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第2話:土臭い鉄屑たち(その2)<ビルドダイバーズ番外編その2・サンプラの反乱>

さてみなさん、今回のダイバーズ番外編はサンプラの反乱・土臭い鉄屑たちその2をお送りいたします。ヒロトたち新ダイバーズにも彼のサンプラ、まあ察しがいい方ならひとまず読みやすいものでしょうが、ちょっと分かりづらい方でも“ガンプラ以外の謎の機体”とひとまず理解できれば読めるかもしれませんのでこれもご理解のほどを。
さておきヒロトたちのサンプラ、ことに新たに加わったヒナタとサンプラの一人との対戦で意外な関わりを見せてくれることでしょう。はたしてその展開やいかにといったところで、それでは、ごゆっくり。

なお前回までのストーリーはこちら、

第1話:異形の機体たち接触編

(その1)

(その2)

(その3)

第2話:土臭い鉄屑たち

(その1)

といったところになります。あらためてごゆっくり。

「でも大丈夫かなあ、ヒロトさんはともかくヒナタさんは」
「一応大丈夫だけど、あいつらの特訓は受けたつもりだから」
先に明言したとおり、戦闘イベント等の参加は極力見合わせていたヒナタだったが、いざという時に備えて通常の弓道の練習と並行してカザミの旧友たるゴジョウらとの戦闘訓練を積んでいたのだ。
カザミの場合はいつも通りに軽くあしらわれ気味だが、ヒナタの場合手取り足取りと戦い方を教えているのだ。
ともかくもヒナタもよくよく渡り合い、鉄屑と戦い抜いていく。
使用する武器が武器なだけに、一見すると粗野なイメージを抱く“鉄屑”だが、構えそのものは武道の型に沿ったもの、ことに本格的な剣道には見覚えがあり、その戦い方にヒナタも次第に呑み込まれつつあるのだった。
それはヒロト、カザミも同様で、“青”も“緑”もそれぞれ白兵戦にては制式の武道の型で戦っていて、ヒロトたちもそれにならって応戦する。
「なあヒロト、これってやっぱサムライの戦いじゃないのか」
「たしかに、彼らの戦いに乗せられていくのも間違いはないが」
「だが、こういうのも悪くないな」
背中合わせで対峙するヒロトとカザミ、あらためて“青”と“緑”に立ち向う。こうしてヒナタと“鉄屑”、ヒロト、カザミと“青”と“緑”のぶつかり合いが繰り広げられていく。
「流石だな、ヒナタ君、よくよく戦い抜いてるじゃないか、俺としてもたかだか趣味とは甘くは見られないこういうのはむしろ好きな方だ」
「やっぱり、そうだったんですね。でも今はこの戦いに専念することにします」
そして“青”とヒロトも、
「俺たちのやり方も正しくないかもしれない。だがせめて戦いなら正々堂々といかねばと思ってな」
「だから武道の型でってところか、幸い俺としても心当たりあったから何とか戦えたな」
どれくらい戦いが繰り広げられたか、誰かが発したかも定かではなく、その時は告げられた。
「どうやらここらで潮時のようだ、それでは我々も失礼しようか」
“鉄屑”の言葉とともに“青”と“緑”、そしてメイたちに対した、どちらかというとひとまず押し返されつつあるサンプラたちも退きはじめる。
こうしてヒロトたちにとっても土臭い、それでいて戦いがいがあった戦いは幕を閉じたのだった。
「なあヒロト、結局サンプラの戦いといってもそれなり真剣に戦えたんだよな」
「そうだな、それでも先の連中と同じくそれなりに信念を持っていたんだ」
「そういえばヒナタはあの機体の奴のことを知ってたんじゃないのか」
それぞれの感慨とともにメイの懸念を伝えられ、ひとまず平静にヒナタが応える。
「はい、弓道部の先生はいろいろ武道をたしなんでいる人と親交があって、私もその人の型を見たことがあって」
「それであの機体と渡り合えたのか」
「私もここまでいけたのが信じられなかったけど」
「おーい、大丈夫かー」
そこにゴジョウらが駆けつけた。実はエルドアの件を知り、カザミの訓練を通じて新ダイバーズとは親交を深めていたのだ。

「今回も災難だったな」
「まあ、落ち着いて考えりゃそんな災難ってわけじゃねえけど」
多少の疲労困憊の色を見せつつもカザミが応え、クジョウはヒロトたちを労う。
先に述べた通り“事件”の後で新ダイバーズとメンバー単位でいろいろ世話を焼き、今回のサンプラ問題に関してもキョウヤからも頼まれつつも手助けをせんとしたのだ。
「あらためて力を見極められるのは悪くはないけど」
「ヒロトたちがあの人たちをはじめ周りからも一目置かれているなら、私たちも甘えがあるかもしれない」
ヒナタの現にパル、メイ、フレディがうなずく。さらにフレディの傍らには小型の機体に変化したヒトツメも了承の意を伝える。
「規模としてはやっぱり小さくはないけど、それでも脅威ってものじゃないかな」
その後いくらかの談笑の後、今後の動向を見守ることでひとまずの解散となったヒロトたち。
GBNの高位ランカーたちもいずれはサンプラたちの挑戦を受けることになろう。
しかし彼らの大半は半ばネットの治安維持に力を注ぐ一方で、とある一人の少年に気を使っていたのだ。

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