月刊ストロングワーズ新世界編(創作):24年度6月号(特別編1)
さてみなさん、今回のストロングワーズはいよいよストーリーも佳境に入ったこともあり、ストーリー上の世界観に関わる重要なメッセージをこの記事を借りてお送りする運びとなりました。そんな今回、本文より前に解説からお送りしましょう。
まずは掲載するストーリー
第1113話:STALEMATE
第1114話:イカロスの翼
第1115話:大陸の断片
にかけて、致命傷を負ったベガパンクと共にエッグヘッド全土から世界各地に配信されたメッセージ。それが世界の根幹―ことに空白の100年とそれに関する事項が語られ、それが故にそれを知らされることを危惧した世界政府の最高権力・五老星がその全貌を現しつつ麦わらの一味に襲い掛かる、その間にも流れるベガパンクのメッセージをお送りしたい。それでは、ごゆっくり。
「よし!では・・・改めて、配信を始める!!
私は―二つの罪を犯した。
したがって捕まるか打ち首か・・・・・!!この映像は私の「心肺停止」と共に配信されるようプログラムするつもりじゃ。
これをしっかり理解して聞いて欲しい。私を裁く者達が誰であれ、それが“悪”と説きたいわけではない。
―私は善悪を論じない。そうできる程・・・“彼”について・・・わかっていないのだ。
これより話す事はあまりに信じ難く、失笑を買うかも知れない。
じゃが・・・・・皆には知っておく権利がある。
結論から話そうか・・・・・!!!
この世界は、海に沈む!!!
私にとって少し未来の話になるが・・・
―この映像を撮り終えた後日・・・私の作った“センサー”と計算が正しければ、全世界を覆う異例の地震が起きる筈!!
それに伴い―各地の海面は約1m上昇し、人の住めぬ様になる島も出るじゃろう。世界中の浜辺(ビーチ)の消失も避けられぬ。
―もしこれが外れていたならば、この先の話は聞き流して構わん・・・・・
―しかしそれがもし起きたなら・・・・・私の話をよく聞いて欲しい!!
―その自身は「自然災害」とは、言い切れぬ現象なのだ。
―私はまがりなりにも平和を望んだ・・・
―しかしこれが一つ目の私の罪。永遠のエネルギーを夢見た・・・この世界を、大きく未来へ進めたい一心で・・・!!
私は「太陽」に・・・・・!!近づきすぎてしまった。
順を追って説明しよう・・・・・この世界に、何が起きようとしているのか、
―今より約900年前から800年前にかけての100年間の話じゃ。実はそこにぽっかりと白紙になった歴史がある・・・・・
―これを「空白の100年」と呼びその記憶はすべてかき消されている。―その途切れた歴史を知る術は・・・
世界中にひっそりと点在する「歴史の本文(ポーネグリフ)」と呼ばれる過去からの“手紙”を、読み解くしかないのだ・・・!!
―しかし歴史の本文の解読は「世界政府」により、固く禁じられているのじゃが・・・・・私は政府の人間でありながら、そこへ踏み込んでしまった・・・これが・・・二つ目の罪。
ある優秀な考古学者達の執念によって、受け継がれた文献といくつかの“歴史の本文”を私は解読し、可能な限りの研究を進めてきた・・・後悔などありはしない!!
歴史とは物語である―
―つまり私が知るのは、不完全な100年間の物語・・・!!
―それを私の想像で補って話すわけにはいかんが、判明した真実のみをここに言い渡す・・・!!
この物語の主人公は・・・・・900年前にあるまじき高度な文明を持つ王国に生まれ―まるでエルハブに伝わる“太陽の神”ニカのように伸縮する体で戦ったという男・・・彼の名は“ジョイボーイ”この海で初めて“海賊”と呼ばれた男じゃ!!!
―彼が何ゆえに“海賊”と呼ばれたのか、私の呼んだ歴史の本文はわずかじゃが・・・!!
―そこに記されていたのは、とてつもなく「巨大な戦い」の記録であった。ジョイボーイの敵は・・・現在の「世界政府」!!
正確には「世界政府」樹立前の前身、20の王国の臨時共同体・・・「連合軍」である!!
―そうしなければならん程“ジョイボーイ”の一団は堅固であったとも言える・・・!!
―そしてその戦いの“火種”がわからぬ以上善悪でなく“2つの思想”がぶつかったと言っておく。先に触れたがジョイボーイの生まれた王国は900年前と思えぬ程、驚異的に文明が発達した国だったと分かった。
この100年の戦争中に実在した「兵器」は、現代の科学力をもってしても作り得ない代物であった様だ。無論天才の私をもってしてもじゃ・・・・・!!
問題は・・・そこにある!!!
“空白の100年”は・・・・・!!ジョイボーイの敗北によって幕を下ろした・・・
その終焉は・・・・・!!取り返しがつかぬ程の巨大な、戦争の爪跡を残して・・・・・!!!
世界とは島と島を行き来するもの、航海は困難で自国の文化しか知らず一生を終える者も少なくない・・・!!
この我々が持つ常識は・・・千年前の世界には当てはまらぬ・・・・・!!“空白の100年”の中に起きた“天変地異”によって・・・世界は一度海に沈んだのだ!!!我々は今かつての”大陸の断片“の上に暮らしておるのじゃ!!!
千年前の世界は今・・・見る影もなく海底に沈んでおる!!!
大昔・・・世界には我々の知る由もない、いくつかの「大陸」があったと考えられる。
―もし過去と何も変わらぬ世界なら・・・100年分の歴史を、世界の記憶から消す事など不可能なことじゃが・・・くしくもこれなら腑に落ちる。わずか100年間での海面上昇幅は実に・・・200m!!!
―なぜその100年間に“海面上昇”は起きたのか、勿論不意の自然災害と考えるのが理所当然じゃが・・・・・私はこれを「人為的災害」と断言する!!!
これだけの“天変地異”を巻き起こしたのが自然ならば・・・その“初期災害”が数百年単位で永続的な被害を世界にもたらして然るべき!!
気候学・地質学・環境科学・大気科学全ての側面から計測しても、たった100年の収まる様な変動ではないのじゃ!!!
ならば原因は他にある。先日の世界規模の海面上昇を感知した時、私は確信した・・その“原因”と“実在”を・・・!!!
800年前に世界を海に沈めた「古代兵器」は、今なお現存し!!それらは再び軌道の時を待っておるのじゃ・・・!!
つまり―“空白の100年”起きた“巨大な戦い”は・・・・・
まだ・・・終わってはおらんのだ!!!
というわけで、ベガパンクのメッセージはこの時点ではまだ途中ですが、続きはまた来月にお送りする運びとなり、そのメッセージから何が語られるか、そして何をもたらすかを追って見守っていきたい。
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