アニメ・コミック

スケバン刑事・ネクストジェネレーション(後編)

さてみなさん、今回のホームページ更新は、スケバン刑事・ネクストジェネレーションの後編をお送りいたします。
学園生活を送るサキたちにいよいよ敵の魔の手が迫りつつある中、かつての仲間の美鈴から手渡されたあのヨーヨーを受け取り、自らの宿命に想いを致し、戦いの路へと身を投じる。
そもそも少女漫画ながら少年漫画のノリで描かれた原作に多少のファンタジーの要素を込めて考えたこのお話を組んだものでしたが、まあそれなりに原作のテイストを尊重した作りとなったと思い、ひとまずの一読となれば幸いに思います。それでは、ごゆっくり。
 
ちなみに指定ページの行き方は、ホームページから
ENTER>マンガ、ノベルス>スケバン刑事
となっております。

| | コメント (0)

マンガレビュー:熱笑!花沢高校

さてみなさん、今回のホームページ更新は、久しぶりのマンガレビューということで、かつての少年チャンピオンの名作『熱笑!花沢高校』のレビューをお送りいたします。
これはかつて『スケバン刑事』の記事を書いていたうちに花沢のことも気になり、あらためて古本屋等で読み返した後に形となり、あとスケジュールの関係でここにお送りする運びとなりました。それでは、ごゆっくり。
 
ちなみに指定ページの行き方は、ホームページから
ENTER>マンガ・ノベルズ
となっております。

| | コメント (0)

スレイヤーズ新作、ですか

さてみなさん、90年代のアニメ作品で編者的にはかのエヴァンゲリオンと双璧を成すであろうスレイヤーズが新たなシリーズで再登場する運びとなりました。
スレイヤーズといえば、女魔導士リナ=インバースが仲間たちと冒険を繰り広げる王道ファンタジーとなっている。そういえばそのスレイヤーズは二つの異なるストーリーが独立して展開していた感があるけれど、今回のシリーズで関わるのか否かは今回もひとまずの興味はある。それについても今後の展開を待ちたいと思います。

| | コメント (0)

クリエイターの執念とは:荻野真センセイ編

さてみなさん、先日のニュースでもご存じの方もおられるでしょうが、『孔雀王』でも有名な荻野真センセイがお亡くなりになられました。先年黒岩センセイとその前の国友センセイの訃報に続いて編者自身もまさかと思いつつ、急きょキーをたたく次第となりました。
荻野真センセイといえば先述の孔雀王を子供の頃に立ち読みながらも、その幻想的な世界観とおどろおどろしいながらもその迫力にも魅了されたもので、何よりキャラクターの阿修羅や月読等の女の子には甘酸っぱい想いを抱き、そして映像メディアはアニメや実写映画とひとかどのムーブメントを巻き起こしたものでした。その後続編のシリーズがひとまず続いた末の今回の訃報ということでしたが。
一方で他の作品も結構魅力的な作品ぞろいで、ことに夜叉鴉、その内容は割愛するとしてもある意味荻野センセイの最高傑作といえるものでした。
ともかくも日本漫画の一時代を築いた荻野センセイ。本当にお疲れさまでした。ここにセンセイのご冥福を心よりお祈り申し上げます。本当にありがとうございます。

| | コメント (0)

ムーミン新作アニメ、ですか

さてみなさん、最近HNKBS4Kにおいてムーミンのアニメが放映される運びとなりましたが。
そのムーミンといえば、作者のトーベヤンソン女史の故郷フィンランドをベースに北欧のどこかにあるムーミン谷の妖精ムーミンが谷の自然を舞台に仲間たちとの交流、時には冒険を繰り広げる物語が人々の共感を呼び、日本でも二度アニメ化したことがあり、今では子供から大人までも愛される作品として知られております。
最近では埼玉でもテーマパークが開かれたこともあり、その人気が再燃したかと思ったら今回のSGアニメの放映の放映も関連していることでしょうか。ところで番組の媒体が4Kということもあり、やはり見る方を選ぶかもしれませんが、編者としてもいずれ観る機会を得たいとは思っております。はたしてムーミンとその仲間たちはどのような冒険と活躍を見せてくれるかを見守っていきましょう。

| | コメント (0)

スター☆トゥインクルプリキュア、ですか

さてみなさん、いよいよ来月、HUGっとの後番組としてのプリキュア新作『スター☆トゥインクルプリキュア』が放映される運びとなりました。

今回のテーマはスターなだけに宇宙。メンバーの一人が宇宙からのお友達。それにともなって宇宙からの脅威に立ち向かうといったところか。

元来プリキュアも女の子たちを中心にスター若しくはアイドル的な存在なので、これも楽しみな要素といったところか。

ともかくもまさに新しい時代に向けて星々の海に乗り出す彼女たちの活躍を見守っていきたいと思うけれど。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

銀英伝オリジナル・真ヴァーリモント氏放浪記(その6・最終回)

さまざまな人の思惑とともにヴァーリモント白書が刊行されて後も、帝国内外では様ざっまな事件が起こる。

皇帝行幸における襲撃事件に端を発したミッターマイヤー、ロイエンタールの双璧の争乱。

「まさかロイエンタール元帥が謀反を引き起こすとは、彼なりの思惑があれ、これもまた裏に何かありそうだ」

「これはかのヤン提督の事件とも関連があるかもしれませんが」

この時点でもはや監視員も進んでヴァーリモントの事業に協力を惜しまなくなった。はじめ利害の一致もあるが、ことに民政省の保護を陰ながら受けているのも大きいだろう。

続いてユリアン率いるイゼルローン軍との軍事衝突をはじめ新領土各地で頻発する動乱。

「やはり事を構えんとするのか、ミンツ中尉。しかしあまりにも急すぎやしないか」

「やはり、共和主義者との迎合、いえ、民主主義への捨て石になるつもりでしょうか」

ハーゼもまた、彼の事業を通じて、民主主義、ひいては人民のための政治について深く考えるようになる。

そして迎えたオーベルシュタイン元帥のハイネセン出向における旧同盟高官及び軍首脳の大量収監事件、いわゆる“オーベルシュタインの草刈り”事件。

「大変です、先生」

「どうしたね、ハーゼ君」

「ハイネセンにおいて旧同盟の元官僚が多数収監されているとのことです」

「そうか、いよいよ来るべき時が来たようだ。今まで旧同盟の官僚で帝国に恭順の意を示したものは幾人か召し抱えられたと聞く。その反面、恭順ならざるものをこの際に排除せんとするか、いや・・・・・」

ヴァーリモントはやや考えつつも一つの考えに思い立つ。

「もしかすれば、これはイゼルローンに揺さぶりをかけ、大きな譲歩を取ることを目的とするか。その反面、いずれかの路を進むか決めかねている市民は、いずれに形であれ皇帝への忠誠を示し、帝国の支配を享受するだろう。いずれにしても彼らには些細なることだろうが」

その後に彼ら、ハイネセン市民には些細ならざる災難が降りかかるものだが。それはさておきヴァーリモント本人にも何かしらの影響が訪れるのは必定だろうと踏んでいるのだが。

「ことなんてどう転ぶか分からないからな、ここはケスラー総監とブラッケ閣下の良識に委ねて待つとしよう」

こうして当面は機をうかがうべく傍観を決めることとなる。

そしてその機は、ほどなく一台の地上車がヴァーリモント邸を訪れたことから始まる。

「やはり、来たようです」

地上車から数人の兵士が降り、続いて一人の官僚が降りてきた。

「やはり来たか、おそらくこの私に用があろうが」

「ど、どうしましょう、先生」

軽い動揺を覚えるハーゼに、ヴァーリモントが言いつける。

「見苦しい様を見せてはならないハーゼ君。君も帝国の人民なれば政府も無碍にはしないだろう。たしかに私は純粋な人民ではないだろうが」

そして傍らの娘を呼び出し、そっと腕で抱きしめる。

「お父さんはちょっと出かけてくるから、それまでお母様とモーリッツお兄様の言うことをよく聞くのだよ」

「はい、お父様」

おそらく幼い娘は今回の事態を理解していないのだが。

その二人のやり取りの間、その官僚、民生尚書ブラッケが兵士たちに武装を解くよう指示し、いよいよ屋内へと足を踏み入れる。

テレーズの招きで彼の自室へと足を踏み入れるブラッケらに、ヴァーリモントは敬礼で迎え入れる。

「元自由惑星同盟少尉、フランツ・ヴァーリモントです」

「銀河帝国民生尚書、カール・ブラッケです」

一礼で応えるブラッケは、あらためてヴァーリモントに首都星フェザーンへと赴くように要請する。

「御意のままに、ですが、妻と娘、そしてそこにいるモーリッツ・フォン・ハーゼ君はそもそも帝国の人民、彼らに対しての生活の保障を・・・・・」

「いえ、できれば少尉どのと同じく彼らも赴いてもらいたいのです。その報がこれから卿のお仕事もしやすいでしょうから」

「なんと、そうなのですか」

驚きとともに安堵の表情を見せる続いてハーゼの方に向けて告げる。

「それにハーゼ君、卿の不遇は陛下から告げられたところです。私のはからいで政府の職に就くよう取り計らいますが」

「ありがたい仰せですが、今は小なりといえど先生のもとで帝国の人民のために働けることに喜びを覚えております。申し訳ありませんが」

「そうですか、これはお節介が過ぎたようでしたな」

お互い軽い笑みを浮かべて言葉を交わす。

こうしてヴァーリモント一家とハーゼ、そして今やお目付け役となった監視員の一行はフェザーンへと赴き、そこで民政省の預かりとなる。

送迎用の巡航艦にてフェザーンへの途上、ヴァーリモントはこれからの行動について思いを致す。

「これからが本当の勝負だ。ブラッケ尚書閣下の招きで民政省の預かりとなるはいい。その先皇帝陛下はともかく、軍務尚書との政治上の駆け引きもしなければならない。かの御仁は人民を国家の計に組みこまんためにも利用せんとするだろう。俺は小なりとそれを制しなければならない。これは今まで以上の事業となすだろう、そして俺自身の命も。いやそれこそが本望ではないか。ともすれば帝国の政治が皇帝のみではなく人民の手に委ねられれば。俺自身がその一助となれば」

「・・・お父様、また考え事・・・・・」

そこに娘が寄り添ってきた。

「ああ、新しいお仕事についてちょっと考えていたんだ。大丈夫だよ、あまり無茶は、しないさ」

娘を傍らに抱き寄せ、テレーズとハーゼらに見守られつつ、ヴァーリモントはしっかり前を見据える。その先に遥かフェザーンがあるかのごとく。

 

その後民政省の一室に仕事場を構えつつ、帝国人民のために力を尽くすヴァーリモント。今後オーベルシュタインとの衝突が予想されたが、皇帝崩御に前後して彼もまた退場することとなり、また他の提督、官僚も彼に好意的なこともあり、後に民政次官にまで栄達する。

そして後世、彼はローエングラム王朝における“最初の帝国人民”ユリアンと並ぶ“民主主義中興の祖”と呼ばれ、永くその名が刻まれることとなる。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

スケバン刑事・ネクストジェネレーション(中編)

さてみなさん、今回のホームページ更新は、スケバン刑事・ネクストジェネレーションの第2話をお送りいたします。

日本に移り学園生活を送るサキのもと、かつての仲間と新たなる仲間との交流を通じ、新たなる戦乱の予感もじわじわと影を落とす。その様をここにお送りできればと思います。それでは、ごゆっくり。

 

ちなみに指定ページの行き方は、ホームページから

ENTER>マンガ・ノベルス>スケバン刑事

となっております。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

銀英伝オリジナル・真ヴァーリモント氏放浪記(その5補足)

フェザーンに到着してからのクラインゲルト子爵嫡孫カールはここ数日不安の極みにあった。

アムリッツァ、リップシュタット両戦役を経て母子ともつつまじく生活をしていた後、遷都後新設される運びとなる幼年学校に入学する運びとなる。

その際に母親の縁からケスラーが後見人となり、宇宙港にて迎え入れられたが、向かった先は憲兵隊本部で、その圧迫感を受けつつも駆けつけた副官から、皇帝がカールを伴って出頭するようにと告げられたからだ。

後日、カールはケスラーとともに仮皇宮へと向かう。

「そう怯えることもなかろうカール、陛下もお熱いところもあるが公明なお方だ。もし陛下のご癇気あらば私がすべて受けよう」

とケスラーになだめられるままに皇帝の執務室へと差し掛かる。

「ウルリッヒ・ケスラー、カール・フォン・クラインゲルト、入ります」

ケスラーが告げる。中では皇帝が長椅子に座していた。

「よく来てくれた、カール・・・ところでケスラー、予に何か言いたそうな面持ちだが・・・・・」

ラインハルトの問いにケスラーとカールはひざまづく。カールの方はややぎこちない感もした。

「はっ、先日の陛下の召集に応じず、私用を優先させたること。ひとえにこのケスラーの責に帰することなれば・・・・・」

ラインハルトは了承の意を込めて、手を上げケスラーの言を止める。その際カールに軽い怯えの表情が顕れた。

「白書の件は副官に伝えた通りだ。卿が陳謝するまでもなかろう。そういえば聞き忘れたことだが、あの白書について検閲や修正は行われたか」

「いえ、私からは何も、ただ監視の者が何やらか言ったことは聞き及んでおりますが」

「そうか・・・・・」

事実上の無検閲、無修正での発刊である。ラインハルトもそのことを了承した。

その上で、ラインハルトはカールに澄んだ笑顔で向き直る。

「さてカールよ・・・・・」

「は、はい・・・・・!」

「ようやく本題に入れるな。さしあたり向かいにかけるがいい」

ラインハルトに勧められカールがケスラーとともに向かいの席に座る。早速ラインハルトが話を切り出す。

「ところで、子爵どのはご壮健かな」

「・・・はい、リップシュタット戦役から程なくして、病に倒れ・・・・・」

「亡くなられたの!?

ラインハルトの驚きにカールも多少怯えつつ応える。

「は、はい、遺言によって、葬儀は家族のみで、行おうとしましたが、領民の方が、こぞって集まり、途中私たちが、場を離れましたが、弔問に訪れた人々が、深夜まで、続いた、ものでした・・・・・」

カールの言葉が詰まったのを見計らってかラインハルトも重くうなずき了承の意を伝える。

「うむ、これほど領民に慕われたのだ。そういえば予に恭順の意を伝え戦役の直後自らの特権を明け渡したとか。予もお悼み申さねばな。とはいえ予も忙しき身ゆえ、御母堂あてに親書の形でお送りするが、それでよいか」

「はい、ありがとうございます」

感謝の言葉とともに、カールのぎこちなさはいくらかほぐれたとラインハルトは感じられた。

その後もカールとの会話をラインハルトは楽しんだ。ラインハルトとしてもカールはあたかも春風に怯える子犬のごとく自分を畏れていることは承知のことであり、それをなだめつつよくよく導いていく。やがては宮内尚書が公務の時間を告げ、会話の終了を惜しむかのごとく席を立たんとする。ふと何やらの考えがラインハルトの脳裏をよぎり、あらためてカールに語り掛ける。

「カールよ、ゴールデンバウム王朝はいざ知らず、このローエングラム王朝にては貴族の爵位などもはや飾りに過ぎぬことは知っていよう」

「存じて、おります」

「ゆえに貴族の特権など望むべくはないが、それも承知であろうな」

「はい、承知しております。それゆえに、私もこの帝国の、一人民として・・・・・」

カールの応えに明快さを覚え、ラインハルトも心地よき口調でそれに応える

「よろしい、カール・フォン・クラインゲルトよ、このラインハルト・フォン・ローエングラムの名において、そなたのクラインゲルト子爵家の家督相続を許そう。ただし、正式な子爵位授与はそなたが20歳を迎えた時とする」

「はっ、ありがとうございます」

カールもケスラーとともに一礼をもってラインハルトを見送る。

こうしてカールはクラインゲルト家の家督と子爵位を受け継ぐことになった。正式な子爵位の授与はラインハルトの生きている間にはなされなかったが、ともかくもカールが二十歳になってそれは果たされたのだった。その後クラインゲルト子爵となったカールは、領内を中心に大小さまざまな事業に従事し、帝国の一人民としてその発展に貢献したとか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

銀英伝オリジナル・真ヴァーリモント放浪記(その5)

各提督の思惑とともに読まれた『ヴァーリモント白書』

いくつもの偶然もあって、ついにはラインハルトのもとにも届けられた。

以前より件の旧同盟の一士官のことは耳にしており、ひとまずは憲兵隊の監視を付ければ良しとした。それが今後の帝国のためとまとめられたこの白書が手に渡ったからにはひとまず読んでみようとおもむろにページを開くのだった。

冒頭の「親愛なる皇帝陛下に捧ぐ」の一文に「ふん」の一言を発しつつ読み始める。

「小生こと、元自由惑星同盟軍少尉、今は帝国辺境部の一人民たるフランツ=ヴァーリモント・・・・・」

まず自分の素性を明かし、アムリッツァの焦土作戦にてのいきさつを述べることについて、先のメックリンガーが評したようにいささか飾ることなく、それでいて怨み言を述べるわけでもないその文に、いつのまにかラインハルト自身も読み入ってしまったのだ。

そのうちにとある一文がラインハルトの目と心をとらえた。

「・・・キルヒアイス、シュタインメッツ両提督亡きあと、小生ごとき一人民が畏れながら陛下をお諌めすること憚り多きことなれど・・・・・」

「予を諌めるだと・・・・・!」

一瞬、激しかけたラインハルトだったが、直後自らを恥じつつ冷静さを取り戻した。しばらくの熟考の末、ラインハルトが口にしたのはまた別のことだった。

「何故シュタインメッツが俺を諌めたことを、彼は知っていたのだ?」

それはラインハルトが第四次ティアマト会戦において血気にはやり突出しようとしたところ、当時ブリュンヒルト艦長だったシュタインメッツが諌めたことをさしていた。

ラインハルトはシュタインメッツの実直さに感銘を受け、辺境守備の任にあった彼を改めて提督の列に加え、彼もまたその恩に応えその命を捧げたのだ。

さておき先の自問は容易に答えを得た。おそらくシュタインメッツはその辺境守備の任にあった中、くしくもかのヴァーリモントと知己を得たのだろう。

たとえキルヒアイスのみが著されたとしても激昂の時間が少し長くなるだけで、最後は心の中でキルヒアイスに諫められるだろうと踏むのだった。

そんないきさつもあり、最大の懸案であった、かつてのヴェスターラントの件はやや抑えた表現ながらも最後の責任はやはりラインハルト自身に帰することをも示唆していった。こればかりは素直に受け入れられる気がした。

いずれにせよヴァーリモントが人民の声を代表し自らに伝えようとする限り、自らもできうる限り応えねばならない。

そのうちにラインハルトは卓上のTV電話に手をかけ、シュトライトに支持を与える。

「・・・ケスラーとブラッケ民生尚書に出頭するよう伝えてくれ」

しかし直後、ケスラーの副官がラインハルトに応対を求めた。

「畏れながら陛下、ケスラー閣下はいま憲兵本部を外し、宇宙港に赴いております」

「何、ケスラーは出られぬのか」

軽く驚きながらも、ラインハルトは事情を問う。

「はっ、古くからの友人を迎えるとか。直ちにお呼びいたしますゆえ・・・・・」

「いや、要件についてはケスラー自身も知っていよう、代わりに卿が出頭するがいい」

「は、ぎ、御意・・・・・!」

副官の返答と同じくして、ラインハルトにふと一つの疑問が浮かんだ。

「待て、ケスラーに友人がいると聞いたが、それは一体どういった者なのか」

「はっ、たしか旧クラインゲルト子爵領より、この度フェザーンに開校する幼年学校に入学をすることと相成り、迎えに上がるとのことですが」

副官の言にラインハルトも一考の後に一言告げる。

「そうか、今の件の後で、その友人とやらに会ってみたい。後でケスラーに取り次いでくれ」

「はっ!」

というわけで、その副官と、ブラッケが執務室に呼ばれた。

執務室にてラインハルトは机上に一冊の本を差し出す。それはかねてから民政省にとっても懸案だった書だった。

「この本は、まさか」

「そう、かのヴァーリモント白書だ、不遜ではあるが不快ではない。まして不敬ということもなかろう」

最後の言葉に重きを置いていたことは二人の耳にも響き渡る。

「この書を著した、フランツ=ヴァーリモントとやらの処遇について、予の見解を伝える。今後も憲兵隊の監視を続けるとして、今後彼の身元は民政省の預かりとし、以後はブラッケの指示に従うよう」

「御意」

そしてその一言も付け加える。

「重ねて申しておくが、彼に確かなる叛意を認めぬ限り、彼に類を及ぼしてはならぬ。彼が人民のために働くと言うのであれば、できうる限り応えてやろうではないか」

「はっ」

ブラッケ尚書と副官はほぼ同時に応答し、異常を皇帝の要件として退出する。ブラッケは後日今後の方針を憲兵総監と話し合うこととして、ケスラーの代理として出頭した副官はラインハルトの要件を帰還したケスラーに伝える。地上車にて要件を伝えられたケスラーの傍らには少し怯えた表情のクラインゲルト子爵の孫カールが座っていた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧