ドラえもん

ドラえもん・オリジナル大長編:新・のび太の海底鬼岩城(予想)最終回

突然の異変に揺れ動く鬼岩城。その異変にポセイドンのもと、鉄騎兵の一体が駆け付けてきた。

「ぽせいどん様、一大事デス」

ポセイドン「何事だ」

「何者カガ入ッテキテ、出撃待チの兵ヲ蹴散ラシテイマス」

ポセイドン「何だと、これは一体どういうことか」

スクリーンに映し出されたのは何とイカのシルビイだった。

リム「いっけえ、シルビイ!」

ルウ「早く兄さんたちのもとに行って助けなきゃ」

シルビイは応戦する鉄騎兵やバトルフィッシュたちを、たくさんの触手を駆使して機体の残骸でビームを防ぎ、発射されたミサイルを受け止めては敵に投げつけて蹴散らしていく。

そのうちに捕まって神殿へと引き立てられんとするスネ夫とジャイアンを助け出し、そのまま神殿へと進んでいく。

戻ってポセイドン神殿、嘆くしずかちゃんも大立ち回りのシルビイに気付き。

しずか「まさか、あのイカちゃんが・・・・・」

そんな時、ドラえもんのポケットから声が響く。

「泣イテルノ、シズカサン・・・・・」

しずか「だれ・・・・・?」

ポセイドン「なんだ、そこに誰かいるのか?」

ポセイドンもその声に気が付くが、そのドラえもんのポケットから何とバギーが出てきた。

しずか「バギーちゃん」

バギー「ソウカ、コイツラガシズカサンヲイジメタンダネ」

ポセイドン「何だこの車は、者ども、直ちに取り押さえよ」

攻めてくる鉄騎兵を蹴散らしつつ、バギーはしずかちゃんを守るようにポセイドンに立ちはだかる。

バギー「僕ハ、怖カッタンダ。デモ、シズカサンハソンナ僕ヲ励マシテクレタ。ソンナシズカサンノタメナラナンデモスル。コイツヲヤッツケレバイインダネ」

縦横無尽に鉄騎兵を蹴散らすも、やがて徐々に攻撃を受け続ける。しかしバギーはポセイドンに狙いを定める。

バギー「親玉ハ、オ前カ・・・・・」

ポセイドン「う、何をす!?

ポセイドンめがけて突っ込むバギー。攻撃を受けつつもポセイドンの口に飛び込んでいく。

しずか「バギーちゃん!」

ポセイドン「うおぉぉぉぉ!」

そしてポセイドンは大爆発を起こしていく。爆風に飛ばされつつ。ドラえもんは再び目を覚ます。ともに吹き飛ばされたしずかちゃんのもと、一個の光る玉らしき物体が転がってきた。

ドラえもん「これは一体どういうこと、まさか、ポセイドンが」

崩れ落ちるポセイドン、一方でしずかちゃんは光る玉を拾い上げる。

しずか「・・・バギーちゃん・・・・・」

ドラえもん「これは、バギーのメモリーチップ」

バギー「シズカサン、ヤッタヨ、ヤッタ・・・・・」

バギーのチップはそのまま光を失い、しずかちゃんはチップを両手を包み、胸に抱きしめる。ドラえもんが寄り添おうとしたところ、ポセイドンの残骸が語り掛けてきた。

ポセイドン「・・・いい気に、なるなよ、人間ども・・・たとえ、わたしが、倒れようとも、さらなる、神の、裁きが、お前たちを、滅ぼすで、ア、ロ、ウ・・・・・」

そしてポセイドンも動かなくなる。そこにドラえもんが力強く告げる。

ドラえもん「そんなことは絶対にさせない。だって未来は、みんなのものなんだ」

その時、鬼岩城が再び大きく揺れ動く。

ドラえもん「とにかくここを脱出しよう、この揺れは大きな地震が起きよとしてるんだ」

しずか「・・・うん・・・・・」

2人は神殿を離れていく。

一方でエルは動きが鈍った鉄騎兵に気が付き、反撃に打って出た。

「何、ぽせいどん様ガ」

「ぽせいどん様ガイナケレバ、我ラハドウスレバ、アア・・・・・!」

エル「まさかポセイドンが倒されたのか、よし、僕もここを切り抜けよう」

その時であった、イカのシルビイが駆け付けて、残りの鉄騎兵を蹴散らしていく。周りにはリムとルウとのび太くん、そして助け出したスネ夫とジャイアンもいた。

エル「まさか、シルビイ、それにリムとルウ。一体どうして」

リム「私たちも役に立ちたいと思って駆け付けたのよ」

ルウ「気づかないように後をつけてきたんだ」

のび太「あのテッキヘイ、ポセイドンが倒されたっていったから、きっとうまくいったんだ。早くしずかちゃんを迎えに行こう」

そこにドラえもんとしずかちゃんが駆け付けてきた。

ドラえもん「おーい、みんなあ!」

のび太「ドラえもん、しずかちゃん!」

こうしてみんなは合流した。

ドラえもん「さあ、みんな急ごう」

一向はシルビイに乗って鬼岩城を後にする。その直後、鬼岩城は音を立てて崩れ落ちる。

エル「鬼岩城の最期だ、これで本当に、終わったんだ」

崩れゆく鬼岩城を、みんなしばらく見届けていく。

 

ドラえもん一行が連邦本国に戻り、鬼岩城のポセイドンが倒されたことを知らされ、ムーの国民はこぞって平和がもたらされたことを祝った。そして、レムリアの中央政府広場では。

首相「勇敢なる子供たちの力によって、世界の危機は回避しえた。我々は、この偉業を永久に語り、たたえ続けようではない!!

首相が差し伸べた手の先には、ドラえもんたち、エルとルウ、そしてリムとシルビイが立っていた。彼らの姿が広場上空の画面に映し出され、人々は大いなる歓声を上げる。

母「お父さん、エルが、ルウが、やりましたよ」

アルのヘルメットを抱きしめて母が感涙にむせぶ。

ロド「エル、本当によかったなあ」

先輩「ああ、よくやってくれたよ」

感慨深いロドと先輩、長官もうなずき続けて彼らをたたえる。

しかし高官たちはいまいち喜びきれない。いまだドラえもんたちを信じられないというよりも、自分たちの行いにただ恥じ入っているのだった。そこに母と大法官が入ってきた。

母「どうですか、みなさん、これでもあの子たちが信じられないのですか」

「いや、それは」

大法官「あの子たちは自らの身を捨てて世界を救ったのじゃよ」

しずか「いえ、身を捨てたのは私たちじゃありません」

さらにしずかちゃんが両手を前に添えて入ってきた。添えた掌を開くと、そこにはバギーのメモリーチップがあった。

のび太「これは、なに?」

しずか「うん、バギーちゃんのかけら。私、絶対に忘れない」

のび太「そうだね、僕だって、バギーのこと忘れないよ、だって、世界を救ったんだから」

そして高官たちにしずかちゃんが訴える。

しずか「地上の人たちも、ただ魚や海の資源を取りつくしたりはしません。むしろそれらを大切にして、海をきれいにしようと努力をしています。皆さんから見れば遅すぎるかもしれませんが、どうか今一度、私たちを信じてください」

「う、うむ・・・・・」

ここまで言われれば高官たちもうなずかざるを得ない。

 

そしてエルたちの見送りで国を去るドラえもんたち。

エル「君たちのような立派な地上人と知り合えてよかったよ」

のび太「しばらくは、お別れだね」

のび太くんとエルは、いつかの再会を誓い固い握手を交わす。

エル「いつの日か、海底人と陸上人が、仲良く手を取り合える日が来ることを」

首相「本当に来るのだろうか、そんな日が」

首相の心もエルと同じだが、あえて問うてみた。

ドラえもん「きっときますよ、そんな日が」

こうしてドラえもんたちは連邦を後にし、海底世界の冒険はひとまず幕を閉じたのだった。

 

その後エルは隊長に昇進し、小さな部隊を任されて国内外の警備にあたる。部隊には弟のルウと首相の娘リムが見習いとして、エルのもとで働いている。

一方しずかちゃんのもと、回収したメモリーから、ドラミちゃんのとりなしでバギーが修理されたのだ。喜んだしずかちゃんを乗せて再びバギーが海をかける。相変わらすしずかちゃん以外にはつめたいバギーだった。

 

しかし、崩壊した鬼岩城跡地では、何かの人影がポセイドンの残骸から、とある物体を取り出すのだった。そう、危機はまだ、完全には去ってはいなかったのだ。

 

 

というわけで、新・海底鬼岩城のお話はこれにておしまいです。来月辺りからその続編である『のび太と海底帝国』をお送りいたします。新たな海の冒険とアトランチスの残党との手に汗握る戦いを繰り広げられることでしょう。

それではまた、お会いしましょう。

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それにつけてもおカネの欲しさよ:その価値はいったいいくら<本当は怖いドラえもん>

さてドラえもんにおいておカネに関するイマシメ話は数多かれど、モノの価値について語るお話には多少の融通がついたこともある。今回はそれらのお話をば。

『自動質屋機』

ある日のび太くんは貧乏な青年を目の当たりにしつつお互い生活がままならないことを打ち明け、ドラえもんも珍しく素直に自動質屋機なる道具を出す。これでモノの価値に見合ったおカネに替えて当面の小遣いを工面しようとするのだ。のちに絵描きでもあった先の青年と出くわし。試しに青年の絵を質屋機に出すと大金が出てきたのだ。そこに青年のもとにとある画商が青年の絵を買いたいと持ち掛けるのだった。

『自動買い取り機』

ある暑い日にお使いの途中で暑さに負け、誤って自販機でジュースを買ってしまい、ドラえもんに助けを求めんと自動買い取り機を出してもらい、ひとまずの危機を回避できたのだが。これまた誤ってしずかちゃんから借りた本までも買い取らせてしまったのだ。そこでその本を買い戻さなければならないのだが。

~今回挙げた自動質屋機も自動買い取り機も単純にモノの価値をはかり、それをおカネに替える道具である。前者は売れない画家の青年を絡めてのお話でそうムチャなことにはならなかったが、後者は軽いドタバタにおちいったかなとは思ったけれど。まず買い取らせたのがジュースやらマンガ雑誌程度ならやむを得ないかもしれない。とはいえ誤って買い取らせた本を買い戻すのに10倍の利子がつくのはやはりナンセンスだろうけれどその反面融通を絡めたデフォルメとも読める。最後はパパのヘソクリで事なきを得たからよかったのだが。

いずれにしてもこれらのお話でモノの価値なら知っても損はないといった意見が読めたかなとは思うけれど

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ドラえもん・オリジナル大長編:新・のび太の海底鬼岩城(予想)その7

アトランチスの鬼岩城に入り込んだドラえもんたち。目指すは最奥部のポセイドン神殿だというのだが。

ドラえもん「これが鬼岩城の中か、巨大な工場みたいだな」

エル「前にも言ったけど、軍事施設だからね」

そこに謎の声が響き渡る。

「我が名は復讐の神ポセイドン。愚かな小魚どもよ、我が聖域に入りし罪、今こそ思い知るがいい」

その言葉とともに、突然しずかちゃんに一本のロープが巻きつけられる。

しずか「きゃっ!」

のび太「ああっ、しずかちゃん!」

「この娘は人質として預かっておく。奪い返せるなら我がもとへ来るがいい。お前たち人間がどこまで来れるかが楽しみだ」

ポセイドンの笑い声もだんだん消えていく。

のび太「ど、どうしよう、このままじゃしずかちゃんが」

ドラえもん「なんとしても助けなきゃ。こうなったらこちらも切り抜けるしかない」

と、ドラえもんはのび太くんたちにそれぞれ武器を渡す。

のび太くんには名刀電光丸、

ジャイアンには空気砲、

スネ夫にはヒラリマントとショックガンをそれぞれ渡していく。

エル「目指すはポセイドンだ。みんな一塊になって突っ走れ!」

と、みんなが中枢のポセイドン神殿へと向かっていく。

 

ややあってその中枢、ポセイドン神殿に、しずかちゃんが鉄騎兵に連れられてきた。

「ぽせいどん様、人質ノ娘ヲ連レテ来マシタ」

しずか「あなたが、ポセイドン」

その姿は宙に浮かぶ巨大な首だけの神像だった。

ポセイドン「いかにも、我こそがポセイドン。わたしを倒すためにわざわざやられにくるとはなかなかいい度胸だな」

しずか「おねがい、攻撃をやめて。アトランチスはもう滅んだのよ、もう誰もここを攻めたりはいないというのに」

ポセイドン「ゆえに攻撃をやめよと言うのであればそうはいかぬ。何故ならば海底地上を問わず我が物顔でのうのうと生きている人間どもに我が怒りのすさまじさを思い知らせねばならぬ。お前たちがこの聖域に入ってはや10時間、すなわち今より2時間後に、我が城の奥深く、我が精鋭たる機械兵たちによって世界のすみずみまで破壊しつくし、もとの清浄な星に戻すのだ」

しずか「そんな、それじゃこの地上はどうなるの」

ポセイドン「言ったはずだ、この地球には人間などは不要、すべてを破壊しつくした後でやり直すのだ。かつては邪魔が入ったが今度はそうはいかぬ。お前にはその様を見せてやろうではないか」

しずか「わからずや、そんなことさせるものですか。あなたなんかみんながやっつけてあげるんだから」

ポセイドン「ほう、それは面白い。ならば彼らの戦いぶりを見てやろうではないか」

と、向かいの壁面に中枢に向かうドラえもんたちの戦う様が映し出される。

まずは城内の回廊をさ迷い歩いているドラえもん。

しずか「ドラちゃん、きっと助けに来ると思ってた」

しかしドラえもんは独りぼっち、みんなとはぐれたらしい。

ドラえもん「敵があれだけいるとは思わなかったよ、撃っても撃ってもきりがないんだもの、追いまくられてみんなもちりぢり。しずかちゃんはどこにいるんだろう。もうどこがどこやらわからないよ・・・・・」

そのうちに鉄騎兵の1体が背後から攻撃を仕掛け、ドラえもんは回廊から転がり落ちてしまう。

しずか「ドラちゃん!」

ポセイドン「フハハハハ、他の奴らも見せてやろう」

モニターが変わり、スネ夫がヒラリマントで敵を交わすも、そのうち物量で取り押さえられる。

ジャイアンは空気砲で果敢に吹き飛ばし続けるも、イルカロボットに押しつぶされる。

そしてエルは鉄騎兵の大群に敢然と立ち向かうも。

「バカメ、ワレラニ勝テルトデモ思ッタカ」

エル「やってみせるさ、僕を信じてくれたみんなのために」

果敢に立ち向かうも徐々にエルも押されていく。ポセイドンも勝ちを悟ったかのごとく、モニターを切り告げる。

「これですべて片付いたな、ただちに城門を開けよ。あの者たちをすべて我がもとに引っ立て、世界が滅びるさまを見せ付けるのだ」

まずはしずかちゃんが引き立てられる。しかし神殿天井からドラえもんが落ちてきた。ちょうど神殿上部の回廊で敵の襲撃を受けたのだ。

ドラえもん「え、ここはどこ、まさか、しずかちゃん。それに、これが、ポセイドン」

しずか「ドラちゃん!」

引き立てられるしずかちゃんの姿を認め、ドラえもんが力を振り絞って立ち上がる。

ドラえもん「ま、待て、ポセイドン、しずかちゃんには、指一本、触れさせないぞ・・・・・」

ポセイドン「ほう、お前は普通の人間ではないな。むしろ我らと同じロボットか。だがなにゆえに人間どもに力を貸すのだ」

ドラえもん「人とロボットは、友だちなんだ、だから、僕が、守るんだ・・・・・」

しかしドラえもんはその場に倒れる。しかしドラえもんの中に、何かが動いた。

その隙にしずかちゃんはドラえもんに駆け寄る。

「ア、待テ・・・・・!」

ポセイドン「まあよい、今生の別れを惜しませるもよかろう」

しずか「ドラちゃん・・・みんなで力を合わせてここまで来たのに、もう、おしまいなのね、何もかも・・・・・」

しずかちゃんの涙がドラえもんに流れ、ポケットに涙のしずくが音を立ててしたたり落ちる。

そして残るはのび太くん。電光丸も折れて次第に追い詰められる。

「手コズラセタナ、オ前モぽせいどん様ノ前ニ引キ立テテヤロウ」

のび太「もう、何もかも、おしまいだよお、しずかちゃ~ん、ママ~、ドラえも~ん!」

その時であった、のび太くんの目の前を何かが鉄騎兵をなぎ払っていく。

それに気が付き、後ろを向くのび太くん。そこには何とイカのシルビイがいた。よく見れば頭のカサの中にはルウとリムが入っていた。

リム「のび太さーん」

のび太「あれ、君は首相の娘さんの」

ルウ「無事でよかった、早く兄さんたちを助けてポセイドンをやっつけよう」

のび太「う、うん、早くしずかちゃんも助けないとね」

こうしてのび太くんはシルビイの触手につかまって、リムたちと合流する。そしてしずかちゃんが捕らわれているポセイドン神殿へと向かうのだった。

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新・海底鬼岩城についての解説(その3)

『失われた海底帝国』

さて今回も、いよいよ大詰めとなりました鬼岩城の解説をこの場を借りてお送りしたいと思いますが。

前にも述べた通り、鬼岩城の本来というか当初のコンセプトは、海底キャンプに赴いたドラえもんたちが、謎の幽霊船をめぐってその奥地にある海底城の謎を解くといったものだったと調べたところだけど、それが後半になってアトランチスの過去の遺産から世界の危機を救うべく立ち向かうというストーリーに転がり込み、最終回あたりでお話がもつれてしまいがちになってしまった感もあった。これは次回の魔界大冒険の石像のくだりもそうだったけれど、藤子F先生も細かいストーリー構成も考えていなかったきらいがあったかもしれない。それについてある程度の補完と解説をしたいと思います。

 

・バーミューダ三角地帯のバリアー

その正体はアトランチス帝国を守るバリアーということで、原作どおり捕まえたバトルフィッシュをバリアーにかからせて破壊するくだりがあるけれど、それでは奥地で沈んでいる船や飛行機についてのつじつまが合わないので、一種の妨害装置にとどめておきます。

あと海底火山のくだりについては、帝国領の三角地帯に調べてみても所在しているかどうかも疑わしいので、これも地震のみの影響にとどめ、あとはポセイドンの項で詳しい説明をします。

 

・失われた沈没船

これも原作ではアトランチス領に沈んだ沈没船を財宝目当てで調べんとするのを、鬼岩城を刺激しないために太平洋に移したくだりも、さまざまないきさつを考えてお話のつながりには関係なさそうなので、今作ではあえてはずさせていただき、今でも帝国奥地に沈んだままにしておきます。

 

あと前作で紹介しきれなかった事項について二つ三つと、

エルたちの国ムー連邦はマリアナ海溝奥地に所在するというくだり、やはり原作からかんがみてちょっと無理な設定なのだろうといった感も強い。たしかに原作前半の海底の冒険からの展開があったかもしれないけれど。まずはムーとアトランチスとの所在位置から。ムーに対してアトランチスは海底の比較的中浅な地域に所在しているので、ムーの所在は少し深すぎるだろうといった感がある。あと海溝という地形上、イタリアの水の都ベネチアよろしくいずれは大陸に沈む事情がある。これについてはF先生も気が付かなかっただろう。それらのことをかんがみて、本作のムー連邦はキャンプ地の近くの海底山地の中とさせていただきました。

次にイカのシルビイについて、やはり原作では中盤のハプニング、言ってしまえば先の沈没船と同じということで。ここはひねって首相の娘リムのペットとさせて頂きました。そしてそのシルビイが後に活躍するのですが。

そして最後、本作そして原作の敵役について、

ポセイドン(声:立木文彦(希望)):アトランチスの軍事施設“鬼岩城”の制御コンピューターで、戦略的分析の結果、人類抹殺の判断を下し、まずは帝国全土を壊滅させる。後に機能を停止されたが、現代になって再起動し、世界に脅威を与えんとする。

原作のポセイドンは“狂ったコンピューター”というコンセプトなのに対し、今作は永い分析と判断での行動なので、それなりにお話を組んだつもりです。

 

まあそんなこんなで、ドラえもんたちの活躍がどのように海底の、そして世界の危機を回避しえるかを最後までお付き合いいただければ幸いに思いますが。

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ドラえもん・オリジナル大長編:新のび太の海底鬼岩城(予想)その6

次の日、ドラえもんたちは大型の巡視艇に乗って大西洋へと向かうことになった。その前に大法官から公式には自分たちの放免の条件としてエルの監視のもと、旧アトランチス領の軍事施設、通称鬼岩城を止めることをあらためて要請されたのだ。もちろんドラえもんたちは二つ返事で承諾する。

出発に際し首相や大法官をはじめ高官たち、エルの母とルウ、リム、ロドと303号の先輩が見送った。

母「それじゃあエル、くれぐれも体には気を付けて」

エル「大丈夫だよ母さん、必ず帰ってくるから」

リム「がんばってね、エル、それにみなさんも」

ルウ「必ず帰ってきてね」

ルウの呼びかけに静かにうなずくエルだった。

ロド「お、おい、地上人、エルに身に何かあったらただじゃすまないぞ」

先輩「やめないか、エルたちがだめだったら、我々もおしまいなんだぞ。ここはエルたちを信じるしかないのだ」

ロドをたしなめてからドラえもんたちに向かって、

先輩「君たちもくれぐれも気を付けてくれ。おれも君たちを信じているから」

のび太「は、はい・・・・・」

長官「そろそろ、出発しようか」

エル「はい」

というわけで巡視艇は出発する。いつまでも見送る面々の中、最後まで残ったのはルウとリムだった。そして何かにうなずいてからこの場を後にする。

 

巡視艇は連邦領から太平洋を渡り、地上パナマ領海底の運河洞窟をくぐり、大西洋へと渡るのだ。

長官「この運河をくぐればいよいよ大西洋、そしてかつての帝国領となる」

エル「君たちの自由とひきかえにかえって危険にさらさせることになってすまないと思っているよ」

のび太「それは違うよ、世界が滅びたら僕らもおしまいだもの」

そこにしずかちゃんが入ってきて夕食の支度ができたと告げる。

ドラえもん「今日は最高のごちそうを作ったよ」

しずか「地上の食べ物を味わってください」

と、グルメテーブルかけで作った料理をエルたちも舌鼓を打つ。

エル「うまい、こんなおいしいもの初めてだ、母さんにも教えてあげたいよ」

長官「まったくだ、地上にもいい文化もあるものだな」

のび太「でも、明日もこうしてごはんが食べられるかな」

ジャイアン「よせやい、変なこと言うとメシがまずくなる」

ひとまず夕食を楽しみ、ややあって今回の作戦について改めて聞き出す。

スネ夫「ところでさあ、実はまだはっきりとのみ込めていないんだけど、そのアトランチスの鬼岩城っていったいなんなの」

エル「うん、事の始まりは僕らの先祖が海に逃げ延びてから、今から数千年も前にもさかのぼるんだ。あの後、ムーとアトランチスは激しく争うようになったんだ。

長引く戦乱でアトランチスは戦局の打開のためにとある施設を建造した。それを運用する軍事施設が鬼岩城なんだ。そこから作り出されるバトルフィッシュ等の兵器は敵と認めればとことんまでに破壊する、心を持たない機械の兵隊だ。これさえあれば自分たちが傷つかずにムーを滅ぼすことができるってふんでたんだんだけど、皮肉なことに彼らの矛先はアトランチスの住民に向けられ、まず彼らが滅ぼされた。唯一の救いは時の皇帝が彼らの機能を凍結したから数千年間平穏を保っていたんだ。その間僕たちムーの民は彼らが再び動かないように見張っていたんだ」

長官「ところがここ最近の大西洋における海底地震がきっかけか、その鬼岩城が活動を始めたのだ。彼らが動き始めれば、バトルフィッシュをはじめ無数の兵器が水中空中を問わずこの世界を破壊しつくし、魚や虫一匹、いや草一本も残らない死の世界になるまでその破壊は続くだろう」

ドラえもん「虫も魚も、そして草も残らない、かあ」

のび太「そのポセイドンっていうコンピューターをやっつけなきゃいけないのか」

長官「前にも言ったが、本当にすまないと思っている」

ドラえもん「でも何が何でもやらなきゃいけないからなあ・・・・・」

重い使命の感じるままに巡視艇は大西洋に入っていった。そしてドラえもんたちを出して船は領域を後にする。

長官「それでは成功を祈る、くれぐれも無理はしないように」

エル「はい・・・・・」

船が去っていってほどなくして、遠くから黒い影が近付いてくる。

エル「バトルフィッシュだ、奴らの領域に近づいているからね」

のび太「どうしよう、このままじゃ見つかっちゃうよ」

エル「そこであの帽子が役に立つんだ」

と、ドラえもんのキャンプ帽子に乗り込んでから地中に潜る。

ドラえもん「ここからアトランチスまでこの帽子で見つからずに進められるけど」

ジャイアン「それじゃあ間に合わないぜ、バギーならひとっ走りだろ」

エル「それはまずい。相手は鬼岩城の機械化軍団だ。いつどこから来るかもわからない。目的にたどり着くまで無駄な戦いは避けたい。とにかくゆっくりと安全に進もう」

そうこうとドラえもんたちは、件の帝国領へと進んでいく。

帝国領内へと入り込んでしばらくして、外の様子をモニターに写すと辺りは真っ暗だった。

ドラえもん「へんだな、この辺りはやけに真っ暗だ」

エル「うん、この帝国領は鬼岩城を中心にバリヤーが張られているんだ。それで入ってくるものを迷わせるんだ。それは海上から空まで延びているんだよ」

ジャイアン「なんだかちょっと寒くなってきたな、ハ、ハ、ハクション!」

ジャイアンのクシャミからややあって、何者かが近付いてきた。

エル「あれはまさか、鬼岩城の鉄騎兵。この海域を護っている機械の兵隊だよ。1機でもかなりの戦力だ」

スネ夫「まさかさっきのクシャミで近付いたのかな」

エル「奴らは音に敏感だからね」

のび太「わあ、うようよ集まってきた」

ドラえもん「そうだ、帽子に備えていた『モグラミサイル』」

スイッチを押して、帽子からモグラ型のミサイルが発射された。

ドラえもん「サメなどの危険な海の生き物を追い払うためのものなんだけど。これであいつらの気を反らそう」

「イタゾ!」と鉄騎兵のひとりが叫ぶや、そのミサイルに向かって一斉に突き進んでいく。やがてそのミサイルに追い付きに攻撃していく。

のび太「めった打ちだ、あんなのでやられちゃひとたまりもないよ」

エル「どうやら僕らをやっつけたと思ってそのまま帰っていくのか」

「わあい、よかったあ」

ドラえもん「あんまり騒ぐとまた来るよ」

みんなが危機を回避できたことを喜ぶが、ドラえもんがたしなめる。その一方でエルが一つのことに気付く。

エル「でもこれで、鬼岩城の大まかな居所が分かったよ。そのまま去っていった方向に向かえば」

ドラえもん「今なら大丈夫、このままバギーでひとっ走りだ」

と、ドラえもんがバギーを出そうとするが、

バギー「イヤダ、アンナ怖イトコロ走ノハモウゴメンダ」

走るのを嫌がって、暴れ回るバギー。

ドラえもん「そんな、わがままは許さないぞ」

しかし相手は車、ドラえもんたちを振り払い暴れ続ける。しかししずかちゃんが前に立ちふさがる。

しずか「お願いバギーちゃん、今世界は大変なことになってるの、それを食い止めるために私たちは行かなきゃいけないの。そのためにバギーちゃん、あなたの力が必要なのよ」

しずかちゃんの説得でようやくバギーは大人しくなる。こうして一行はバギーに乗り込みゆっくりと急いで鬼岩城へと向かう。

やがて一行はいくつかの謎の物体を見つける。

のび太「何これ、巨大な十字架?」

ドラえもん「いや、これは飛行機だ、この大きさなら旅客機のしっぽだな。そうかわかったぞ、領内に入ってから奴らに襲われて墜落したんだ。魔の三角地帯の正体はこんなことだったのか」

その他にも、中世の沈没船をはじめ多くの船や飛行機の残骸群をバギーは走り抜けていく。

ドラえもん「よく見ればそこにもここにも、まるで船や飛行機の墓場だ」

やがて一行は海底の廃墟へと向かう。

のび太「数千年前の昔は、ここも大きな街だったんだね」

エル「ここがかつてのアトランチスの首都だよ。ここまでくれば鬼岩城は近いな」

しかしその片隅に沈んでいた1隻の巡視艇に気付く。

エル「待って、これはまさか、ちょっとあっちに近づいて」

と、バギーは巡視艇に近づく。エルが辺りを見渡すと、ややあって欠けたヘルメットが落ちているのを見つけた。ゆっくりとそのヘルメットを拾い上げるエル。

エル「これは、間違いない、父さんのヘルメットだ、鬼岩城のことを調べようとして、父さん・・・・・」

ヘルメットを抱きしめるエル。

のび太「エルくん・・・・・」

エル「・・・うん、行こうみんな、僕らには時間は少ない。一刻も早く鬼岩城を止めないと」

「・・・うん」

と、ややあって再び出発する。大きな岩場を経て、ついに巨大な建造物にたどり着いた。そのまがまがしい建物こそが、アトランチスの軍事施設、鬼岩城だった。

エル「あれが鬼岩城か、ついに見つけたぞ」

ドラえもん「一行も早くポセイドンを止めないとね」

スネ夫「あれ、バギーが震えてら」

ジャイアン「肝心な時に役に立たないな」

ドラえもん「まあいいや、今のうちにしまっておこう」

ということで、バギーをしまい込んでから一行は鬼岩城に乗り込んでいく。

のび太「入口はどこかな」

ドラえもん「それよりも『通り抜けフープ』、これで忍び込もう」

こうして鬼岩城内部に潜入していく。しかしその中枢。制御コンピューターのポセイドンがそれに気付く。

ポセイドン「愚かな小魚どもめ、身の程知らずにこの鬼岩城へと乗り込もうとは、このポセイドンを倒すために来たがそれも無駄なこと、いずれお前たちの滅びの時が来たのだ」

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戦争を知っているドラえもん:リアル戦争ごっこ<本当は怖いドラえもん>

かつてのドラえもんの読者のみなさま、ことに50年代以上のご年配の方々は子供同士のお遊びについて覚えているものがあるだろうか。まず男の子同士だったら、鬼ごっこ、かくれんぼ、時にはチャンバラやプロレスごっこ、そして戦争ごっこなどに興じた人もあるはず。

一概に戦争ごっこといえば今どきの人たちは反発や嫌悪の念をあらわにしがちだけど、昔の子供は同述のチャンバラやプロレスごっこやらと同じ、ケンカの一歩手前のお遊びで通っていた。

聞けば泥まみれになりながら、時には膝小僧にすり傷をおいながら遊び回ったことだろう。

そういった具合で戦争ごっこも当時は行われたのたが、それらも先の文句のようにケンカやいじめにつながってしまうのが問題である。哀しきかなそのケンカやいじめも80年代までは“お遊び”ととらえられてしまったのだ。

さておきドラえもんにおける戦争ごっこはまさにリアルまがい、時にはそのリアルさで戦争そのものを皮肉ったものだってある。

例えば武器兵器の類なんかは本物顔負けの威力を持ち、ここでももちろん多少の怪我もいとわない話の流れだった。

 

その中の一つ、当時のいわゆる冷戦についての危機をギャグの形で皮肉ったお話を紹介することとしましょう。

『ペンシル・ミサイルと自動しかえしレーダー』(ドラえもん+5巻)

ジャイアンたちのいじめに対抗すべくドラえもんにペンシル・ミサイルを出して早速ジャイアンたちを撃退する。しかしそれを察知したスネ夫によってミサイルの何台かを横取りされ、逆にミサイルに狙われる羽目となったのび太くんは今度は自動しかえしレーダーで対抗する。そのうちに両者とも八方ふさがりの状態となり、ドラえもんの提案でミサイルのスイッチを川に捨ててみんなで仲良く遊ぶことにするのだが。

~最後のオチは件のレーダーでミサイルの攻撃を受けんとするといったオチだった。それについてツッコむにミサイルそのものを回収すればいいんじゃなかったかと言いたいけど、結局は世界の危機に対する警鐘にもなっているからという意見に行き付いてしまうということで。

ここまで述べて、戦争ごっこやら戦争そのものの害悪についての討議はともかく、戦争の裏面に何がるのかを考えるのも人間の長い歴史を考えることにもつながると思うけれど。

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映画ドラえもん2017、ですか

さてみなさん、いよいよ今週土曜に封切りとなる『映画ドラえもん、のび太の南極カチコチ大冒険』

ある日見つけた謎の腕輪をめぐって南極の遺跡をへて、やがて地球の危機を救うといったおなじみのストーリーということで。

今回のゲストとして、星の氷結化を防ぐため地球にやってきたカーラと祖父のヒャッコイ博士。そしてジャングル黒べえやかつての宇宙開拓史でもおなじみ顔だけの象パオパオが毛並みもご立派にご登場と相成り、お話を盛り上げてくれるでしょう。

あと南極が氷の世界とのつながりから、氷河期の謎やらスノーボールアース~はるかな昔に地球そのものが雪と氷の閉ざされる現象の危機やらもドラえもんたちが立ち向かっていくということで。そういったスリリングなミステリーもある程度の知的好奇心をくすぐっていくことでしょう。

ともかくも今年の映画もひとまず楽しんでいきましょう。

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ドラえもん・オリジナルか大長編:新・のび太の海底鬼岩城(予想)その5

結局ドラえもんたちは地下の牢獄に入れられ、政府の法廷で審判を待つのみとなった。

ジャイアン「こんなばかな話ってあるかよ、おれたちはあれからエルを助けたんだぜ。それを捕まってまた牢屋に逆戻り。もとはといえば誰のせいだ、っておれか、あーっ、おれはなんてバカなんだ!」

嘆くジャイアンをよそにドラえもんたちはこれからのことを話し合うのだが。

しずか「私たち、これからどうなるのかしら」

ドラえもん「今それについて話し合っているけどね」

のび太「僕たち、そのミツニュウコクシャだっていうから、死刑になっても文句は言えないって首相さんが言ってたよ」

スネ夫「あいつらずーっと海の底にいたから、心の底まで冷たくなっているんだ」

 

一方で牢屋の詰め所では先に取り上げたドラえもんのポケットを改めていた。

「ところで、あいつらから取り上げたポケットだけど、出てくるものはみんなガラクタばかりだな」

「あの変な帽子の他におかしな道具があると思ったけどな」

「まあいいさ、明日にでもあいつらは処刑されるから、それから後のことを考えればいいさ。それより食事にしようぜ」

と二人の兵士は出したガラクタの山にポケットを捨てて部屋を後にする。それを見計らい、エルの弟のルウがポケットを拾おうとするが。

「・・・ルウ」

ルウ「わっ、リムじゃない。びっくりしたなあ」

声をかけたのは首相の娘リムだった。

リム「もしかしてあの人たちを助けようとしてたでしょう」

ルウ「だって、あの人たちは兄さんを助けたんだよ、それをもう一回捕まえて死刑だなんてひどすぎるよ」

リム「そうね、お父様もやりたくないだろうけど、やっぱり大臣さんたちがねえ」

ルウ「とにかく急ごうよ、法廷じゃ兄さんががんばっているけど、このままじゃどうなるか」

と、二人は詰め所を後にする

 

その法廷では、首相と長官が同席し今まさに審議が始まっていた。はじめ法廷を取り仕切る大法官が開廷を告げる。

大法官「これより、地上人野比のび太、ネコ型ロボットのドラえもん以下5人の密入国及び脱走の罪についての裁定を執り行う。各自公正な意見を述べるように」

まず高官の一人が意見を述べる。

「大法官、彼らは居住の権利を与えた首相の言いつけに背き、この国を脱せんとし、この国の安全を犯そうとしたのですぞ、今やその危険性は明白・・・・・」

エル「異議あり、たしかに彼らを捕まえたのは僕です。その中の二人も危険性を察知し一時拘束もしました。ですが今回の危機に関して、彼らは自分たちの危険をかえりみず僕を救ってくれました。勇敢で心優しい人たちです。どうか無罪の裁定を、地上に帰してあげて下さい」

エルの反論に厳粛と聞き入る首相をはじめ大法官と長官はひとまず頷くが高官の一人が反さらに返す。

「冗談ではない、彼らをむざむざ返そうとはばかげている。ここは敵の捕虜と同じく直ちに処刑すべきだ」

エル「そんな、そのような古い考えで彼らを処分しようだなんて、それこそばかげています」

しかし高官たちはかたくなで、それぞれ地上人に対する非難を述べる。

「地上人は海の魚を取りつくして絶滅させようとしている」

「地上の排水などの物質を常に海に流し込んで海を汚染し続けている」

「あまつさえ深海にも乗り込んでいき資源を奪おうともしているのだ」

高官の地上人への批判は、次第にドラえもんたちへの行動にも及んでいく。

「それに彼らは君に追われていることを忘れ、君を助けたといってたが、勇敢というよりうっかりものというべきではないのか」

「あるいはいい格好をしてみたいとも思てっていたのか」

「いかにも地上人らしいな。まったく幼稚なことだ」

ついには高官の間で嘲笑(バカにした笑い)が起こる。はたしてエルも激昂しだす(感情を高ぶらせて怒り出す)。

エル「なんということを、危機に陥っているものをそのまま見殺しに出来ないという人間らしい心をそんなふうに、あなた方は人として恥ずかしくないのですか!」

しかしその言葉にかえって高官たちも怒り出す。

「ぶ、無礼な!」

「我らに対しなんたる侮辱!」

「これ以上の暴言は厳罰に値するぞ!」

大法官「静粛に、静粛に!」

たまらず大法官も卓上の槌で鎮まらせようとするがらちが明かない。そこに傍らで見守っていたロドが、たまらずエルに駆け寄ってさがらせようとする。

エル「は、はなせ!」

ロド「も、もうこれ以上はやめておけよ、あいつらに味方しようとしても何にもならないぜ」

そして高官が大法官に呼び掛ける。

「もはやこれ以上の審議は無用です。この国の将来のために、彼らの死刑を求刑いたします」

大法官「う、う~む・・・・・」

大法官をはじめ、長官や首相も残念そうに首を振る。

その一方で以上のやり取りを上段の傍聴席から見やっているエルの母が憤っていた。

母「なんて人たちだい、あんな子たちをよってたかって罪人扱いだなんて、あの人がいたらどう言うか」

下の柱の裏でも駆け付けたルウとリムがことの事態にやきもきしている。

エル「大変だ、このままじゃあの人たち死刑になっちゃう」

リム「何とかこれを届けないとね」

 

しかしそんな折、レムリア上空から飛来した巡視艇が煙を上げて漂っていた。

「なんとか奴らを巻いていたが、くそっ、制御がきかない。このままでは基地や官邸にぶつかってしまう。そうだ、あそこなら・・・・・」

巡視艇はそのまま法廷に向かい、はたして法廷に巡視艇が突っ込んできて大法官や高官をはじめ一同騒然となる。

「な、なんだこれは」

大法官「何じゃ、神聖な法廷に突っ込んできたの!?

その巡視艇から乗組員の兵士が出てきた。

「ちょ、長官、こちら調査艇303、大至急、報告したい議があります」

 

そのどさくさにルウとリムがエルに近づき、その際にリムがエルにしがみついていたロドを投げ飛ばす。

エル「リ、リム・・・・!?

リム「だてに訓練はしていないよ、それよりもエル、このポケットであの人たちを助けられないかしら

エル「今はそれどころじゃないんだ、それに今は危ないから近づいちゃダメだよ。でもこどうして先輩が」

 

戻って調査兵303号に長官たちが近付いてことに次第を聞き出さんとする。

長官「一体なのが起こったのかね」

303「はっ、アトランチスの鬼岩城が活動を再開しました」

首相「何だと、それは本当か」

303「はっ、いつも通り調査地点で監視したところ、突然地震が起こり、それが起動するきっかけとなりました。わたしも事態を重く見てすぐさま本国へと帰還したのですが、途中奴らの船に追われてしまい」

首相「まさかこんなことにならぬよう気を配っていたが」

長官「先にバトルフィッシュが本国に襲来したのもこのせいか」

303「おそらく奴らはこのことを予測してきたるべき時に備えたのでしょう」

首相「ううむ、そんなことになれば、世界の一大事だ」

 

ややあって官邸奥の神殿で、クジラを抱いた女神像の前に、首相と長官、大法官と数人の高官がひざまずいて祈りを捧げていた。

首相「神よ、四海を統べたもうナバラの神よ、ついに来たるべき時が来ました。かつてこの世を焼き尽くした大戦争より幾千年、再びこの世の天地陸海を問わず焼き尽くさんとするアトランチス帝国の遺産、鬼岩城が目覚めるのです。我々には防ぐ手がなくこうしてあなた様に祈りを捧げることしかできません・・・・・」

エル「いえ、まだ一つ、手があります」

と、エルが神殿に足を踏み入れ告げる。

高官「なんだ、また君か」

首相「うむ、それは一体どういうことかね」

エル「はい、アトランチスの奥地、鬼岩城に乗り込んでそこを支配する神ポセイドンを倒すのです」

首相「それが不可能なのだ。君にも分かっている通り、今やアトランチスは永遠の闇に閉ざされ、心ない機械の軍団に守られた死の世界。今までもそれらを撃ち滅ぼさんと乗り込んだ幾百幾千の勇士が、勇戦むなしく倒れていったことか。その中には君の父上、勇者アルもいるのだぞ」

父の名にエルも感じ入りつつ、なおも応える。

エル「だからこそです。父さんの意思を僕自身が継がねばなりません」

長官「まさかエル、君が乗り込むつもりか」

大法官「それこそ、あたら若い命を捨てさせるわけにはいかん」

そこでエルはリムから受け取ったドラえもんのポケットを取り出す。

エル「もちろん、僕だけではありません。このふしぎなポケットを持っているドラえもんたちの力を借りなければなりません」

後ろで見守っていたリムとルウがいつの間にか現れ、リムが続けて呼びかける。

リム「お願いお父様、地上人の人たちを信じられなくても、あの人たちは信じてあげて。あの人がこの世界を大切にしたい気持ちがあればきっとエルの頼みを聞いてくれるはずよ。だから、あの人たちにチャンスをあげて」

首相「う、うむ、わかった・・・・・」

首相は重くうなずき、その足で地下牢に足を運ぶ。

 

その地下牢、疲れて眠りこけていたドラえもんたちが足音に気付き、いっせいに起き上がる。

しずか「足音が聞こえる」

スネ夫「きっと僕らの判決が下りたんだ」

しずか「こわい!」

まず牢に入ってきたのは長官だった。

長官「出たまえ、首相が君たちに話がある」

言われるままに出てきたドラえもんたち。そこには首相と大法官、数人の高官たち。そして傍らのエルの後ろにルウとリム。さらに後ろにはエルの母も居合わせていた。

首相がドラえもんたちに厳かに告げる。

首相「君たちに、たのみがある。君たちの持っている、ふしぎな道具の力を、貸してもらいたい。世界を救うために・・・・・」

最後膝をついて頼む首相にあっけを取られたドラえもんたちだが、傍らのリムがポケットを差し出し、半ば納得する。まずは自分たちの身の安全が保たれたこと、そして何やら大変なことが起こりつつあることを。

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ドラえもんの亜流たち~佐江内氏とウルトラスーパーデラックスマン、そしてパーマン

先月から絶賛放映中の『スーパーサラリーマン佐江内氏(原題:中年スーパーマン~)』。今回はこの場を借りてもう一つの名作『ウルトラスーパーデラックスマン』と『パーマン』との対比を踏まえての考察をお送りしたいと思います。それでは、ごゆっくり。

まずは両者のあらすじから、ある日平凡なサラリーマンだった佐江内氏が、とある男にスーパーマンの力を託され、家族のためにその力を行使する。

かたや日常のやるせない気持ちとひとまずの正義感が蓄積して、偶然超人的な力を手に入れた句楽兼人は、世の中の不正を糺さんとその力を行使する。

その帰結についても述べるに、佐江内氏は使命に苦悩しながらもひとまずはこなし続け、句楽は自らの力に溺れ破滅していった。

この違いはどこから生じたのか、それはキャラクターの違いといえばそこまでだろう。

次に力がほしかったか否というのもあっただろうし、あとは関わった人々も決め手になっていた。佐江内氏にはかえりみるべき家族があり、ために“仕事”をし続けられ、日常との関わりを保てたことだろう。

一方でもともとひとりぼっちなのを力のせいでますます孤独の度を強めていった句楽。たまに話し相手を求めんと片山に思いを打ち明け、ひとまずは聞き入れてくれたが、結局は見放されてしまった。

最後見逃せない要素として、USDマンは76年に、佐江内氏は78年ごろに、つまりはUSDマンの後に佐江内氏が発表されたということで、ある程度USDマンの反省から佐江内氏が描かれたともいえるだろう。

もう一つパーマンとの比較は、とあるエピソードでパーマン4号のパーやんと出会うシーンがあり、その関連でということで述べてみたい。佐江内氏の能力の一つに、自分を見たものはしばらくすれば忘れてしまうというものである。それについては、ある程度子供っぽいいい加減さで選ばれたパーマンたちにも一応厳しいおきてがあり、自分たちの秘密を知られたものは消される(意訳)というのがそれである。こういうのも『スパイ大作戦』やらをオマージュしたものだろうけれど。後にそれが狙いすぎだったと感じたのか、佐江内氏のその能力やら『TPぼん』のフォゲッター(自分の存在を忘れさせる道具)が考えられたのだ。そういえばパーマンも60年代、つまりは佐江内氏以前に活躍したヒーローだったこともひとまず関係したのだろう。

ともかくも超人として生きる男の日常が描かれた傑作として心にとどめておきたい一作でもあると思うのだけど。

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ドラえもん・オリジナル大長編:新・のび太の海底鬼岩城(予想)その4

結局ドラえもんたちは先の宿舎に戻され、玄関には兵士が監視として配置されていた。

エル「こうなってしまったことは僕も申し訳なく思ってるよ。当面の間は外出を控えてもらいたい。他のことには不自由はさせないつもりだから。ここには生活においていろんな設備があるから遠慮なく使ってもいいよ。それじゃ」

と、エルは宿舎を後にした。ややあって今後の対策のためにドラえもんが切り出す。

のび太「これからどうするの、ドラえもん」

しずか「帰れないんじゃママたちが心配しちゃう」

ドラえもん「ともかくこのままあの人たちの言いなりにされちゃいられないよ」

のび太「でもどうやって抜け出すの、外には見張りがいるし。見つかれば何されるかわかんないよ」

ドラえもん「その点は抜かりはないよ、この帽子を使って・・・・・」

ドラえもんが帽子のスイッチを押してある程度大きくする。

ドラえもん「さあ早く乗り込んで」

帽子のてっぺんからハッチを開け、すかさず乗り込んでから、帽子が床に溶け込んでいく。

一方地下牢では、あばれ疲れたジャイアンと泣き疲れたスネ夫が力なくへばっていた。

ジャイアン「おれたち、もう出られないのかなあ?」

スネ夫「ママ~!」

そんな時真ん中に大きな帽子が床から現れ、真上からドラえもんが出てきた。

ドラえもん「むかえに来たよ、早く入って」

ジャイアンとスネ夫が帽子に入って、再び帽子が床に溶け込む。

スネ夫「ありかとありかと」

ジャイアン「心の友よ!」

二人の感謝もそこそこに、ドラえもんは帽子内のスイッチで地中を進ませる。

のび太「でもあの帽子にこんな機能があったなんてね」

ドラえもん「海底内ではいろんな危険があるからね、このステルス、つまりかくれんぼ機能もその一つだよ」

しずか「かくれんぼなんて何かかわいらしいわね」

ジャイアン「なんたっていいから、早くこんなとこ抜け出そうぜ」

ドラえもん「もちろんさ。早く街の外に行こう」

ということで帽子は街の地中を進んでいく。

一方エルは久しぶりに家路につこうとするところ、子連れの女の人と出くわした。

エル「あれ、母さんとルウ、今から帰ろうと思ったけどどうしたの」

女の人はエルの母で、子供はエルの弟のルウだった。

母「今あんたがかくまったって子たちに、差し入れしようと思ってね」

エル「それだったら僕も一緒に行こう。きっと喜ぶと思うよ」

ルウ「ねえ兄さん、今日は家にいられるよね」

エル「今から帰ろうとしたけど、その後すぐに彼らにつきっきりさ。その間はルウが母さんを守ってあげなよ」

ルウ「うん」

宿舎についたエルたち。事実を話して母とともに部屋に入ろうとしたが、

エル「あれ、みんなは・・・・・」

母「誰もいないみたいだねえ」

エル「まさか、逃げたのかな」

兵士「いや、監視はしっかりしていたんだが」

エル「なんてことだ、逃げられるわけがない。いやこうしちゃいられない」

ルウ「その人たちを捕まえにいくの」

エル「連れ戻しにいくんだよ、なるべく手荒にはしないつもりさ」

ということでエルは外に飛び出し本部へと向かう。一方で母も兵士に軽く言いつける。

母「長官にはあたしが言っとくから、このことは内密に」

兵士「は、はい、分かりました」

 

ドラえもんたちは帽子のかくれんぼ機能を使い、街はずれまで移動していた。

ドラえもん「街を離れればこっちのものだ」

のび太「でも出口ってどこにあるんだろう」

ドラえもん「とりあえず位置を割り出して、と・・・・・」

しずか「ちょっと待って、何か近づいてくる」

街から巡視艇が現れ、なぜかこちらに近づいてくる。

ドラえもん「まさか、追ってきたのかな、でもこんなに早く、ってまさか」

ドラえもんはポケットの裏に何かが張り付いているのに気づき、取り出したそれは小型の発信機だった。

ドラえもん「まさかこれを見越してのことかな」

スネ夫「やっぱり帰さないつもりなんだ」

そしてジャイアンが「こんにゃろ!」と取り上げた発信器を踏みつぶす。

のび太「困ったなあ、これじゃあうかつに動けないよ」

ドラえもん「こうなったらこんくらべだ。こっちが動かない限り絶対に見つからないからね」

のび太「何だか疲れちゃったよ、ここで一休みにしよう」

ということでみんなで一休みをするのだが。

一方で巡視艇のエル、そして仲間の兵士は、

「なに、反応が消えただと、どういうことだ」

エル「どうやら前もってポケットに張り付けた発信機に気が付いたみたいだ」

「おい、どうするんだよ、エル」

エル「まあ大丈夫だよ、ロド」

と、平然と応えるエルだったが。

ロド「うん、やけに自信あるじゃないか」

エル「ここは海の底だからね、彼らが地上に帰るなら必ず地面から出なきゃいけない。そこを捕らえるんだ。地面を中心に探知の目を張って、そのまま待っていよう」

ドラえもんたちとエルたちが双方にらみ合っているうち、連邦領に1隻の船が入り込んできた。それを連邦軍本部が察知し、軍の長官に報告する。

兵士「長官、未確認物体が領域内に侵入していきます。これは、信じられないスピードです」

長官「うむ、まさかあれではないか。それならば全軍を出撃しなければならない」

ちょうどエルの母が事情を説明しにきて、今回の異変に懸念をする。

母「ちょっと長官、全軍出撃って」

長官「緊急事態です。あれが伝説のバトルフィッシュならば何としても排除しなければなりません。指揮はわたしが取ります。なに、彼らのことは事を荒立てませんよ」

と心配する母をよそに長官以下連邦軍全軍を出撃させる。

 

戻って街はずれ、その船に巡視艇のエルたちも気が付いた。

ロド「ん、ちょっと待て、7時の方向(巡視艇の少し左後ろ)になにかが近付いて・・・うわっ!」

エル「まさか、あれは伝説のバトルフィッシュ」

突然その黒い船、巨大な魚みたいなそれの目が光り出し、巡視艇を攻撃し始めたのだ。すかさず逃げようとするも容赦のない攻撃でみるみる炎上していく。その様をドラえもんたちも気が付いたが。

ドラえもん「何だろうあの船、いきなりエルたちを襲いかかってきた」

ジャイアン「後ろから不意討ちだなんてきったねえぞ」

のび太「ああ、やられちゃうよお」

一方のエルたちの巡視艇もほとんど壊れて落ちようとした。

エル「操作系統がズタズタだ、コントロールが効かない」

ロド「も、もう、ダメだあ!」

そしてついに地面に落着してしまう。そしてバトルフィッシュの口が開き、そこから大きな光が発せられる。

ジャイアン「あいつ、とどめを刺す気だな」

と、帽子のスイッチを押し、地面から出てきて外へと飛び出していく。

ジャイアン「さあ来い、おれが相手だ、叩き落としてやる」

ドラえもん「ああ、ジャイアン、無理するな、こうなったらやるしかない」

ドラえもんたちも続いて出ていくのだった。

ドラえもん「ええと、何かないかな・・・『スモールライト』、一発で出た」

とスモールライトをバトルフィッシュに光を当てて小さくする。同時にバトルフィッシュの主砲が発射され、近くの岩盤を破壊していく。

のび太「危なかったなあ、あれが大きいままだったらどうなったか」

逃げようとするバトルフィッシュをジャイアンが捕まえる。しかしフィッシュは何やら光を放つ。

ジャイアン「うわっ、あちっ!」

たまらずジャイアンが放り投げ、バトルフィッシュは大爆発を起こして自爆する。

のび太「自爆しちゃった、なんだろう、あれ」

しずか「ところでエルさんたちは無事かしら」

みんなが巡視艇に駆け付ける。そこからエルたちが出てきた。

エル「まさか、君たちが助けてくれたのか」

ジャイアン「おおっ、無事だったのか」

スネ夫「よかったなあ」

しかし後から出てきたロドが銃を構える。

ロド「う、動くな、地上人」

エル「ロド・・・・・!」

それと同じく数隻の巡視艇が近付いてきた。その1隻から長官が現れる。

ロド「ああ、援軍が来た、これで一安心だ」

エル「長官、どうしてここに」

長官「本部から察知したバトルフィッシュに備えて駆け付けたのだ。君たちだけでは心もとないと思ってね」

しずか「まさか私たちを捕まえにきたんじゃ・・・・・」

ジャイアン「おいおい、エルたちのピンチを救ったのはおれたちだ・・・・・」

ロド「う、動くな・・・・・!」

ロドが銃の引き金を引き、光線がジャイアンの足元に放たれる。

長官「やめたまえ!」

長官がロドを一喝し(叱りつけて黙らせて)、続いてドラえもんたちに向き直る。

長官「こうなってしまったら致し方がない。わたしも手荒にはしたくはないが、直ちに君たちを確保する。どうか大人しくしてくれたまえ」

こうしてドラえもんたちは再び捕らわれの身になってしまったのだ。

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