ドラえもんオリジナルストーリー:連発式不運光線銃(後編)
さてみなさん、今回も前回同様、不運光線銃のお話をお送りする運びです。そもそもがドラえもんのレビュー研究をする中での、いわゆる厄払い企画として立ち上げたお話で、実はこの光線銃の巻のほかにもこの手のお話をいくらか組んだものでしたが、いずれも発表するのはどうかなというほどのひどいオチなので、これはX:Twitterでおおまかに発表するかもしれない。
ともかくも前回ちょっとしくじった感もあるのび太くん。はたしてこのピンチをどう切り抜けるか乞うご期待といったところで、それでは、ごゆっくり。
ちなみに前回のお話はこちら。
それでは本編をば、あらためてごゆっくり。
最近のジャイアンのいじめに何とか対してみようと、ドラえもんから“連発式不運光線銃”をむりやり借り受けたのび太くん。ためしに先生や出木杉くんに光線を当てるもどれも、運悪くジャイアンたちに出くわしてしまったのだ。
ジャイアン「よおのび太、今から今日の分やってやるぜ」
こうして傍らのスネ夫にはやし立てられつつ、のび太くんを袋叩きにするのだった。
ジャイアン「今日はこれくらいでいいだろう、やっぱりのび太をいじめるとスーッとするなあ」
スネ夫「ねえジャイアン、のび太なんか変な銃を持ってるよ」
ジャイアン「ほんとだ、のび太のくせにかっこいい銃持ってるじゃないか」
と、のび太くんから不運銃を取り上げる。
スネ夫「これでしかえしをするつもりなんだな」
ジャイアン「なんだこの銃、なんか目盛りがありな」
のび太「ああ、これ僕の銃」
起き上がったのび太くん、ジャイアンに取り上げられた銃を取り返そうにも、あえなく押し倒される。
スネ夫「なんだと、のび太のくせに生意気だぞ」
ジャイアン「よし、せっかくだからのび太で試し撃ちだ」
と、のび太くんに狙いを定め、逃げるのび太くんに銃の光線が撃ち込まれてしまったのだ。
のび太「ああ、これで僕に不運が降りかかっちゃう」
スネ夫「いつものことじゃないか、でも何も起きないみたいだな」
ジャイアン「つまんないな、帰ろ帰ろ」
ジャイアンたちがこの場を後にしようとするその時、何やら大きな音が響いてくる。
ジャイアン「ん、何だこの大きな音」
スネ夫「ジャ、ジャイアン、上、上・・・・・!」
なんと空から大きな飛行機が墜ちてくるではないか。しかもまさにのび太くんめがけて。
のび太「そんな、これが僕の不運だっての」
スネ夫「え、何だってえ!」
ジャイアン「お、おいのび太、なんとかしろよ」
のび太「も、もうどうすることもできないよお」
当然のごとく機内では機長が飛行機を制御しようとしていた。
機長「なんということだ、操縦が全然きかない、このままでは街に墜落してしまう」
一方の乗客室でも大パニックが起きてしまう。
女の子「ママ、こわい」
母親「だ、大丈夫よ」
結局のび太くんめがけて飛行機が墜ちていき、ジャイアンとスネ夫に寄りかかられるままに、飛行機を前になすすべないのび太くんだったが、
しかしなぜか飛行機は動きを止め、一向に墜ちてこないではないか。
そのうちに時空の穴が開き、そこからドラミちゃんと一人の女の人が出てきたではないか。
ドラミ「間に合ってよかったわ、のび太さん」
のび太「え、ドラミちゃん、これって、どういうこと」
のび太くんの問いに、ドラミちゃんは神妙な表情で応える。
ドラミ「実は今回の不運銃でこの飛行機が町中に墜ちて、多数の人々が犠牲になるところだったのよ。それでこのタイムパトロール隊の人の力を借りて」
そのタイムパトロール隊の女の人が続けて話す。
女の人「ほんと間に合ったわね、でもこうなったらちょっとずるい手だけど、時間を戻すしかないようね」
と、コントローラーを取り出す。
ドラミ「ここはお兄ちゃんに不運銃を取り上げる前にもどせばいいよね」
「ええ、そうね、あ、ちなみに私はリームよ、よろしくね」
と、TP隊員のリームはコントローラーを操作する。
こうして、のび太くんとジャイアンたちはそのままで、時間を巻き戻してのび太くんがドラえもんが不運銃を取り上げた前の時に戻したのだ。
銃に撃たれて災難にあった人たちも、何事もなくなっていった。
先生「あれ、わたしはいったい何をしていたのだ」
出木杉「何かが落ちてきたようだけど、気のせいかなあ」
件の飛行機は、何事もないように飛んでいた。
機長「うん、本機は異常ないな、このまま空港までむかうとしよう」
一方で乗客室でも、
女の子「あれ、なんだかこわいユメを見ていたような気がしたなあ」
母親「ええ、大丈夫よ、もうすぐ空港に着くからね」
戻ってのび太くんたちは、
リーム「これで飛行機は落ちずにすんだけど」
すかさずのび太くんをにらみつけて、
リーム「道具というものは使い方をあやまるととんでもないことになるのよ。しかえしだったらもっと正々堂々とやりなさい」
のび太「あ、う、うん、はい・・・・・」
リームの叱咤にひとまず素直に返事をするのび太くん。
ドラミ「これでもう大丈夫ね」
と、手を差し出して、のび太くんも光線銃を渡そうとしたその時、飛んできたドラえもんが不運銃を取り上げたのだ。
ドラえもん「押し倒して勝手に銃を持ち出して、もう許せない、今度こそてってい的にこらしめて・・・・.」
ドラえもんが不運銃を向けようとしたが、
「やめろー!」
すかさずジャイアンたちがドラえもんを押しつぶす
ジャイアン「また飛行機なんか落とされちゃたまんないよ」
スネ夫「とりあえず僕ら退散だよ」
と、ジャイアンたちもひとまずこの場を逃げ去っていったのだ。
ドラミ「これでひとまず大丈夫ね、不運銃はあずかっておくわね」
のび太「うん、僕もいいくすりになったよ、もうちょっとしっかりしてみようかな」
ともあれ当面のいじめの問題はひとまずおさまったそうな。
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