ザ・ドラえもんズオリジナル・ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター(その2)
さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは、キッド編、のび太のガンマスターその2をお送りいたします。
ウエスタンワールドにて悪漢と戦う羽目になったのび太くんたち。しかしその悪漢につかまりそうになるも、一人の賞金稼ぎのお姉さんに助けられてからのお話をお送りいたします。それでは、ごゆっくり。
ちなみに前回のお話はこちら
ドラ・ザ・キッド編:のび太のガンマスター(その1)
といったところで、あらためてごゆっくり。
保安官「なんだって、ノビータとマークが悪漢にさらわれたんだって」
悪漢たちの襲撃の報せはマークのパパの保安官事務所にももたらされた。
ドラえもん「ええっ、そいつは大変だ」
キッド「何とか助けないといけねえな」
エド「ほなわいらで行かないと」
と、騎馬モードへと変形し、いつでも出られるよう準備は整ったが、
突然一羽の鳥、ハチドリ型のロボットが窓をつついてきた。
ドラえもん「あれ、鳥のロボットなんて珍しいな。何の用だろう」
ドラえもんが窓を開けるや、ハチドリは部屋に飛び込み、まくしたてるように伝言を伝える。
ハチドリ「ピピピ、男の子たちはジェーンが助けたよ。今夜はジェーンのキャンプでかくまっていくから安心して。あと、あたしはピピ。ジェーンの相棒よ」
ドラえもん「えっ、ジェーンって人に助けられたの」
保安官「おお、まさかカラミティジェーンか、それは一安心だな」
どうやら保安官もジェーンのことを知っていたみたいなのだが。
キッド「なんだそのカラミティジェーンってのは」
保安官「うむ、彼女については追って説明しよう」
ということでエドとドラえもんを交えて語り出すのだが。
一方で街から離れた幌馬車型の飛空艇。そこにたどり着いたジェーンと彼女に連れられたのび太くんとマークの一行。
のび太「ちょっと大きな幌馬車だけど、そこがジェーンさんのキャンプなの」
ジェーン「結構広いから女一人じゃちょっと持て余してるけれどね。あんたたちのことは連れが話してるから、今日はここでゆっくりとしていきな」
と、二人はジェーンにうながされ、幌馬車の中に入っていく。その幌馬車の中は少し広い部屋となっており、そこの天井にとまっていたハチドリが近付いてきた。
マーク「あれ、小鳥のロボットかな」
小鳥「僕はジェーンの相棒のチチ。今兄妹のピピが話しつけてるんだ」
ジェーン「あんたたちさっきの騒ぎで泥だらけだろう、まずおフロに入っていきなさい」
と、チチが小型のカメラらしきものを持ってきて二人を写し、はたして二人はパンツ一丁の姿になる。
こうして二人がこれまた広い浴室にしばらく使っていたら、今度はジェーンが入ってきたのだ。
マーク「ジ、ジェーンさん」
ジェーン「おフロってのはみんなで入るのが一番楽しいものさ。ほら二人ともいったん上がって」
と、浴槽から出てきた二人の背中を泡立てて洗い流すのだった。
その時である。外から何やら馬の足音が多く聞こえてくるではないか。
のび太「なんだろう、馬の足音が聞こえてくるけど」
ジェーン「まさかあいつらが大勢でやってきたのか、あんたたちここで静かに待っててな」
と、二人を置いてジェーンが浴室から飛び出すのだった。
チチ「ジェーン、あいつらが襲ってきたよ」
ジェーン「ええ、あたしのガンベルトは」
チチ「うん、ここにあるよ、でも服着た方がいいじゃない」
ジェーン「そんな暇ないよ、ましてあれだけの数、襲い掛かられちゃここもひとたまりもない」
と、フロ上がりの身に二丁拳銃がかかったガンベルトを腰に巻いて表に出ていくのだった。
「なに、出てきやがったか、ってなんだその恰好は・・・・・」
悪漢たちがあられもない姿のジェーンに驚いた隙にショックガンで撃たれていく。
そんなジェーンの活躍を、フロ場ののび太くんとマークが窓越しに見守っていった。
マーク「す、すごい・・・・・」
のび太「僕たちも見とれちゃった」
そんな二人に悪漢たちを撃ち倒してからジェーンが近付く。
ジェーン「さあ、邪魔者はみんなやっつけたから、もうひとっプロ浴びようか」
と、あらためて洗いっこを再開しておフロタイムを過ごすのだった。
こうして悪漢たちを取り押さえつつ三人は一夜を過ごした後、翌日幌馬車を街へと飛ばしていく。
ドラえもん「のび太く~ん」
のび太「ああ、ドラえも~ん」
キッド「おお、大丈夫か、マーク」
幌馬車から降りてきたのび太くんたちに、ドラえもんたちが駆けつけてきた。
マーク「パパ、それにキッド、心配かけてごめん」
保安官「事情はこのハチドリくんから聞いてるよ。二人とも無事でよかった」
のび太「でもジェーンさんもすごいんだ、一人でたくさんの悪漢たちをやっつけたんだ」
マーク「それもほとんどハダカで・・・・・」
ジェーン「・・・ま、まあ悪漢たちもほとんどやっつけたところだし」
保安官「ああ、たった今街に連行したところだよ」
エドに連行される悪漢たち。しかしそんな彼らからおそるべき捨てゼリフが発せられた。
「おれたちを倒したぐらいでいい気になるなよ。まもなく親分がやってきてお前らなんかすぐにぶっつぶしてやるぜ」
エド「なんや、負け惜しみかいな、往生際悪いで」
保安官「もしそうなら大変なことになりそうだ。みんな街の守りを万端にしたまえ」
街の住民に守りを固めさせてから、あらためてジェーンを交えて保安官が対策を話し合う。そこにマークの友だちのシェリーやグラントたちも駆けつけてきた。
保安官「今まで倒した敵がざっと23人、今まで確認されたのが100人以上だというから、未だ多数残っているわけだね」
ジェーン「いくらあたしでもこれだけの数を相手にするのもやっぱり」
保安官「やはり市民総出であたらなければいけないか」
ジェーン「なるべく戦える人が集まるなら力合わせれば何とかなりそうだけどね」
その一方キッドたちも。
キッド「市民総出でっていうから、やはりおれたちも戦わなきゃいけないよな」
のび太「もしかして僕たちも闘わなければいけないの」
マーク「そうなるかもしれないよね。そのためにノビータ君もキッドに連れられたから」
のび太「だ、だって相手は無法者で悪漢だよ、銃だって持っていて、撃たれたら大けがするかもしれないし、下手すりゃ死んじゃうよ」
ドラえもん「いくら何でものび太くんにはちょっときつすぎるんじゃないの。今度ばかりはモルグシティのようにはいかないよ、って・・・・・」
ふとドラえもんの脳裏に何かがひらめき、少し離れて何かに連絡をつけんとするが、程なく落ち込んで戻ってくる。
のび太「ど、どうなったの、ドラえもん」
ドラえもん「今仕事で手が離せないって」
のび太「そ、それじゃあ僕たちで当たらなきゃいけないの」
のび太くんが応えるも、それにキッドとマークがならう。しかしその様をシェリーが割って入る。
シェリー「今さら何言ってるの。私たちの街でしょう。ここで守らなきゃどうするの」
マーク「そ、そんなこと言ったって」
シェリー「今は自分たちでやれることをやってみましょう」
ジェーン「あらあら、元気なことねえ」
マークたちの気弱さに対するシェリーの気丈さをジェーンは感じ入りつつ、ジェーン自身も何ができるかをひとまず考えつつことに当たることにした。
そして街から数10キロ離れた荒野、悪漢たちがやけに神妙な面持ちで何かを待ち構えていた。
やがて空から数頭の馬型ロボットに引かれた巨大な駅馬車が降り立ち、そこからいかにも威厳ありそうな男が下りてきた。
「ようこそいらっしゃいました。親分が来るのを待ちわびて・・・・・」
「肩ぐるしいあいさつはいい、あの街に奴らがいるんだな」
「へい、すでに仲間も何人か倒されちまって」
その親分と呼ばれた男は並みいる悪漢たちをにらみ回してから再び口を開く。
「いずれにしても明日街になぐり込む。一人も後れを取るな」
「へい!」
荒野の高台から親分は街の方向を眺めやる。
「ふふ、カラミティジェーンはともかく英雄ノビータか。いずれにしても我が先祖の恨み、モルグシティでの借りを返せるんだ、腕が鳴るぜ」
自らの銃を街の方向に向け、不敵な笑みを浮かべるのだった」
つづく
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