うたかたの島へようこそ<今更ながらルパンレビューPART6>
巨大な橋に挟まれた孤島の村、鳥の写生をしながらそこの人魚の伝説に思いをいたす少女ムルー。釣りに興じる老人にコーヒーを届けつつ自作のお話を読み聞かせたりしていたが。
そんな折、この島にルパン一味が訪れる。しかしはね橋の事故に出くわし足止めを喰らう。その間に船は通り過ぎ、乗っていた不二子の姿を、人魚と合わせて目にしたムルー。早速その姿を人魚に見立てて描き出すが。そこに次元が不二子のもとを訪れ、彼を人魚のパートナーと見紛うてしまった。実際不二子に今回の仕事の取り分で話をもめていっただけなのだが。そこに出された料理が口に合わずむせ気味の五エ門が現れ、人魚に恋する病弱の侍と描かれてしまったが。そこで人魚をめぐっての二人の男の争いが描かれていくのだが。
さしあたり侍の五エ門をつけるムルー。侍に扮した学士として人魚に口説かんとする。一方で紳士の次元は音楽家に設定され、ピアノの弾き語りで口説く。もらい受けた花とともに銃器店に立ち寄ったことで侍の学士と決闘を挑まんと思いを巡らせる中、ついに二人が出くわした。一応一触即発の事態の中、不二子が村を後にせんとするも、偶然釣りに興じる二人を見かける。もともと運河の村ゆえ魚も寄り付かない岸辺に老人が人魚の伝説を語り出さんとする。
そんな二人も人魚のためにマーメイドフィッシュを釣り上げんと想像するムルー。しかしそのマーメイドフィッシュのことをなぜかルパンに持ち掛ける不二子。今宵の満月の時にその魚が現れるということでひとまず話に乗るルパンだったが。
しかしそんなルパン、ムルーにとっては恋に悩む人魚の第三の男として想像されてしまった。とはいえ体よくあしらわれる様でただのナンパ男と見られてしまう。彼が本当の主役であるとは知らずに。そのナンパ男ことルパンがムルーに近付いてきた。愛について問うムルーに人生そのものと応えるルパン。そんなルパンにムルーもお目当ての“魚”の居所を教えるが。
一方で未だ釣りに興ずる次元たちにもボトルメールで誘うムルー。人魚の淵にて三人を誘ったムルーが顔を出す。愛に試練に合格した者にマーメイドフィッシュの祝福を与えるというが、明らかに見え透いた芝居に付き合わねばならぬ三人。しかしクサいセリフながらよくよくできてるシナリオでマダムを口説く苦学生五エ門と音楽家次元。そしてナンパ男ルパンはほとんどアドリブで不二子を口説かんとする。いつの間にか老人たちもギャラリーに加わっていた。そしてお目当てのお宝、なんとマダム不二子までもムルーのお芝居に一役買ってしまったのだ。ムルーの気持ちを汲んだ不二子、三人の告白に結局はぐらかし、ルパンはルパンで再びあしらっていく。そしてルパンのことを噂で知っていたムルーにルパン自身も真実の愛の探求を持ち掛ける。
こうして少女ムルーの大芝居は終わりをつげ、島を後にするルパン一味。そしてムルー自身。不二子の真実の姿を想像から触れ、その想いにいたすのだった。
しかしこの島にはたしかに人魚の伝説があったのだが、ムルーの母親と冒頭の男女の姿とともにそれはまた別の機会に語られるのか。
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