ドラえもん

新・忍者の科学~忍者ハットリくんの場合<本当は怖いドラえもん>

さてみなさん、今回は以前からのラインナップより、忍者の科学についてあらためて述べたく思います。今までが書きなぐりのレベルだったのをより読みやすく分かりやすい記事をお送りする運びです。でもその前に、藤子F先生の盟友たる藤子A先生の名作『忍者ハットリくん』について軽く語りたいと思います。それでは、ごゆっくり。

 

ドラえもんに親しんだ初期の子供世代、すなわち今の4、50代の大人世代のみなさまの中には、忍者ごっこと称して空地や野山を駆け巡ったり、木の棒などでのチャンバラごっこやら、折り紙などの手裏剣の投げ合いに興じた方もおられたことだろう。

まずはそんな忍者についてウンチクながらも述べたいと思う。

そもそも忍者とは戦国時代において間謀をはじめ各種工作等をおもな役目を負っていて、各大名の軍略に貢献した。

江戸時代においてもいわゆる「御庭番」やら「隠密」として各地の動向を探り江戸の治安維持に力を注いだことは時代劇を中心に描かれていた。

明治以降になると忍者の存在は消え失せたかに見えたが、戦後時代劇の人気とともに忍者の存在も今に至る多少のミソがついたものの再び脚光を浴びるようになる。そして現在に至り、忍者から派生した武術も存在しているし、たとえば自衛隊のレンジャー部隊はある意味現代の忍者ともいえ、海外では建物の壁などを軽々と駆け上る行為をスポーツ化した“パルクール”なる競技ももあり、やはり日本の忍者の体術を彷彿としている。

さておき当時のいわゆる忍者ブームについて同じくマンガ化された作品が、我らがF先生の盟友藤子A先生こと安孫子先生の『忍者ハットリくん』である。

 

(当時の)現代の日本に突如として現れた忍者の子供、かの伊賀忍者服部半蔵の子孫、ハットリ・カンゾウは弟のシンゾウ、忍犬の獅子丸とともに修行のために三葉ケンイチの家に居候することとなった。それからケンイチの仲間たちとのお遊びに付き合ったり、同じく修行のためケンイチの町にたどり着いた甲賀忍者のケムマキと張り合ったりと、当時F先生とコンビを組んでの作品なだけに、怪物くんと同じくドラえもんやオバQと同じテイストで創られたものでもあった。

そんなハットリくんが得意とするのは伊賀忍法なのだが、投げる手裏剣はほぼ百発百中なのはもとより、壁や天井を自由に歩き回れたり、果てはある程度の催眠術やらと、これら今でいえば超能力にも近いそれらの力でケンイチたちを引っ掻き回していく。たしかに当時は忍者といえば伝奇ものから派生した超人的な存在でもあるけれど。それから現代人の感覚から言えば時代錯誤的な要素もあり、それがある程度のキャラクター性を醸し出しているのまた事実。

そんなハットリくんもテレビ放映で好評を博したのご存知の通り、ドラえもん同様劇場版も幾度か公開された。その際にF先生のパーマンとも共演し大活躍をした。これもまたコンビの強みであったかなとも述べておきたいけれど、まあそれはさておき。

そして今、何とインドで新作のアニメ版が放映され、それが日本にも逆輸入されてこれまたひとかどの人気を博していった。やはりインドの日本観はともかく現代日本でも受け入れられる背景があったのだろう。

ともかくも、さしあたってのハットリくんの紹介はこんなとところだけれど、さて我らがドラえもんのお話にて忍者についてどう語られているのだろうか。それについてはまた次回まで。

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PL法なんてクソ喰らえだ!:モノには表とウラがあり<本当は怖いドラえもん>

ドラえもんのひみつ道具の中には正反対の効果のものがセットになって登場するお話がある。主に挙げてみれば、

ふくびんコンビ:福の神とびんぼう神の人形ロボットが幸福と不幸を呼び起こすもの。

ニクメナインとムシスカン:早い話が人に好かれたり嫌われたりとするくすり。

ギシンアンキとスナオン『世の中うそだらけ』:人や物を信じられなくなったり人を信じすぎる効果があるくすり。

まもり紙とびんぼう紙:災難から守ったり、災難を呼び起こす効果がある紙っ切れ。

クイックとスロー『のろのろじたばた』:動きが素早くなったりスローになったりという効果だったのが、せっかちになったりのんびり屋になったりとする効果に転んでしまったくすり。

とまあこんなところだけど、これは難しいテツガクで言えば「物事には明るい部分と暗い部分があってそれが世の中のバランスを取っている」という文句でそれらが考えられたものだろう。

まずふくびんコンビは幸福と不幸の効果は両方の神様人形が動かなければ効果がないのは理解できるとして。クイックとスローも両方のくすりを登場させその違いでストーリーを作ったのだなというのも同様だろう。

やはり問題にするべきは、ムシスカンとびんぼう紙、さらなる効果を得るために出したのがまるで正反対の道具だったといったズッコケオチに陥ったのだということ。しかも悪い効果のそれらが効果が強力なのはまずはのび太くんの不運なのもあるけれど、やはり悪い効果のほうがおもしろいし、ある程度イマシメにもなるといったF先生のいわゆる不安の虫が騒いだ結果であるともいえるだろう。

ここまで言いつのっただけではナンクセなので、最後に一言、それらのお話に関してはその違いのギャップに面白さを感じるべきなのだろう。

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ドラえもん・オリジナル大長編:のび太と海底帝国(最終回)

ポセイドンの中から出てきたドラえもんたち。しかし目の前にはパトロール隊のウエキ司令が立っていた。パトロール隊のウエキ長官の息子でもある。

そのウエキ司令はドラえもんを見かけるや近付いて話しかけてくる。

司令「いやはやご苦労様だね。かねてよりドルマン一味の残党を調査した結果、アトランチスの遺産を利用して世界を征服せんとのたくらみを察知して、ここに駆け付けて彼らを拘束したのだが」

ドラミ「はい、私もお兄ちゃんのことが心配で駆け付けたのですが、私たちも捜査のお役に立てたでしょうか」

司令「もちろんだよ。いつもすまないな」

怪訝そうに話を聞いていたルウとリムにも司令が説明をする。

司令「君たちも海底人の人ですね、今回の争乱は君たちにも世話をかけたが」

ルウ「やはりドラえもんと同じく未来の方ですね。これから僕たちはどうなるんでしょう、それに兄さんは」

エル「僕なら大丈夫さ、それにこの人たちのことは今は内密にした方がよさそうだ。これから僕たちがしようとすることがまちがっていなかったら、きっと結果が出るからね」

リム「うん、そうね、エル」

司令「さて我々はここで失礼させて頂くよ、君たちも元気で」

ドラミ「はい、ありがとうございます」

こうして司令が巡視艇に乗り込んで、巡視艇は消えていく。

ややあって海底地震が起きて、城も崩れ始めてきた。

ジャイアン「うわっ、ここも崩れそうだ」

スネ夫「早く逃げた方がよさそうだよ」

しずか「ちょっと待って、エルさんが」

エルとのび太くんは傍らで座り込んだミーナに近づいていた。そもそもエレナはヨーロッパに渡ったアトランチスの末裔であるとミーナに言いつのり、彼女を利用したのだ。もっとも未来の世界の人間であるエレナたちだ。あながち嘘とは断定しがたいところがあるのだが。

いずれにしてもミーナは自分が利用されていたことに打ちひしがれていた。

ミーナ「・・・私は、どうすればいいの、すべてはアトランチスの復興のためと、おじ様をはじめアトランチスの民を裏切ってまで戦ったつもりだったのに・・・・・」

エル「その戦いも、無駄じゃないさ」

打ちひしがれたミーナに、エルが優しく語りかける。

ミーナ「でも、今の私は、おじ様たちに合わせる顔が・・・・」

のび太「大丈夫だよ、皇帝さんは今でもミーナさんのことを心配しているんだよ」

ミーナ「え、それは、本当・・・・・」

エル「だから、みんなで帰ろう」

ルウ「兄さん、のび太さん、早く早く!」

ミーナを優しく諭し、ルウにせかされるままに、エルたちも脱出するのだった。

 

後日

ネオアトランチス国内では鬼岩城の完全沈黙とミーナ王女の救出が告げられ、国民は悦びに沸き立った。

まず帰還したミーナが皇帝と再会を果たす。

ミーナ「ごめんなさい、おじ様、それに国民の皆さんにも・・・・・」

皇帝「いいんだよ、ミーナ、本当に、よかった」

ミーナが帰ってきたことを皇帝は心の底から喜んだ。

続いて鬼岩城再攻略と王女救出に力を貸したムー人のエルたちと、地上人ののび太くんたち。彼らの行動をアトランチス国民の誰もが大いにたたえ、これからは彼らと仲良くやっていけるとささやかながらも希望が芽生えたのだった。ちなみにエレナ逮捕に動いたタイムパトロールのことは当然秘密にしていたのは言うまでもないけれど。

ジャイアン「すごいな、おれたちムーだけじゃなくてアトランチスも救ったんだ」

スネ夫「でも秘密にしなきゃいけないのはしょうがないね」

バギー「ミンナ僕ノオカゲナンダヨ」

ドラミ「もう、あなたは調子に乗らないの」

皇帝「君たちのおかげで本当に世界は救われた。君たちに会えて本当によかった。このことはいつまでも忘れない」

のび太「はい、皇帝さんもミーナさんもお元気で」

ミーナ「またいつでも遊びに来てね、いつでもいいから」

のび太「うん」

こうして本当に平和が訪れたネオアトランチス帝国をドラえもんたちは後にする。これからは多くの問題も出ることだろうけれど、それらは一つ一つ解決できるだろうと誰もが期待を抱いて。

 

その後野比家にとある手紙がのび太くんあてに届けられた。実はひそかにルウがその後のことをしたためた手紙であった。

『拝啓 のび太さんへ

あれからいろんなことがありましたが、僕たちも兄さんのもとで兵士として訓練を行っております。もちろん大人になるための勉強も欠かしておりません。

それからもっといい報せがあります。アトランチスから大使が遣わされ、そのおつきの兵士にミーナさんが選ばれました。これも修行の一環ということで、皇帝に頼んでのことでした。それ以来兄さんに会うたび、時間を許す限り楽しい時を過ごしています。

最後に月並みな言葉ながら、いつの日か僕たち海底人と、のび太さんたち地上人が共に手を取り合っていける日を想いつつ。手紙の結びといたします。

それでは、お元気で ルウ』

のび太「そうか、エル君たちも結構頑張ってるんだ。それからエル君とミーナさん、結構うまくいってるみたいだね。これでめでたしってところかなあ」

とまあ、エルたちの行く末に希望を持ちながらものび太くんは眠りにつくのだった。

 

そして次の日の朝、

ドラえもん「おーい、のび太くん、今日から新学期だよ、早く起きないと遅刻しちゃうよ!」

のび太「え、わっ、もうこんな時間!」

早々に支度を済ませ登校するのび太くん。それを不安げに見送るドラえもんがいた。

ドラえもん「まったくエル君たちが頑張っているのに、のび太君は相変わらずだなあ」

のび太「早くしないと、また遅刻しちゃうよお」

こうしていつも通りのせわしない日々が続くのだった。

 

おわり

 

というわけで長年の構想を得ての『のび太の海底帝国』はこれにて最終回と相成りました。ちょうど次回作の構想を練っているところですが、その前に一つ別の作品をお送りする運びとなります。それではまたお会いしましょう。

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役回りの本末転倒:本当は何を求めたのだろうか<本当は怖いドラえもん>

さて今回は趣向を変えて、先に発売されたドラえもんのコンビニ文庫『今日も1日いい日にするぞ編』に続き『こんなはずじゃなかったのに編』について述べてからそれについての諸問題を述べたく思います。

そのこんなはずじゃの巻については、本来ドラえもんのひみつ道具を使い様々な諸問題を解決していこうといったはずが、主に調子に乗りすぎて手痛いしっぺ返しを食らうといったお話を中心の載せられたものでした。

まず『ゆっくり反射ぞうきん』などはかつてのオバQばりのズッコケ話ととらえてもいいかもしれないけれど『しかえし伝票』『のび太の地底国』などはわざわざのび太くんに悪いことをさせてからみんなでこらしめるといった、いってしまえば一人芝居のお話も目立ってしまった。結局こういうお話も手放しで喜べないという皮肉な結果になったのだなといった感もぬぐいきれない。

さて「こんなはずではなかった」と一概に言っているが、では「どんなつもりで」お話を作ろうとしていたのか。

まず結論から言えば、ひとまずの思い付きのみでお話を作り続けた結果、いつしか読者の気持ちとかけ離れてしまったとも読める。言い換えれば純粋にマンガ執筆に取り組みすぎて周りが見えなくなってしまったとも。

そもそもドラえもんのお話における当初の目的は「ドラえもんのひみつ道具(とのび太くん自身の創意工夫)で様々な問題を解決する」ものだった。それは読者の子供たちにユメを与え、心をつかんだのは言うまでもない。

その一方で「何か子供たちのためになるお話を作ろう」といった気持ちから、はじめそういった考えさせられるお話もちらほらと見受けられるも、それは様々ないきさつから次第に教訓的な要素が表に出がちになり、ついにはのび太くんを懲らしめるというかやっつけることでお話をつくることが専らとなってしまった。これも基本はオバQからのズッコケ話としての姿勢は一貫しているといえるけれど、やはり月日がたって先生の心情の微妙な変化やら何より体調の低下やらが影響して、前回でも述べたように連載当初の情熱が失われ惰性に陥り、結局は当初の目的から離れてしまったといえるだろう。加えて読者の心情も

「ダメなのび太くんもがんばっているのだから、僕たちも頑張ろう」から

「のび太くんのようになってしまわないためにも、僕たちも気を付けなきゃ」になっていき

最後には「またのび太がやっつけられたな、自業自得さ、いい気味だ」ということにもなってしまった。これも先生のあてが外れたといえるだろう。

その意味からでも大人の元読者から今の読者のみなさまも反省すべき点ではないだろうか。

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ドラえもん・オリジナル大長編:のび太と海底帝国(その10)

ポセイドンはその巨体を活かし、ドラえもんたちを圧倒する。対するドラえもんも道具を駆使して果敢に攻めてくるが、いかんせんその体は頑丈にできていて、攻撃も通じない。

ドラえもん「ああ、やっぱり通じないよ」

のび太「どうするのドラえもん」

ルウ「みんなあきらめないで、きっとどこかに弱点はあるから」

ポセイドン「ふふふ、前のように中から入り込んで壊すというわけにはいかぬぞ」

と、ポセイドンの口が歯みたいな遮へい板で閉ざされる。

スネ夫「どうしよう、これじゃあ打つ手なしだよお」

ジャイアン「ちくしょう」

リム「とりあえずあいつの攻撃に当たらないで」

しずか「ああ、気を付けてリムちゃん」

リム「うん、ありがとう、しずかさん」

と、攻めるポセイドンを避けつつも距離を保つ。

ポセイドン「おのれ、小魚ども」

ドラえもん「悪かったな、小さくて」

その言葉に、ドラミちゃんは何やらを思いつく。

ドラミ「小さい・・・そうだ『スモールライト』」

と、出したスモールライトでみんなを小さくしていく。

のび太「どうするのドラミちゃん、みんな小さくなっちゃますます勝てっこないよ」

ドラミ「大丈夫よ、これでポセイドンの身体に張り付くの」

言われるままにみんなはポセイドンの身体に張り付いていく。

ポセイドン「ぬう、あいつらどこへ行った」

ドラミ「これでこっちのものよ『通り抜けフープ』」

ドラえもん「さあ、みんな中に入ろう」

と、みんながポセイドンの中に入っていく。

 

一方エルはミーナを追っていくが、突然空間の歪みが発生し、それに気付いたシルビイが一旦立ち止まる。

エル「どうしたんだシルビイ、ああ、これは」

これは未来の世界のタイムパトロール隊の巡視船だった。そこから出てきた隊員の一人がエルに話しかける。

エル「あなたたちは。一体」

「海底人の人ですね、話せば長くなるのですがこの場を収めるために参りました」

エル「といいますと、ドラえもんのことも知っているというのですか」

エルもドラえもんがただの地上のロボットではないと察していたことについて隊員に尋ねたのだった。

「はい、彼らはたびたび我々に協力してくれていますので」

エル「それでは、僕らの力になっていただけますか」

「もちろんです、さあ、行きましょう」

というわけでもう1隻が逃げた黒い男たちを追い、エルは隊員とともに奥へと進んでいく。

 

ポセイドンの中に入り込んだドラミちゃんたちは、機械の中をかいくぐり、頭部の中枢コンピューターへと進んでいく。

ドラミ「やっぱり思った通り、手足を振り回すだけだからそれ以上の防御システムはないようね」

のび太「でもこれだけゴチャゴチャとしちゃ進めないよ」

ジャイアン「弱音を吐くな、やっつけなきゃこっちがおしまいなんだ」

そうこうと文句をたれれつつも、何とか頭部のコンピューターにたどり着く。

ポセイドン「うおおっ、あやつらどこへ行った、ううっ、何か体が変だ」

ポセイドンの中枢コンピューター、一見すると堅牢な(大まかにいえば大きくて頑丈な)機械でおおわれていた。

ルウ「なんとかたどり着いたけど、これからどうしよう」

ドラミ「とっておきの道具があるの『万能ドライバー』」

説明しよう、この『万能ドライバー』は一見するとただのドライバーだが、様々な工作道具の役割をするものである。

ドラミ「これでコンピューターの外壁を外すのよ、あとはメモリーチップを見つければ」

と、みんなにもドライバーを渡し、みんなで外壁を解体していく。

ポセイドン「ぬおっ、頭が、変な気分だ、あやつら、まさか中に入りおったのか」

中枢に駆け付けたミーナが見たものは、苦しみだしたポセイドンと傍らでのびているエレナたちだった。

ミーナ「エレナさん、これはどういうこと、それにポセイドンの様子が・・・・・」

その時先に駆け付けたパトロール隊員がエレナたちに駆け寄っていく。

「エレナ=ドルマンスタインとその一党、航時法違反及び破壊活動の容疑で逮捕する」

と一斉にエレナたちを拘束する。

ミーナ「一体何なのよ、これは」

「はい、彼女たちはあなたから見れば未来の人間なのです。おそらくあなたをだまして世界を混乱しようと企んでいたのです」

ミーナ「なん、ですって・・・・・」

エレナ「バレてしまったら仕方がないわね、でもあの坊やたちに伝えて、これで終わったわけじゃないって」

と、エレナたちは連行されていく。

同じくポセイドンもその動きを止め、その中からドラえもんたちが大きくなって出てきた。

 

つづく

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ドラえもんとゆかいな仲間たち:ドラえもん物語~藤子・F・不二雄先生の背中~<本当は怖いドラえもん>

さて今回は、ドラえもんをひねくれた視点ながら語る上で見逃せない作品の一つ『ドラえもん物語~藤子・F・不二雄先生の背中~』について語りたく思います。

さてこのドラえもん物語、藤子F先生の元アシスタント、むぎわらしんたろうセンセイが、ドラえもんとの出会いからコロコロコミックにおける藤子不二雄賞に応募してより、F先生のアシスタントとしてともに仕事をしてから、先生が亡くなられて後もそのお仕事を引き継ぐ礎となったいきさつを語ったものでした。

たしかにむぎセンセイをはじめ多くの人々がF先生の志を引き継いでドラえもんを続けられることはファンとしても喜ばしくすばらしいことであるけれど、ここはあえて、いつも通りのヒネくれた視点で述べたい。

そもそもドラえもん物語において、藤子・F・不二雄先生とのお仕事を通じて、先生の趣味や制作理念等を、むぎセンセイが余すところなく描いたことだろう。けれども、

やはり肝心の制作に際してのF先生の心情や苦悩等についてはほとんど描かれず、後半において、ドラえもんという物語をむぎセンセイをはじめ多くのスタッフに受け継ぐ様のみを重点的に描いたのだなという想いがあった。

たしかに人間は「清濁併せ持つ(いいところと悪いところを合わせて持っている)」生き物だけど、F先生はまずは子供たちにいいところを伸ばすために漫画を描いていたし、むぎセンセイもそれを教えたくてあえていいところ、のみを描いたのだろう。その上で子供たちにはそれをベースにしてこれからいろいろなことを学ばせたかったともいえる。その反面原作においてF先生の苦しい胸の内からお話において悪いところが後期に目立ってしまい、いいところがうまく伝わらなかった。たとえば本編83ページあたりか、漫画家はベテランになると(というより連載が長く続くと)制作にクセができるといったくだりと合わさってどうしてもワルいお話を描きがちになってしまうきらいがあった。こればかりは他人任せにはできなかっただけに、どうしても独りよがりになりがちになってしまったのだろう。

それならばというべきか、自分がドラえもんを描いているうちに失ったもの、ことに情熱をむぎセンセイをはじめスタッフ一同に受け継がせたかったのだ。本当の意味で子供たちのための、すこし不思議で面白いドラえもんの物語を。

 

それにしてもベトナムでの奨学基金が設立されたくだり、なぜかむぎセンセイがのび太くんに仕立て上げられたことは結構ほほえましいといえるだろうけれど、後期の事情を考えればある意味ブラックジョークにもなりかねないと思うのは編者だけだろうか。

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ドラえもん・オリジナル大長編:のび太と海底帝国(その9)

奥に進んでいくうちに、ドラえもんたちはついにミーナたちのもとにたどり着いた。

ドラえもん「やはりミーナさん、待ち構えてたんだね」

ミーナ「ええ、これ以上あなたたちの邪魔をさせるわけにはいかないから」

のび太「ミ、ミーナさんこそ、こんなことをやめようよ、皇帝さんも心配しているよ」

ミーナ「う、うるさいわね、あなたたちに私たちアトランチスの民の苦しみが分かるものですか」

ルウ「そうだね、細々と暮らしているのはたしかだけど」

そんなやり取りを黒い男の一人が割って入る。

「お嬢さん、もうこれ以上は時間の無駄ですぜ、ここは一気に捕まえちまいましょう」

ミーナ「え、そ、そうね」

ドラえもん「やっぱりこうなっちゃったか」

と、ポケットに手を入れようとするが、男の「動くな!」の叫びに思わず手を上げる。しかし1個のカプセルみたいなものを取り出していて、それが床に転げ落ち。そこからシルビイが出てきたのだ。

ミーナ「な、何よ、これ・・・・!?

ドラえもん「手を上げたはずみで“いきもの保護カプセル”が出てきたんだな、前もってドラミがシルビイを入れてボクのポケットに入れたんだけど」

ドラミ「だって私のポケットに入れるのもちょっと」

リム「とにかくここは任せたよ、その間に私たちは先に進みましょう」

ルウ「うん」

というわけでリムやドラえもんたちが前に進もうとする。

ミーナ「ああ、待ちなさい」

ミーナが止めようとするがそこにエルが立ちはだかる。

エル「おっと、君の相手はこの僕だよ」

ミーナ「くっ、やはりあなたが対するのね」

ミーナも剣を抜き、エルと剣を交えるのだった。

ルウ「ここは兄さんとシルビイに任せて、僕らはポセイドンを止めに行こう」

ドラミ「それじゃあ、バギーちゃん、お願いね」

バギー「任セテクダサイ、どらみサン」

というわけで、ドラえもんたちは一行はみんなバギーに乗ってこの場を去る。

 

一方でエレナも修理済みのポセイドンを起動せんとしていた。そのポセイドン、首だけでなく体も造られていた。これも未来の技術であることは言うまでもない。

エレナ「あとはスイッチを入れるだけ。あの坊やたちがこれを前にどう戦うのか楽しみね」

執事「それではお嬢様、スイッチをこれに」

と差し出された起動スイッチをエレナに手渡す。

エレナ「さあ、メインイベントのはじまりよ!」

起動スイッチが押され、ポセイドンの両目が怪しく光る。

 

一方でポセイドンのもとに進むバギーを駆るドラえもんたち。

ジャイアン「おい、もうちょっとスピードが上がらないのか」

スネ夫「これじゃあポセイドンが目覚めちゃうよ」

バギー「ミンナ重スギルンダ、誰カオリテ、アアッ!」

ドラえもん「うん、どうしたの、バギー」

バギー「コノ感ジ、ぽせいどんガ、モウ蘇ッチャッタミタイ」

のび太「ええっ、なんだって!」

ドラミ「とにかく早くいきましょう」

バギー「ハイ!」

ドラえもん「まったく、調子がいいんだから」

 

エルの方はミーナとよくよく剣を交えている。エルの方が若干剣の腕がいいようで、ミーナをあしらっていく。

ミーナ「うっ、流石はムー連邦の勇者だけあって、結構手強いのね」

エル「これでも父さんや長官に比べたらまだまだ子供だよ」

ミーナ「私もアトランチス王家の誇りのために負けられないわ」

エル「そうだね、僕も負けられないよ、これも君のため、そして僕自身のためだから」

しかし城内の振動により、二人とも異変に気付く。

エル「何、これって、まさか」

ミーナ「どうやらポセイドンが甦ったみたいね、こうなったらこっちのものよ」

エル「ばかな、あれが甦ったら世界がどうなるか」

ミーナ「ともかく、あなたたちでは止められないわよ」

と、ミーナもこの場を去る。一方でシルビイによくよく追い立てられている黒い男たちも一斉に撤退を始める。

エル「こうしちゃいられない僕らも追うよ、シルビイ」

と、エルもシルビイの胴体に捕まって彼らを追う。

 

そうこうと中枢の間にたどり着いたドラえもんたち。そこには修復され、胴体も付けられたポセイドンとその傍らに立つエレナの姿がいた。

ルウ「やっぱり蘇ったんだ。でも体もついちゃってなんだかやばい感じ」

エレナ「たしかにお飾りだけどね、これであなたたちもイチコロよ、さあポセイドン、やっておしまいなさい」

ポセイドン「了解・・・そうさせてもらおう」

ポセイドンの反応に、何故かエレナが大きく動揺する。

エレナ「何、どういうこと」

ポセイドン「・・・愚かな小魚どもよ、この程度の改造でわたしを思い通りに操れると思ったか、たしかにわたしの中にコントロールのプグラムが入っていた。しかし前もって残していたわたしのバックアップには気付かなかったようだな。ともかく少しづつそのプログラムを侵食していきつつ、この時を待っていた。この世界をもとの正常なる大地に戻すために、お前たち人類を滅ぼすためにな」

エレナ「何ですって、これじゃあ話が違うわよ、きゃっ!」

エレナが吹き飛ばされるも執事に助けられ、ひとまずこの場を離れる」

のび太「大変だ、元のポセイドンに戻っちゃったよ」

ドラミ「コントロールが効かない分厄介な存在だけど、何とかして止めないと」

ポセイドン「そうだ、世界を滅ぼす前に、お前たちを倒さねばならぬ。ことにその車、お前にはいろいろと恨みがあるからな」

バギー「ナンダト、ヤレルモノナラヤッテミロ」

ドラミ「ちょっと、おちついてバギーちゃん」

ドラえもん「とにかくポセイドンを倒さなきゃ」

こうしてドラえもんたちとよみがえったポセイドンとの決戦の火ぶたが切って落とされた。

同じ頃、時空の歪みを察知した一隻の船が時空の狭間があった。

「ウエキ長官に連絡を、奴らの陰謀をつかみました」

 

つづく

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ドラえもんとゆかいな仲間たち:やすらぎの館他<本当は怖いドラえもん>

今回は大人でもたまには親に甘えてみたい気持ちをえがいたこの作品を、まずは本編と合わせて述べたく思います。

あと今までのドラえもんの関連作品についてのレビューも、逐次タイトルを少しきれいに改題したく思います。

『パパもあまえんぼ』

ある日何かとママに甘えがちなのび太くん、いつもは怖いママに甘えてみたくなった気持ちをドラえもんに述べてみて、ドラえもんも囃し立てつつ理解を示す。

後にパパが酔っ払って帰ってきて、手に負えないところを、おばあちゃんに叱ってもらおうと過去の世界から連れ出した。はたしておばあちゃんに対面したパパは会社での苦労を語り出し、おばあちゃんになだめられる。

翌朝おばあちゃんの夢を見て満足げだと語るパパだった。

~このお話は大人になれば甘える機会も少ないことをあえて大人の視点で読者の子供たちに語ったお話ということで。

次に短編集においてもこのお話が近いかなといったところで。

『やすらぎの館』

会社を経営しているその男は、医者に勧められたある館を訪れる。その館は子供風の部屋で母親役の女性とともにたたずんでいくうちに、子供の頃を思い出し、次第にその館で甘えるときを楽しむことになった。

~これについては裏には現実逃避の要素も描かれているのだが、後の時代になってあげられる癒しの要素もやはり否定はできない。最後になって様々な問題が男に降りかかっていくのだけれど、それもどこ吹く風で今日もあの館での甘えと癒しの日々を送るのだった。それについては編者もこれを機に様々な問題をも乗り越えられると信じたい。

まず自分の意見から結論を述べて恐縮だけど、藤子F先生をはじめギャグと社会風刺を基本とした漫画から、子供たちにユメを与えることを前提であるドラえもんをはじめ子供向け漫画、時には大人、かつての子供たちにも癒しを与えてもいいのではないか、苦労続きの毎日を送る中、明日へと生きる力を得るための癒しというものを。

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ドラえもん・オリジナル大長編:のび太と海底帝国(その8)

沈没船は旧アトランチスの都までさしかかるや、巨大な立体映像が映し出される。

エレナ「待っていたわよ坊やたち。私はエレナ=ドルマンスタイン。あなたたちが対したドルマンスタインの娘よ。あの時はお父様がずいぶんとお世話になったわね。この借りはたっぷりと返してあげるわよ」

街じゅうのいたる所から、バトルフィッシュと鉄騎兵の群れが現れ、沈没船に近づいていく。

エル「すごい数だね、みんな、準備はいい」

みんな「・・・うん!」

敵の群れは一斉に攻撃をしかけ、沈没船は破壊されていく。そこからドラえもんたちが現れる。

まずはエルとルウが巧みな剣さばきで鉄騎兵をなぎ払っていく。

エル「僕も隊長として修行したんだ、特訓の成果、見せてあげるよ」

ルウ「無理しないでね、兄さん」

エル「大丈夫だよ、ルウの方こそ気を付けろよって、うわっ!」

ひとまず敵の攻撃をかわしつつ、果敢に攻めていく。

つづいてジャイアン、スネ夫、のび太くんやドラえもんが敵を打ち落とす。

そしてバギーに乗ったドラミちゃん、しずかちゃんとリムが一気に攻めていく。

そしてシルビイ、敵の攻撃、ことにビーム攻撃は近くの残骸でしのぎつつ投石で応戦して着実に倒していく。

エレナ「なかなかやるわね坊やたち。次はどうかしら」

今度は先の倍の軍勢で攻めていく。その後も果敢に応戦していくも、次第に押され気味になってしまう。

のび太「どうしよう、このままじゃ僕たちも疲れて倒れちゃうよ」

エル「なんとか敵の本拠まで切り抜けないと」

ドラミ「そうだお兄ちゃん、キャンプ帽子ってまだ持ってる」

ドラえもん「そうか、これで潜り込めば」

と、ドラえもんが先の帽子を出して、みんながそれに潜り込む。ちなみにシルビイもスモールライトで小さくしてからリムに寄り添っていった。ともかくも帽子は地下に潜り込む。

ドラえもん「これでいくらかはしのげるけど、これからどこへ行こう」

エル「さしあたり旧鬼岩城のあたりまで行こう。どうも嫌な予感がするから、そこを調べてみたいんだ」

ドラミ「そうね、その地点まで進んでいきましょう」

と、帽子を旧鬼岩城あたりまで進めていく。

エレナ「まさか潜地機能で潜り込むとはね、まあいいわ、あれが復活すればこっちのものだから。状況はどうかしら、じい」

執事「はっ、ほぼ完了しております。あとはコントロールユニットを組み込めば」

エレナ「上出来ね、さあ早く来ていらっしゃい坊やたち。たっぷりと可愛がってあげるわよ。それからミーナはどうしたの」

たずねるエレナに黒ずくめの男の一人が応える。

男「はい、城内で迎え討つと行っております」

エレナ「そう、ならいいわ。あの子にももっと役に立ってもらわないとね。それからあなたたちも行ってらっしゃい」

男たち「イエッサー、了解しました!」

と男たちも指令室を後にする。

一方でドラえもんたちは地中を進みつつ旧鬼岩城跡にたどり着く。そこにはたしかに城の残骸とそれを囲む機械施設がまとわりつくように建っていた。

エル「やはりね、バトルフィッシュらが復活しているとなればあれもまた復活していたんだ、もしかしたらポセイドンまでも」

のび太「ど、どうしよう、ポセイドンが復活したら一斉に世界中に襲い掛かって」

ドラミ「そうならないためにあちらもコントロールをしていると思うから、手を打っていると思うけれど・・・・・」

ルウ「なんか不安げそうだなあ」

ジャイアン「なんだっていいさ、かかってくるならみんなやっつけてやる」

リム「こういうところは頼もしいね」

スネ夫「そうかな、ちょっと不安だけど」

しずか「とにかくポセイドンを復活させるのを止めなきゃ、それにミーナさんも説得できるかしら」

エル「やってみるさ、彼女のために、そしてムーとアトランチス両国のために」

ルウ「う、うん・・・・・」

久し振りにエルに頼もしさを覚えてルウが応える。それにはみんなもならうのだった。

こうしてドラえもんたちは城の内部に潜り込んでいく。

ドラえもん「やっぱり中は直ってるみたいだ。果たしてどんなのが待ち構えているか」

のび太「なんだか不安だなあ」

と、それぞれ奥に進んでいく。そして奥にはミーナが男たちと一緒に待ち構えていた。

 

つづく

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のび太の魔法大作戦<本当は怖いドラえもん>

さて今回はドラえもんと魔法の関わりをひとまず述べることといたします。

まず魔法といえば一概に物を変化させたり、火や吹雪や雷を起こしたりといった、これもまた「ふしぎ」なことといえる。

事実ドラえもんの初期のお話の中でも魔法が絡むひみつ道具も存在したし、後の『チンプイ』でも“科法(魔法を化学レベルで使用可能にしたもの)”といったファクターで魔法を使用させたことだろう。

あと魔法を含めたふしぎ世界の冒険ということで、大長編の“魔界大冒険”や“夢幻三剣士”やらのお話も忘れてはならばない。

さておき原作のお話では魔法をどう絡めていったのかをひとまずの考察とともに述べることにしたい。

『魔女っ子しずかちゃん』

魔法使いのあこがれるしずかちゃんに、ドラえもんもひみつ道具を貸して魔法使いの気分を味あわせて、実際に人助けをするといったお話であった。

それと関連してこのお話は“エスパー魔美”とつながっているかなともいえ、その意味でもマミも魔女っ子の分類に当てはまることだろう。

『魔法辞典』

魔女っ子のテレビ番組を見て自分も魔法を使ってみたいと言い出したのび太くん。そこで“魔法辞典”を出してもらってあれこれと道具の力で魔法(みたいなもの)を使いまわしてみたのだが。これは書いたことが実際に起きるといった“あらかじめ日記”や、桂正和先生の『ウイングマン』の“ドリムノート”、小畑健センセイの『DEATH NOTE』にもつながるだろう。

ともあれこの2作ともいわゆる“魔法ごっこ”がお話上ある程度できることに関し、最後のズッコケでケチがついたとはいえ男女を問わず魔法を使ってみたいといった子供心をくすぐるお話であることは言うまでもない。

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