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はじめに、のあらためて改訂<本当は怖いドラえもん>

さてみなさん、今回の『本当は怖いドラえもん』は、ひとまず初心に帰るという意味で、本編の『はじめに』を大幅に改定し、ここにお送りする運びとなりました。そもそも殴り書きレベルから拝読に値する記事を、といった方針で制作したものですが。
あと改定前の記事はこちら。それでは、今回の記事もごゆっくり。

今更ながら述べるまでもなく『ドラえもん』は日本が誇る名作コミックのひとつである。
そもそもドラえもんについて述べる前に、連載開始された当時の時勢から語らなければならない。
時は1970年、昭和40年代半ばの、いわゆる高度経済成長期を経て、大阪の万国博覧会が開催され、人々が未来に希望を抱かせる日々を迎えんとしていた頃、原作者藤子F不二雄(藤本弘)先生はそれ以前の『オバケのQ太郎』や『ウメ星デンカ』などの、SFやファンタジーなど気取るでもなく、日常でのふしぎなお話を中心に作品を作り続けていた。
そんな先生が、次回作の予告を告げてからの紆余曲折、すなわちいろいろ苦労を重ねた末に思い描いたのがドラえもんであった。
未来の世界からきたネコ型ロボットたるドラえもん。当時の万博をはじめ未来に思いをはせられる時勢に、子供向けにふしぎな力で友だちの男の子ののび太くんを助けるというシチュエーションが確立されたのだ。
そんなのび太くんのまわりにいるのは、ガールフレンドのしずかちゃん、いつも乱暴を働かされたり意地悪をされたりするガキ大将のジャイアンとスネ夫と、ある程度のスラップスティック(ドタバタ劇)を織り交ぜながら、お話を展開し、幾度かの連載終了を経つつも20年以上の永きにわたり連載が続けられたのだ。

その『ドラえもん』を通じて夢を育み、今を生きる指針とした人も少なくはないだろう。
しかしその反面、オチ的に読者への戒めや教訓、しつけ話、とんち話も80年代後半になって大半を占めている。かくいう編者もそれらのお話に教訓を感じながらもどこか心に引っ掛かる感じを今まで引きずってきた。
それを今になって、編者のひねくれた視点ながら全編においての純粋な批評はもとより、後期作品の問題点を、ひいてはそれらの教訓や躾話が本当に今の読者、ことに30代、40代のかつての子供たちに通じたのだろうかということを多少偏見を交えてではるけれど掘り下げていきたい。それからこれは一個人の趣味ということで許容をして、ご興味がございましたらご一読をしていただけたらとも思っております。

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