ドラえもん

ドラえもん・オリジナル大長編:のび太と海底帝国(その8)

沈没船は旧アトランチスの都までさしかかるや、巨大な立体映像が映し出される。

エレナ「待っていたわよ坊やたち。私はエレナ=ドルマンスタイン。あなたたちが対したドルマンスタインの娘よ。あの時はお父様がずいぶんとお世話になったわね。この借りはたっぷりと返してあげるわよ」

街じゅうのいたる所から、バトルフィッシュと鉄騎兵の群れが現れ、沈没船に近づいていく。

エル「すごい数だね、みんな、準備はいい」

みんな「・・・うん!」

敵の群れは一斉に攻撃をしかけ、沈没船は破壊されていく。そこからドラえもんたちが現れる。

まずはエルとルウが巧みな剣さばきで鉄騎兵をなぎ払っていく。

エル「僕も隊長として修行したんだ、特訓の成果、見せてあげるよ」

ルウ「無理しないでね、兄さん」

エル「大丈夫だよ、ルウの方こそ気を付けろよって、うわっ!」

ひとまず敵の攻撃をかわしつつ、果敢に攻めていく。

つづいてジャイアン、スネ夫、のび太くんやドラえもんが敵を打ち落とす。

そしてバギーに乗ったドラミちゃん、しずかちゃんとリムが一気に攻めていく。

そしてシルビイ、敵の攻撃、ことにビーム攻撃は近くの残骸でしのぎつつ投石で応戦して着実に倒していく。

エレナ「なかなかやるわね坊やたち。次はどうかしら」

今度は先の倍の軍勢で攻めていく。その後も果敢に応戦していくも、次第に押され気味になってしまう。

のび太「どうしよう、このままじゃ僕たちも疲れて倒れちゃうよ」

エル「なんとか敵の本拠まで切り抜けないと」

ドラミ「そうだお兄ちゃん、キャンプ帽子ってまだ持ってる」

ドラえもん「そうか、これで潜り込めば」

と、ドラえもんが先の帽子を出して、みんながそれに潜り込む。ちなみにシルビイもスモールライトで小さくしてからリムに寄り添っていった。ともかくも帽子は地下に潜り込む。

ドラえもん「これでいくらかはしのげるけど、これからどこへ行こう」

エル「さしあたり旧鬼岩城のあたりまで行こう。どうも嫌な予感がするから、そこを調べてみたいんだ」

ドラミ「そうね、その地点まで進んでいきましょう」

と、帽子を旧鬼岩城あたりまで進めていく。

エレナ「まさか潜地機能で潜り込むとはね、まあいいわ、あれが復活すればこっちのものだから。状況はどうかしら、じい」

執事「はっ、ほぼ完了しております。あとはコントロールユニットを組み込めば」

エレナ「上出来ね、さあ早く来ていらっしゃい坊やたち。たっぷりと可愛がってあげるわよ。それからミーナはどうしたの」

たずねるエレナに黒ずくめの男の一人が応える。

男「はい、城内で迎え討つと行っております」

エレナ「そう、ならいいわ。あの子にももっと役に立ってもらわないとね。それからあなたたちも行ってらっしゃい」

男たち「イエッサー、了解しました!」

と男たちも指令室を後にする。

一方でドラえもんたちは地中を進みつつ旧鬼岩城跡にたどり着く。そこにはたしかに城の残骸とそれを囲む機械施設がまとわりつくように建っていた。

エル「やはりね、バトルフィッシュらが復活しているとなればあれもまた復活していたんだ、もしかしたらポセイドンまでも」

のび太「ど、どうしよう、ポセイドンが復活したら一斉に世界中に襲い掛かって」

ドラミ「そうならないためにあちらもコントロールをしていると思うから、手を打っていると思うけれど・・・・・」

ルウ「なんか不安げそうだなあ」

ジャイアン「なんだっていいさ、かかってくるならみんなやっつけてやる」

リム「こういうところは頼もしいね」

スネ夫「そうかな、ちょっと不安だけど」

しずか「とにかくポセイドンを復活させるのを止めなきゃ、それにミーナさんも説得できるかしら」

エル「やってみるさ、彼女のために、そしてムーとアトランチス両国のために」

ルウ「う、うん・・・・・」

久し振りにエルに頼もしさを覚えてルウが応える。それにはみんなもならうのだった。

こうしてドラえもんたちは城の内部に潜り込んでいく。

ドラえもん「やっぱり中は直ってるみたいだ。果たしてどんなのが待ち構えているか」

のび太「なんだか不安だなあ」

と、それぞれ奥に進んでいく。そして奥にはミーナが男たちと一緒に待ち構えていた。

 

つづく

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のび太の魔法大作戦<本当は怖いドラえもん>

さて今回はドラえもんと魔法の関わりをひとまず述べることといたします。

まず魔法といえば一概に物を変化させたり、火や吹雪や雷を起こしたりといった、これもまた「ふしぎ」なことといえる。

事実ドラえもんの初期のお話の中でも魔法が絡むひみつ道具も存在したし、後の『チンプイ』でも“科法(魔法を化学レベルで使用可能にしたもの)”といったファクターで魔法を使用させたことだろう。

あと魔法を含めたふしぎ世界の冒険ということで、大長編の“魔界大冒険”や“夢幻三剣士”やらのお話も忘れてはならばない。

さておき原作のお話では魔法をどう絡めていったのかをひとまずの考察とともに述べることにしたい。

『魔女っ子しずかちゃん』

魔法使いのあこがれるしずかちゃんに、ドラえもんもひみつ道具を貸して魔法使いの気分を味あわせて、実際に人助けをするといったお話であった。

それと関連してこのお話は“エスパー魔美”とつながっているかなともいえ、その意味でもマミも魔女っ子の分類に当てはまることだろう。

『魔法辞典』

魔女っ子のテレビ番組を見て自分も魔法を使ってみたいと言い出したのび太くん。そこで“魔法辞典”を出してもらってあれこれと道具の力で魔法(みたいなもの)を使いまわしてみたのだが。これは書いたことが実際に起きるといった“あらかじめ日記”や、桂正和先生の『ウイングマン』の“ドリムノート”、小畑健センセイの『DEATH NOTE』にもつながるだろう。

ともあれこの2作ともいわゆる“魔法ごっこ”がお話上ある程度できることに関し、最後のズッコケでケチがついたとはいえ男女を問わず魔法を使ってみたいといった子供心をくすぐるお話であることは言うまでもない。

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ドラえもんの亜流たち:21エモン<本当は怖いドラえもん>

さて今回も本編から離れて、藤子F作品の佳作ともいえる『21エモン』について軽く述べたいと思います。

21エモンのお話をおおまかに述べるに、未来の世界のトウキョウ。そこにひっそりとたたずむホテル“つづれ屋”。そこの一人息子のつづれ屋21エモンはそのオンボロホテルのボーイのバイトをこなしつつ、いつかは宇宙中を冒険したいという夢を抱いてきた。

その後さまざまな宇宙人との交流を経て、宇宙生物モンガーとイモ掘りロボットのゴンスケと一緒に念願の宇宙への冒険をすることになった。そしてその冒険を経て、家業のホテルを宇宙に進出させるという新たな夢を目覚めさせたそうな。

お次は主人公のエモンの周囲を彩るファクターについて。

まずエモンの家のホテルつづれ屋。これは江戸時代から続く旅館からの由緒ある歴史を持ちながらも物語の時代に取り残された、いわゆるダメホテルとして描かれた。そんなつづれ屋をまずは支えていこうとエモンとその父が宇宙人たち中心の客引きに励んでいた。しかしお話が進むにつれてそんなつづれ屋のよさを評価してくれたり、エモンの宇宙旅行の資金を援助したりと、ご都合主義ながらも次第に経営を横転させたのだった。そういえばドラえもんのお話でも『オンボロ旅館をたて直せ』において偶然家出をしたのび太くんがドラえもんの助けを借りて当時のつづれ屋を立て直して、これまた家出をしていた息子が戻ってひとまず虎口を逃れる(旅館をたて直す)ことができたとか。

次にエモンの仲間たる宇宙生物モンガー、宇宙の絶対生物といった触れ込みで様々な超能力を駆使して時にはエモンたちを振り回しながらもサポートしていく。イモ掘りロボットのゴンスケはこれまた説明の必要はないだろう、ドラえもんと並ぶ藤子F作品の名キャラクターの一人でもある。

そしてさまざまな宇宙人も前半のホテル編や後半の宇宙冒険編を通じて藤子F作品の“すこしふしぎ”な要素のファクターとして描かれた。後の宇宙冒険編は後作品の『モジャ公』でのストーリーにも通じたのだ。

これもご多分に漏れず80年代の劇場版を皮切りに、90年代のテレビアニメでの放映がなされ(ついでにモジャ公もアニメ化され)ひとまずの好評を博したのも述べるところ。これもまた当時のドラえもんのある意味低迷期を払しょくする役目を担ったのかもしれない。

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ドラえもん・オリジナル大長編:のび太と海底帝国(その7)

エルたち一行が再びアトランチスへと向かう一方、エレナたちドルマン一味の潜水艇では。

ミーナ「もう、どういうことなの、奴らの国を占領しようと思ったら、まさかおじ様が止めに来るなんて」

エレナ「ええ、まさか私たちの方も邪魔者が出てくるなんて思わなかったから。でもこうなったら致し方がないわ。すみやかにあれを目覚めさせましょう」

ミーナ「やっぱりあれを見覚めさせるしかないのね。本当は気が向かないけれど」

エレナ「大丈夫よ、こちらのコントロールは完璧だから」

ミーナ「そうだといいけれど」

心配するミーナをよそに、エレナは通信機で連絡を取る。

エレナ「じい、あれの修復状況はどう」

通信『はっ、機体の修復はほぼ完了し、あとはコントロール機能を組み込むのみです。こちらはいつでもお嬢様の帰りを待っています』

エレナ「それはなによりね、これであの子たちに一泡吹かせてあげられるわ」

潜水艇は一路旧鬼岩城跡へと向かっていく。

エレナ「さあ、これからが本番よ」

 

一方ドラえもんは残骸群にて身を潜めていた。そこにはなぜかイカのシルビイもちゃっかりついてきたのだ。

リム「やっぱりついてきちゃたのね、今私たちも休みたいから、ちょっと隠れててね」

と、シルビイは残骸の陰に隠れていく。

ドラえもん「さて、ここからが旧アトランチスだけど、ドルマン一味は本当に鬼岩城跡にいるのかなあ」

ドラミ「そうね、彼らの目的はそこのポセイドンをよみがえらせようとしているの」

ドラえもん「ええっ、これで一気に世界を征服しようとしているのか」

ドラミ「というより、お兄ちゃんたちをやっつけるのが先決だろうけれど」

ジャイアン「いずれにしろおれたちが目的なら迎え討とうじゃないか」

ドラミ「待ってたけしさん、相手はあのドルマン一味だからどんな手を使ってくるか」

ふとドラミちゃんの視線の前には中世の沈没船が沈んでいた。

ドラミ「そうだ、あの船を使って近付いていきましょう」

のび太「あの船で近付くの、なんか出てきそうでこわいなあ」

スネ夫「じゃあ、のび太一人ここでお留守番する」

のび太「ば、ばかにして、僕だって世界を救いたいんだ」

ルウ「とにかく、乗り込むにしても作戦を立てなきゃ」

リム「とにかく船の中に入りましょう」

ということで一同は沈没船の中に入ることになった。初めは探検気分のジャイアンとスネ夫もさすがに心細くなったが、ようやく船長室らしき部屋に差し掛かる。

ドラミ「それじゃあ準備ができたようだから、『無生物さいみんメガフォン』」

ドラミちゃんがメガフォンを取り出し、船全体に呼び掛ける。

ドラミ「あなたは潜水艦、アトランチス帝都跡までお願い」

その呼びかけに果たして船全体が揺れ動く。

のび太「うわっ、船が揺れてる」

ドラミ「船が動き始めたの。これで帝都の鬼岩城跡まで行くの」

スネ夫「これじゃまさに幽霊船だな」

船が動き始めてからひとまずみんな落ち着いた後で、作戦会議を始めようとしたが、

しずか「そういえば、今日はまだお風呂に入っていなかったわね」

ドラえもん「もう、こんな時お風呂だなんてのんびりしていられないよ」

ドラミ「あらダメよお兄ちゃん、女の子は身だしなみを大事にしなきゃ」

リム「そうですね、私もお風呂に入りたくなったわ」

のび太「あれ、海底人の人もお風呂に入るの」

リム「うん、もっぱら水浴び程度だけど、時折はお湯のお風呂にも入るの、私はお湯のお風呂の方が好きだから」

ドラミ「それじゃあ決まりね、『壁紙大浴場』」

壁紙の扉を船室の壁にかけ、ドラミちゃん以下女の子3人は中に入っていった。

エル「しょうがないな、それじゃあ僕たちは外の様子を見張っていこう。まずは僕から、次はルウだよ」

ドラえもん「それじゃあ僕らもお風呂にしよう」

というわけでドラえもんも壁紙大浴場を出してお風呂に入ることになった。それはさておき、

ドラミ「入る前に『お風呂アワアワスーツ』」

手に取ったボトルを握って、ドラミちゃんが二人を泡に包んでいく。

ドラミ「これでお風呂に入りながら体を洗うことができるの。あと服の洗濯もね」

しずか「うん、これは便利よね」

ということでしずかちゃんとリムは泡で包まれながら服を脱いでいき、いよいよ浴室に入っていく。

リム「うわあ、泡で浮いてて気持ちいい」

しずか「この泡、お湯で溶けないのね」

ドラミ「お湯に入りながら体を洗うのよ、後でしずかちゃんたちにもおすそ分けするわよ。これくらいならね」

しずか「ええ、そのためにポセイドンの復活を止めなきゃね」

リム「もちろん、私たちも力を尽くすよ」

一方の男湯でも、

ジャイアン「なんだかしずかちゃんたちもにぎやかだな」

スネ夫「こんな大きいお風呂にのび太が入れないなんてかわいそうだよな」

ルウ「でも後で兄さんたちと入るからね。そろそろ交代かな」

ということで、数分後、エルが浴場の扉をノックし見張りを交代する。

そんなこんなで沈没船は一路アトランチス帝都まで進むのだった。もちろんシルビイも後からついていくけれど。

 

つづく

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禍福のアンバランス:しあわせの資格とは<本当は怖いドラえもん>

さてみなさん、今回ドラえもんの記事の前に先日発売されたドラえもんのコンビニ文庫について少し述べたくなり、本題の前にここにお送りする運びとなしました。

その今回のタイトル『今日も1日いい日にするぞ!』について、何かと災難にまみえがちののび太くんが、ささやかながらもいい日になるようにひみつ道具の力を借りていろいろと活躍するお話を集めたのだが、

『パンドラのお化け』は何かを決心しようとしてかえって失敗してしまうお話で、あとダメなことは何をやってもダメという文句も当てはまってしまう。

『不運はツヨ~イ味方』は結局イマシメどころかイジワルの方に傾いてしまい、その上でのお説教はやはり卑怯にも感じてしまう。

『無敵砲台』の巻に関しては結局「ダマされた方がワルイ」という文句に行き付いてしまう。

このようにいい日にしようとしてかえってワルい日に転んでしまうというお話が大半であった。それでも『人生コース』の巻で「しあわせになるにはそれなりの努力が必要だ」というくだりに行き付くけれど、ドラえもんの立ち位置から結局押しつけがましい感もぬぐいがたい。

 

ともあれここからが本題にかかることにして。

くり返しながらドラえもんのお話のコンセプト(まずは初期)は、何かと不運な目に遭いがちの人生を送るのび太くんを、何とかいい人生を送らせることだった。

それが中後期になって、それら不運や困難を何とかしようとしてかえってズッコケるお話がしばしば見受けられる。たしかに初期においても『ラッキーガン』のお話があるけれど、このようなお話はたまにはの程度で、それが中後期に頻発することが問題だと挙げたい。

それについては、しあわせになるにはそれなりの努力をしなければならないという考えがあったことだろう。言い換えれば「ダメな奴は幸せになる資格はない」とも受け止められる、かもしれない。

それだけならごもっともと思うけど、ひみつ道具の力を借りつつ、ひとまずの努力をしても結局しくじってひどい目にあう。結局後期になるほどしあわせの資格についてのハードルも高くなっているともいえるだろう。

まず子供のしあわせについては、ほとんどがおカネやモノが伴い、あと気になる子の気を引くといったところ。あとケンカに勝つというのはまた別の問題と述べておいて。

それらが次第にままならないのは、読者のイマシメが建前だけれど、結局は藤子F先生の心情が影響しているだろう。

戦中戦後の子供時代から高度経済成長期の青年時代を経て、ドラえもんをはじめ多くのふしぎなお話を描き、子供たちにユメを送り続けたはずだった。

それが80年代に入り次第にモノや生活が豊かになり、その上でこれ以上しあわせになってどうなるのかといった不安の虫が騒いで、結局しあわせの前の困難がどうしても描かれがちになってしまったといったところか。

それでもしあわせというものは本人の気持ち次第でいかようにも感じられるものでもあるけれど、やはり時代の違いこそあれ本当の意味でのしあわせについて教えたいと思い、お話の中でいろいろといているつもりだったけれど、やはりギャグやズッコケに転びがちになってしまった。そんな後期の中でもしあわせを感じるお話もいくつか描いていることも間違いはないけれど。

ともあれ本当のしあわせについて、たとえば一見イヤな家の手伝いやらお使いやらでもやりとげれば結構いい気分になったなといった具合で、むずかしいテツガクを引き合いに出すまでもなく、子供うちでも真剣に考えてもいいのではないかと述べておいてシメとしましょう。

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ドラえもん・オリジナル大長編:のび太と海底帝国(その6)

首都レムリアに帰還した一行、これまでの事態の収拾にあたるとともに、今後の対策を立てることと相成った。

ドラミ「おそらく皇帝の姪であるミーナさんが、その敵の勢力に引き入れられたのは間違いないことです」

首相「うむ、それだけでも双方の不和に付け入ることは可能だから。いやいや、今更あなた方を疑うことは致しませんが」

皇帝「こうなってしまったら我々も守りを固めなければ。そこで厚かましいながら両国もここらで仲直りといたしましょう」

首相「おお、それはいいですな。思えば我々もずいぶん無理をしましたから」

皇帝「そうと決まれば、早速準備をしなければ。そういえばドラミくんの『どこでもドア』だったか、それをお借りしたい」

ドラミ「はい、分かりました」

というわけでドラミちゃんのどこでもドアを借りて、アトランチスの高官数人が呼び寄せられる。そして会場の準備もそこそこに、ここにムーとアトランチスの友好条約が結ばれることになった。

『ココニ締結サレタ、ムー連邦、アトランチス帝国ノ平和友好条約ニツイテ

・両国ノ相互理解及ビ両国国民ノ交流

・地上各国ノ海域ヘノ干渉ニツイテノ監視及ビ対応

ナオ追加ノ条項ニツイテハ追ッテ交渉ノ課題トスル』

と、難しい言い回しながらも一通りの国同士の約束を交わした後、首相と皇帝は固い握手を交わす。会場に集まったムーの国民の歓声とともに。この様子は帝国首都のモニター越しでも映し出され、そこでも歓声が上がったのだが、手放しで喜べない事情があった。

「北にはまだ鬼岩城がよみがえるというじゃないか」

「姫様が敵に捕らわれているという、何とか助けられないか」

「地上の子供たちとムーの少年たちに頼らなければいけないか」

とまあ、不安の中、わずかな希望をエルやドラえもんたちに託そうとした。

 

そんな中でのドラえもんたちは、

ドラえもん「これでもう戦争の危険は避けられたね、ってドラミ、でも未来の歴史について大丈夫なの」

ドラミ「うん、大丈夫よ、だってお兄ちゃんが言っていたから。未来は変えられるからって。それがいい方向に向けられるならなおさらよ」

ドラえもん「うん、そうかなあ」

2人とも小声で話していて傍らで聞いていたのび太くん以外には聞こえていなかった。

 

両国の調印式の後に、あらためて再調査を再開することになったエル一行。

長官「それでは、鬼岩城のことを含めて、いろいろ気を付けてくれ」

エル「はい、了解しました」

長官とのあいさつをそこそこに、再びアトランチスに向かう一行。そこにはドラミちゃんの姿もあった。

ドラえもん「ん、どうしてドラミもいるの?」

ドラミ「言ったでしょ、調整したバギーを届けるついでだけど、実は・・・・・」

ドラミちゃんが耳元でささやく。

ドラえもん「ええっ、ドルマンスタインの娘!?

ドラミ「お兄ちゃん、声が大きいわよ」

のび太「ドルマンってあの、恐竜ハンターの雇い主の人」

ドラミ「そうよ、そうなのよ、実はあの人は先の鬼岩城の一件を知ってお兄ちゃんたちの復讐の計画を立てたのよ」

ドラえもん「そのためにまた世界を危機に陥れようとしようだなんて」

ルウ「ともかく、こちらも大変なことになってるなら、力になりますよ」

のび太「わっ、どうしてルウくんがここに」

ルウ「うん、何やら深刻な顔で話しているから」

リム「でも、そんな人たちが、ミーナさんを取り込んでいると聞くから」

ルウ「目的が同じなら力を合わせてもいいと思います。ああもちろん兄さんの許可を得て」

のび太「うん、ありがとう。でもエルくんはどうしたの」

ルウ「うん、実はミーナさんの写真を皇帝から受け取ってから、何やら考え事をしていて」

そうこうとした後で、ジャイアンたちも顔を出す。

ジャイアン「おーい、もうすぐメシの時間だぞ」

スネ夫「早くしないとみんな食べちゃうぞ」

のび太「うん、わかったよ」

と、のび太くんをはじめ、みんなが輸送艇の食堂へと向かうのだった。

一方で航行に当たっているエルは、ミーナの写真を見て物思いにふけっていた。

エル「なんとしても助けなきゃいけないな、皇帝のためにも、そして彼女自身のためにも」

 

つづく

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役回りの本末転倒:変わるもの、変わらないもの<本当は怖いドラえもん>

今回はドラえもんの全体の歴史、連載開始から90年代初頭まで、いわゆる藤子F先生が健在であられる頃までの流れについてもう一言述べたいと思う。

ファンの大半は、お話のスタンスは変わっていないと言われる方もいると思うけれど、厳密にいえば、F先生のマンガに対する理念そのものは変わっていなかったと思う。ただ心情的にはやはり日々の創作における不安やら健康状態やらと有形無形のプレッシャーがのしかかって、それがお話に影響してしまったのだろう。その一端がいわゆるのび太くんを中心に役回りがあべこべになった感も見られた。

そこで多少はこじつけながらも。以下2作をさわり程度ながらも述べた上で、比較した上で評したいと思う。

 

『人間ラジコン』

ここ最近のジャイアンズ(ジャイアンが中心の野球チーム)の成績が不振なのを機に、中雇わずの特訓を課すジャイアン。行き過ぎたしごきを止めるため、ドラえもんが『人間ラジコン』を使ってしごきをやめさせたのだが。

『マネコン』

成績不振を機にのび太くんたちに特訓を課し、いつもで遅れるのび太くんがしょっちゅう殴られる。それを回避するためドラえもんに『マネコン』を出してもらうのだが。

 

この二つを比較して、まずはお話の全体像からそもそも両者ともジャイアンのしごきについての対応ということだけど、前者は追い払ってやめさせ、後者はやめさせずにその場しのぎの後にのび太くんのズッコケ話、くわえてとんち話に話が転んでしまった

どちらもスラップスティックを描こうとしたことは同じだろうけれど。それでもちがうところをあげれば、これも繰り返しながらもお話の製作理念がユメから次第にイマシメになってしまったことだろう。

「こんなことができたらいいな」といった“のぞみ”から「こうなったらどうしたらいいのだろう」という“問題”に変わったこと、つまりはのぞみをかなえたあとも考えてしまい、オバQ以来のズッコケオチでシメようと考えたのだろうけれど、結局はズッコケのリアクションやらダメージやらをかんがみて根本的に違っていることも繰り返しながらも述べておきたい。

 

しかしながらこれらをいろいろと挙げながらも、今となってはその“違い”もドラえもんの歴史において、楽しんでいこうというのも、本当のファンとしての礼儀といえばそうなのだろうけれど。

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ドラえもん・オリジナル大長編:のび太と海底帝国(その5)

街はずれの国境線を挟んで整然と並ぶバトルフィッシュの群れ、それをモニター越しに見やる首相と皇帝、そして長官とドラミちゃん。

首相「間違いなくバトルフィッシュだ。しかし本来ならこう待つことなく一気に攻めてくるはずだ」

皇帝「おそらくはあなた方ムー連邦と我が帝国との戦争状態を作りその隙に何やらを企んでいる者でしょう。お恥ずかしいながら、その輩の中には我が姪もおりますゆえ」

ドラミ「とにかくそれらを食い止めなければいけません。今お兄ちゃんたちにも連絡しましたから、もうすぐそちらに向かうでしょう」

首相「それは、間違いないのかね」

皇帝「はじめわたしもそう思いました。しかし突然ドラミくんが現れ、事情を話してからここに参った次第です」

長官「分かりました、我が軍で対処いたしましょう」

首相「うむ、頼んだぞ」

ドラミ「それから私もお力を貸しましょう」

皇帝「とんでもない、ロボットとはいえ幼い女の子を戦場に出すなどと」

ドラミ「大丈夫ですよ、こう見えてもお兄ちゃんよりもちょっと優れていますから」と、と、皇帝の制止もそこそこにドラミちゃんも連邦軍とともに乗り込んでいく。

 

一方バトルフィッシュ群から少し後方、数人の黒ずくめの男たちの後ろで悠然と座している女性は迎え討たんとする連邦軍の動きを察知した。

女性「どうやら動いてくれるようね、あの子たちはミーナが足止めしていることだし、そろそろ始めましょう」

指示を出して、黒ずくめの男がモニターのスイッチを押す。バトルフィッシュ軍は一斉に進軍していく。対して連邦軍も戦闘艇を中心に出撃する。その中にはイカのシルビイと何とドラミちゃんが単体で出撃していく。

「お頭、あれはまさか、ドラえもんの妹の」

女性「まさかロボット技術者のドラミ、どうして彼女が」

「ひょ、ひょっとして計画が察知されたんじゃ」

女性「まさか、計画は綿密に組まれたはずよ、あなたたち何かヘマをやらかしたんじゃないの」

「いえ、滅相もない、おれたちも計画の準備のために警戒されずに行動しましたが」

そこに執事の老人が現れて意見を述べる。

「エレナ様、これはやはり彼女がドラえもんの行動を察していた結果だと愚考(へりくだりながら考えを述べること)いたします」

エレナと呼ばれた女性「何ですって、でもあり得るわね、差し当たって彼女をやっつけなさい」

「ははっ」

 

もう一方、一路ムーへと帰還するエルたちは、

ジャイアン「おい、もうちょっとスピードが出ないのか」

ルウ「これが精いっぱいだよ、今パナマを抜けたばかりだから、何せ太平洋は広いからね」

リム「とにかく国のみんなが心配だからね、って、後方に追いかけて来る船が、これってまさか」

のび太「あのお姉さんの船かな」

しずか「お姉さんって、皇帝の姪ごさんのこと」

のび太「あ、そうだった。でも追っかけてくるのは面倒だなあ」

スネ夫「なんかだんだん近づいてくるよ。早く振り切ってよ」

エル「とにかくあちらが仕掛けてこないうちは大丈夫だけど、皇帝の姪ごさんだったらこちらもうかつに手を出せないな」

リム「とにかく全速前進、本国に近づきさえすればこっちのものだから」

のび太(やっぱりエルくんより頼りになるなあ、いやエルくんも頼りになるけど)

 

戻ってムー連邦、バトルフィッシュの攻勢を連邦軍の船とシルビイが応戦していき、その援護もあってドラミちゃんが果敢に攻めていく。まさに手を変え品を変えての大活躍だった。

ドラミ「ちょっときりがないわ、こうなったらちょっと問題があるけど、お願いバギーさん」

と、今まで調整のためドラミちゃんが預かっていたバギーを出して、それに乗ってまた攻めていこうとする。

ドラミ「それじゃあお願いね」

バギー「任セテ下サイどらみサン」

と敵の目の前を突っ込んでいく。

バギー「フンダ、オ前タチノ攻撃ナンカ当タラナイヨ」

しかし敵のビームが車体をかすめる。

ドラミ「もう、ちょっと気を付けて」

バギー「アア、スミマセン」

先輩「おお、ドラミさんが押してくれたぞ。こちらも一気に押し返すぞ」

ロド「はい!」

と、シルビイを中心に先輩たちも進軍していく。そんな折、エルたちの船が近付いてきた。

 

連邦軍の指令室にてエルから通信が入る。

エル「こちらはエル、任務の途中で引き返し申し訳ありません」

長官「おおエルか、詳しいことは聞いている。今ドラえもんくんの妹のドラミくんがことに当たっている」

ドラえもん「ええっ、ドラミが戦っているの、だったら助けないと」

長官「ともかく彼らを退けたらまた任務に戻りたまえ、と言いたいが、こちらも結構やるべきことがあるから、やはりその後だな」

エル「はい、了解しました」

そこにオペレーターの兵士が後方の船に気付く。

「長官、エル隊の船の後方に一隻の船が」

長官「うむ、これも敵の船に違いないな、って、おや皇帝は」

「ああ、先ほどまでここにおられましたが」

 

一方で件の司令船、一連に事態に多少は混乱していった。

エレナ「どうなっているの、まるっきり計画に狂いが生じているんじゃないの」

「お頭、アトランチスに赴いていたエルの船がこちらに近づいて、あとミーナの船もついてきました」

エレナ「何ですっ!?

 

ドラえもん一行も戦場となった海域に駆け付けてきた。

ドラえもん「どうやら間に合ったかな、みんなも戦っているようだし。ああ、ドラミもがんばっているな」

のび太「とにかくドラミちゃんを助けに行こう、あとミーナさんのことどうしよう」

エル「それは僕に任せてって、あれ、小型船が近付いてくるよ」

そこに長官から通信が入る。

長官「大変だ、皇帝が小型船に乗ってそちらに向かっている。まずは援護の方を」

しかし皇帝の船はエル隊の船を素通りしてミーナの船に向かっていく。ミーナの船もそれに気が付き、その進行を止める。

ミーナ「え、何なの、あの船って、まさか、おじ様」

はたしてその船から皇帝が出てきた。もちろんドラミから手渡されたテキオージェルを使って。

皇帝「ミーナ、これ以上はやめなさい、これ以上彼らの計画に加わって世界を乱さんとするのは」

ミーナ「まさかおじ様がこんなところに、でも、どうして」

目の前の皇帝にその動きを止めるミーナ。逃げようにも指先から動かない。皇帝もミーナの船に近づこうとする。もちろんエルたちも皇帝を守らんとよって来る。

エル「さしあたって皇帝を守らなきゃ」

ルウ「あっ、6時の方向(ちょうど真後ろ)に大きな船が」

ジャイアン「なんだって、何で気が付かなかったんだ」

しかしあの司令船が後ろから迫ってきたのだ。しかしその船はエルたちや皇帝には目もくれずにミーナの船を回収していく。こうして一目散に逃げ去っていく司令船。ちょうど差し向けたバトルフィッシュはほぼ撃退されたのだ。

皇帝「ミーナ・・・・・」

そこにエルが近付いてきた。

エル「大丈夫ですか、皇帝」

皇帝「ああ、わたしは大丈夫だよ。まさか君たちも駆けつけてきたとは、いや、ドラミくんが連絡してきたのか」

エル「ともかくムー本国に戻りましょう。いろんなことが起こりましたから、その整理をしないと」

皇帝「うむ、そうだな」

と、皇帝とともにムー本国へと帰還するエルたち一行だった。

 

つづく

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そんなに勉強はイヤなものなのか<本当は怖いドラえもん>

今回は勉強することについての大切さとその反面の面倒くささについて軽く述べたいと思います。

日ごろグータラな生活を送るのび太くんに、ママや先生あたりが「勉強しろ勉強しろ!」と叱りつける。

その「勉強しろ」というくだり、たしかに子供の生活の中で勉強は必要なことだということは、今日びの子供たちでも理解できる。さてその勉強というものはどうやれば良いのか、残念ながら作中で具体的にどうしろというのかは述べられず、ただ「勉強しろ」の一言のみ、たまに勉強に取り掛かるもやはり黙々と取り組むのみ。

要はのび太くんのグータラを戒める。ひいては読者の子供たちにも勉強の重要性を教えようとした。これにつきるだろう。

一概に勉強といえば机の上で教科書や参考書片手に問題を解いたり内容をいくらか覚えたりと、ひとまずはそういった認識ではないだろうか。

それでことあるごとに勉強しろ勉強しろとまくし立てる。それについて今となれば辟易するのも無理ないないだろうが、あの頃はそれでも通じていた。

くり返しながらそれに反してその勉強のしかたはどうすればいいのか。もっともこれも「そういうのは自分で考えろ」と返されるのが当時は関の山だろうが。とはいえ基本的な方法として先に述べたことがらが一番手っ取り早いことだろうけれど。

そこで当時の風潮として勉強についてどうとらわれているかを調べてみたい。

まず昭和30年代の高度経済成長期、まず豊かな生活のために、それがよい仕事、よい企業につくため、そしてそれらがよい大学に入学するためと目的が折れてしまった。

それがマンガ業界にて、勉強ができる子が社会で通用できるという風潮に対して、勉強ができない子でもたくましく生きられることを描いた作品がいくらか発表された。その風潮は後にオバQの正太くん、パーマンのミツオ、そしてのび太くんにも受け継がれた。そもそもダメな子はダメな子なりにしっかり生きているというのがマンガの主題のはずだった。

それが昭和50年代からモノや生活がユタカになった時代に備え、子供であれそれなりの能力を身に付けないと生きてはいけないといった風潮から、ドラえもんにおいてまずはのび太くんから叱ってでも努力を促すといったコンセプトにたどり着いたのだろう。やがては連載中後期から叱られては反発し、やがては自滅、とはいかないまでもズッコケていく。といったシチュエーションが繰り返していき、やがては悪循環に陥っていく。それでもたまには努力の大切さを自覚していくお話もあるけれど。

ともかくもそれらの作品を通じて、本当の意味で勉強や努力の大切さを根気よく教えていくのも大切なことではないだろうか。

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オリジナル大長編:のび太と海底帝国(その4)

皇帝「それでは、くれぐれも気を付けてくれたまえ」

皇帝らの見送りで、エルたちは一路旧アトランチス領へと向かうのだった。

その途上、珍しく考え事をしていたのび太くんに、ルウとリムが近づいてきた。

リム「どうしたの、のび太さん」

のび太「うん、これからアトランチスで鬼岩城のことを調べるというけれど、何やら妙な腹騒ぎ、いや胸騒ぎがするんだよね」

ルウ「ポセイドン亡き今だったら鬼岩城の脅威はないはずだけど」

リム「ともかくその鬼岩城が本当に復活するのか。もし復活するならそれを止めるのが当面の目的だからね」

のび太「うん、本当は戦いはイヤだけど、世界のためにやらなきゃならないのは僕もわかってるよ」

そこにエルが顔を出してきた。

エル「とにかく旧アトランチス領まで行けばすべてが分かるよ」

のび太「あれエルくん、操縦の方はどうしたの」

エル「船は自動操縦に切り替えているよ。目的地まで時間はあるからね、さあそれまで一休みしよう」

のび太「なんだか前よりのんびりとしているね」

ルウ「父さんを目指してがんばっていたからね。本当はちょっとのんきなところがあるんだ」

のび太「うーん、ちょっと大丈夫、かなあ」

ともあれ、潜水艇は一路旧鬼岩城へと向かう。しかしドラえもんが血相を変えて飛び出してきた。

ドラえもん「た、た、たいへんだ、今ムー連邦が何者かに襲われてるって」

エル「何だって、それはどういうことなんだ」

ドラえもん「うん、実はドラミって、僕の妹が、連絡してきたんだ」

ルウ「どうしよう、今は鬼岩城の跡地を調べなきゃいけないのに」

リム「本国にはロドたちが守っているし、いざとなればシルビイもいるから」

エル「でも、こっちの方が陽動、つまりひきつけるおとりってこともあるな。よし、鬼岩城のほうは後回しにして、今から目の前の危機に向かおう」

というわけで、エルたちは当初の作戦を変更し、一路ムー本国へと逆戻りと相成った。しかし急ぎ足で戻る潜水艇を追いかける船があった。

ミーナ「ちょっと、いきなり逆戻りなんて聞いていないわよ、待ちなさい!」

それはアトランチスのミーナの船だったのだ。

 

一方、ムー本国のレムリアでは先輩と一緒にロドがパトロールにあたっていた。

ロド「しかしエルの奴、今ごろ元気でやってるかな」

先輩「ほら、前がお留守だぞ。無駄口たたいていないで集中しろ」

たしなめてから先輩が続ける。

先輩「エルだったら大丈夫だろう。あいつもリムやルウがいるからな」

ロド「そうですねえ」

と、ロドがモニターに目を向ける。そこには、巨大な魚らしきもの、間違いなく鬼岩城のバトルフィッシュの大群だった。

ロド「なに、これはまさか、バトルフィッシュ!?

先輩「ばかな、鬼岩城はたしかに滅んだはずだ」

ロド「どどどうしましょう先輩」

先輩「どうもこうもない、ここは逃げるしかない」

と、巡視艇は逃げるように本部へと帰還する。その際本部にはバトルフィッシュ襲来の報せが届けられる。

本部では高官の一人が長官にことの次第を問いただす。

高官「鬼岩城は滅んだのではなかったのかね」

長官「それについてはエルたちに調べさせていましたが、まさかこのようなことになろうとは」

本部のモニターにはバトルフィッシュの群れが近づいてくるのが映し出される。

長官「ともかく、我々も全力で対処いたします。皆さまには市民の安全の確保を」

レムリア市内では市民が避難していた。その中でエルの母が誘導にあたっていた。

母「みんな落ち着いて、まだ間に合うからゆっくり避難するんだ」

さらには官邸内では大イカのシルビイが興奮して今にも暴れんとし、守衛の兵士が押さえ付けんとしていた。

「こらシルビイ、頼むから落ち着いてくれ」

これらの異変を察し、首相が司令部に駆け付けた。

長官「ああ、参られましたか、首相」

首相「うむ、まさかアトランチスの残党が、この機に乗じて攻めてきたというのか」

「・・・これは言い訳かも知れませんが、これは我がアトランチス本国には何ら関わりがありません」

首相の背後から呼び掛けたのは、アトランチスの皇帝だった。

首相「何者かね、いや、あなたは!?

皇帝「ムー連邦の首相ですね、わたしがアトランチス帝国の皇帝、ラ・グラースです」

首相「信じられない、まさかこのような場所にアトランチスの皇帝が」

ドラミ「はい、この人は間違いなくアトランチスの皇帝です。私がここまでお招きしました」

さらには何とドラミちゃんが現れた。

首相「君はまさか、ドラえもんくんと同じ」

ドラミ「はい、私はドラえもんの妹のドラミです」

 

つづく

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