ドラえもん

映画ドラえもん2021、ですか

さてみなさん、お待ちかねの映画ドラえもんのタイトルが決定し、来年春の公開に向けて製作中とのことです。
その気になるタイトルは『のび太の小宇宙戦争(リトルスターウオーズ)2021』
先に発表された大長編及び映画のリメイクということで、宇宙から来訪した小さな宇宙人パピと星を制圧した反乱者との戦いに巻き込まれつつドラえもんたちが大活躍するストーリーなのですが、気になるアレンジについては要所要所ほぼ現代風にアレンジしていて、編者的には物足りないといった点はないと思います。これもみなさまの受け止め方次第やいかにといったところなのですが。
ともかくも来年の春、本当の意味での春の訪れとともにドラえもんの映画を楽しみたいものですね。

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それにつけてもおカネのほしさよ・番外編:ロマンいっぱいお宝さがし(後編)<本当は怖いドラえもん>

前回いわゆるお宝さがしについての、いわゆる冒険とロマンについて語ったものだけれど、今回は対してお宝さがしに絡んだ欲望やら悪だくみやらの弊害と、それを指摘することの問題点を述べたい。
この問題について、本記事を通じて参考文献として活用した『「のび太」という生き方』(横山泰行著・ASCOM刊)の中の一論を取り上げ、その上であえて意見を述べたい。
その当書の記事の一つに“ドラえもんでもかなえられない夢”がある。そこでは“お宝探し”に関しての横山先生の意見を読み返してみたのだが、どうしても心に引っかかるものがあったので、暴言を承知で述べたいと思う。
この論で挙げられる『宝星』の巻(後述)を通じて横山先生は、宝探しのネタを欲望の集大成と表し、お話でのお宝さがしを“たくらみ”の言葉ではじめから“悪いこと”と見なして話を進め、シメとして「子供たちに叶うユメと叶わないユメを教えようとし、自分でコツコツと地道に努力することの素晴らしさ教えたかったにちがいない」と断じた。
しかし、ちょっと待ってほしい。確かにドラえもんのお話についておカネの欲が絡んだ話にてはたいてい骨折り損となるのだけれども。つまりはお宝さがしを通じておカネに対する執着を批判したのは間違いはないけれど。
そもそもお宝探しといえば、昔は手塚治虫先生の『新宝島』や宮崎駿カントクの『どうぶつ宝島』や『天空の城ラピュタ』など、今はさしずめ尾田栄一郎せんせいの『ONE PIECE』と、常に子供たちの夢とロマンをかきたててきたものであることは前編でも述べたところ。
それを欲望の一言で片付けるのはいかがなものか。たしかに冒険よりも欲望やら悪だくみ(これは少し言い過ぎか)が前に出たのを批判したのは分かるけれど。さらに言えば何の努力もなく安易にお宝を探そうとしたのも指摘していたのだろう。すなわち冒険も努力あってはじめて大成するものなのだから、たとえどのような結果に帰しようとも。
もっといえば『宝星』や『南海の大冒険』の巻にて「ユメみたいなことを忘れて勉強しろ」というくだりをまる写ししたような文句にも読めるかもしれない。
これも前回で述べたけど、冒険を絡めての宝探しのお話はほとんどか「ごっこ」に終始していた。
しかしながら冒険の要素を抜かし、さらにはイタズラを企んだとしても、最後には素晴らしいお宝を手に入れたお話もある。そこで次のお話を紹介したい。
 
『化石大発見(コミックス11巻)』
ある日、裏山の宝の地図を渡されるも、今日はいわゆる四月バカということで結局だまされて、さらには隣で化石の発掘をしている研究者のおじさんに邪魔だと追い返される。
そこでからかい半分で昼食の魚の骨やら燃えないゴミやらをタイムふろしきで化石を生成する。
その捏造化石をおじさんに見せ、狂喜するおじさんに流石に良心がとがめたか、そのタネを明かしてしまう。その折に何と新種の三葉虫が姿を現す。おじさんが言うには世紀の大発見ということで、結局はすばらしい宝を見付けることができたそうな。
このお話の場合は財宝ではなく新種の化石(それも現在によみがえらせたもの)ということで、学術的には貴重なお宝には違いはなかった。
 
さらに述べれば首尾よく実際のお宝にたどり着いたとしても、うまうまと手にいれるかというとそうでもなく、多少の後ろ髪を引かれる思いとともに(あとドラえもんもひとこと言うだろうけれど)そのまま放っておくだろう。
実際『のび太の大魔境』のお話にて、王国を救ったドラえもんたちにペコが国の財宝を贈ろうとするも、きっぱりと謝絶したのだ。
さらに言えば同書の記事でも『意外とのび太は欲がない』にても、のび太くんに限っても欲望に関してはある程度の限度があると横山先生も書いているのだ。
つまりは、大人のモノサシで大人の意見を述べ、子供のユメとロマンをそうそう壊してはいけないと思う。だいいち当時の子供たちだった今の大人たち(編者含む)がどうユメやロマンを教えようかと迷える時代ともいえるのだから、今は。
 
最後に当記事にて横山先生がカットしたパートを補完してシメとしましょう。
『宝星』
ある日テレビでお宝を発見した老人のニュースを見て、自分も宝を発見したいと、宇宙の宝星を探索せんと意気込むのび太くんたち、いさ見付けたとしても、小さな星のケシ粒くらいの宝や巨大な宇宙人の貯金箱やらと当て外れなものばかりで流石に諦めかけた。(ここまでが横山先生の引用の要約)
そんなゲンナリとした二人のもと、もう一つの反応が出てきた。
気乗りしない中現地へたどり着いた二人。そこは地球の原始時代の様式の星で、反応があった所を掘り返してみればやっぱり円形の石の固まりだった。
通りかかった現地人が言うには、その星のお金でそれもかなりの大金だそうだ。
とはいえこの星でしか通用しないので、とりあえずこのお金で土地と別荘を買い、当分の間セレブ気分を満喫することとなったそうな。

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ザ・ドラえもんズオリジナル:ドラニコフ編その1(後編)

その人影は林の中から出てきた。それは人ともケモノともつかない姿だが、時折かすれた声でうめく。
「・・・ク、クルシイ、ナ、ナニカ、タ、タ・ベ・モ・ノ・・・・・」
その後吠えるのみでさまよい歩き、いつしかどこか大きな屋敷の裏に差しかかかる。
そこの番犬が吠え立てるも、人影の遠吠えで何故か黙りこくる。そして人影は裏庭の納屋に入り込み、そこの野菜などの食材を食い散らかし、その後で人の姿を取り戻す。
「・・・ふう、ようやく落ち着いた。先のワクチンも完全には効かないから、時折腹がすいてからまたケモノに逆戻りだ。かといってもうこれ以上ここの人たちにも迷惑をかけたくないし、さてどうしたものか・・・・・」
と、人影の男は、屋敷を後に捨てそのまま林の中に去っていく。
 
一方ニコラたちは件の犯人の手がかりをあちこち探し回っていたが、一向にその手がかりが見つからずじまいだった。そもそも肝心のドラニコフが見当違いのところをたどるばかりだったのだ。
そこに馬に乗った少年が近付いてきた。村の有力貴族の息子のフョードルである。
ニコラ「あれフョードル、いったい何しに来たの」
そのフョードルは馬から降りて応える。
フョードル「うん、君たちが犯人を捜しているのと同じく、僕も手掛かりを探しているんだ。でもなかなか見つからなくて」
ゴーリキー「なんだ、そっちも当てずっぽうじゃないか。頼りにならないなあ」
ソーニャ「そんなこと言うもんじゃないわ、フョードルも見当をつけて探しているから」
そこにフョードルの使用人が駆けつけてきた。
「た、大変です坊ちゃん、家の倉庫の食糧が」
フョードル「え、食糧庫が襲われたの」
ニコラ「ともかく行ってみよう」
と、フョードルの屋敷へとみんなが駆けつけていく。
屋敷の食糧庫はたしかに食い荒らされていた後で、警備に放された犬たちも元気がなくなっていた。
「犬たちが吠え立てたかと思えば急に黙りこくって、調べたところこのザマです」
フョードル「うん、これではっきりとしたね。ここでドラニコフの出番だよ」
「これに探させるんですか、あまり頼りにならなさそうだなあ」
フョードル「大丈夫だよ、彼の鼻は結構利きそうだから」
続いて匂いをかがせたドラニコフに励ますように告げる。
「作物や犬の匂いの他に何かが匂うはずだよ。それをよくかぎ分けて」
ひとまず励まされ、ドラニコフなりに入念にかぎ分け、うなずきとともに倉庫を後にする。ニコラたちもそれを追っていく。
 
一方件の男は先に腹を落ち着かせたかと思いきや、またもや苦しみだす。
「なんだと、先に食べて落ち着いたというのに、そういえば獣になっては食べて落ち着く間が短くなっていったような。すると、このままでは、いくら食べても、もはや・・・・・」
その苦しみから、やはりみるみるケモノになっていく。
「・・・ウ、ウ、ダメダ、コノ、ママデハ・・・・・」
そして咆哮をとどろかせる。しかしその吠え声がニコラやドラニコフが駆けつけてきた。
ニコラ「何やら吠え声が聞こえたけど、これってまさか」
「・・・ウ、ウ、ウ・・・・・」
次第にドラニコフが興奮していく。先にかぎ分けたのと同じ匂いを感じてのことで、あらぬ疑いをかけられた怒りを込めつつ目の前の狼男を睨みつけて更に興奮の度を増していく。
フョードル「やはりこの人が野菜泥棒の犯人だったんだ」
ゴーリキー「よし、とっとととっ捕まえようぜ」
しかし対するオオカミ男の方もドラニコフに負けじと吠え立てる。その迫力にさしものニコラやゴーリキーも近付けないでいた。
やがてオオカミ男とドラニコフが激突し、そのまま乱闘にもつれ込む。いつ終わるか分からない乱闘は、突然謎の穴が空間に開け、そこから黄色い人影が現れる。
その人影はドラニコフとオオカミ男に何やらの電撃銃を撃ち込み、はたして二人とも気を失ってしまう。
あっけにとられつつその人影に近付くニコラ。するとその人影はニコラに恭しく挨拶をしたのだ。
ニコラ「ええと、ドラニコフと同じような子だね、君は一体誰」
「はい、私はドラミといって、ドラニコフと同じネコ型のロボットです」
ドラニコフを気遣いつつもソーニャもドラミちゃんに話しかける。
ソーニャ「どうやら女の子のようですね、いったいどういうことなんですか」
ドラミ「はい、単刀直入に申しますと、この人はあなたたちがいう未来の世界の冒険家の人なんです」
ドラミちゃんもそのオオカミ男に近付いてボタン注射(未来の世界の針を使わない注射)のワクチンを打ち、みるみる男は元の姿に戻っていく。
ドラミ「この人はイワン=スカンレーという人で、とある星を調べているうちに行方不明になって、あとで調べていくうちに、何らかのトラブルでこの時代のここにたどり着いたんです」
そのうちにイワンと呼ばれた男も目覚め、自分が元に戻ったことを確認してから自分の身の上を話し出す。
イワン「かつてわたしはある星を調べているうち、宇宙のオオカミに似た生物にかまれたんだが、すかさず宇宙狂犬病のワクチンを打ったが、今度はその副作用でわたし自身がオオカミ男に変身するようになったんだ」
フョードル「それでそれを抑えるために、この村にたどり着いてから時折作物を盗み食いしたのですね」
イワン「今でもすまないと思っている。こうして病気が治ったからにはそのお詫びがしたいのだが」
そこですかさずドラミちゃんが何やらのカプセルを出す。
ドラミ「それだったら“趣味の日曜農業セット”。これでここの作物を作ることにしましょう」
ということで、近隣の畑を借りてドラミちゃんの道具を使って作物を作ることになった。種植えから収穫まで一通りの作業をドラミちゃんやイワン、ニコラやソーニャたち、もちろんフョードルもこぞって作業にあたり、はたしてイワンが盗み食いした料の数倍の作物を収穫することができた。
村長「これで今年の収穫分は確保できたよ」
ドラミ「はい、ここ数年はこの苗で当面の作物は確保できますよ」
村長「思えばこの人も病気だったとは、今まで追い回してすまなかった」
イワン「いえ、ご迷惑をおかけしたのも間違いはないので、これでも足りないほどです」
ニコラ「それじゃあ、その未来の世界に帰ってもお元気で」
イワン「うん、君たちも元気でいてくれたまえ」
イワンの言葉にニコラはともかくドラニコフも深々と頭を下げる。
こうしてオオカミ男騒ぎは元に戻ったイワンがドラミちゃんの力を借りて未来の世界に帰って無事解決した。
そしてニコラたちの村はドラミちゃんがもたらした作物の苗によって当面の間豊かになったそうな。

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それにつけてもおカネのほしさよ・番外編:ロマンいっぱいお宝さがし(前編)<本当は怖いドラえもん>

さて今回は先に述べた『ユメとロマンを欲望と履き違えるなかれ』の記事を、なるべく難癖を減らして公正な記事とすべく改訂したものをお送りする運びです。ますはその前編をば、それでは、ごゆっくり。
 
ドラえもんのお話の中で一番の痛快さを感じるのは、大長編で見られるような夢とロマンがあふれる世界を冒険するお話ではなかろうか。
実際ふしぎ世界の大冒険とはいかなくても、連載時のお話でもそれに準ずる冒険やロマンを味わえるお話もある。その中の一つが今回取り上げる、いわゆる“お宝さがし”のお話である。そんなお宝さがしが絡んだストーリーをまずいくつか紹介したい。
 
『宝さがしごっこセット(コミックス13巻)』
ある日宝さがしがしたいと家の物置をあさるのび太くんに、つまらなく思いつつも『宝さがしごっこセット』を出す。これを近隣の野山に飛ばし、後で返されるヒントをもとに探し出すのだ。
ある程度の苦労の末、宝箱が埋められた所を掘り起こし、途中黒い箱を掘り起こすもこれはほったらかして、ついには目的の宝箱を掘り起こすことができた。
しかしこれはあくまでもお宝さがしごっこなので、お宝はみんなプラスチック製のオモチャで、先の黒い箱はどこかの埋蔵金の小判で、それは同じくこのあたりのお宝を探し当てんとしたおじさんのものになってしまったそうな。
 
『珍加羅峠の財宝(コミックス15巻)』
ある日宝さがし機の実験でのび太くんのこづかいの100円玉をなくした代わりに珍加羅峠の財宝を探そうと出かけていく。
そこはおりしも開発のため用地の買収を企てる業者の人が地主と交渉するもにべもなく断られたのだ。
さておき道具で宝さがしをしようと途中雨の中悪戦苦闘の末、道具が反応したところを掘り当てんとしたところ、土砂崩れで埋まっていた業者の人を助け出し、いくらかの謝礼金をもらったそうな。
 
これらのお話は今回のテーマであるお宝さがしのエピソード、その一部である。いつの世も夢と冒険心、そしてある程度のロマンを求めるのがいわゆる“お宝さがし”の本来の目的と描かれている。しかしながら目的のお宝そのものが一部の事情を除いて価値のある財宝の類で、どうしてもそれらの価値が問われてしまう。先のお話の中でも前者は目的の宝箱のついでに発見された千両箱(小判などが入った箱)やら後者の業者さんを助けた際の謝礼金もそれに関連しているといえる。ついでに言えば、コミックス4巻の『のび左ェ門の秘宝』もあり、これはお宝さがしにかこつけてのお年玉のお話になっているけれど。
さておき珍加羅峠の巻については特に「子供が謝礼金の札束を手に取るのはまずいのではないか」と言った意見が出てきたとか。
結局はそのお宝の財宝の価値、すなわちおカネが絡んでしまった結果、本来お宝さがしが目的なのを欲望やらたくらみ等悪いことについての意見に行きついてしまったのだ。

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ザ・ドラえもんズオリジナル:ドラニコフ編(その1)前編

さてみなさん、今回はドラえもんズのオリジナルストーリーとして、ドラニコフ編のストーリーをお送りする運びです。
ドラニコフが住んでいる村に起こった怪事件。その上疑いをかけられたドラニコフの潔白を証明するために犯人を捜すべく奔走する様をここにお送りいたします。はたしてその顛末やいかにといったところで。それでは、ごゆっくり。
ちなみにドラニコフの仲間たちの紹介をば、
ニコラ(のび太):農家の一人息子、できの悪いなりに一生懸命働いていたが、ドラニコフの助けでひとまずがんばっている。基本喋ることが少ないドラニコフ気持ちを知ることができ、そのサポートを主な役割としている。
ソーニャ(しずか):農家の一人娘で敬虔なロシア正教徒、毎日のお祈りと沐浴は欠かせないがニコラやドラニコフに邪魔をされて辟易している。
ゴーリキー(ジャイアン):雑貨屋の息子で、二コルを何かと引っ張り回しては困らせているが、実はドラニコフ(特にオオカミ状態)が大の苦手。
ミハイル(スネ夫):ロシア豪農の息子で何かと豊かさをカサに自慢ばかりをしているが実は寂しがり屋でニコラたちにあたっている。
フヨードル(出木杉):ロシア貴族の息子でソーニャも片思いをしている。
以上の面々が活躍する運びです、それでは、あらためてごゆっくり。
 
ある日の昼下がり、ニコラとドラニコフは散歩をしていると、村人が何やら話をしていた。
ニコラ「どうしたんですか、何やら話し合っているようですけど」
そんな村人たちは、ドラニコフににらみかける。これにはさしものドラニコフもたじろいてしまう。
ニコラ「な、何があったのですか、そんな怖い顔をして」
そこに村長が割って入り話を切り出す。
村長「実は、最近村のあちこちで作物が食い荒らされる被害が相次いでね、何やらのケモノの仕業とみていて、こうして対策を練っていたところなのだが」
ニコラ「それでドラニコフを疑っているんですね。でもドラニコフは僕と一緒にいましたよ」
村長「うむ、わたしもそれを信じているよ。だがことが大きくなった以上調べなければならない。君たちも当分静かに待っててくれたまえ」
そう言われて、しばらく素直に家路に戻るニコラたち、後で憤るドラニコフをなんとかなだめる。
ニコラ「怒る気持ちは分かるよ、でも落ち着いて。僕もドラニコフを信じているよ、だって友達じゃない」
その言葉にドラニコフも感謝の意を表し、抱き付きざまにニコラの顔をなめ回す。ようやく落ち着いた後で対策を練らんとする。
ニコラ「村長はおとなしくしろと言ってたけれど、僕らでもなんとか探していこう。そのための道具って何かない」
すかさずドラニコフはマフラーから『どこでもドア』を出す。
ニコラ「これでめぼしいところを調べていくんだね」
ドラニコフの頷きの後でいざドアに入る。するとその実はそこには下着姿で桶に足を浸して沐浴をしていたソーニャがいた。
ソーニャ「もう、ニコラのエッチ!」
とまあいつものお約束の後で、ソーニャの着替えの間二人は正座して待っていて、それから話をすることになる。
ソーニャ「というと、作物泥棒を捕まえようとしてあちこち探そうとしたのね。でも闇雲に探しても何にもならないわよ」
ニコラ「それは、そうだけど」
ソーニャ「とにかく、ここはみんなの力を合わせましょう」
ニコラ「うん、そうだなあ」
というわけでないニコラたちはソーニャを伴って捜索を再開する。その途中二人の子供、友達のゴーリキーとミハイルと出くわした。
ゴーリキー「おう、ニコラにドラニコフ、お前らも泥棒探しか」
ミハイル「あいにく僕らで手一杯だから、君らの手は借りないよ」
ソーニャ「そんなこと言って、あなたたちも手がかりをつかんだの」
ゴーリキー「う、そ、それは・・・・・」
返答に窮したゴーリキーにソーニャも呆れ顔で返す。
ソーニャ「やっぱり行き当たりばったりなのね、闇雲に探してもらちがあかないのに」
ニコラ「ドラニコフなら何とかしてくれると思うから、なんとかしてみようよ」
ミハイル「でもいざというとき頼りないからなあ」
ニコラ「でもやっぱり手がかりのヒントが見つかればいいけれど」
手がかりについてみんなが考えるなか、ソーニャが何かに思い付いた。
ソーニャ「そうだ、野菜や作物が盗まれた現場に向かいましょう。そこで何かが分かるかもしれないわ」
そんなわけではじめの現場に向かうことになった。
ニコラ「それで何かが分かるの」
ミハイル「みんな片付けちゃって何も残っていないよ」
ソーニャ「ここでドラニコフが役に立つのよ」
と、ドラニコフに辺りの匂いをかぐように言い付ける。ドラニコフもいやいやながらも匂いをかいでみる。その後でそれらのにおいをもとに手がかりを探していくのだ。
ゴーリキー「ちえっ、結局ドラニコフが頼りかよ」
ニコラ「まあまあ、これで犯人が分かるんだ」
そんな中、林の中ではとある人影が今なお腹をすかせてうずくまっていたのだ。

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ぼくは、ロボット:ロボットは召し使いじゃない<本当は怖いドラえもん>

かつてSF小説の巨匠、アイザック=アシモフは「本来ロボットは『労働』が示すとおり、人間に奉仕するものである」と提唱した。しかしそれに異を唱えた人物がいた。それが我らが藤子・F・不二雄先生である。
今回は以下二つのお話を通じて藤子F先生が、ロボットについていかなるべきかをひとまず推察していきたい。
 
『手足につけるミニ頭』
この日も宿題などやるべきこともあって何かいいものがないかと頼み込み、ドラえもんも『ミニ頭』を出してそれを手足につけることになった。はじめはいろいろとミニ頭が動いてくれたが、次第に勝手に動くようになり、ついにはのび太くんを気を失うまでいいように操ってしまったそうな。
 
『すなおなロボットがほしーい』
ある日宿題に追われたのび太くん、ドラえもんに手伝ってもらおうとするも当然のごとく突っぱねられる。後に自動車の事故に巻き込んでドラえもんが代わりの車をとミニカーを『キカイソダテール』なる薬で自動車に育てる様を見て、のび太くんはその薬を分けてもらってオモチャのロボットにふりかけるも、そのロボットが暴走して暴れ回り、結局先の車にぶつかって難を逃れたそうな。
 
他にも『ロボッター』や『モノモース』やらのお話があるけれど、このように、自我を持つロボットが人間と同じような感情を持って、あるいは自らの分析から人間のコントロールを受け入れるか否かを判断した結果(ドラえもんの場合は前者がもっぱらだけと)、人間の要求をはねのける結果となった。
単に労働力に重点を置くならむしろ知能や判断力は少なめでいいと思うけれど、手塚治虫先生の『鉄腕アトム』みたいな人間同等のロボットが人間と友だちと同じように付き合うことが藤子F先生にとっても理想の未来像だろうし、むやみにこき使おうとすれば逆らうのもあたりまえだというのもごもっともである。
そしてその行き着いた先が、何かとドラえもんに頼りっぱなしののび太くんを時には厳しく突き放すシチュエーションにもつながったのだろう。

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ドラえもんオリジナル特別編:のび太のサファリパーク(後編)

さてみなさん、今回のドラえもんのオリジナルストーリーは、かのお蔵入り作品のアニメ化ということで、いよいよ敵役のキャラとしずかちゃんとの対戦を描く運びとなります。本文にも書かれていますが、原作の落としどころをひとまずは述べたつもりです。
ともかくもこういったところですので、それでは、ごゆっくり。
 
動物を集めようとして『桃太郎印のきびだんご』をバラまいたが、集まったのはきびだんごをみんな食べてしまった象一頭だったので。今度は新型ターザンパンツで動物を集めようとするも、今度はしずかちゃんたちの姿がいなかった。
のび太「あれ、しずかちゃんたちはどうしたんだろう。きっとどこかに行ったんだ。ジャングルの中はとってもあぶないのに」
と、仕方がなくみんなを探すことになった。
その一方、ドラえもんたちのベースキャンプからややあった場所で、ジャングルの動物たちが何者かに狩られていったのだ。つぎつぎショックガンで眠らされオリに入れられていく。
そしてそれら動物たちを狩っていたのは、やはり動物の姿をした者たちだったのだ。
「これで地球の動物は結構狩れたな」
次々とオリに閉じ込めた動物を運んでいくハイエナ男たちの一方で、先にジャングルを散策しようとしたところ、やはりショックガンで眠らされたしずかちゃんたちもいた。
「アネさん、結構大きいサルも捕まえましたぜ」
しずかちゃんたちをつかまえたヒョウ男に呼び掛けられたのはこの場を取り仕切っていたゴリラ女だった、しかししずかちゃんたちの姿をみて怒り出す。
「ばか、何やってんの、これはヒトザルだよ。地球の知的生命体の。彼らを捕まえて他の奴らに知られて警備隊に通報されたらどうするんだい」
しかし少し考えて結局連れていくことにした。
「でもまあ、このまま放っておくわけにもいかないから、ひとまず連れていきましょう」
こうしてしずかちゃんたちは、動物宇宙人の密猟団たちがベースキャンプを敷いている場所へと連れられる。
そこには密猟団のリーダーであるライオン男が待ち構えていた。その傍らには大きなナベが置かれていた。
「おう、ご苦労だったな、これだけ集まればおれたちも大儲けだ。地球は自然と動物の星というからな。こいつらを金持ちや大学に売り飛ばしてから、って・・・・・」
そのライオン男は、しずかちゃんたちに気が付き、ゴリラ女に話しかける。
「おいリイナ、この子供はヒトザルじゃないか。こいつらもさらってどうするんだ」
リイナと呼ばれたゴリラ女も多少困ったように応える。
リイナ「だってしょうがないじゃないのマンバ。このまま放っておいたらことがばれちゃうからねえ」
ちょうどしずかちゃんたちも目が覚め、動物の宇宙人たちにびっくり仰天する。
ジャイアン「わあなんだなんだ、おれたち捕まっちゃったのか」
スネ夫「誰だよ、ジャングルを散策しようとしたのは」
しずか「ご、ごめんなさあい」
そんな三人にゴリラ女のリイナが近付いて告げる。
リイナ「あら、ようやくお目覚めね、悪いけど知られたからにはすぐには帰せないわ。ひとまずあんたたちは大人しくしてもらうわよ」
ジャイアン「わーん、かあちゃんより怖い」
スネ夫「おうちに返してよおゴリラのおばさん」
リイナ「失礼ねえ、これでもまだ25歳よ」
マンバ「まあしょうがないな、これから晩飯の支度をしようか」
と、ライオン男のマンバは、部下の動物人たちに指示を出して支度をさせる。
そんな時、のび太くんがロープ伝いで樹の上から現れた。
のび太「しずかちゃんたちがあんな所にさらわれちゃってる。助けたいけど仲間の動物がいないんじゃどうすることもできないよ、でも・・・・・」
その一方でジャイアンたちも、
ジャイアン「おれたちいったいどうなるんだろう」
スネ夫「決まってるんだ、あのナベで料理されて、た、食べられちゃうんだ」
マンバ「うん、それもいいかもしれないな」
リーダーのマンバが告げ、怯えるしずかちゃんたちに向かってなお続ける。
マンバ「ただ材料はそろっているからヒトザルは食べたりはしない。だがそうだな、ヒトザルを煮てダシを取ったら鍋料理もうまいというぜ」
スネ夫「やっぱり食べるんだ、ぼ、僕を食べてもおいしくないよぉ」
ジャイアン「お、おれも」
怯える三人に、マンバが少し考えてから告げる。
マンバ「それもそうだな、おいリイナ、あの女の子を入れてやれ」
リイナ「はいはい」
とマンバに促され、リイナがしずかちゃんを連れていく。
しずか「いや~!」
ジャイアン「しずかちゃんから食べられるのか」
スネ夫「ぼくら、おいしくなくてよかった」
ちょうどリイナの背中で見えないが、しずかちゃんは服を脱がせてからあられもない姿でナベに入れられる。
しずか「あ~ん」
リイナ「すぐに終わるから少しの間我慢しなさい」
こうしてナベに煮られたしずかちゃんだったが、その温度はお風呂のぬるま湯と変わりはなかった。
そんな時、樹の上ののび太くんが飛び込んできた。
「ああっ、しずかちゃんが危ない、助けなきゃ」
と、勢い勇んで「あ~ああ~!」とロープ片手に飛び込んだまではいいけれど、途中パンツが枝に引っ掛かり脱げてしまい、そのままのび太くんは草むらに飛び込んでしまったのだ。
ジャイアン「何やってんだよのび太のやつ」
一方でナベで煮られているしずかちゃんも、
しずか「もう、のび太さんなにやってるの、私、もう、のぼせちゃう・・・・・」
そんな時、のび太くんのパンツがしずかちゃんの頭に覆いかぶさった。
しずか「あれ、これってのび太さんの、でもしょうがないから・・・・・」
少しのぼせたしずかちゃんは、そのパンツをはいてしまった。
しずか「あれ、このパンツ、私のサイズに合わせて。それにみるみる力もわいてきたわ」
それから中から鍋を吹き飛ばし、脇から下をパンツで覆われたしずかちゃんが出てきたのだ。
マンバ「な、何だ、あの娘が鍋から出てきて」
「ど、どうします、親分」
マンバ「決まってるだろう、直ちに取り押さえろ」
というわけで、ヒョウやハイエナ男たちが一斉にしずかちゃんに襲い掛かる。これにはしずかちゃんもたまらずに逃げてしまう。ところがこれもパンツの力なのか捕まえようとしても一向に追い付かない。
やがてヒョウ男が取り押さえようとしたが、すかさずしずかちゃんが投げ飛ばす。
しずか「あれ、どうして私こんなに強くなったのかしら」
つまりはパンツの力でしずかちゃんの力も強くなっていたのだ。こうなったらしずかちゃんも何かしらやる気も湧いて出てきた。
しずか「それだったら、よおし、やっちゃおうかしら」
それから八面六臂、簡単に言えばすごい活躍で動物人たちをちぎっては投げつづけてほとんどやっつける。
同じくドラえもんを乗せたゾウに連れられて、先のしずかちゃんの悲鳴に応えてジャングルの動物たちも仲間を助けるために駆け付けてきた。
ドラえもん「おーいみんな、大丈夫」
マンバ「くそっ、なんだあいつらは。このままじゃおれたちも」
リイナ「そうね、これであなたもおしまいよ」
と、リイナはショックガンでマンバの動きを封じる。
マンバ「リ、リイナ、お前、裏切るのか」
すかさず懐に手帳みたいなものを見せてリイナは告げる。
リイナ「私は宇宙捜査官のリイナ。あなたたち密猟団を取り締まるために派遣されたのよ」
マンバ「な、なんだとお・・・・・」
そのままマンバは気を失う。そのうちに一台の宇宙船が降り立った。
 
マンバをはじめ、連行される密猟団のメンバー、そんな宇宙警備隊の隊長がリイナに近づき、リイナが今回のことについて報告する。
隊長「ご苦労だったなリイナ捜査官、それで地球人の協力者という子供たちは」
リイナ「はい、はじめ彼らに捕まりましたが、後で飛び込んだ子供の機転で彼らを捕まえる機会となりました」
リイナに紹介されたしずかちゃんは、解放された動物たち一頭一頭にあいさつを交わしていた。
しずか「大丈夫みんな、本当に助かってよかったわね」
スネ夫「しずかちゃん、まるで女ターザンだ、かっこいい」
その時草むらから、何枚か体に草を張り付けたのび太くんが出てきた。
のび太「みんなあ、大丈夫・・・・・」
リイナ「あらあら、ヒーローのお目覚めね」
そんな折パンツ姿のしずかちゃんを見かけて、
のび太「ああ、しずかちゃん、それ僕のパンツ・・・・」
近付こうと知るのび太くんをしずかちゃんは「いや~!」と押しのけ、勢い余ったのび太くんはリイナに受け止められる。
リイナ「あらあら大丈夫」
ジャイアン「それにひきかえのび太カッコ悪い」
しずか「あ、ごめんなさいのび太さん」
リイナ「いいとこみせようとしたけど、ちょっとしくじっちゃったわね」
のび太「こんなはずじゃなかったのにい・・・・・」
こうして、ジャングル中にみんなの笑い声が響き渡る。とまあ今回も散々な目にあいじまいののび太くんだったそうな。

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休めない国、ニッポン<本当は怖いドラえもん>

今回は祝祭日を中心として、いわゆる休む日についての必要性とそれに対してあえて述べるならばの“弊害”について、このお話を中心に述べたいと思う。
 
ぐうたらの日(てんとう虫コミックス第14巻)
6月にどうして祝日がないかと嘆いているのび太くんだったが。ドラえもんが日本標準カレンダーを出して、明日ぐうたらと働かなくていい日をと定め、その翌日休みとなったのだが。いざ休日でみんなで遊ぼうにとするもみんな外に出たがらず、途中お腹が減ってしまうも、ご飯を作ることもままならず、結局祝日を解除してしまったそうな。
~このお話は勤労感謝の日にちなんでぐうたらの日を制定して休もうとして、かえって面倒に巻き込まれたお話であり、我らがF先生もたまにはぐうたらと休んでいきたいと思いこのお話を創られれたが、オチ的にこういった笑い話に落ち着いたとか。
ちなみにユダヤ人では安息日という宗教上のしきたりがあり、その日は一切の労働等の行動をしてはならないというのがあり。藤子F先生がそれを知ったかは知らないけれど、なにもしないことのいわゆる弊害をめぐってはユダヤ人の人たちと他の人たちとの衝突等もお話にもつながっているかなと思う。
 
祝祭日をふやそう(旧々アニメ版オリジナル)
今年のゴールデンウイークでは休日が飛び飛びなのを憂えたのび太くん、そこでみんなを呼んでポータブル国会を使って飛び飛びの日に祝祭日を定めて休もうとするも、結局みんながみんな勝手に祝日を定めようとしてかえって道具が壊れてしまい祝日どころじゃなかったそうな。
~このお話は当時(80年代半ばまで)のゴールデンウイークを風刺したお話ともいえ、休日になったらどんな日がいいかということでお話が進んだけれど、いつも通りのズッコケオチはともかく、実際の国会での法改定でGWにおいての休日で飛び石の状態が解消されたこともやはり興味深い。
 
それらのお話において子供の感性から祝祭日は(学校が)休みの日といったところだろうけれど、大人の理屈としてはそもそも休日については実際の社会生活に適合させなければならない。
例えばかつてのコンビニ24時間営業についても、時間帯ごとの店員の交代で成り立っているのは周知のことだろうが、規模も小さい店ではそれがままならず、下手をすれば本当に四六時中店に立たなければならない事態にもなり現在大きな社会問題になっているだろう。
つまりは平日に仕事をこなし休日に余暇なり休息を取る人があれば、休日の社会システムを維持するために働く人だっている。その人も平日の他の日にお休みを取っているだろうと思うけれど。たしかに週に1日は休日を取った高度成長期では一週間ぶっ通しで仕事をしている人もいただろうけれど。
さておき社会全体が休んでしまったら社会も死んでしまうも同然である。つまりは安易に国家システムをいじくると、とんでもない結果になりますよ、とある意味常識論をマンガで表現したお話ということで。

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ドラえもんオリジナル特別編:のび太のサファリパーク(前編)

さてみなさん、今回のドラえもんズオリジナルは、夏休み特集というか、緊急企画というか。本家ドラえもんからのび太のサファリパークをお送りいたします。
これはかつて雑誌で掲載されながらも様々な事情でお蔵入りとなったお話をある程度の落としどころを見ながらひとまず現代風にアレンジしたものをお送りする運びです。
アフリカのジャングルを舞台にドラえもんやのび太くん、そしてしずかちゃんがどのような活躍を見せてくれるでしょうか、といったところで、それでは、ごゆっくり。
 
その日の空き地にて、スネ夫がまた話を切り出した。
スネ夫「先日家族みんなでサファリパークに行ってきたんだ。ライオンやヒョウ、ゴリラなんかが車に近づいて、それはもう迫力あったんだ」
ジャイアン「そいつはすげえな」
しずか「ちょっと怖そうだけど、おもしろそうね」
それに聞き入っていたみんなもそれぞれ感慨し、のび太くんもひとまずは聞き入っていたが」
しずか「ねえのび太さんもどうかしら」と、しずかちゃんが呼び掛ける。
ジャイアン「やめとけよ、のび太なんか、動物に近づいたら仰天してのびちゃうぜ」
スネ夫「ほんと、のび太なだけに」
のび太「な、なにをっ・・・・・!」
スネ夫「それじゃ今度連れて行ってやろうか」
ジャイアン「悪いけど今度のサファリパークは三人分なんだ」
スネ夫「いやいや、そこまではいかないでしょう」
のび太「なんだよ、僕だって別に行きたいと思わないよ」
スネ夫たちにはやし立てられ、のび太くんもついに意地を張ってしまい、後ずさりからついにはその場を去っていき、やがて家に差し掛かると。
「ドラえも~ん!」
と急ぎ足で家に駆けよっていく。
 
部屋に戻るや早速ドラえもんに頼み込む。
のび太「ドラえもん、サファリパークを出して」
ドラえもん「な、何やぶからぼうに、ちょっと落ち着いて」
ひとまずのび太くんを落ち着かせ、さっきの事情を聞いたドラえもんだったが、
ドラえもん「うん、要するにみんなをサファリパークに招待して見返してやりたいってことでしょ」
うんうんと頷くのび太くんに。ばかばかしく思いながらも一つ提案をする。
ドラえもん「要するにアフリカのジャングルで動物たちをまじかに見せればいいでしょ」
のび太「それもそうだけど、やっぱりライオンやゴリラが近づくと怖いから、怖くないように近づけられるようにならないかな」
ドラえもん「しょうがないなあ、それだったら『桃太郎印のきびだんご』があるから、それで動物たちをてなづけられるはずだよ」
のび太「それじゃ、さっそく行ってみよう」
ということで、『どこでもドア』でアフリカンジャングルに行き、ジャングル上空からきびだんごをまいていく。
ドラえもん「これで動物たちがのび太くんのいうことを聞くはずだよ」
のび太「うふふ、楽しみだなあ」
こうして後日の楽しみに期待をしながらきびだんごをまいてから家に戻るのだった。
しかしその後で空から何やらの光がジャングルに降り立ったのだ。
 
次の日、いつもの空き地にしずかちゃんたちを呼び寄せ、ドラえもんとのび太くんは高らかに宣言する。
のび太「ようこそ、のび太のサファリパークへ」
スネ夫「なんだ、ただの『どこでもドア』じゃない」
ジャイアン「結局ドラえもんに頼りっきりじゃないか」
ドラえもん「まあまあ、ドアの向こうはアフリカのジャングルで野生の動物たちを色々見られるよ」
しずか「その野生の動物って、いきなり襲ってきそうで危なさそうじゃない」
肝心のことがらに少し驚きながらものび太くんも返す。
のび太「も、もちろんそれについては心配はいらないよ。動物たちはみんなかわいくてかっこいいから、ね」
と、みんなをせかしつつドアの向こうに連れていく。その向こうのアフリカのジャングル。密林の間の広まったところをベースキャンプとしてここから動物たちを鑑賞するのだ。
スネ夫「それで、動物たちはどこにいるの」
のび太「うん、もうすぐ近くに寄ってくるよ」
と、勢い勇んで思い切り声を上げる。
のび太「おーいみんな、こっちへ来て!」
と声を張り上げるも、しばらくたっても動物たちは一頭も寄ってはこない。
ジャイアン「何だよ、なにも寄ってこないじゃないか」
のび太「へ、変だなあ、こんなはずはないんだけどなあ」
しずか「やっぱり動物さんたち、ちゃんときびだんごを食べなかったんじゃないの」
としずかちゃんに痛いところを突かれて、のび太くんもさらに動揺する。
スネ夫「なんだ、結局道具だよりじゃないか」
ジャイアン「ばかばかしい、帰ろ帰ろ」
のび太「あ、ちょっと待ってよ、きっとみんな来るのが遅いから」
と、ドラえもんとともにこの場を離れる。ちょうど足音も響いてくるので、さしあたりそこへと向かう。
しずか「ねえ、せっかくだからジャングルの周りを歩いて行かない。もちろん遠くには行かないように」
スネ夫「うん、しずかちゃんがそう言うなら」
ジャイアン「まったくしょうがないなあ」
 
一方ののび太くんたちも、うまくいかないことにドラえもんと相談し合う。
のび太「どうなってるの、ちゃんときびだんごをまいたはずだよね」
ドラえもん「それだけど、しずかちゃんの言った通り食べなかったかもしれないな。でもこの前買ったばかりだから」
その時、一頭のゾウがのっそりとあらわれる。
のび太「あっ、待ってました、でもゾウ一頭っきりかな」
ドラえもん「あ、ちょっと待って。なになに『君たちがまいた丸いものがおいしかったから君たちを追っていたらみんな食べちゃった』だって」
のび太「ええっ、結局食べたのはこのゾウだけじゃないか。これじゃあサファリパークにならないよ、どうしようドラえもん」
ドラえもん「しょうがないな、それじゃあ同じく最近買った『新型ターザンパンツ』」
と、先にも出した『ターザンパンツ』を出す。
のび太「えっ、またこのパンツ、あまり気が進まないなあ」
ドラえもん「これでも最新式なんだ」
と、しぶしぶパンツにはき替える。
のび太「なんだ、ブカブカじゃない」
ドラえもん「じきにサイズも合うよ」
と、はたしてのび太くんのサイズにパンツも合わせられる。
ドラえもん「それからはいた人のイメージに合わせていろんな動物も呼び寄せられるんだ」
のび太「なるほど、こいつは便利だ」
ドラえもん「これでたくさんの動物を呼ぶことができるよ。あとこれも」
と、もう一つ『ターザン印のロープ腕輪』を出し、のび太くんに付けてくれた。
のび太「うん、これでしずかちゃんたちに顔向けできるよ」
と、勇んでしずかちゃんたちの元に戻ろうとしていった。
ドラえもん「がんばってね、のび太くん、って、なになに!?」
さっきのゾウがドラえもんを鼻ですくい上げて背中に乗せるのだった。
ドラえもん「ああ、ありがとう、それじゃあ僕もみんなのもとに行こう」
と、ドラえもんもゾウの背中に乗ってベースキャンプに戻ることにした。
ところが、ベースキャンプにはしずかちゃんたちの姿がいなかったのだ。

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ドラえもんとゆかいな仲間たち<まんが道・ハムサラダ君及び未来の思い出>

先月漫画家の苦悩の記事をお送りしたのを機に実際藤子不二雄先生自身の体験譚でもあるこれら作品をこの場を借りてお送りしたい。
まずは藤子A先生の作品ながらも『まんが道』について語りたい。
まんが道は手塚治虫先生に憧れてマンガ家を志さんとした満賀道雄(安孫子元雄先生)と才野茂(藤本弘先生)の二人が上京し、様々な人との出会いと交流、そしていくらかの試練と挫折を通じてやがては本当のまんが道を目指していくといったストーリーであった。
主人公の名前は先述のとおり仮名ながらも、関連する人物は手塚先生をはじめとしてほとんどが実名なのもこれまた興味深い。
対して藤子F先生の視点で描かれた『ハムサラダ君』もまた、漫画家を志して上京した若き日の藤本、安孫子両先生が、マンガを通じて成長していく物語である。これは主人公の先生がほぼ実名で登場するのに対し、関連する漫画家さんは手塚先生を除いてほとんどが仮名ながらも実際の漫画家さんのイメージは容易につかめるからそれを推すのも面白いかもしれない。あと掲載誌であるコロコロコミックなのが影響されてかストーリー通じて熱血まんがの要素も織り交ぜられているのもこれまた面白い。
ともかくもそれらの作品から藤子先生たちの熱意が伝わり、実際漫画家等作家を目指された方も少なくはないと思う。
あとハムサラダ君に関しては藤子先生のアシスタントを務められたよしだ忠先生が手掛けられことを述べるとともに、藤子F先生自身が述べるまんが道的なストーリー『未来の思い出』についても述べておきたい。
あらすじは漫画家としてある程度大成した漫画家(F先生がモデル)が生まれ変わって第2の人生を歩まんとするが結局前と変わりはない人生を送るようで、様々な人と新たな関わりを持つ、少しマシな人生を歩むといったものだった。
ここでのテーマたる、かどうかはわからないけれど『まんが道』についてはどうかという問いには、漫画家としての後半生に対する苦悩が描かれ、もし人生をやり直せるならといったF先生の願望も描かれているというのが率直な感想でもある。つまりはドラえもん本編における『人生やりなおし機』にての、たとえ人生をやり直そうとしても進歩がなければ意味がないといったオチにが反省に活かされたか、主人公の先生ももう少しましな未来を歩んでいこうといった姿勢も描かれていた。
それらの作品からも藤子両先生のまんが道を通じての人生に想いを致せれば、それこそがファンならずとも作品に対するとらえ方の一つともいえるかもしれない。

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