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今更ながらルパンレビュー:お宝返却大作戦

さてみなさん、今回は2000年代のテレビスペシャル『お宝返却大作戦』についてのレビューをひとまず語りたく思います。それでは、ごゆっくり。
ある日旧知の老盗賊が遺した秘宝のありかをたどるため、彼が今まで盗み取った世界中の秘宝〜その際に彼が贋作とすり替えた物を、本物ととりかえて返還したのちその証拠の写真を添えてしかる場所に指し示した後にその秘宝が隠された場所、スペインのバルセロナへと向かうのだが。
今作ではルパンが狙うお宝と、それに関わる品々が、いずれも歴史的な名所でもあることから、実際盗難があれば大騒ぎとなる事態となるどけに、人知れずルパンが返還していく〜それでいて銭形には嗅ぎつけられ追いかけっこになっていく〜様が前半の見ものでもある。件の秘宝がかつてロシアに落下した宇宙からの飛来物と関係あるといい、これが巡り廻ってとある偉人の手に渡り、旧知の老盗賊に託され、そして首尾よくお宝を返却した後の報酬としての手がかりがルパンの手に渡らんとするも、後にマフィアとの争奪戦にもつれ込む。
かつての偉人が手掛けた偉大なる建物、それが建てられた街に住まう一人の少女、彼女のもとにその秘宝があり、ひとまずルパンが少女とともにかの偉大な建物へと向かう。
そこに冒頭ルパンにメンツをつぶされたマフィアとの抗争にも巻き込まれるも何とか退け、彼の秘宝を偉大なる建物の頂上、アントニ=ガウディが手掛けたサグラダファミリアの塔へと仕掛けた後に、秘宝から発せられた光とともに、いわゆる“ガウディの夢”がルパンと少女、そして老盗賊の親友たる酒場の主人をはじめ、バルセロナ市民の目の前に繰り広げられ、それを見守った後に、ルパンは新たなる仕事と冒険のためにバルセロナを後にする。
今作は前半のスラップスティックを交えたトリックアクションから後半のスリル満点のアクションの二段重ねで、ラストのガウディの夢へと盛り上げた。
ところで今回の敵役たるロシアンマフィアのボスは先の『炎の記憶』に引き続いて山寺宏一氏が担当したこともあり、冒頭の銭形ひいては先任の配役たる納屋さんとの絡みもあり、後の後任に山ちゃんが選ばれたことを考えればあらためて感慨深い。ちなみに今作の銭形は先とは違ってひとまずの敵役に終始した感もあったのだが。
加えて今作が製作された当時サグラダファミリアは建築事情や経済事情もあって、改正まで100年以上かかるといい、それが人々のロマンを掻き立てられ、アニメが作られたことだろう。
それが現在建築技術の向上もあり、あと10数年で完成すると言い、アニメで描かれたあの荘厳な姿を見られるかもしれない。
いずれにしても現在のバルセロナのファミリア教会とともに、ガウディの夢とともに今作をあらためて楽しむのもいいかもしれない。

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