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ザ・ドラえもんズオリジナル:のび太のガンマスター(最終回)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは、のび太のガンマスターの最終回をお送りする運びです。
何とかシェリーを助け出し、いよいよ悪漢たちとの決戦に臨むキッドやのび太くんたち。はたしてどう戦い抜くのか、といったところで、それでは、ごゆっくり。

ちなみに前回のお話はこちら
ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター

(その1)

(その2)

(その3)

(その4)

といったところで、あらためてごゆっくり。

敵地に乗り込んだまではいいけれど、親分の罠にはまって敵のただ中に囲まれたキッドやのび太くんたち。しかし銃撃戦の末に偶然飛び出したシェリーのおフロ缶でピンチを切り抜ける形となった。しかし未だピンチは脱してはおらず、はたしてどう切り抜けるのか。

のび太「あの缶でいっぱいやっつけたけど、それにシェリーさんも助かったみたい」
マーク「ほんとだ、大丈夫、ってこれはちょっと恥ずかしいな」
ジェーン「あらあら、これはちょっとまずいわね、ピピ」
呼び寄せたピピの着せ替えライトによってカウガール姿となったシェリー。気が付くと目の前にはマークたちの姿があった。
マーク「大丈夫シェリー、本当によかった」
シェリー「ああ、マーク、こわかったあ」
マークに抱き着くシェリー、その様をのび太くんも羨ましそうに見守っていた。
のび太「いいなあマーク君も。でも僕もしずかちゃんがいるから」
ジェーン「さあさあ、ここでじっとしちゃいられないよ。早くここを抜け出さなきゃ」
と、何故かエドが御者を務めるジェーンの駅馬車が飛んできたのだ。
エド「ヒャッポー、エド様の参上や、どうら、悪党はどこにいるんや」
ジェーン「いい所に来たねえ、でも戦いはこれからだからね」
チチ「さあさあ、早くジェーンのところに近付けて」
と、駅馬車をジェーンのところに近付け、ついでピピとチチがケビンとグラントを助け出し、その駅馬車に乗り込まんとした時、数発の銃撃が駅馬車の車輪を撃ち抜いた。
親分「はっはっは、人質を助けて街へと戻ろうと思ったか、そうは問屋は下ろさんぞ」
ジェーン「まさか、さっき倒したのは」
親分「そいつはおれの影武者、つまりは身代わりってところだ。さあ、少しばかり痛めつけてもかまわん。全員ひっつかまえろ」
と、悪漢たちの総攻撃が始まり、ピピたちの介抱で気が付いたグラントやケビン、シェリーも再び仲間に加わり、ジェーンたちも果敢に応戦する。
しかしやはり多勢に無勢、多すぎる悪漢たちに次第に押されていく。だがその時だった。
当然時空の穴がのび太くんたちの上空に開き~それでいてみんなは気付かずに~そこから一筋の光とともにドラミちゃんが現れたではないか。
ドラえもん「ドラミ」
のび太「ドラミちゃん」
キッド「やっぱり来てくれたんだ」
ドラミ「ごめんなさい、遅くなって。仕事が終わりしだい駆けつけようと思ったけど、時差のためにどうしてもすぐには行けなかったの」
マーク「でも、まだ敵はいっぱいいるんだよ」
ドラミ「それも大丈夫、私たちには“新型マッドウォッチ”があるから。これで私たちの周りの時間を少し遅くしたのよ」
のび太「それで敵の動きもいくらか遅くしたのか」
ドラミ「さあ、その隙にみんなやっつけましょう」
というわけで、ドラミちゃんのマッドウォッチのおかげで、悪漢たちよりも速く動くことができ、そのまま楽に反撃に転ずることができた。
マーク「こうなったらこっちのものだ、それ、覚悟しろ、ってあれ・・・・・」
ジェーン「早く動けるのはあたしたちだけだから、ショックガンの弾も放ったらゆっくり飛ぶだけなのよ」
のび太「それじゃあ、悪者の近くで撃ったら当たりやすいんじゃない」
ドラえもん「それもそうだね、のび太くんにしちゃ上出来だ」
のび太「のび太にしちゃってのは余計だよ」
こうして悪漢たちをほとんど片付け、残るは親分ただ一人だけとなった。しかし親分も何かのスイッチを押そうとしていて、あと一歩のところでそのスイッチが押され、はたして親分の動きも元通りの速さに、というかマッドウォッチの効き目が取り消されてしまったのだ。
ドラミ「ああっ、せっかく時間をゆっくりとしたのに」
親分「おっと、危ないところだったぞ、まさか時間を緩めて動きを封じようとはな。あいにくおれも少しばかりは道具に詳しいんだ」
のび太「あと少しだったのに」
親分「さあ、まだ残りの子分たちもいることだし、お前らさっさと片付けちまえ。もちろんおれに当ててもかまわんぞ。このとおり防護ジャケットを着ているからな」
こうして残りの子分の銃撃からのがれ、元の駅馬車にみんな後戻りののび太くんたち。
マーク「今度こそやっつけたかと思ったら、これじゃあ元のモクアミじゃないか」
のび太「なにその「モトノモクアミ」って」
マーク「今までやったことが無駄になるってことだよ、この前パパが言ってたけど」
ジェーン「あきらめちゃダメだよ、このままじゃ街も落とされちゃう、ってシェリーはどこ」
キッド「ここに逃げたっきり姿が見えないけれど、あれ・・・・・」
そのうち親分以下の悪漢たちが駅馬車を取り囲む。
親分「さあ、もう逃げ場はないぞ。おとなしく降伏しろ」
親分の呼び掛けに何とジェーンが、それに倣ってマークやキッドたちが、武器を持たずに姿を現す。
親分「よーし、なかなか素直じゃないか。それじゃあゆっくりと手を上げてこっちへ来い」
ジェーンが軽くうなずきつつ両手を上げ、みんなもそれに倣った。しかし次の瞬間、なんと高台から缶を持ち上げたシェリーが親分めがけてそのおフロ缶を投げつけた。
シェリー「やった、でもこれが本当の親分さんかしら」
親分「くっ、おれとしたことが、油断しちまったぜ」
缶は親分に直撃し、そのままのびてしまった。事態をつかみかねる子分たち。その隙にピピとチチがショックガンと空気砲をみんなに手渡していく。
ジェーン「さあ、親分はやっつけたよ。あんたたちもおとなしく降伏しな」
と、子分たちも一斉に武器を捨てて手を上げる。こうして、悪漢たちを撃退することができたのだ。

明け方、近隣の星の捜査局が駆けつけ、悪漢たちを拘束、そのまま連行していく中、シティではシェリーの無事と街が護られたことで喜びに沸き立っていた。
保安官「いやいや、本当によかった。それからマーク、いかにジェーンに連れられたとはいえ、あんまり危ないことをしてくれるな。まあそれはそうとみんなも無事でよかった」
キッド「結局おれたちも何もできなかったな」
マーク「結局親分はシェリーがやっつけちゃったからな」
ジェーン「でもあんたたちががんばったおかげで悪い奴をやっつけられたんだ。しいて言えば勇気をふるって立ち向かったからかな」
のび太「勇気かあ」
ドラえもん「いざとなれば勇気を出せればなんだってできるってことだね。もちろん自分ができる限りには」
のび太「そんなもんかなあ」
キッド「とにかく、今日は街の平和が戻ったことのパーティーだ」
ドラミ「私もおもてなしするからみんなで楽しみましょう」
といったところで、シティ総出でのパーティーにも付き合った後で、ドラえもんとのび太くんは、シティを後にして、元の時代へと帰っていったのだ。

後日街の空き地にて、ガンマンごっこに興ずるジャイアンとスネ夫たちが通りかかったのび太くんを見かける。
ジャイアン「おーいのび太、こっちでガンマンごっこに付き合わねえか」
ふと足を止めるのび太くん。しかし、
のび太「うーん、悪いけど僕は遠慮しておくよ。こういうの興味ないんだ」
ジャイアン「なんだ、おれたちと付き合えないってのか」
スネ夫「のび太のくせになまいきだぞ」
と、二人でのび太くんを追いかけようとした。しかし、隣の家の木の枝が、突然二人の頭に落ちたではないか。
ジャイアン「いたたた、なんで木の枝が落ちたんだ」
そこに家の主のおじさんが飛び出してきた。
「こおらお前たち、うちの木を折るとは何事だ」
ジャイアン「わっ、おれたちじゃないよお」
と、おじさんに追いかけられるジャイアンたちだった。突然の出来事におどろくのび太くん。目の前にスーツ姿のお姉さんが小型の銃をしまいつつ立っていたのだ。現代を訪れたあのジェーンだったのだ。
のび太「あれ、ジェーンさん・・・・・」
ジェーン「大丈夫ノビータ。でもお節介かしら」
のび太「うん、僕は大丈夫だよ」
ジェーン「それはよかった。もしよかったらいつでも街に遊びにおいで。あたしは近隣の星で仕事してるけど、時々街にもよるからね」
のび太「はあい」
と言って背中を向けて去っていくジェーン。それをのび太くんも見守っていくのだった。

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