« 第7話:見ての通りSEGAのゲームは人生の役に立つんだ!<異世界おじさんのレビュー> | トップページ | 鉄拳8、ですか »

大長編ドラえもん・怪盗ドラパン編:セリーヌと産業革命(その5)

さてみなさん、今回のドラえもんズ、怪盗ドラパン・産業革命編の第5弾ということで、セリーヌたちとピエールたち、そしてイギリスからやってきた名探偵ホームズたち、この面々が屋敷の迷宮を攻略していく様を中心にお送りする運びです。
あとこの場で白状しますと、セリーヌたちヒロインが無防備な状態で逃走していく様は編者的に描きたかったシチュエーションで、昨今の規制もあれひとまずの落としどころを探して今回のお話の中で組み込むことにしました。
ともかくも彼らの活躍やいかにといったところで、それでは、ごゆっくり。

なお前回までのお話はこちら

怪盗ドラパン・セリーヌと産業革命

(その1)

(その2)

(その3)

(その4)

といったところですので、あらためてごゆっくり。

 

イギリスから渡ってきた探偵紳士のコンビの介入もあり、ドラン(ドラパン)とピエール、セリーヌたちも屋敷のからくりをくぐり抜け、はからずも地下の迷宮に差し掛かる。
ホームズ「この入り組んだ回廊はいかにも迷宮の様を呈しているね。さてどうしたものかな」
ピエール「まるで迷路みたいだな、たしたに闇雲に歩き回っても迷うばかりだな」
セリーヌ「屋敷の大きさからみて、ここはその地下だから、少しは広い迷宮みたいね。何らかの手がかりがあればいいけれど」
三者三様の思いで迷宮を抜け出そうとする。しかし、
ドラン「ここで位置の確認ができればいいんだけど、やっぱりピエールがいるからなあ」
と、ドランはひみつ道具を使って抜け出したかったがそれもままならない。
一方セリーヌたちも異なった事情があった。
ソフィー「ねえ、あれってピエールの声じゃない、合流できればきっと助かるわよ、おーい・・・・・!」
呼び掛けようとしたソフィーの口をマイアがふさぐ。
マイア「ちょっと待った、今私たちがどんな格好か分かってるの」
セリーヌ「うん、たしかに恥ずかしいわね」
たしかにあられのない格好の三人だ、これで男たちに見せられない乙女心もある。
セリーヌ「ともかく、私たちができるだけ先に抜け出さなきゃいけないわね。その後でピエールたちと合流できれば」
ともかくもある意味セリーヌたちが一番積極的に動き回っていった。もちろん体力のペースを考慮しての微妙な線でもあるのだが。しかしそんなセリーヌたちの行動が、思わぬハプニングにもつれ込んでいくのだった。
ピエール「どうもおかしいな、さっきから同じところを何度も歩いているみたいだ」
一方セリーヌたちも、
セリーヌ「いくらか進んでいると思うけど、歩いていくうちに迷路の壁が動いたりして・・・・・」
マイア「そ、それってどういうこと」
セリーヌ「つまりいつの間にか、私たちはおんなじところを歩き回っているってことなのよ」
ソフィー「ええっ、それじゃいつまでたっても出られないんじゃない」
うろたえるソフィーとマイアに対し、セリーヌはやや落ち着きを保ったまま考えをねってから再び口を開く。
セリーヌ「でもどこかに正しい道のりがあるのよ」
そして、かの探偵紳士の二人も、
ワトソン「どうもこの迷宮はまずいそホームズ、僕らが歩いているうちに壁も動いてまるで同じ場所を回っているみたいだ」
ホームズ「そう思うのかい、ワトソン」
ワトソン「何か考えがあるのかい、ホームズ」
ワトソンの懸念にホームズは快く応える。
ホームズ「僕の記憶が確かなら、ある一定の床を通れば壁が反応して、僕らを惑わせる仕組みなんだ。だけど正しい道のりを通れば自ずと出口へいたる道も開けてくるってわけさ」
こうしてホームズが道順をたどり、途中他の二組が勝手に動いたおかげで足止めをくらったが、ともかくも着実に出口に近づきつつあった。
そしてとある部屋にたどり着いたのは、セリーヌの一行だった。
セリーヌ「ようやくちゃんとした部屋に入れたわね」
ソフィー「よかった、あたしたちが部屋に一番乗りね」
マイア「何か出口の手がかりがあるかしら、うん、どうしたの、セリーヌ」
セリーヌが何やらクローゼットみたいなものを調べ、一着のドレスを手にしたのだった。
セリーヌ「これがほしかったのよ、今まで何も着なかったからね」
と、ドレスに身を固めるのだった。
セリーヌ「ほら、あなたたちも」
と、ソフィーとマイアにも服を差し出すのだが。
マイア「ちょっと待って、これって男の服じゃない」
ソフィー「あたしは子供の服じゃない」
セリーヌ「裸よりはいくぶんましでしょう。これでピエールをむかえられるわ」
マイア「まったく、しょうがないわねえ」
と、今までの疲れが出てきたのか、二人とも近くのイスに座り込む。あとはピエールたちを待つのみ、なのだが。
さてそのピエールたち、迷路を探索し疲れたのか、やがては足取りを留めていく。
ドラン「ふう、自分の足で歩くのがこんなにしんどいとは思わなかったよ」
ピエール「僕はもうちょっと歩けるけどね。でもこれ以上は僕も疲れそうだから・・・・・」
ふと、近くの壁が動くのを見かけ、
ピエール「どうやらセリーヌたちが動いて別の壁が動いたな。ここは通ってなさそうだから、試しに行ってみよう」
と、ピエールも壁向こうに歩みを進めていく。一方のホームズたちも、ようやく正しい道筋を見出して足を進めんとしていた。
ホームズ「思った通りだ、お決まりの行き先に進んだら正しい道筋も開けてきたな」
ワトソン「ちょうどもう一方の人たちも歩みを止めたそうだから、うまくいけば彼らにも合流できるかな」
ホームズ「そうだね、もっともこのフランスには“彼”がいるから、ひょっとすれば会えるかもしれないな」
ワトソン「とにかく僕らも先に進もう」
こうしてホームズたちか歩を進めれば、
ピエール「ああ、今度はこっちか」
と、開けた路を進んでいってはホームズたちにも新しい道筋を見出していく。
こうして二組が迷路を進んでいき、やがてはピエールたちがかの部屋への扉をくぐっていくのだった。
セリーヌ「あらドラン、それにピエール」
ピエール「や、やあセリーヌ、でもこの格好はなんだい」
セリーヌ「うん、ちょっといろいろあってね」
ソフィー「んもう、こちらも結構大変な目にあったのよ、そっちこそどこでほっつき歩いてたのよ」
ドラン「ぼ、僕らだって大変な目にあってたんだ」
ピエール「まあまあ、おたがい無事でよかったよ。でもこれからが問題だ。どうしてこのような迷路が造られたのかを確かめなきゃ」
「それはわたしからお話ししましょう」
向かいの扉からかのマイルス男爵が現れた。
マイルス「ことの発端はわたしの会社が事業に成功し、財を成した頃にある本を読んだことからはじまった」
と、ふところから一冊の本を取り出す。
マイルス「この本は『ユートピア』といってね、世界が工業によって繁栄し、その反面自然がこわされつつある中、人がいかに生きるか、そしてそのための世界はどうあるべきかを書いた書物なのだよ」
ドラン「ユートピア、ねえ」
マイルス「もちろんわたしもこの本を参考にしてわたしなりのユートピアをどうしようかと考えた」
セリーヌ「その行きついた答えが創世記、つまりアダムとイブの物語ね」
セリーヌがつまらなさそうに応える。
マイルス「まあありていに言えばそういうことになるな。まずは君たちを招いて、いずれわたしのユートピアにでも住んでいただきたかったが」
ホームズ「そしてその計画をこれら機械等を使って君のために利用したというわけだ、マイルス男爵、いや・・・・・」
そしてついにホームズたちが迷路から脱出し、部屋にたどり着いた。
マイルス「ふふ、やはり来たね、我が友、ホームズ」
マイルスも口元を不敵に歪めて応える。その時周りの雰囲気も一気に緊張したかにも見えた。

| |

« 第7話:見ての通りSEGAのゲームは人生の役に立つんだ!<異世界おじさんのレビュー> | トップページ | 鉄拳8、ですか »

ドラえもん」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 第7話:見ての通りSEGAのゲームは人生の役に立つんだ!<異世界おじさんのレビュー> | トップページ | 鉄拳8、ですか »