はジェーンのキャンプでかくまっていくから安心して。あと、あたしはピピ。ジェーンの相棒よ」
ドラえもん「えっ、ジェーンって人に助けられたの」
保安官「おお、まさかカラミティジェーンか、それは一安心だな」
どうやら保安官もジェーンのことを知っていたみたいなのだが。
キッド「なんだそのカラミティジェーンってのは」
保安官「うむ、彼女については追って説明しよう」
ということでエドとドラえもんを交えて語り出すのだが。

一方で街から離れた幌馬車型の飛空艇。そこにたどり着いたジェーンと彼女に連れられたのび太くんとマークの一行。
のび太「ちょっと大きな幌馬車だけど、そこがジェーンさんのキャンプなの」
ジェーン「結構広いから女一人じゃちょっと持て余してるけれどね。あんたたちのことは連れが話してるから、今日はここでゆっくりとしていきな」
と、二人はジェーンにうながされ、幌馬車の中に入っていく。その幌馬車の中は少し広い部屋となっており、そこの天井にとまっていたハチドリが近付いてきた。
マーク「あれ、小鳥のロボットかな」
小鳥「僕はジェーンの相棒のチチ。今兄妹のピピが話しつけてるんだ」
ジェーン「あんたたちさっきの騒ぎで泥だらけだろう、まずおフロに入っていきなさい」
と、チチが小型のカメラらしきものを持ってきて二人を写し、はたして二人はパンツ一丁の姿になる。
こうして二人がこれまた広い浴室にしばらく使っていたら、今度はジェーンが入ってきたのだ。
マーク「ジ、ジェーンさん」
ジェーン「おフロってのはみんなで入るのが一番楽しいものさ。ほら二人ともいったん上がって」
と、浴槽から出てきた二人の背中を泡立てて洗い流すのだった。
その時である。外から何やら馬の足音が多く聞こえてくるではないか。
のび太「なんだろう、馬の足音が聞こえてくるけど」
ジェーン「まさかあいつらが大勢でやってきたのか、あんたたちここで静かに待っててな」
と、二人を置いてジェーンが浴室から飛び出すのだった。

チチ「ジェーン、あいつらが襲ってきたよ」
ジェーン「ええ、あたしのガンベルトは」
チチ「うん、ここにあるよ、でも服着た方がいいじゃない」
ジェーン「そんな暇ないよ、ましてあれだけの数、襲い掛かられちゃここもひとたまりもない」
と、フロ上がりの身に二丁拳銃がかかったガンベルトを腰に巻いて表に出ていくのだった。
「なに、出てきやがったか、ってなんだその恰好は・・・・・」
悪漢たちがあられもない姿のジェーンに驚いた隙にショックガンで撃たれていく。
そんなジェーンの活躍を、フロ場ののび太くんとマークが窓越しに見守っていった。
マーク「す、すごい・・・・・」
のび太「僕たちも見とれちゃった」
そんな二人に悪漢たちを撃ち倒してからジェーンが近付く。
ジェーン「さあ、邪魔者はみんなやっつけたから、もうひとっプロ浴びようか」
と、あらためて洗いっこを再開しておフロタイムを過ごすのだった。
こうして悪漢たちを取り押さえつつ三人は一夜を過ごした後、翌日幌馬車を街へと飛ばしていく。

ドラえもん「のび太く~ん」
のび太「ああ、ドラえも~ん」
キッド「おお、大丈夫か、マーク」
幌馬車から降りてきたのび太くんたちに、ドラえもんたちが駆けつけてきた。
マーク「パパ、それにキッド、心配かけてごめん」
保安官「事情はこのハチドリくんから聞いてるよ。二人とも無事でよかった」
のび太「でもジェーンさんもすごいんだ、一人でたくさんの悪漢たちをやっつけたんだ」
マーク「それもほとんどハダカで・・・・・」
ジェーン「・・・ま、まあ悪漢たちもほとんどやっつけたところだし」
保安官「ああ、たった今街に連行したところだよ」
エドに連行される悪漢たち。しかしそんな彼らからおそるべき捨てゼリフが発せられた。
「おれたちを倒したぐらいでいい気になるなよ。まもなく親分がやってきてお前らなんかすぐにぶっつぶしてやるぜ」
エド「なんや、負け惜しみかいな、往生際悪いで」
保安官「もしそうなら大変なことになりそうだ。みんな街の守りを万端にしたまえ」
街の住民に守りを固めさせてから、あらためてジェーンを交えて保安官が対策を話し合う。そこにマークの友だちのシェリーやグラントたちも駆けつけてきた。
保安官「今まで倒した敵がざっと23人、今まで確認されたのが100人以上だというから、未だ多数残っているわけだね」
ジェーン「いくらあたしでもこれだけの数を相手にするのもやっぱり」
保安官「やはり市民総出であたらなければいけないか」
ジェーン「なるべく戦える人が集まるなら力合わせれば何とかなりそうだけどね」
その一方キッドたちも。
キッド「市民総出でっていうから、やはりおれたちも戦わなきゃいけないよな」
のび太「もしかして僕たちも闘わなければいけないの」
マーク「そうなるかもしれないよね。そのためにノビータ君もキッドに連れられたから」
のび太「だ、だって相手は無法者で悪漢だよ、銃だって持っていて、撃たれたら大けがするかもしれないし、下手すりゃ死んじゃうよ」
ドラえもん「いくら何でものび太くんにはちょっときつすぎるんじゃないの。今度ばかりはモルグシティのようにはいかないよ、って・・・・・」
ふとドラえもんの脳裏に何かがひらめき、少し離れて何かに連絡をつけんとするが、程なく落ち込んで戻ってくる。
のび太「ど、どうなったの、ドラえもん」
ドラえもん「今仕事で手が離せないって」
のび太「そ、それじゃあ僕たちで当たらなきゃいけないの」
のび太くんが応えるも、それにキッドとマークがならう。しかしその様をシェリーが割って入る。
シェリー「今さら何言ってるの。私たちの街でしょう。ここで守らなきゃどうするの」
マーク「そ、そんなこと言ったって」
シェリー「今は自分たちでやれることをやってみましょう」
ジェーン「あらあら、元気なことねえ」
マークたちの気弱さに対するシェリーの気丈さをジェーンは感じ入りつつ、ジェーン自身も何ができるかをひとまず考えつつことに当たることにした。

そして街から数10キロ離れた荒野、悪漢たちがやけに神妙な面持ちで何かを待ち構えていた。
やがて空から数頭の馬型ロボットに引かれた巨大な駅馬車が降り立ち、そこからいかにも威厳ありそうな男が下りてきた。
「ようこそいらっしゃいました。親分が来るのを待ちわびて・・・・・」
「肩ぐるしいあいさつはいい、あの街に奴らがいるんだな」
「へい、すでに仲間も何人か倒されちまって」
その親分と呼ばれた男は並みいる悪漢たちをにらみ回してから再び口を開く。
「いずれにしても明日街になぐり込む。一人も後れを取るな」
「へい!」
荒野の高台から親分は街の方向を眺めやる。
「ふふ、カラミティジェーンはともかく英雄ノビータか。いずれにしても我が先祖の恨み、モルグシティでの借りを返せるんだ、腕が鳴るぜ」
自らの銃を街の方向に向け、不敵な笑みを浮かべるのだった」

つづく

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ドラえもん・のび太の地球交響楽、ですか

さてみなさん、きたる来春公開される劇場版ドラえもん。そのタイトルが概要とともに公表されました。その名も『ドラえもん・のび太の地球交響楽(シンフォニー)』
まず公開されたメインビジュアルから、指揮を執るドラえもんに合わせて笛を吹くのび太くん、他の三人もいずれのパートを受け持つだろうということで、今回は音楽、ことに交響楽についてストーリーを進めるだろうということで、ある意味世界の危機を音楽で救おうということで。しかもこの交響楽、一般のちびっ子たちにも音楽を通じて参加するといったキャンペーンも繰り広げる次第で、作品の盛り上がりも否応なく期待できることでしょう。
ともかくも次回の劇場版、ドラえもんと音楽を愛する人にとってはまたとない作品となることでしょう。

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ザ・ドラえもんズオリジナル・ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター(その1)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズオリジナルは、ドラ・ザ・キッド編において、本家ドラえもん、というよりのび太くんが活躍するお話で、キッドのホームタウン、ウエスタンワールドにて無法者と戦う運びとなっております。はたしてのび太くん、そしてドラえもんとキッドは戦い抜けるだろうか、といったところで、それでは、ごゆっくり。

ある日、のび太くんがオモチャをピストルを取り出して、壁向こうのマトめがけて弾を撃ち込んだ。その腕前は傍らで見守ったドラえもんも目をみはるものだった。
ドラえもん「いやあほんとにすごいなのび太くん、あいかわらず射撃の腕はすごいもんだ、ほんと道を歩けばなにかにぶつかってこわしちゃうような君でも」
のび太「何だよそれ、それじゃあ僕がなにかに当たればこわしちゃうダメなやつだといいたいの」
ドラえもん「いやいや、そういうわけじゃ」
なかば憤激するのび太くんをなだめつつドラえもんが返す。そんなとき、机の中からドラえもんと同じようなガンマン風のネコ型ロボット、つまりドラ・ザ・キッドが現れた。
ドラえもん「なんだキッドじゃないか、ここに来るなんてめずらしいな」
当のキッドはやけに真面目な表情で応えるのだった。
キッド「のび太はいるか、今すぐにのび太が必要なんだ」
のび太「え、僕はここだけど」
あっけに取られつつのび太くんは応えるのだが。
キッド「今すぐ我が街に来てくれ。どうしてもお前の力が必要なんだ」
と、のび太くんを引っ張りこみ、自分のタイムマシンに乗り込んでいく。
ドラえもん「あ、ちょっとキッド、それにのび太くんも」
あわててドラえもんも乗り込んでいって、一路タイムマシンはキッドが活躍する時代へと向かっていくのだった。
こうして行き着いたのがウエスタンワールド、だったのだが。
ドラえもん「久しぶりにこのウエスタンワールドに来たけど、なんかさびれたようだね」
キッド「ああ、それには深いわけがあるんだ・・・・・」
ふと何かの物音を感じたのか、ドラえもんとのび太くんが手をつかんで、建物の物陰に連れていく。
のび太「えっ、なに、どうしたの」
キッド「しっ、静かに」
と、二人を黙らせてから、表通りをのぞき込む。すると道向こうから、数騎のガンマンらしき男たちが。我が物顔で駆け抜けていく。
「ぃヤッホー!」
「どいたどいたぁ、おれたちのお通りだあ!」
やがてガンマンたちが駆け抜けていった後で、キッドたちも潜んだ建物から表へ出てくる。
ドラえもん「ねえキッド、あれっていったい何なの」
キッド「あれが、今ワールドの悩みのタネの無法者たちさ」
ドラえもん「無法者って、この街をたびたび馬で乗り回して乱暴をはたらくの」
キッド「そうさ、あいつらはカネや食べものを奪ったり気に入らない人に危害を加えたり、時には家々に火をつけて燃やしたりと、もう好き放題さ」
のび太「ひどいことするなあ、でもそんな人たちに僕たちはどうすればいいの」
キッド「だからみんなでやっつけるんだ、きまってんだろ」
マーク「ちょっとキッド」
そこにキッドの相棒のひとり、マークが現れた。
キッド「おっマークか、紹介しよう、こいつがおれの相棒のマークだ」
マーク「でもこの人たちがキッドが呼んだ助っ人なの」
キッド「そうさ、ドラえもんとのび太だ、特にのび太はかのモルグシティを救った英雄なんだよ」
のび太「ええっ、僕ってそれほど有名なの」
マークがおそるおそるのび太くんに近づく。
マーク「うん、たしかにね、まあ名前だけならそうだけど、どうかなあ、あんまりパッとしなさそうどけど」
「まあそいつはマークもおんなじやけどなあ」
と、ウマ型のロボットが近づいてきた。キッド、もう一人(一頭)の相棒エドである。
のび太「わっウマがしゃべった、ってロボットなんだ」
エド「わいがキッドの相棒エドでっせ。まあつもる話もあるけど、もうすぐ夕方やからみんなうちに寄ったってや」
と、ドラえもんとキッドたちをマークの家に連れていった。
しかしその様を建物の物陰からのぞき込む人影があったのだ。
「あいつが英雄ノビータか」
さらに街外れの高台に、白馬に乗る人影が立っていた。
「あの子が英雄ノビータね」
さておきこうしてのび太くんとドラえもんはマークん家で盛大に歓迎を受けるのだった。

次の日、あらためて街の案内を買って出たマークとのび太くんがしばらく街中の散歩をしていると、突然道向こうから何やら土煙が巻き起こる。
のび太「え、あれって、まさか」
マーク「たいへんだ、そのまさかの、無法者たちだ」
誰もが建物の中に隠れんとする中、マークたちも建物の陰に隠れようとした。しかし、
「おっと、そう簡単には逃さねえぜ」
その物陰からひそんでいた悪漢の一人であろう男が、ナイフ片手におどしをかける。
おどろいて表に出るマークたち、しかしそれを待ち構えたかのごとく、二人とも投げ縄に捕まったのだ。
マーク「わっ、捕まっちゃった」
のび太「ええっ、何なのこれ」
その投げ縄の主である悪漢のリーダーが馬上で不敵に見下ろす。
「ふふ、捕まえたぞ、英雄ノビータ。お前を捕まえて売り飛ばせばひとがどの賞金をゲットできるんだ。おとなしくついてきな」
と、馬を走らせて二人を街の郊外まで引きずっていく。
二人「うわっ、たすけてえ!」
その時である。むこう側から駆けつけた一騎のガンマンが、すれ違いざまにリーダーを撃ち、のび太くんたちにのもとにかけ降りる。
「大丈夫、二人とも、ケガはない」
のび太「う、うん、大丈夫だよ」
マーク「でも女の人って、まさか」
そこに仲間の悪漢たちが駆けつける。
「おうおう、ずいぶん勝手なことをしてくれるじゃねえか」
そのガンマンも無法者の男たちに不敵に立ち向かう。
「勝手なことはどちらだい、大の大人がよってたかって子どもを引きずり回すとは情けないんじゃない」
「うるせえ、やっちまえ!」
「まて、この女は」
男の一人が言うが早いか、その女ガンマンは、一瞬で二丁拳銃を撃ち放ち、周りの悪漢たちを吹き飛ばしていった。
「お、おぼえてろ」
と、悪漢たちが退散し、のび太くんたちも投げ縄からとき放たれ、体の自由を取り戻した。
のび太「ああたすかった、でも結構強いお姉さんだね」
「ショックガンのインパクトモード、つまりは相手をふっとばす威力なのよ」
のび太「ショックガン」
マーク「僕らの時代の主流の武器さ。僕のはほんの護身用、つまり身を守るものだけど。彼らのがより実戦用だからね」
「だからこそあいつらに対抗できる奴が必要なのさ」
マーク「すると、まさかあなたは」
「あたしはジェーン、人呼んてカラミティジェーンというしがない賞金稼ぎさ」

ここであらためて彼女の説明をしよう。
カラミティジェーン(声:桑島法子):ウエスタンワールド近隣で活躍する賞金稼ぎのお姉さん。
はたして彼女がどのような活躍をしてくれるのか、乞うご期待、といったところで次回へとつづく。

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ザ・ドラえもんズオリジナル:ドラニコフ編・サーシャとふしぎな森(後編)

さてみなさん、今回のドラえもんズは、ドラニコフ編、サーシャとふしぎな森の後編パートをお送りいたします。
サーシャと一緒に“心の土”で森と友だちになれたものの、その森のおかげで村が大変なことになり、それを鎮めんと乗り込んでいく様をお送りいたします。
そもそもこのお話はドラえもん本編の『森は生きている』の巻と、ロシア民話のお話を合わせてお送りする運びでした。たしかにドラえもんのお話も人として生きることの大変さと重要さを描いたと同時にやはり最後は強引すぎやしないかといったもどかしさを感じ、今このお話を描くことで帰結させようとした狙いです。はたしてドラニコフたち、そしてサーシャは森とそこに住まう精霊たちをどう説き伏せるか乞うご期待、といったところで、それでは、ごゆっくり。

なお前回までのお話はこちら

ドラニコフ・サーシャとふしぎな森(前編)

といったところですので、あらためてごゆっくり。

ニコラたちの村の境界の森、サーシャのためにみんなが親しみやすい森にしようと、ドラニコフが“心の土”を使って森をよりよくしたのはいいけれど、しだいにサーシャのためだけの森になってしまい、やがては村中を霧におおい、村人を眠りに落としてしまう。
ニコラたちはサーシャはもとより村を解放せんと森に乗り込んでいくのだが。
フョードル「やっぱり“心の土”の効き目が強すぎたんじゃないのかな」
ニコラ「でも、森がサーシャを閉じ込めるなんて聞いてないんだけど」
ゴーリキー「今はともかく言ってる場合じゃない、こうなったら一刻も早くサーシャを助けないと」
こうしてニコラたちは村境の森へと足を踏み入れる。その際にドラニコフが“トレーサーバッジ改良版”を出して各々に取り付ける。
ニコラ「これでみんなの位置が分かるから、そうそう迷わないはずたって」
イワン「ほんとに大丈夫かなあ」
フョードル「ともかく、行くしかないよ」
こうして各自手分けしてサーシャを探すことになった。
ミハイル「とはいうものの、めぼしい場所といったら、やっぱり木の上なのかなあ。おーい、サーシャあ」
ミハイルが呼び掛けるうちに、通りかかったたつるに足を取られ、そのまま宙づりとなって樹の上に飛ばされるのだった。
一方のゴーリキー、サーシャを探そうと森じゅうを探し回ろうとするも、しだいに苛立ちをつのらせる。
ゴーリキー「まったくどこにいるんだよ、もうこうなったら木をかき分けて・・・・・」
そう言って木々をかき分けんとするのだが、なんとその木々にとらわれてしまい閉じ込められてしまったのだ。
フョードルもまた単独で行動していた、というか単独行動していたミハイルとゴーリキーと合流すべく先を急いでいたのだが。
フョードル「いざ森に入ってみたけれど、ここまで深くなっていたなんて、甘く見ているとこちらが迷っちゃうな。なんとしてもみんなでいっしょに行動しないと・・・・・」
しかし歩みを進めていくうちに、しだいに足取りが重くなっていくではないか。
フョードル「うん、なにか変だな、僕の足になにか、ああっ、僕の足が石に、うわっ、石が僕の体を」
フョードルの足元が石に覆われ、その石がだんだんと腰から胸へと体じゅうを覆い、ついには一つの岩の固まりになってしまったのだ。
そんな中、残されたニコラとドラニコフ、ふとニコラがあることを思い出した。
ニコラ「ねえドラニコフ、昔ママから聞かされたお話の中で、自然には一年の月をつかさどる精霊がいるっていうから、この森の精霊ってのを呼ぶ道具ってないの」
ニコラの言葉にドラニコフは大いにうなづき“心よびだし機”というひみつ道具を出した。
さっそくその道具で森の精霊を呼び出そうとするも、そこから出てきたのは数体の魂らしき物体だった。ニコラたちが呼び掛けんとしたその矢先、それらは森の奥の方に飛んでいったのだ。あわてて追いかけるニコラたち。
ニコラとドラニコフが駆けつけた先には、とらわれのフョードルたちと奥で眠っていたサーシャがいた。
「ようこそ、精霊の森へ、僕たちはご存知のとおりこの森を守る精霊さ」
ニコラ「ああ、サーシャにフョードル、それにみんな。どうしてこんなことに」
まわりには数人の人影が姿を現し、その中の代表として一人の精霊がニコラに近づいてきた。
「知ってのとおり、君たちが僕たちのために心の土とやらで力を与えてくれた。その中でサーシャは僕たちを大切に接してくれたんだ。だからこうして迎えたけれどね」
ニコラ「それじゃサーシャはどうなるの」
「決まってるさ、サーシャはこの森でしあわせに暮らすんだ。僕たちの力で何不自由なく生きられるはずだよ。もちろん君たちもね」
その言葉にニコラも一瞬とまどったが、やがて口を開いて応えた。
ニコラ「そんな、ただ食べて寝るだけじゃ意味ないよ。だって僕たちは人間なんたから」
「えっ・・・・・」
精霊も一瞬たじろいた。ニコラもありったけの勇気をふりしぼり続ける。
ニコラ「どう言っていいかわかんないけど、たとえば食べものを得るために畑をたがやして野菜やムギを植えたり、もちろん森から木の実をとったり、あと狩りでケモノの肉を得たりするんだ。これらもみんな自然に感謝しながらやってたんだよ。精霊さんも自然の一部だからわかるはずだよ。たしかに自然は厳しいところもあるけど優しいところもある。これらをみんな受け入れて人間も生きていたんだ、って父さんや母さんも言ってたんだ。でもこれだけは僕も分かる。自然に甘えてばっかじゃ人はダメになるって」
いろいろと述べたニコラに対して、突然つむじ風が巻き起こり、ニコラたちにおそいかかる。
「サーシャは渡さないよ。だってせっかく気持ちを通じあえたんだ」
さらに草のつるが巻き付いて大きな樹に張り付けられてしまう。
「きみが邪魔をしようなら僕らも容赦はしないよ」
ドラニコフもつるにかみついて脱しようとするも、さらに巻き付かれ結局動きが封じられた。
「これでおとなしくなったね、さあ君たちも僕らの仲間になるんだ」
二人ともつかまってしまったとき、ふとサーシャが目を覚ました。
「・・・ニコラ、ドラニコフ、それにみんな、どうして、こんなことに」
「やあサーシャ、ようやく起きたのかい。この人たちサーシャを僕たちから離そうとしたから、おとなしくさせたんだ」
とらわれのニコラとドラニコフ、そしてフョードルたちの姿を目の当たりにして、サーシャはニコラたちのもとに駆け寄っていく。
サーシャ「お願い、もうこんなことはやめて。私のためといっても人をしばり付けるのはまちがっているわ」
「え、でもこれもきみのために・・・・・」
サーシャ「もともと人と森はちがうものだから、そのちがいを受け入れてどちらも付き合っていたはずよ。たしかに人も暮らしやすくするために森を手入れしていたけど、それでも森を大切にしたつもりよ。あと私たち人間だって、生きるために働いたり狩りをしたりするけど、時には体も休めなきゃいけないの。でもだからといって休んでばかりじゃ人はだめになっちゃうから」
サーシャの必死の説得で、精霊たちは次第に気を落とし、それにともなってニコラたちをとらえたつるも外されていく。
「僕たちは、まちがっていたのか・・・・・」
サーシャ「・・・もちろん、今までもてなしてくれたのは、本当にありがたかったわ」
「・・・でも、約束して、きみたちが、これからもこの森を大事にしてくれるなら、ぼくたちもそれなりに応えてみるよ・・・・・」
こうして精霊たちは天に昇り、いつの間にか霧も晴れ、雲一つない青空が広がっていた。

あれから何日かがたった頃、季節はすっかり秋を迎え、その後で長い冬に備えるために村の人々もせわしなく働いていた。その中で、ニコラとサーシャ、そしてドラニコフは久しぶりに森の小道を歩いていた。
ニコラ「あれからずいぶんたったけど、あの事件もまるで夢のようだよ」
サーシャ「うん、本当に夢を見ていたかもしれないわね。わずかばかりの楽しい夢を」
ニコラ「そうだね、勉強や家のお仕事は実際疲れるけど、本当に疲れた時はまた森で一休みするのも悪くはないね。あっ今はまだ疲れていないけれど」
ドラニコフもひと吠えしてニコラに応える。サーシャも微笑みかけたその時、周りに風が吹きかけた。
サーシャ「うん、私は、大丈夫だよ・・・・・」
ニコラ「あれ、どうしたの、サーシャ」
ニコラたちは目の前をいくらか進んでいた。
サーシャ「ううん、何でもない」
再びニコラたちに駆け寄ってから再び歩を進め、時折あの精霊たちが昇った空を仰ぐサーシャだった。

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