« 今週の神様23年度41号:それぞれの切り札の巻 | トップページ | 鬼太郎誕生、ですか »

ザ・ドラえもんズオリジナル:のび太のガンマスター(その4)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは。キッド編、のび太のガンマスター(その4)をお送りいたします。街の銃撃戦にて悪漢たちにさらわれたシェリーを救うべくマークたちとのび太くん、そしてジェーンが敵の砦の乗り込んでの大活躍をここにお送りする運びです。はたして無事にシェリーを助けることができるか乞うご期待、といったところで、それでは、ごゆっくり。

ちなみに前回のお話はこちら
ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター

(その1)

(その2)

(その3)

といったところで、あらためてごゆっくり。

街中から親分が放った信号弾に合わせ、無法者たちは一旦街から離れていく。一方街はずれでは、親分風の服装で陣取っていた子分の一人が、近付いてくる空飛ぶ馬に気付く。
「あっ親分だ、でもこの女の子は」
「とりあえず街を落とすのはもう少し後だ、この娘はそのためのエサになる。とりあえず丁重に扱ってやれ」
「へい、というわけで大人しくしてろよ」
と、シェリーはその子分に連れられて行くのだった。

その一方シティでは、大きな被害を出しながらも守り切りつつも、続いての襲撃に対し対策を練らんとして頭を悩ませる保安官たち。シェリーがさらわれたことを案ずる両親。そして当のマークたちも。
マーク「やっぱりどうしても助けなきゃいけないけど、どうやって助けよう」
のび太「そりゃ、相手の中に忍び込んで、こっそりと」
グラント「そううまくいくもんか、相手の守りもとっても固いんだぜ」
のび太「それはそうだけど、そうだ、ドラえもんなら何とかしてくれるよね」
と、みんなの視線はドラえもん、そしてキッドに向けられる。
ドラえもん「え、ちょっと、どうして僕の方を向くの」
キッド「まさかおれたちの道具頼りに忍び込もうとすんのか」
のび太「だってそのためのドラえもんだろう」
ドラえもん「軽く言わないでよ、昔の西部開拓時代ならともかく、ここは未来のウエスタンワールドだよ」
キッド「まして相手は未来世界の無法者揃いだ、こちらもこの時代ならではの道具や武器を持ってるんだ。こちらの道具がかなうかどうか」
ジェーン「そこを何とかしなきゃいけないだろ」
と、ジェーンが割って入ってきた。
のび太「あ、ジェーンさん」
ジェーン「さしあたってあたしが奴らのもとに忍び込むことで話をまとめたけど、あんたたちももぐり込むんだったら、ここはこの子たちの道具と合わせていくのもいいよね」
マーク「そうか、ジェーンさんがいれば何とかなるかも」
ジェーン「まあほんとはあたしだけじゃ心もとないからね」
ケビン「そうか、ジェーンさんと一緒に忍び込んで、シェリーを助けるんだ」
グラント「ひとまずはおれたちも何とかがんばってみるけど」
ジェーン「まあいざとなったらあたしが特にがんばるけどね。いざとなったらあんたたちも力を借りるよ」
のび太「何が何でも行かなきゃいけないのかなあ」
ドラえもん「しょうがないよ、ここまで来たんだから。でも本当に来るのかなあ、ドラミ」
と、夕暮れ時の空を見上げるドラえもんだった。

一方駅馬車が周りを取り囲んだ悪漢たちの砦、その中のお頭の駅馬車。そこでシェリーがとらわれていた。
シェリー「ねえ、これから私、どうなるの」
「サアナ、ドコカノ星ニ売り飛バスンジャナイノカ」
と、シェリーを監視しているハゲタカ型ロボットがからかいながらも応える。
「でもきっと、キッドやマーク、それにノビータさんが助けに来てくれるから」
と思いつつも、ふとシェリーが口にしたのは、
「・・・おフロに、入りたいなあ・・・・・」
ハゲタカ「オッ、ふろニ入リタイノカ、ソレナラ」
と、ハゲタカの懐から一個の缶を取り出す。
シェリー「え、なにこれ・・・・・」
ハゲタカ「コレガ“わんかっぷオふろ缶”ダ。コレヲ開ケルト、ッテココジャ親分ニ怒ラレルナ」
と、部屋の外の中庭にシェリーを連れ出す。
ハゲタカ「トモカクコノ缶ヲココニ置イテ、コノフタヲ開ケルンダ」
ハゲタカが両足で缶のふたを開け、はたして缶はみるみる大きくなり、お湯をたたえたドラム缶風呂に早変わりと相成った。
シェリー「でもこんなドラム缶風呂じゃあ」
ハゲタカ「文句ヲ言ウナヨ、オ前ガオふろ入リタイッテ言ッタジャナイカ」
と、今度は着せ替えライトをあて、シェリーをあられのない姿に変えた。
シェリー「きゃあ!」
ハゲタカ「コレデオふろニ入レルナ、サア入ッタ入ッタ」
と、くちばしでつつかれて缶のおフロに入れられるのだった。
親分「おい、何をやってる」
そこに親分が割って入ってきた。
ハゲタカ「アッ親分、コノ娘ガオふろ入リタイッテイウカラ」
親分「うむ、たしかにきれいにした方がいいからな。引き続き監視は怠るな」
ハゲタカ「ヘーイ」
と、ふたたび中庭を後にした親分。シェリーも監視役のハゲタカにみらっることを機にしつつも缶のおフロに身を沈めるのだった。

一方で砦の近くまで忍び込んだジェーンたち。本当はジェーン一人だけで忍び込んで、あわよくばシェリーを助けるといった算段だったが、マークたちも保安官たちにないしょでジェーンについていったのだ。ともあれ敵の陣地に近付いたマークたちだが。
ジェーン「ここまで近づいたけど、問題はこれからだからね」
マーク「どうやって砦に忍び込もうかな」
ドラえもん「ちょうどこの“石ころぼうし”があるけれどね」
と“石ころぼうし”を取り出し、各員がそれをかぶる。
ジェーン「それであいつらに気付かれないように忍び込むのか」
ケビン「そううまくいくのかなあ」
グラント「途中でぼうしが脱げないよう祈るしかないぜ」
のび太「脱げなくなるのもちょっと困るけれど」
と、ドラえもんたちは砦に入り込む。

ぼうしの効き目はうまくいったみたいで、見張りの悪漢たちは自分たちに気にも留めなく、ただ砦の外を見張っているのみで、できるだけ音を立てずに忍び込んで、目指すは砦の中心、シェリーがとらわれた親分の駅馬車である。
ようやく駅馬車にたどり着き、中に入ろうとした次の瞬間、まわりの地面めがけてショックガンが放たれるではないか。
のび太「わっ、これはどういうこと」
そこに親分をはじめ悪漢たちが周りを取り囲んでいったのだ。
親分「ようやくおいでなすったな、英雄ノビータと賞金稼ぎカラミティ・ジェーン」
ドラえもん「まさか“石ころぼうし”のききめはしっかり効いてるのに」
親分「バカめ、おれたちがそいつに気付かないとは思ったか、いや気付かぬふりをしてお前たちをおびき寄せたのだ」
ジェーン「うっ、うかつだったわね」
親分「まずはお前達から始末して、それから街を乗っ取るのだ。それ、一人残らず捕まえろ」
と、悪漢たちとの銃撃戦にもつれ込んだ。マークたちも果敢に攻めるも、まずケビンが、続いてグラントがショックガンの餌食となった。
マーク「ケビン、グラント!」
グラント「だ、大丈夫だ、おれたちにかまわず早くシェリーを・・・・・」
こうなってしまったらマークはともかくのび太くんたちも真剣に応戦せざるを得ない。まず敵の銃撃をかいくぐりながらも着実に悪漢たちを仕留めていくジェーンはもとより、もともと射撃の腕はからっきしだったが、人知れず練習を積んで腕を上げたマーク。現代の銃に比べて人を傷つける力は少ないとはいえ、人に向かって撃つのはためらいがちなのび太くんもここぞとばかりはそうはいっていられない。そしてドラえもんとキッドは空気砲でやたらめっぽうに撃ちまくって、これまた悪漢たちを倒していく。しかしその一発が親分の駅馬車に当たってしまった。
はたして駅馬車は大きく揺れ動き、それに伴って中庭もさらに揺れ動いた。
シェリー「きゃっ、何が起こってるの」
缶ブロのシェリーも、事態の異変に驚きつつ、湯舟に身をかがめんとする。
しかし更なる砲撃で車輪が撃ち抜かれ、駅馬車も大きく傾いてしまう。

「なんだこりゃ、こっちには人質がいるんだぞ」
ついには中庭の缶ぶろは倒れてあちこちに転がり続ける。
ハゲタカ「ワッ、缶ガ転ガッテクル、グワッ!」
シェリー「ちょっと、マークたちは何やってるの」
ハゲタカを踏みつぶしながらもあちこちに転がり続け、ついには駅馬車から飛び出していきた。
はたしておフロの缶は近くの悪漢たち、ついには親分をもなぎ倒し、ついには近くの岩場にぶつかってようやく転がるのを止めた。そこからあられもない姿のシェリーが缶から出てきたではないか。

つづく

| |

« 今週の神様23年度41号:それぞれの切り札の巻 | トップページ | 鬼太郎誕生、ですか »

ドラえもん」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 今週の神様23年度41号:それぞれの切り札の巻 | トップページ | 鬼太郎誕生、ですか »