のび太のおとぎ話外伝:のび太の聖書ものがたり<本当は怖いドラえもん>
ドラえもんのお話の中でいわゆるおとぎ話を題材にしたものがあり、今までにいくらかご紹介しましたが、今回は趣向を変えて『聖書』について、これはご存知の方もおられると思うけれど、キリスト教における大切な教えを物語として書かれたものです。そんな聖書の物語を通じてでもお話について、今回いくらか述べたいと思います。
『創世記』
世界の始まりから、はじめの人間たるアダムとイブが楽園で暮らしていたが、一匹のヘビにそそのかされ“知恵の実”を食べたことで楽園を追い出されたお話で、
ドラえもんにおけるお話での『腹話ロボット』では「アダムとイブの二人の姿」にかこつけて、おフロのしずかちゃんを言いくるめ、『異説クラブメンバーズ』では創り出した地底の世界同じく創り出したに地底人を「アダムとイブ」になぞらえた。
といったところで創世記のお話はその二人にかこつけてお話が進められたのだ。
あと「神様が世界を創った」くだりを、映画の大長編たる『のび太の創世日記』においてなぞらえて、実際にのび太くんたちも世界を創造してその世界を冒険したのだ。
『ノアの方舟』
人間が増えて街ができ、その街が大きくなるにつれて、人々も堕落してしまった。そこで神様は街を洪水で滅ぼすことにして、アダムの子孫のノアとその家族に方舟を造って洪水から身を守るように言いつける。
はたして洪水が起きてノアたちは生きのびて、彼ら子孫はますます栄えたのだ。
というお話から、まず『世界沈没』では文字通り世界が沈没して、実際に方舟を造ったお話である。オチだけを述べるに、世界の沈没はのび太くんの夢のお話だったということで。
ともあれ洪水から身を守るために方舟やイカダなどで乗り切るというシチュエーションから派生して『宇宙開拓史』や『ブリキの迷宮』など大長編にても流用されたということで。
『出エジプト記』
これはちょっと意訳付きで述べるに、はるかな昔にエジプトの王にとらわれた人々をモーセという人がやすらぎの地に導くという物語である。
この物語におけるドラえもんのお話は、まず人々を導いたときに、海を切り裂いたとされる奇跡のつえから『モーセステッキ』
これはボートに乗っていたのび太くんにぶつかったスネ夫のラジコン船を拾うよう迫られ、ドラえもんに相談した際のモーセの物語を語ってからのステッキの活躍が描かれた。はたして無事にラジコン船を池の底から拾い上げられ、無理強いをしたジャイアンたちにはしっかりバチが当たったそうな。
続いて人々を導く際に、モーセが山にこもって神様から人々が守るべききまりを記したいわゆる“十戒”のエピソードから『十戒石板』が描かれた。これは日常の中でのしつけとイマシメのお話ということで、こちらの『のび太の堕落論:躾と戒め』についてくわしく記していますからそこをご参照に願います。と、ことわっておいてのこのお話は、ひとまずのとんち話にもなっている。
ひとますはこのようなところで、つまりはおとぎ話と同じような扱いだけれど、いずれもありがたい教えなだけに、いくらかためにはなっているだろう。
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