第16話:姫君と騎士たち・後編(その2)<機動戦士ガンダム・クレイドルエンド>
さてみなさん、今回のクレイドルエンドは、難民の救出のため暴徒と対するジュドーをはじめとする連合軍。そこに駆け付ける使者からもたらされる報せが、世界の行く末を決める事項になる。はたしてその報せとは、それらを含めて物語の帰結やいかに、といったところで、それでは、ごゆっくり。
ちなみに前回のストーリーはひとまずここに。
第14話:姫君と騎士たち(後編)
それでは本編をば、あらためてごゆっくり。
人質を解放し、残りの暴徒に当たるアルセス隊、リンダ隊とジュドー。リンダ隊の一部を人質の解放と護衛に回し、残りの人員で直接戦闘に当たるのだ。
まずはガズが守りを固めて敵に当たり、その上でアルセス隊やリンダ、セシルにジュドーが押し返すのだ。
ティクバはレトーとともに引き続き人質の護衛に当たり、リッドはアルセスやマツナガとともにガズ隊の援護を受け持つことになる。
味方をすり抜けての砲撃だったが、リッドの砲火は着実にガズ隊が受け止めた敵を撃ち落としていった。
「大丈夫かなあ、狙って落とすのは難しいけど、一つずつ撃つようにしているからなんとかなったかな」
「うん、上出来だ坊や、たしかにビームは制御されている、俺のダブルゼータもそうだったが君のジオングも同じく決戦兵器と聞いている。たかだか局地戦で決戦兵器を使う奴もいないだろうが、この調整はやはり正解だったな」
「あ、はい、引き続きがんばってみます」
ジュドーの通信にリッドが応えつつ、引き続いて援護射撃を中心に戦局を進めていく。
「しかし、どれだけの増援があるのかな」
「おそらく世界中のはみ出し者が集まっているっていうからね」
ティクバが応え、その言葉にジュドーが頷く。
「しかし、この期に及んで金目当てとは見下げ果てた奴らだな」
「それだけ切羽詰まっているということでござるからな」
アルセスの感慨にもマツナガが応える。それにジュドーが改めて呼びかける。
「そうだ、奴らも生きねばならぬなら、俺たちも次の時代へと生き延びねばならない」
「でもあと少しだ、全員で生き延びるんだ」
アルセスの応えに「おーっ!」と最後ガズたちの呼び掛けで一団の結束も高まる。しかしいつしか暴徒の援軍も総て集結していった。
一方、一人の女性がもう一人の女性のもとを訪れる。ネオジオン、ミネバ派のエージェントのミコットが、現地の情報伝達の役を担っているマサイ=ンカバという女性との接触が目的であった。とある事項をとある人物に伝達するために。そもそもミネバ自身が直接伝えられない事情があり、仲立ち役を介して伝えねばならないのだ。
しかし折しもその仲立ち役が今地球に降り立っているとマサイに教えられ、ひとまず彼の元に駆け付けることとなる。
さておきそのジュドーたちは、暴徒たちとの一団との対戦も佳境に差し掛かりつつある。
はじめガズ隊が敵の攻勢を受け~もともと遊撃が得意なMSなのだが~次第に戦いの要領を覚えたか、次第に各々できうる限り自分たちも押し返していく。
それでも本格的な反撃はリンダとセシル、アルセス隊、そしてジュドーが担っていき。ついにはここに暴徒たちを鎮圧していった。
撃破したMSから引き出された暴徒たちはほとんどが拘束され、難民たちも一部の負傷者が出るもほとんどが救出することができた。
「本当にありがとうございました、ですがこれで本当に助かればいいのですが」
「確実に安全な場所に行けるかは我々も応えかねるが、少なくともあなた方を危険にさらさないことは約束したい」
「もうすぐ財団の人たちも来るだろうから、それを頼っていけばもう一息ってところだね」
感謝の意を伝える難民の代表に、ジュドーやリンダが応え、アルセスがしめの言葉を伝える。
「もはやいえる筋合いではないが、あなた方は同胞だ、これも柄ではないが、人としても当然の仕儀といったところだな」
「本当に申し訳ない。かくいうわたしたちもジオン公国の、ひいてはスペースノイドの自由のために戦ったのですが、これもかなわぬ夢となったなら、せめて地球なりコロニーなりと安住の地を求めたかったのですが」
「それに関しても、ミネバ様やセイラ様が力添えしてくれれば・・・・・」
セシルの言葉に、アルセスとマツナガが頷く。一方でジュドーは暴徒の代表の一人に問う。
「ところで、お前たちをそそのかした奴らは一体誰だというんだ」
「お、俺たちはその元締めを名乗る奴に言われて、今キッカ大佐の特務隊は他の地域に回っていると聞いてたから」
「それで俺たちのご登場と相成ったわけだが、こういうのも捨ててはおけないからな。それなり対させてもらったまでだ。ともかくお前たちの身柄はこのまま当局に引き渡させてもらう」
ジュドーの言葉に暴徒たちも引き下がる。続いてジュドーは後ろに控えていたティクバたちに向く。
「ジュドー、さん・・・・・」
「いきさつそのものは前から聞いてた、お前さんはまだバナージを、いや自分を許せないでいるのか」
「・・・そうかも、しれない。でも俺も、世界のために戦いたいと思って、それが自分を許せることだと思うんだ」
「そうだな、あまり長くはないが、考える時間はあるんだ。そこから答えを出せればいいさ」
「うん・・・・・」
そしてそこに1台のジープが駆けつけてきた。
「おっ、来たか、マサイ」
ジープから降りた現地の女性、マサイがジュドーに近付き、続いてミコットも降りてからジュドーに近付く。
「マサイか、今回の作戦はお前さんの情報が結構役に立った」
「そんなに大したものじゃないよ、でも今後も役に立てればいいと思うけれど」
マサイも後ろのミコットの方を向き、ジュドーもそこに目を向ける。
「そんなことより、ジュドー、この子があんたに用があるんだ」
「ああ、ミコットか」
ミコットもまたジュドーにとっては見知っている者の一人だった。
「ここまで来たということは、何か重要な要件を伝えるためか、やはりミネバ様か」
「はい、ミネバ様とアルテイシア様の会談の日取りについて、ミネバ様が承諾した旨を伝えに参りました」
ミコットの伝令にジュドーも深くうなずいた。
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