ドラえもん

ドラえもん・オリジナル大長編:のび太の源氏物語(その1)

さてみなさん、今回のドラえもんオリジナル大長編は、今年放映された大河ドラマ『光る君へ』に出演なされたママ、我らが三石琴乃女史を記念して、ひとまずドラえもんも源氏物語の世界に入り込ませようといった企画です。
はたして平安の雅な世界と裏の物騒さ、そして物語の主人公たる光源氏との関わりがいかなるものになるかこれもこうご期待、といったところで、それでは、ごゆっくり。

この日家に帰ってきたのび太くん、部屋でママが何やら本を読んでどこかうっとりしていた。
のび太「どうしたの、ママ」
見ると卓上には一冊の本が置いていた。
ママ「あらのび太、おやつなら戸棚の中よ」
のび太「ところでなに読んでたの」
のび太くんもママが読んでた本にふと気になったようだ。
ママ「これは『源氏物語』といって、むかしの日本のお話なの。その主人公の光源氏という人はそれはすてきな人で、多くの女の人とすてきなひとときを過ごしてきたのよ。ああ、昔がなつかしいわ・・・・・」
ママが物語にひたっている中、のび太くんは「ふうん」と部屋を後にしようとする。
ママ「ちょっとのび太、ママがせっかくこの本のすばらしさを言おうとしてるのに、なんなのそのそっけなさは」
のび太「そ、そんなこといったって」
ママ「とにかく、あんたもこの本を読みなさい。それまで家から出ちゃだめよ」
とママから源氏物語の本を差し出されるのび太くん。

ドラえもん「ふうん、それはたいへんだね」
のび太「まったくいい迷惑だよ、こんなむずかしそうな本を読めっていうから」
と部屋に戻ったのび太くんはドラえもんにもママから渡された源氏物語の本を見せる。
ドラえもん「これは大人の文学だね、これを読まなきゃいけないのかい」
のび太「だってドラえもん知ってるでしょ、僕が難しい本を読むと眠くなっちゃうの」
ドラえもん「それはきみがちゃんと本に向き合わないからだよ」
と、ひとまずそっけなく応えるドラえもんなのだが。
のび太「何かうまく本を読める方法ってないのかな、そうだ、前に借りた“絵本入りこみぐつ”はないかな」
ドラえもんもひとまずその靴を出すのだが。
ドラえもん「それでこの本のお話を追っていくの、でもこれは絵本にあわせてつくられたんだよ。こんな文学作品に使ったらどうなることか」
のび太「これもやってみなきゃわかんないよ」
と、早速くつをはいてから、物語の本に入り込むのだった。
ドラえもん「うーん、大丈夫かなあ」
と、心配げに物語のページをめくっていくのだった。

気がつけばここはどこかの竹やぶの中、のび太くんはたしかに物語の中に入っていったはずなのだが。
のび太「あれ、ここどこだろう、物語の中だからどこかのお屋敷にいるはずだけど。そうだこの森を抜けるとお屋敷にたどり着けるかな」
と、竹やぶを道沿いに沿って歩き続けていくのび太くん、そのうち目の前の明かりに気が付き、走り寄っていく。
のび太「おーい、道に迷ったんですけど、近くにお屋敷はありませんか」
ところがたどり着いた先は、たき火を囲んでいたいかつい男たちであった。
「何だお前、まだ子供じゃねえか。おれたちはこの森をナワバリにしている山賊と知ってまぎれ込んだのか」
のび太「わっ、えーと、僕は、その・・・・・」
逃げようとしたがたちまち捕まるのび太くん。
「こいつを捕まえて金目のものをふんだくろうにも一文なしのようだからな、いっそ晩飯に食っちまうか」
のび太「えーつ!?」
その時、一本の矢が山賊の目の前をかすめ、草むらから若い貴族の人が現れる。
「乱暴はやめてただちにこの子をはなしなさい。さもなくばこの矢を本当に当てることにする」
「げっ、ミヤコのお貴族さまだ、こいつはかなわねえから逃げよう、おぼえてろ」
と、山賊は一目散に逃げ去っていった。
「あぶないところだったね坊や。夜道の森はひとり出歩くものではないのだよ」
のび太「はい、いえ、僕も道に迷って」
「それならば我が屋敷で休むといい。わたしは光源氏という貴族の者だよ」
のび太「ええっ、それじゃあなたがあの光源氏さん」
源氏「ほう、わたしを知っているとは光栄だね。ともかくゆっくりとしていきなさい」
のび太「あ、はい」
というわけで、光源氏に助けられ、屋敷に連れられることになったのび太くん。果たしてどうなることになるのやら。

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ザ・ドラえもんズオリジナル・ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター(その2)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは、キッド編、のび太のガンマスターその2をお送りいたします。
ウエスタンワールドにて悪漢と戦う羽目になったのび太くんたち。しかしその悪漢につかまりそうになるも、一人の賞金稼ぎのお姉さんに助けられてからのお話をお送りいたします。それでは、ごゆっくり。

ちなみに前回のお話はこちら
ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター(その1)
といったところで、あらためてごゆっくり。

保安官「なんだって、ノビータとマークが悪漢にさらわれたんだって」
悪漢たちの襲撃の報せはマークのパパの保安官事務所にももたらされた。
ドラえもん「ええっ、そいつは大変だ」
キッド「何とか助けないといけねえな」
エド「ほなわいらで行かないと」
と、騎馬モードへと変形し、いつでも出られるよう準備は整ったが、
突然一羽の鳥、ハチドリ型のロボットが窓をつついてきた。
ドラえもん「あれ、鳥のロボットなんて珍しいな。何の用だろう」
ドラえもんが窓を開けるや、ハチドリは部屋に飛び込み、まくしたてるように伝言を伝える。
ハチドリ「ピピピ、男の子たちはジェーンが助けたよ。今夜はジェーンのキャンプでかくまっていくから安心して。あと、あたしはピピ。ジェーンの相棒よ」
ドラえもん「えっ、ジェーンって人に助けられたの」
保安官「おお、まさかカラミティジェーンか、それは一安心だな」
どうやら保安官もジェーンのことを知っていたみたいなのだが。
キッド「なんだそのカラミティジェーンってのは」
保安官「うむ、彼女については追って説明しよう」
ということでエドとドラえもんを交えて語り出すのだが。

一方で街から離れた幌馬車型の飛空艇。そこにたどり着いたジェーンと彼女に連れられたのび太くんとマークの一行。
のび太「ちょっと大きな幌馬車だけど、そこがジェーンさんのキャンプなの」
ジェーン「結構広いから女一人じゃちょっと持て余してるけれどね。あんたたちのことは連れが話してるから、今日はここでゆっくりとしていきな」
と、二人はジェーンにうながされ、幌馬車の中に入っていく。その幌馬車の中は少し広い部屋となっており、そこの天井にとまっていたハチドリが近付いてきた。
マーク「あれ、小鳥のロボットかな」
小鳥「僕はジェーンの相棒のチチ。今兄妹のピピが話しつけてるんだ」
ジェーン「あんたたちさっきの騒ぎで泥だらけだろう、まずおフロに入っていきなさい」
と、チチが小型のカメラらしきものを持ってきて二人を写し、はたして二人はパンツ一丁の姿になる。
こうして二人がこれまた広い浴室にしばらく使っていたら、今度はジェーンが入ってきたのだ。
マーク「ジ、ジェーンさん」
ジェーン「おフロってのはみんなで入るのが一番楽しいものさ。ほら二人ともいったん上がって」
と、浴槽から出てきた二人の背中を泡立てて洗い流すのだった。
その時である。外から何やら馬の足音が多く聞こえてくるではないか。
のび太「なんだろう、馬の足音が聞こえてくるけど」
ジェーン「まさかあいつらが大勢でやってきたのか、あんたたちここで静かに待っててな」
と、二人を置いてジェーンが浴室から飛び出すのだった。

チチ「ジェーン、あいつらが襲ってきたよ」
ジェーン「ええ、あたしのガンベルトは」
チチ「うん、ここにあるよ、でも服着た方がいいじゃない」
ジェーン「そんな暇ないよ、ましてあれだけの数、襲い掛かられちゃここもひとたまりもない」
と、フロ上がりの身に二丁拳銃がかかったガンベルトを腰に巻いて表に出ていくのだった。
「なに、出てきやがったか、ってなんだその恰好は・・・・・」
悪漢たちがあられもない姿のジェーンに驚いた隙にショックガンで撃たれていく。
そんなジェーンの活躍を、フロ場ののび太くんとマークが窓越しに見守っていった。
マーク「す、すごい・・・・・」
のび太「僕たちも見とれちゃった」
そんな二人に悪漢たちを撃ち倒してからジェーンが近付く。
ジェーン「さあ、邪魔者はみんなやっつけたから、もうひとっプロ浴びようか」
と、あらためて洗いっこを再開しておフロタイムを過ごすのだった。
こうして悪漢たちを取り押さえつつ三人は一夜を過ごした後、翌日幌馬車を街へと飛ばしていく。

ドラえもん「のび太く~ん」
のび太「ああ、ドラえも~ん」
キッド「おお、大丈夫か、マーク」
幌馬車から降りてきたのび太くんたちに、ドラえもんたちが駆けつけてきた。
マーク「パパ、それにキッド、心配かけてごめん」
保安官「事情はこのハチドリくんから聞いてるよ。二人とも無事でよかった」
のび太「でもジェーンさんもすごいんだ、一人でたくさんの悪漢たちをやっつけたんだ」
マーク「それもほとんどハダカで・・・・・」
ジェーン「・・・ま、まあ悪漢たちもほとんどやっつけたところだし」
保安官「ああ、たった今街に連行したところだよ」
エドに連行される悪漢たち。しかしそんな彼らからおそるべき捨てゼリフが発せられた。
「おれたちを倒したぐらいでいい気になるなよ。まもなく親分がやってきてお前らなんかすぐにぶっつぶしてやるぜ」
エド「なんや、負け惜しみかいな、往生際悪いで」
保安官「もしそうなら大変なことになりそうだ。みんな街の守りを万端にしたまえ」
街の住民に守りを固めさせてから、あらためてジェーンを交えて保安官が対策を話し合う。そこにマークの友だちのシェリーやグラントたちも駆けつけてきた。
保安官「今まで倒した敵がざっと23人、今まで確認されたのが100人以上だというから、未だ多数残っているわけだね」
ジェーン「いくらあたしでもこれだけの数を相手にするのもやっぱり」
保安官「やはり市民総出であたらなければいけないか」
ジェーン「なるべく戦える人が集まるなら力合わせれば何とかなりそうだけどね」
その一方キッドたちも。
キッド「市民総出でっていうから、やはりおれたちも戦わなきゃいけないよな」
のび太「もしかして僕たちも闘わなければいけないの」
マーク「そうなるかもしれないよね。そのためにノビータ君もキッドに連れられたから」
のび太「だ、だって相手は無法者で悪漢だよ、銃だって持っていて、撃たれたら大けがするかもしれないし、下手すりゃ死んじゃうよ」
ドラえもん「いくら何でものび太くんにはちょっときつすぎるんじゃないの。今度ばかりはモルグシティのようにはいかないよ、って・・・・・」
ふとドラえもんの脳裏に何かがひらめき、少し離れて何かに連絡をつけんとするが、程なく落ち込んで戻ってくる。
のび太「ど、どうなったの、ドラえもん」
ドラえもん「今仕事で手が離せないって」
のび太「そ、それじゃあ僕たちで当たらなきゃいけないの」
のび太くんが応えるも、それにキッドとマークがならう。しかしその様をシェリーが割って入る。
シェリー「今さら何言ってるの。私たちの街でしょう。ここで守らなきゃどうするの」
マーク「そ、そんなこと言ったって」
シェリー「今は自分たちでやれることをやってみましょう」
ジェーン「あらあら、元気なことねえ」
マークたちの気弱さに対するシェリーの気丈さをジェーンは感じ入りつつ、ジェーン自身も何ができるかをひとまず考えつつことに当たることにした。

そして街から数10キロ離れた荒野、悪漢たちがやけに神妙な面持ちで何かを待ち構えていた。
やがて空から数頭の馬型ロボットに引かれた巨大な駅馬車が降り立ち、そこからいかにも威厳ありそうな男が下りてきた。
「ようこそいらっしゃいました。親分が来るのを待ちわびて・・・・・」
「肩ぐるしいあいさつはいい、あの街に奴らがいるんだな」
「へい、すでに仲間も何人か倒されちまって」
その親分と呼ばれた男は並みいる悪漢たちをにらみ回してから再び口を開く。
「いずれにしても明日街になぐり込む。一人も後れを取るな」
「へい!」
荒野の高台から親分は街の方向を眺めやる。
「ふふ、カラミティジェーンはともかく英雄ノビータか。いずれにしても我が先祖の恨み、モルグシティでの借りを返せるんだ、腕が鳴るぜ」
自らの銃を街の方向に向け、不敵な笑みを浮かべるのだった」

つづく

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ドラえもん・のび太の地球交響楽、ですか

さてみなさん、きたる来春公開される劇場版ドラえもん。そのタイトルが概要とともに公表されました。その名も『ドラえもん・のび太の地球交響楽(シンフォニー)』
まず公開されたメインビジュアルから、指揮を執るドラえもんに合わせて笛を吹くのび太くん、他の三人もいずれのパートを受け持つだろうということで、今回は音楽、ことに交響楽についてストーリーを進めるだろうということで、ある意味世界の危機を音楽で救おうということで。しかもこの交響楽、一般のちびっ子たちにも音楽を通じて参加するといったキャンペーンも繰り広げる次第で、作品の盛り上がりも否応なく期待できることでしょう。
ともかくも次回の劇場版、ドラえもんと音楽を愛する人にとってはまたとない作品となることでしょう。

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ザ・ドラえもんズオリジナル・ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター(その1)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんスオリジナルは、ドラ・ザ・キッド編において、本家ドラえもん、というよりのび太くんが活躍するお話で、キッドのホームタウン、ウエスタンワールドにて無法者と戦う運びとなっております。はたしてのび太くん、そしてドラえもんとキッドは戦い抜けるだろうか、といったところで、それでは、ごゆっくり。

ある日、のび太くんがオモチャをピストルを取り出して、壁向こうのマトめがけて弾を撃ち込んだ。その腕前は傍らで見守ったドラえもんも目をみはるものだった。
ドラえもん「いやあほんとにすごいなのび太くん、あいかわらず射撃の腕はすごいもんだ、ほんと道を歩けばなにかにぶつかってこわしちゃうような君でも」
のび太「何だよそれ、それじゃあ僕がなにかに当たればこわしちゃうダメなやつだといいたいの」
ドラえもん「いやいや、そういうわけじゃ」
なかば憤激するのび太くんをなだめつつドラえもんが返す。そんなとき、机の中からドラえもんと同じようなガンマン風のネコ型ロボット、つまりドラ・ザ・キッドが現れた。
ドラえもん「なんだキッドじゃないか、ここに来るなんてめずらしいな」
当のキッドはやけに真面目な表情で応えるのだった。
キッド「のび太はいるか、今すぐにのび太が必要なんだ」
のび太「え、僕はここだけど」
あっけに取られつつのび太くんは応えるのだが。
キッド「今すぐ我が街に来てくれ。どうしてもお前の力が必要なんだ」
と、のび太くんを引っ張りこみ、自分のタイムマシンに乗り込んでいく。
ドラえもん「あ、ちょっとキッド、それにのび太くんも」
あわててドラえもんも乗り込んでいって、一路タイムマシンはキッドが活躍する時代へと向かっていくのだった。
こうして行き着いたのがウエスタンワールド、だったのだが。
ドラえもん「久しぶりにこのウエスタンワールドに来たけど、なんかさびれたようだね」
キッド「ああ、それには深いわけがあるんだ・・・・・」
ふと何かの物音を感じたのか、ドラえもんとのび太くんが手をつかんで、建物の物陰に連れていく。
のび太「えっ、なに、どうしたの」
キッド「しっ、静かに」
と、二人を黙らせてから、表通りをのぞき込む。すると道向こうから、数騎のガンマンらしき男たちが。我が物顔で駆け抜けていく。
「ぃヤッホー!」
「どいたどいたぁ、おれたちのお通りだあ!」
やがてガンマンたちが駆け抜けていった後で、キッドたちも潜んだ建物から表へ出てくる。
ドラえもん「ねえキッド、あれっていったい何なの」
キッド「あれが、今ワールドの悩みのタネの無法者たちさ」
ドラえもん「無法者って、この街をたびたび馬で乗り回して乱暴をはたらくの」
キッド「そうさ、あいつらはカネや食べものを奪ったり気に入らない人に危害を加えたり、時には家々に火をつけて燃やしたりと、もう好き放題さ」
のび太「ひどいことするなあ、でもそんな人たちに僕たちはどうすればいいの」
キッド「だからみんなでやっつけるんだ、きまってんだろ」
マーク「ちょっとキッド」
そこにキッドの相棒のひとり、マークが現れた。
キッド「おっマークか、紹介しよう、こいつがおれの相棒のマークだ」
マーク「でもこの人たちがキッドが呼んだ助っ人なの」
キッド「そうさ、ドラえもんとのび太だ、特にのび太はかのモルグシティを救った英雄なんだよ」
のび太「ええっ、僕ってそれほど有名なの」
マークがおそるおそるのび太くんに近づく。
マーク「うん、たしかにね、まあ名前だけならそうだけど、どうかなあ、あんまりパッとしなさそうどけど」
「まあそいつはマークもおんなじやけどなあ」
と、ウマ型のロボットが近づいてきた。キッド、もう一人(一頭)の相棒エドである。
のび太「わっウマがしゃべった、ってロボットなんだ」
エド「わいがキッドの相棒エドでっせ。まあつもる話もあるけど、もうすぐ夕方やからみんなうちに寄ったってや」
と、ドラえもんとキッドたちをマークの家に連れていった。
しかしその様を建物の物陰からのぞき込む人影があったのだ。
「あいつが英雄ノビータか」
さらに街外れの高台に、白馬に乗る人影が立っていた。
「あの子が英雄ノビータね」
さておきこうしてのび太くんとドラえもんはマークん家で盛大に歓迎を受けるのだった。

次の日、あらためて街の案内を買って出たマークとのび太くんがしばらく街中の散歩をしていると、突然道向こうから何やら土煙が巻き起こる。
のび太「え、あれって、まさか」
マーク「たいへんだ、そのまさかの、無法者たちだ」
誰もが建物の中に隠れんとする中、マークたちも建物の陰に隠れようとした。しかし、
「おっと、そう簡単には逃さねえぜ」
その物陰からひそんでいた悪漢の一人であろう男が、ナイフ片手におどしをかける。
おどろいて表に出るマークたち、しかしそれを待ち構えたかのごとく、二人とも投げ縄に捕まったのだ。
マーク「わっ、捕まっちゃった」
のび太「ええっ、何なのこれ」
その投げ縄の主である悪漢のリーダーが馬上で不敵に見下ろす。
「ふふ、捕まえたぞ、英雄ノビータ。お前を捕まえて売り飛ばせばひとがどの賞金をゲットできるんだ。おとなしくついてきな」
と、馬を走らせて二人を街の郊外まで引きずっていく。
二人「うわっ、たすけてえ!」
その時である。むこう側から駆けつけた一騎のガンマンが、すれ違いざまにリーダーを撃ち、のび太くんたちにのもとにかけ降りる。
「大丈夫、二人とも、ケガはない」
のび太「う、うん、大丈夫だよ」
マーク「でも女の人って、まさか」
そこに仲間の悪漢たちが駆けつける。
「おうおう、ずいぶん勝手なことをしてくれるじゃねえか」
そのガンマンも無法者の男たちに不敵に立ち向かう。
「勝手なことはどちらだい、大の大人がよってたかって子どもを引きずり回すとは情けないんじゃない」
「うるせえ、やっちまえ!」
「まて、この女は」
男の一人が言うが早いか、その女ガンマンは、一瞬で二丁拳銃を撃ち放ち、周りの悪漢たちをふきとびしていった。
「お、おぼえてろ」
と、悪漢たちが退散し、のび太くんたちも投げ縄からとき放たれ、体の自由を取り戻した。
のび太「ああたすかった、でも結構強いお姉さんだね」
「ショックガンのインパクトモード、つまりは相手をふっとばす威力なのよ」
のび太「ショックガン」
マーク「僕らの時代の主流の武器さ。僕のはほんの護身用、つまり身を守るものだけど。彼らのがより実戦用だからね」
「だからこそあいつらに対抗できる奴が必要なのさ」
マーク「すると、まさかあなたは」
「あたしはジェーン、人呼んてカラミティジェーンというしがない賞金稼ぎさ」

ここであらためて彼女の説明をしよう。
カラミティジェーン(声:桑島法子):ウエスタンワールド近隣で活躍する賞金稼ぎのお姉さん。
はたして彼女がどのような活躍をしてくれるのか、乞うご期待、といったところで次回へとつづく。

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ザ・ドラえもんズオリジナル:ドラニコフ編・サーシャとふしぎな森(後編)

さてみなさん、今回のドラえもんズは、ドラニコフ編、サーシャとふしぎな森の後編パートをお送りいたします。
サーシャと一緒に“心の土”で森と友だちになれたものの、その森のおかげで村が大変なことになり、それを鎮めんと乗り込んでいく様をお送りいたします。
そもそもこのお話はドラえもん本編の『森は生きている』の巻と、ロシア民話のお話を合わせてお送りする運びでした。たしかにドラえもんのお話も人として生きることの大変さと重要さを描いたと同時にやはり最後は強引すぎやしないかといったもどかしさを感じ、今このお話を描くことで帰結させようとした狙いです。はたしてドラニコフたち、そしてサーシャは森とそこに住まう精霊たちをどう説き伏せるか乞うご期待、といったところで、それでは、ごゆっくり。

なお前回までのお話はこちら

ドラニコフ・サーシャとふしぎな森(前編)

といったところですので、あらためてごゆっくり。

ニコラたちの村の境界の森、サーシャのためにみんなが親しみやすい森にしようと、ドラニコフが“心の土”を使って森をよりよくしたのはいいけれど、しだいにサーシャのためだけの森になってしまい、やがては村中を霧におおい、村人を眠りに落としてしまう。
ニコラたちはサーシャはもとより村を解放せんと森に乗り込んでいくのだが。
フョードル「やっぱり“心の土”の効き目が強すぎたんじゃないのかな」
ニコラ「でも、森がサーシャを閉じ込めるなんて聞いてないんだけど」
ゴーリキー「今はともかく言ってる場合じゃない、こうなったら一刻も早くサーシャを助けないと」
こうしてニコラたちは村境の森へと足を踏み入れる。その際にドラニコフが“トレーサーバッジ改良版”を出して各々に取り付ける。
ニコラ「これでみんなの位置が分かるから、そうそう迷わないはずたって」
イワン「ほんとに大丈夫かなあ」
フョードル「ともかく、行くしかないよ」
こうして各自手分けしてサーシャを探すことになった。
ミハイル「とはいうものの、めぼしい場所といったら、やっぱり木の上なのかなあ。おーい、サーシャあ」
ミハイルが呼び掛けるうちに、通りかかったたつるに足を取られ、そのまま宙づりとなって樹の上に飛ばされるのだった。
一方のゴーリキー、サーシャを探そうと森じゅうを探し回ろうとするも、しだいに苛立ちをつのらせる。
ゴーリキー「まったくどこにいるんだよ、もうこうなったら木をかき分けて・・・・・」
そう言って木々をかき分けんとするのだが、なんとその木々にとらわれてしまい閉じ込められてしまったのだ。
フョードルもまた単独で行動していた、というか単独行動していたミハイルとゴーリキーと合流すべく先を急いでいたのだが。
フョードル「いざ森に入ってみたけれど、ここまで深くなっていたなんて、甘く見ているとこちらが迷っちゃうな。なんとしてもみんなでいっしょに行動しないと・・・・・」
しかし歩みを進めていくうちに、しだいに足取りが重くなっていくではないか。
フョードル「うん、なにか変だな、僕の足になにか、ああっ、僕の足が石に、うわっ、石が僕の体を」
フョードルの足元が石に覆われ、その石がだんだんと腰から胸へと体じゅうを覆い、ついには一つの岩の固まりになってしまったのだ。
そんな中、残されたニコラとドラニコフ、ふとニコラがあることを思い出した。
ニコラ「ねえドラニコフ、昔ママから聞かされたお話の中で、自然には一年の月をつかさどる精霊がいるっていうから、この森の精霊ってのを呼ぶ道具ってないの」
ニコラの言葉にドラニコフは大いにうなづき“心よびだし機”というひみつ道具を出した。
さっそくその道具で森の精霊を呼び出そうとするも、そこから出てきたのは数体の魂らしき物体だった。ニコラたちが呼び掛けんとしたその矢先、それらは森の奥の方に飛んでいったのだ。あわてて追いかけるニコラたち。
ニコラとドラニコフが駆けつけた先には、とらわれのフョードルたちと奥で眠っていたサーシャがいた。
「ようこそ、精霊の森へ、僕たちはご存知のとおりこの森を守る精霊さ」
ニコラ「ああ、サーシャにフョードル、それにみんな。どうしてこんなことに」
まわりには数人の人影が姿を現し、その中の代表として一人の精霊がニコラに近づいてきた。
「知ってのとおり、君たちが僕たちのために心の土とやらで力を与えてくれた。その中でサーシャは僕たちを大切に接してくれたんだ。だからこうして迎えたけれどね」
ニコラ「それじゃサーシャはどうなるの」
「決まってるさ、サーシャはこの森でしあわせに暮らすんだ。僕たちの力で何不自由なく生きられるはずだよ。もちろん君たちもね」
その言葉にニコラも一瞬とまどったが、やがて口を開いて応えた。
ニコラ「そんな、ただ食べて寝るだけじゃ意味ないよ。だって僕たちは人間なんたから」
「えっ・・・・・」
精霊も一瞬たじろいた。ニコラもありったけの勇気をふりしぼり続ける。
ニコラ「どう言っていいかわかんないけど、たとえば食べものを得るために畑をたがやして野菜やムギを植えたり、もちろん森から木の実をとったり、あと狩りでケモノの肉を得たりするんだ。これらもみんな自然に感謝しながらやってたんだよ。精霊さんも自然の一部だからわかるはずだよ。たしかに自然は厳しいところもあるけど優しいところもある。これらをみんな受け入れて人間も生きていたんだ、って父さんや母さんも言ってたんだ。でもこれだけは僕も分かる。自然に甘えてばっかじゃ人はダメになるって」
いろいろと述べたニコラに対して、突然つむじ風が巻き起こり、ニコラたちにおそいかかる。
「サーシャは渡さないよ。だってせっかく気持ちを通じあえたんだ」
さらに草のつるが巻き付いて大きな樹に張り付けられてしまう。
「きみが邪魔をしようなら僕らも容赦はしないよ」
ドラニコフもつるにかみついて脱しようとするも、さらに巻き付かれ結局動きが封じられた。
「これでおとなしくなったね、さあ君たちも僕らの仲間になるんだ」
二人ともつかまってしまったとき、ふとサーシャが目を覚ました。
「・・・ニコラ、ドラニコフ、それにみんな、どうして、こんなことに」
「やあサーシャ、ようやく起きたのかい。この人たちサーシャを僕たちから離そうとしたから、おとなしくさせたんだ」
とらわれのニコラとドラニコフ、そしてフョードルたちの姿を目の当たりにして、サーシャはニコラたちのもとに駆け寄っていく。
サーシャ「お願い、もうこんなことはやめて。私のためといっても人をしばり付けるのはまちがっているわ」
「え、でもこれもきみのために・・・・・」
サーシャ「もともと人と森はちがうものだから、そのちがいを受け入れてどちらも付き合っていたはずよ。たしかに人も暮らしやすくするために森を手入れしていたけど、それでも森を大切にしたつもりよ。あと私たち人間だって、生きるために働いたり狩りをしたりするけど、時には体も休めなきゃいけないの。でもだからといって休んでばかりじゃ人はだめになっちゃうから」
サーシャの必死の説得で、精霊たちは次第に気を落とし、それにともなってニコラたちをとらえたつるも外されていく。
「僕たちは、まちがっていたのか・・・・・」
サーシャ「・・・もちろん、今までもてなしてくれたのは、本当にありがたかったわ」
「・・・でも、約束して、きみたちが、これからもこの森を大事にしてくれるなら、ぼくたちもそれなりに応えてみるよ・・・・・」
こうして精霊たちは天に昇り、いつの間にか霧も晴れ、雲一つない青空が広がっていた。

あれから何日かがたった頃、季節はすっかり秋を迎え、その後で長い冬に備えるために村の人々もせわしなく働いていた。その中で、ニコラとサーシャ、そしてドラニコフは久しぶりに森の小道を歩いていた。
ニコラ「あれからずいぶんたったけど、あの事件もまるで夢のようだよ」
サーシャ「うん、本当に夢を見ていたかもしれないわね。わずかばかりの楽しい夢を」
ニコラ「そうだね、勉強や家のお仕事は実際疲れるけど、本当に疲れた時はまた森で一休みするのも悪くはないね。あっ今はまだ疲れていないけれど」
ドラニコフもひと吠えしてニコラに応える。サーシャも微笑みかけたその時、周りに風が吹きかけた。
サーシャ「うん、私は、大丈夫だよ・・・・・」
ニコラ「あれ、どうしたの、サーシャ」
ニコラたちは目の前をいくらか進んでいた。
サーシャ「ううん、何でもない」
再びニコラたちに駆け寄ってから再び歩を進め、時折あの精霊たちが昇った空を仰ぐサーシャだった。

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ザ・ドラえもんズオリジナル:ドラニコフ編・サーシャとふしぎな森(前編)

さてみなさん、今回のドラえもんズのオリジナル小説は、ドラニコフ編、サーシャとふしぎな森の前編パートをおおくりいたします。
もとはドラえもんの原作『森は生きている』の巻とロシア民話とを合わせ、ドラニコフにてのしずかちゃんのポジションたるサーシャ、
彼女について元は別の名前で先のお話を進めたのですが、これまた先の映画にて同じ名前のキャラクターが登場したいきさつもあり、今回サーシャと名前を変更した次第です。
ともかくもこのサーシャを中心に村はずれの森にてどのような不思議な出来事が起きるか、またそれをどのように解決するのかをお送りする運びです。それでは、ごゆっくり。

ある日の午後、学校帰りのニコラとサーシャは家路途中のしずかな森にさしかかる。
ニコラ「こうしてサーシャと一緒に帰るのも久しぶりだね」
サーシャ「え、ええ、そうね・・・・・」
ニコラ「うん、どうしたの、サーシャ」
サーシャ「え、うん、この森にいるといつも心地よい気分になって・・・本当なら一人でいたかったけれど・・・・・」
後ろの部分は小声になってニコラには聞こえなかったが、この森についてのサーシャの心地いい笑顔が後に忘れられなくなった。
ニコラ「それじゃあ、またねサーシャ」
サーシャ「うん、またねニコラ」
サーシャといったん離れ家に帰ったニコラは、さっそくドラニコフに話を持ちかける。
ニコラ「というわけで、サーシャのためにみんなが楽しめる森にできないかな」
するとドラニコフは了解の意を示してポケットからハート型の固まりを取り出す。
ニコラ「これが“心の土”っていうの、これを森にまけばいいんだね」
ドラニコフはうなずきつつ、ニコラのすそをつかんで何かを伝えんとする。
ニコラ「あっそうか、サーシャが使わなきゃいけないんだね」
再びドラニコフがうなずき、一緒にサーシャの家に向かう。そのサーシャの家にはちょうどフョードルも訪れていていた。
ニコラ「というわけで、この“心の土”を使って森をみんなが楽しめる場所にしたいんだ」
サーシャ「えっ、そんなことができるの」
サーシャも心が踊りつつニコラとドラニコフの言葉に耳を傾ける。しかしフョードルは少し頭を傾けて疑問を呈する。
フョードル「でも大丈夫かな、あの森は村々をつなぐ道が通っているから、それをふさがれやないかな」
ニコラ「大丈夫だよ、みんなのためになるなら村人のみんなのためにもなるはずだよ」
フョードル「それなら、いいんだけど」
なんとかフョードルを納得させてから、森のところどころに心の土をまいていった。ドラニコフが言うには、願いを込めて土をまけば、その通りの森になるかもしれないとニコラを通じて告げられ、サーシャは自分が胸にいだいた願いを思い浮かべる。
サーシャ(森にはそこを守る妖精たちがいるから、一緒に遊べる森にしたいな)

ついでにニコラとフョードルも土のひとかけらをもらってそれぞれまいていった。
こうして村通りの森は明日にはみんなが楽しめる森になる、はずだった。

はじめのうちは、ニコラたちが訪れたとき、木々がひとりでに下がり木の上へと招いて上空の景色を楽しませたり、木の上で昼寝に興じたり、その際においしい木ノ実をごちそうしてくれたりと結構役には立っていたのだ。
しかしその一方、サーシャが訪れるときには、はじめニコラたちと同じもてなしだったが、ある日森の中にきれいな泉が開けたかと思いサーシャもぜひ入ってみようと泉に近づくと、木々の葉が周りをさえぎって壁を造り、ちょっとした浴室ができたのだ。
サーシャ「お風呂なんて久しぶり、ありがとう森さん」
こうして少し温かい泉の水浴を楽しんだサーシャだった。
ところが、一方のニコラたちは少し不安げだった。
フョードル「でも大丈夫かな、どこかサーシャにばかりもてなしているようで」
ニコラ「うん、心の土は一番使った人の願いをかなえるようにつくられたから」
ドラニコフもニコラを通じて「サーシャは優しい子だから、いつもみんなのしあわせを願ってるから大丈夫だよ」と応える。
フョードル「そうは言ってるけど、これってサーシャの願いというよりも、森の意思なんじゃないのかな」
そしてフョードルの心配どおり、数日後サーシャは家に帰らなくなってしまったのだ。

あくる朝、ニコラの家にサーシャの両親が訪れた。
サーシャ父「というわけで夕べからサーシャが戻って来ないのですよ」
サーシャ母「いったいどこにいるのか、以前はこんなことはなかったのですが、そういえばそちらにはニコラたちがうるから何か分かるかもしれないですね」
ニコラのパパ「うんそういえば、ニコラ、ドラニコフ」
ニコラ「どうしたの、パパ」
パパ「実はサーシャが昨日から家に帰って来ないんだ」
ニコラ「ええっ、それじゃ、まさか」
そこに近所の大人の人たちも訪れる。
パパ「おやみなさん、どうかしましたか」
「いえそれが、朝になっても荷馬車が着かないんですよ」
パパ「それでは物資も届かないですな、このままでは今後の生活が立ち行かないおそれもありますなあ」
そこにミハイルとゴーリキーもやってきた。
ゴーリキー「おーい、ニコラ、ドラニコフ」
ニコラ「ああ、二人ともどうしたの」
ミハイル「なんか村中が真っ白な霧に覆われちゃって、ここまで来るのに一苦労だよ」
ニコラ「え、ちょっと待って、とにかく裏庭に行こう」
と、ニコラたちは急ぎ足で家の裏庭に向かう。
パパ「これ、あたりは霧でいっぱいだ。あまり外に出歩いちゃいかんぞ」
パパもニコラたちに言いつけるが、ともかくニコラたちも対策を立てることにするのだ。
ゴーリキー「なんだって、するとこの霧は」
ミハイル「サーシャの森が起こしたっていうの」
ニコラ「うん、もともとサーシャにもっと森と仲良くさせたくて、ドラニコフに頼んで“心の土”を使ったんだ。それがまさかこんなことになるなんて」
ドラニコフも頭を抱えてうなりつつ悔やみ、ゴーリキーもそんなドラニコフを警戒しながら返す。
ゴーリキー「と、とにかくその森に霧を収めるように言わなきゃいけないだろ」
ニコラ「そうだよ、たとえ心の土を使ったのがまちがいだったとしても、それ以前にサーシャも助けなきゃいけないから」
ミハイル「うん待って、なんか家の中が急に静かになってない」
ニコラ「そうだね、ちょっと戻ってみよう」
こうしてニコラたちは家の中に戻るのだが、
ニコラ「あっ、どうしたの、パパ、ママ」
ゴーリキー「と、父ちゃん、どうなってんだ、これ」
ミハイル「み、みんな眠っちゃって起きなくなったの」
ニコラ「これも森のしわざなのかなあ、ってあれ、だんだんとぼくらも眠く、なっちゃった・・・・・」
ニコラたちまでも眠りに落ちそうになり、すかさずドラニコフが何かの袋を出す。これはどんな眠りでも目を覚ます“めざめの粉”なのであった。
ドラニコフがニコラたちにめざめの粉をふりかけ、はたしてニコラたちもしっかりと目を覚ましていく。
ニコラ「ああすっきりした。これで当分の間は大丈夫だね。ところでパパたちはこのままにしていこう。足止めされると面倒だからね」
こうしてニコラたちは霧が立ち込める中、一路森へと向かう。途中馬とともに眠りに落ちたフョードルも粉で起こして先に進むのだった。

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のび太のおとぎ話番外編・母をたずねて三千里からママをたずねて三千キロじょう

いわゆるおとぎ話から派生したドラえもんのお話において、今回はおとぎ話というより近代の児童文学とジャンル分けされるだろうが、ともかくこのお話『母をたずねて三千里』これはフジテレビの世界名作劇場でも放映された作品なのでご存知の方もおられるかもしれないが、
主なあらすじは、イタリアのジェノバから生活のため南米アルゼンチンまで出稼ぎに行った母親が音信不通となったのを機に、息子である主人公マルコが苦難の果てに多くの人たちの協力もあり、病床の母親が居るアルゼンチンまで赴いた。
やがて 母親の体調が回復し、親子揃って故郷のジェノバまで戻ったというのが主なあらすじである。
余談ながらこの物語も当初イタリアではともかく世界的にはマイナーなこの作品、日本のアニメとして世に送り出されて世界的に知られたとか。

さて我らがドラえもんのお話はどうか、ということで今回挙げるお話『ママをたずねて三千キロじょう』について
日頃からうるさくて怒りんぼのママから離れたいということで、のび太くんはドラえもんから“ママを訪ねて三千キロじょう”なるクスリを借り、しばらくママと離れていたが、次第に寂しくなってきたのでいくらか歩いて(移動して)行くうちにママとまためぐり会えたそうな。
このように親子の関係はもとより人間関係上人によっては顔を合わせたくない、あるいは距離を置きたい場合もある。そのためにまず挙げられた道具がこの三千キロじょうである。予断ながら原作の“三千里”からとっつきやすいように“三千キロ”と道具のネーミングも微妙にいいかもしれないけれど。
さておきこのお話においてはひとまずママから離れられてから、やがて“物語”のとおりにママとめぐりあえたというオチにつながったかなということで。

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ドラえもんとゆかいな仲間たち特別編:ドラQパーマン

さて今回もドラえもんを通じての藤子作品について述べたいと思いますが、今回はいわゆる合作マンガということで『ドラQパーマン』について述べることにします。
主なあらすじとしてのび太くんの世話に疲れたドラえもん、正ちゃんの世話に疲れたオバQ、なかなか身代わりがつとまらないミツオのコピーロボットに辟易したパーマン:ミツオ、この三人が意気投合し、普段の生活から離れてキャンプに興ずることになった、一方のび太くんたちも正ちゃんとミツオのコピーとで宿題を何とか済ませてから、ドラえもんたちにたまたま家に置いた“災難くんれん機”で仕返ししてからみんなでキャンプに興じたそうな。
この作品は1980年頃に当時藤子F先生のアシスタントだったしのだひでお先生が作画を手掛けた、現在でいうスピンオフ作品ともいえる。以前『バケルくん』とのコラボで『ぼく桃太郎のなんなのさ』のお話がリリースされたとはいえ、当初F先生もこの企画には乗り気ではなかったが、ひとまずのヒットを受けて後日アニメ化された運びとなった。それがさらに時を置いてそれぞれオバQ、パーマンの再アニメ化にもつながったことは述べておきたいところ。
ここでの要点は主人公そっちのけで遊びに出かけたパートナーをこらしめる(パーマンは立場が逆だけど)お話であること。たしかにこらしめるといえば後期辺りで「(ハメを外した)のび太くんをドラえもんあたりがこらしめる」というシチュエーションが見受けられるが、そのひな形がこのお話であるのは少し考えすぎか。
ともあれこれを経て80年代におけるいわゆる藤子作品、ことにA先生作品の劇場版同時公開にもつながり、それが90年代からのドラえもんズの同時公開にも連なったこともこおに記しておきたい。
昨今いろいろな規制があってこういった展開は厳しいところだけれど、このようなムーブメントを求める往年のファンも少なくはないと編者としても信じたいところでもあるが。

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ザ・ドラえもんズ・怪盗ドラパン編:セリーヌと産業革命(最終回)

さてみなさん、今回のドラえもんズは、怪盗ドラパン産業革命編の最終回をお送りいたします。
セリーヌヤドランたちとともにマイルス男爵と対峙するイギリスの名探偵ホームズ。そして男爵に秘められた秘密もともにからくり屋敷の真実も明かされることでしょう。はたしてその真実の先にあるものは。
そして最後に控える新旧ドラパン声優、神谷明さんと鈴村健一さんの会話を思い起こしてお読みいただければ一層楽しめることは間違いありません。
とりあえずはこんなところで、それでは、ごゆっくり。

なお前回までのお話はこちら

怪盗ドラパン・セリーヌと産業革命

(その1)

(その2)

(その3)

(その4)

(その5)

といったところですので、あらためてごゆっくり。


対峙するホームズとマイルス、そこでホームズが言葉を発し、事態は動くのだった。
ホームズ「しかして本当の目的は、自身の犯罪ビジネスをここフランスにも広げること。そうだねモリアーティ教授」
ワトソンを除く一同が軽いどよめきを起こす。そんなマイルスも不敵な笑みを浮かべながら応える。
マイルス「ふふ、ここまでばれたら致し方ないな」
顔に手を当てて顔に施した変装をはがす。するとその素顔は不敵な紳士のそれだったのだ。
「そう、わたしの本当の姿こそ、今世紀最大の芸術家モリアーティなのだよ」
ピエール「ええっ、モリアーティ教授といえば自身をナポレオンと称して犯罪を繰り返しているという」
モリアーティ「ピエール君だったね、すべては偉大なる芸術のため、かつてのギリシャやローマの遺跡のように後世に残るためにね」
ホームズ「そのためにこのお嬢さん、そして彼らに危害を及ぼそうとしたのは僕としても許せないな」
ドラン「ああそういえば(まさか僕が目的じゃないよね)」
ふとドランにモリアーティの視線が向けられた、かに見えた。そのモリアーティも腕を組んで少し考えるふりをして一言、
モリアーティ「ふむ、たしかにお遊びが過ぎたようだね。まあだからといってわたしが認めた人士二人を相手にするほど愚かではないのでね、ここは失礼させてもらうよ」
ドラン「なに、逃げるのか」
モリアーティ「いずれ君たちとは堂々と相手をしてあげよう、それではひとまずさらばだ諸君」
と言って壁際に寄りかかったと思えば、その壁の一部が回転し、モリアーティは壁向こうに去っていったのだ。
ホームズ「相変わらず逃げ足が早いな、僕としても裏の裏をかいたつもりなのだが」
ドラン(どっちにしても僕も足元にも及ばないなあ)
一瞬ドランも肩をすくめつつ安どの表情を見せる。
セリーヌ「ともかくここは早く出ましょう。これからどうなるか分からないから」
こうして一同は、再び手分けして、なんとか屋敷から脱出することができたのだ。

屋敷から出た先に、なんと警察隊が駆け付けてくるではないか。
マルマール「おおい、ピエール、大丈夫か」
ピエール「ああ隊長、どうしてここへ」
マルマール「実はイギリスの警察から捜査の協力を要請されてな、こうして馳せ参じたわけだ」
そういえば警察隊の他に数人の外国人らしき男たちもいたけれど。
「ううむまた逃げられたか、あ、いや、わたしはイギリス警察のレストレイトという者だ」
そこにホームズが声を掛ける。
ホームズ「いやはやレストレイト警部、お疲れ様ですね」
レストレイト「おおホームズ、君がいながら逃がしてしまったか、いやそこのお嬢さんたちが無事でよかった」
セリーヌたちも警部に一礼する。
レストレイト「これは可憐なるマドモアゼル、いやさぞや大変な目にあわれたことか」
そこにワトソンが割って入る。
ワトソン「警部、ここはわたしにおまかせを。いやわたしは医者ですよ。何か体にさわったことはありませんか。いやいや、脱がなくて結構です」
服を脱ごうとするのをなだめつつ、ワトソンがセリーヌたちの体の不調を調べ、ピエールはマルマールとレストレイトの会話に合いの手を入れる役目を負っていた。
そしてホームズは、ドランに軽く目配せをしてひと時場を離れる。ドランもまた周りに気を配りつつホームズに付いていく。その様をセリーヌは軽く見守るのだった。
ホームズ「さてこうして話をすることができるね、子猫くん、いや」
ドラン「あの、話というのはどのような」
ホームズ「うむ、最近パリの街中を賑わす“彼”について調べたのだが、まさか君だったとはね。実はここフランスに渡ったのはモリアーティ教授を追うのはもちろん、君に会うのもあったんだ」
やがて観念したのか、ドランも小声ながらも口を開く
ドラン「・・・そうさ、僕がこの巷で有名な怪盗ドラパンなんだ。かくいう僕もあなたの、イギリスの名探偵のことも知っているよ」
ホームズ「これは何より、でもここはお互い自己紹介だけでいいかな。先の要件を済ませたばかりからね」
ドラパンとの対峙でこれ以上の混乱もホームズとしては望むところではなかったのだ。
ホームズ「いずれ君とのお遊びも楽しみになってくるけれどね。その時を楽しみにしているよ」
ドラン「うん、そうですね」
ドランとしてもかのホームズが相手で、ちょっとばかり生きた心地がしなかったのた。
しかしここに、ワトソンに伴われたセリーヌが寄ってきたのだ。
セリーヌ「あら、こんなところにいたのねドラン。あと私が心配だがらってワトソン先生もついてきたけれど」
ワトソン「僕も医者の端くれだからね。ひと時ながら患者である君が心配なのだよ」
セリーヌ「でも本当はホームズさんも私のことを気にしてたからついでに心配だったでしょう」
ワトソン「それもそうだけどね」
ホームズ「やあマドモアゼル・セリーヌ、今回の件は君もご活躍と聞きましたが」
セリーヌ「うん、まあね」
やはり自分のこともお見通しかと思いつつ、セリーヌは応える。
ホームズ「ともかく僕たちはこれで失礼させてもらうよ」
ワトソンにうなずきつつホームズもこの場を離れ、ワトソンもあとに付いていくのだった。
ワトソン「(小声で)それじゃ、あの二人がそうなのかい」
ホームズ「あれほど手強くも頼もしい人たちはいないよ。ともかく僕たちも帰るとしよう。次の事件がまっているからね」
去りゆくホームズたちを見送りつつ、やがてセリーヌも、
セリーヌ「さて私たちも帰ることにしましょう。ピエールたちが待ってるから」
ドラン「うん」
結局ドランもドラパンとしての活躍ができなかったのだ。そのことを惜しみつつも、多くの手強い相手のことを知り、その苦難に思いを致さずにはいられなかったが。その時はその時と割り切りつつ、セリーヌとともに戻るのだった。
こうして帰途に就く二人。途中ピエールたちとの会話を切り上げて帰途につかんとするレストレイトらイギリス警察の敬礼を受け、二人が向かった先にはピエールやソフィーらの出迎えを受けるのだった。

今回の件と前後して、男爵の別荘の地下室にて、本物の男爵が軟禁されて後、警察に救出されたのを機に事件が露呈した警察の介入と相成った。もちろんホームズが乗り込む少しあと、男爵に不穏の動きがあるとレストレイトに連絡をしてからであるが。
そういえば今回の事件でセリーヌたちにも招待状を送ったのも、やはりドラパンとしての自分目当てだろうと思わずにはいられない。
前にも想ったが、いずれにしても仕事に伴いこれからの強敵との対決も大変なことになるだろうと思わずにはいられないドランだった。

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モノ社会の宿業:こわれやすい感性<本当は怖いドラえもん>

人がつくったモノは必ずこわれてなくなってしまう。これはあらゆるモノに必ず起こりうることである。このことをふまえて、ドラえもんのお話では何かとこわれやすいひみつ道具を通じての問題点やら趣旨やらを探っていきたい。
一概にドラえもんのひみつ道具のいくらかが、使っていくうちに故障、すなわちこわれてしまう事象が見受けられる。

その代表例としてまず『いやなめメーター』について述べたい。
その日もイヤな目ばかりにあったのび太くん。そこで“いやなめメーター”なる道具を出してもらい、イヤな目にあうごとにメーターからおカネを出してもらうことにした。ところが使ってみたら肝心なときにすぐこわれてしまって結局役には立たなかったそうな。
まずこの道具は、昨今(当時)の精密機械を使った道具ということとでささいなショックでもこわれやすいものだということ、そもそもお話がご多分に漏れずおカネが絡んだお話だったこともあってか、うまく使えなかったオチにもつながったのだろう。
続いて多くの道具に共通することだが、ボタンの押しすぎでこわれたという場合がある。
当時押しボタンといえばいわゆるアナログボタン、大まかな説明にてまず一回押してからすぐ戻るもの、一回押してからもう一回押して戻るもの、あと別のボタン(たとえば切ボタン)で戻るものがある。それが何らかの入力上のトラブルで、たとえばあちこちスイッチボタンを押しまくったせいでボタンが動かなくなった。当時の科学技術に反映された道具がこわれるのはこれが大半の原因だろう。
このように、こわれやすいものだからこそ、何事も大切に使うべきとこれらのお話は諭しているのだと読めるけれど、次に挙げる事項もやはり見逃せない。

それは後期あたりのお話で、ドラえもんの大半のひみつ道具は実は試供品やら使い捨ての品であるという事項である。
試供品といえば試しに使用して気に入れば正式に購入するきっかけを作るモノでもあるはずだった。それがドラえもんに至っては、たしかに不思議で役に立つ道具だが、どこか品質、すなわち耐久性において、もっといえばこわれやすいものばかりだったのだ。これは気に入ったらというレベルにはとうぜんいかず。その理由はドラえもんの送り先たるセワシくんの家がビンボーとまではいかずあまり裕福ではなく、さらにいえば妹ドラミもある程度の職に着いてはいるが彼女の財布もお堅いといった事情もあり、ちゃんとした品質の純正品が買えずじまいといった事情さえある。
そんなこんなでこれらの事情も、ことに藤子F先生の“こわれやすい”に対する感性にもつながっているかもしれない。

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