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第3話:先輩たちの戦い(その1)<ビルドダイバーズ番外編その2・サンプラの反乱>

さてみなさん、今回のビルドダイバーズ番外編は、新たなストーリー、先輩たちの闘いその1をお送りいたします。メタバースの主人公たるリオが、さらに腕を上げんと高位ランカーたる先輩の指導を受けんとするところ、彼のサンプラの群れが襲来し、リオもまた巻き込まれんとしています。はたしていかなる戦いが繰り広げられるのか、といったところで、それでは、ごゆっくり。

なお前回までのストーリーはこちら、

第1話:異形の機体たち接触編

(その1)

(その2)

(その3)

第2話:土臭い鉄屑たち

(その1)

(その2)

といったところになります。あらためてごゆっくり。


ホウジョウ・リオ
ハワイ在住の個人ダイバーとして、デビューに伴い厄介になっているショップの店員で、かつての高位ランカーながら、訳あってGBNから離れていたセリアに師事してその腕をみがいていた。
そんな折、セリアと対立してきた同じ高位ランカーのマリアと対峙、ひとまずの説諭でその対立を鎮めていったのだ。
後にその実力を新旧ダイバーズのリクとヒロトにも認められ、長じて最高位ランカーともうたわれるキョウヤたちにもたびたび教えを受け、一方で界隈の子どもたちを中心とした初心者ダイバーの世話も買って出て、その技術とビルダー並びにダイバーの名をも高めていくのだった。

その日もまた、そんな偉大なる先輩たちのレクチャーを受けるはずだった。
ミッションの舞台は宇宙要塞が浮かぶ宇宙空間、指定された場所に向かうリオだったが、この日はどことなく落ち着かない。
「まさか誰かにつけられている。もしかしてキョウヤさんたちを狙ってのことなのかな」
たしかに何者かに追われている感もするが、いかんせん姿を感じられない。このまま進んでもいいのかと迷いかけたその時、
「よく来たね、リオ君、ちょうど“お客さん”が来ると待っていたところだ。君はそのまま進んできたまえ」
「あ、はい・・・・・」
ちょうど伝えられたキョウヤの通信に促されるまま、リオは先に進む。そこにはキョウヤ、ロンメル、シャフリヤールらが待ち構えていた。それを待ちかまえたかのごとく。謎の機体群も出現する。
「やっぱり、まさか」
「うむ、おそらく別の空間から君や我々を待ちかまえ、君の合流に合わせてのご登場と相成ったわけだ」
「ああ、もちろん君の責任ではないよ。むしろ“彼ら”の技術の高さに感服しているんだ」
そのうちに彼らの方から通信が入る。
「お初にお目にかかる、チャンプにラーガンダムのリオ君、そしてあまたの高位ランカーの諸君」
「なんだ、そりゃ」
自分をその他大勢扱いされたタイガの抗議をよそに姿を現した筆頭格の“白”が続ける。
「先に新旧ダイバーズ諸君にも我々と同じ“サンプラ”諸氏が世話になったと思うが、“我ら”も不躾ながらも今回の宴に参加させていただく」
「もとよりそのつもりだよ、君たちの来訪を見越して招待したようなものだからね」
「こうなってしまったら致し方がない。君にも奮闘してもらうぞ」
「あ、はい」
ロンメルに告げられるまま、リオも戦闘態勢に入る。こうしてリオ自身はともかく高位ランカー、先輩たちと“サンプラ”たちとの激闘の幕は三たび上がるのだった。

まずはタイガとシャフリヤール、彼らはどちらかというといわゆる“ガンプラもどき”とも呼べる機体なのだが、その呼称ほどには胡散臭くはなく、むしろタイガとしてはどこか見覚えもありそうな印象だった。
ともかくもまずはシャフリヤール、彼らには3機の主力を中心にした戦力。シャフリの重厚な装甲ながらも高機動を駆使したスピードにてまずは翻弄していく。
「やはり、流石に素早いな」
「幾度となくシミュレートしていったが、予想をはるかに超えている。これはチューンを欠かさず行った賜物だな」
「しかしここは我らとても。怠っていない。ここに至っては能力の問題だろう」
とまあ、はじめはシャフリとの追いかけっこの感もあるが、そのうち呼び出した“トレミーユニット”との合体で、いよいよ本気を出さんとする。そのことはかの3機も承知していた感もある。
続いてはタイガ。こちらは数機の赤い機体を中心に攻めてくる。敵の陣容がガンプラに近い、まして“もどき”が相手なら主力がビーム兵器を使うだろうと踏み、前々からのチューンと自身の修練で対策は万全に近い。
しかしそんな彼に合わせてか、その赤いのはやはり肉弾戦で攻めてくる。
「敵さんもなかなかやるなあ。だが俺もタイガーウルフの名にかけて、後れを取るわけにはいかないぜ」
「そう来ると思ったな。あんたの名も前々から見知っていた。一度対戦したいと思って自分たちのをチューンしてきたんだ」
こうして数機の敵を堂々渡りあいつつタイガも奮闘していく。
そんな中、彼ら“もどき”の一隊になんと伏兵が現れる。俗に言って蒼いのとでかいのだった。
「我々としても対策は練っていたつもりなのだが。やはり相手は百戦錬磨の高位ランカーだ。こちらもとっておきのやつを導入しなければならない」
「おあつらえに結構食いがいがある奴らばかりじゃないか」
そんな彼らに通信とともに現れたガンプラの一団が向かってくるではないか。少し遅れて戦場へとはせ参じたオーガのフォースだった。
「おお、やはりオーガか、数押しで勝てるとは思ってはいないがあんたらが相手ならば不足はない」
こうしてシャフリ、タイガ、そしてオーガも彼ら“もどき”否鋼のつわものたちとのあつい戦いをまさに繰り広げんとしていた。

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