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ザ・ドラえもんズ・怪盗ドラパン編:セリーヌと産業革命(最終回)

さてみなさん、今回のドラえもんズは、怪盗ドラパン産業革命編の最終回をお送りいたします。
セリーヌヤドランたちとともにマイルス男爵と対峙するイギリスの名探偵ホームズ。そして男爵に秘められた秘密もともにからくり屋敷の真実も明かされることでしょう。はたしてその真実の先にあるものは。
そして最後に控える新旧ドラパン声優、神谷明さんと鈴村健一さんの会話を思い起こしてお読みいただければ一層楽しめることは間違いありません。
とりあえずはこんなところで、それでは、ごゆっくり。

なお前回までのお話はこちら

怪盗ドラパン・セリーヌと産業革命

(その1)

(その2)

(その3)

(その4)

(その5)

といったところですので、あらためてごゆっくり。


対峙するホームズとマイルス、そこでホームズが言葉を発し、事態は動くのだった。
ホームズ「しかして本当の目的は、自身の犯罪ビジネスをここフランスにも広げること。そうだねモリアーティ教授」
ワトソンを除く一同が軽いどよめきを起こす。そんなマイルスも不敵な笑みを浮かべながら応える。
マイルス「ふふ、ここまでばれたら致し方ないな」
顔に手を当てて顔に施した変装をはがす。するとその素顔は不敵な紳士のそれだったのだ。
「そう、わたしの本当の姿こそ、今世紀最大の芸術家モリアーティなのだよ」
ピエール「ええっ、モリアーティ教授といえば自身をナポレオンと称して犯罪を繰り返しているという」
モリアーティ「ピエール君だったね、すべては偉大なる芸術のため、かつてのギリシャやローマの遺跡のように後世に残るためにね」
ホームズ「そのためにこのお嬢さん、そして彼らに危害を及ぼそうとしたのは僕としても許せないな」
ドラン「ああそういえば(まさか僕が目的じゃないよね)」
ふとドランにモリアーティの視線が向けられた、かに見えた。そのモリアーティも腕を組んで少し考えるふりをして一言、
モリアーティ「ふむ、たしかにお遊びが過ぎたようだね。まあだからといってわたしが認めた人士二人を相手にするほど愚かではないのでね、ここは失礼させてもらうよ」
ドラン「なに、逃げるのか」
モリアーティ「いずれ君たちとは堂々と相手をしてあげよう、それではひとまずさらばだ諸君」
と言って壁際に寄りかかったと思えば、その壁の一部が回転し、モリアーティは壁向こうに去っていったのだ。
ホームズ「相変わらず逃げ足が早いな、僕としても裏の裏をかいたつもりなのだが」
ドラン(どっちにしても僕も足元にも及ばないなあ)
一瞬ドランも肩をすくめつつ安どの表情を見せる。
セリーヌ「ともかくここは早く出ましょう。これからどうなるか分からないから」
こうして一同は、再び手分けして、なんとか屋敷から脱出することができたのだ。

屋敷から出た先に、なんと警察隊が駆け付けてくるではないか。
マルマール「おおい、ピエール、大丈夫か」
ピエール「ああ隊長、どうしてここへ」
マルマール「実はイギリスの警察から捜査の協力を要請されてな、こうして馳せ参じたわけだ」
そういえば警察隊の他に数人の外国人らしき男たちもいたけれど。
「ううむまた逃げられたか、あ、いや、わたしはイギリス警察のレストレイトという者だ」
そこにホームズが声を掛ける。
ホームズ「いやはやレストレイト警部、お疲れ様ですね」
レストレイト「おおホームズ、君がいながら逃がしてしまったか、いやそこのお嬢さんたちが無事でよかった」
セリーヌたちも警部に一礼する。
レストレイト「これは可憐なるマドモアゼル、いやさぞや大変な目にあわれたことか」
そこにワトソンが割って入る。
ワトソン「警部、ここはわたしにおまかせを。いやわたしは医者ですよ。何か体にさわったことはありませんか。いやいや、脱がなくて結構です」
服を脱ごうとするのをなだめつつ、ワトソンがセリーヌたちの体の不調を調べ、ピエールはマルマールとレストレイトの会話に合いの手を入れる役目を負っていた。
そしてホームズは、ドランに軽く目配せをしてひと時場を離れる。ドランもまた周りに気を配りつつホームズに付いていく。その様をセリーヌは軽く見守るのだった。
ホームズ「さてこうして話をすることができるね、子猫くん、いや」
ドラン「あの、話というのはどのような」
ホームズ「うむ、最近パリの街中を賑わす“彼”について調べたのだが、まさか君だったとはね。実はここフランスに渡ったのはモリアーティ教授を追うのはもちろん、君に会うのもあったんだ」
やがて観念したのか、ドランも小声ながらも口を開く
ドラン「・・・そうさ、僕がこの巷で有名な怪盗ドラパンなんだ。かくいう僕もあなたの、イギリスの名探偵のことも知っているよ」
ホームズ「これは何より、でもここはお互い自己紹介だけでいいかな。先の要件を済ませたばかりからね」
ドラパンとの対峙でこれ以上の混乱もホームズとしては望むところではなかったのだ。
ホームズ「いずれ君とのお遊びも楽しみになってくるけれどね。その時を楽しみにしているよ」
ドラン「うん、そうですね」
ドランとしてもかのホームズが相手で、ちょっとばかり生きた心地がしなかったのた。
しかしここに、ワトソンに伴われたセリーヌが寄ってきたのだ。
セリーヌ「あら、こんなところにいたのねドラン。あと私が心配だがらってワトソン先生もついてきたけれど」
ワトソン「僕も医者の端くれだからね。ひと時ながら患者である君が心配なのだよ」
セリーヌ「でも本当はホームズさんも私のことを気にしてたからついでに心配だったでしょう」
ワトソン「それもそうだけどね」
ホームズ「やあマドモアゼル・セリーヌ、今回の件は君もご活躍と聞きましたが」
セリーヌ「うん、まあね」
やはり自分のこともお見通しかと思いつつ、セリーヌは応える。
ホームズ「ともかく僕たちはこれで失礼させてもらうよ」
ワトソンにうなずきつつホームズもこの場を離れ、ワトソンもあとに付いていくのだった。
ワトソン「(小声で)それじゃ、あの二人がそうなのかい」
ホームズ「あれほど手強くも頼もしい人たちはいないよ。ともかく僕たちも帰るとしよう。次の事件がまっているからね」
去りゆくホームズたちを見送りつつ、やがてセリーヌも、
セリーヌ「さて私たちも帰ることにしましょう。ピエールたちが待ってるから」
ドラン「うん」
結局ドランもドラパンとしての活躍ができなかったのだ。そのことを惜しみつつも、多くの手強い相手のことを知り、その苦難に思いを致さずにはいられなかったが。その時はその時と割り切りつつ、セリーヌとともに戻るのだった。
こうして帰途に就く二人。途中ピエールたちとの会話を切り上げて帰途につかんとするレストレイトらイギリス警察の敬礼を受け、二人が向かった先にはピエールやソフィーらの出迎えを受けるのだった。

今回の件と前後して、男爵の別荘の地下室にて、本物の男爵が軟禁されて後、警察に救出されたのを機に事件が露呈した警察の介入と相成った。もちろんホームズが乗り込む少しあと、男爵に不穏の動きがあるとレストレイトに連絡をしてからであるが。
そういえば今回の事件でセリーヌたちにも招待状を送ったのも、やはりドラパンとしての自分目当てだろうと思わずにはいられない。
前にも想ったが、いずれにしても仕事に伴いこれからの強敵との対決も大変なことになるだろうと思わずにはいられないドランだった。

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