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ザ・ドラえもんズオリジナル・怪盗ドラパン編:セリーヌと産業革命(その3)

さてみなさん、今回の大長編ドラえもんは、怪盗ドラパンのセリーヌと産業革命の第3弾ということで、館に閉じ込められたセリーヌ一行と、館から出された後セリーヌたちを救い出さんと再び館に入り込まんとするピエールたちの奮闘をお送りいたします。それでは、ごゆっくり。

なお前回のお話はこちら
怪盗ドラパン・セリーヌと産業革命

その1

その2

といったところですので、あらためてごゆっくり。

マイルス男爵の館を訪れたセリーヌ一行は、奇妙な機械によって、あられのない姿で監禁されてしまう。一方のピエールとドランことドラパンは何故か外に放り出されてしまう。
はたして一行はからくり男爵の罠を抜けることができるのか。

マイア「なんたってあたしたちがそれをこんな目に合わなきゃいけないのよ」
ソフィー「まさかあの時と同じなの、そんなのいやよぉ」
セリーヌ「だから泣いたって始まらないわよ、一刻も早くここから出なきゃ」
ソフィーたちをなだめつつ、あらためてセリーヌは閉じ込められた部屋を見渡したが、
ソフィー「でもどうやって出るの、この部屋は出口の扉もないのに」
その見渡したこの部屋は四方が真っ白な壁に囲まれていたのだ。
セリーヌ「とはいっても、そもそもここに入れられたのだから、いつまでも閉じ込めることが目的じゃないはず。どこかに開け口があるのかしら、ってこれは」
セリーヌが見上げた先、天井近くの片隅に何やらの開口部が開け放たれていた。
セリーヌ「あそこから空気の流れを感じるわ。そこをくぐって出られないかしら」
マイア「でもあそこまでの高さはどうするの、それにあまり広くないし」
セリーヌ「そこはそれ、私たちが力を合わせれば」
というわけでマイアがセリーヌ、そしてソフィーを肩車に乗せ、
ソフィー「ほ、本当に入んなきゃいけないの」
セリーヌ「しょうがないでしょ、あの開け口に入れるのはソフィーだけだから」
そう言われ、しぶしぶと開口部に入るソフィー。おそるおそる四角くせまい管を通っていく。
ソフィー「うう寒い、流れる空気のせいなのね。でもどこまで通じてるの、ってこれは」
管の途中にもう一つの窓が開け、喜び勇んで窓に向かい、ゆっくりと外に顔をのぞかせる。そして誰もいないことを見計らい、ゆっくり足から降り出し、意を決して飛び降りる。
多少の足のしびれを感じつつも壁からノックする音が聞こえ、おそるおそる音の方向に向かうのだった。
その場所にソフィーもノックし、壁向こうからのノックの返事が聞こえ、思わず呼び掛ける。
ソフィー「そこにいるのはセリーヌでしょ、今壁向こうに行ったけど、それからどうすればいいの」
セリーヌ「今いるのが通路だったら部屋を開けるスイッチなんかがあるんじゃない」
そう言われてソフィーはふと、何かのスイッチみたいなものを見かけ、それを押し、はたして部屋の壁の一部が開き、セリーヌとマイアも部屋から脱出できた。
マイア「ありがとうソフィー、やっぱりあんたは頼りになるわねえ」
セリーヌ「喜んでる暇はないわ。一刻も早くこの屋敷から出ないと。続いてこの通路を抜ければいいのよね」
というわけで三人は出口を探して通路を進むのだった。

変わっていち早く屋敷から脱出したピエールとはじめから外に放り出されたドラン、屋敷内のセリーヌたちのこともあり、引き続き屋敷に再潜入せんと試みる。
ドラパンとしてひみつ道具を用いれば手っ取り早いが、ピエールがいる手前これもままならない。だからこそ二人力を合わせてことに当たらねばならない。
ピエール「僕が脱出した部屋は扉が閉ざされてしまったけど、どこか別の入り口があるはずだ」
ドラン「かといって正面玄関はかえって怪しまれちゃうからね。さてどこにあるんだろう」
そうこうと探しているうちに、地上から2、3メートルほどに入り口らしき開け口があった。
ドラン「しめた、あそこの開口部から中にはいれるはずだ」
ピエール「そうか、そこから入れば中に入れるけど」
ドラン(でも道具も使えないしな・・・・・)
ピエール「ドラン君」
ドラン「あっ、え、う、うん」
ピエール「あそこの高さなら僕の身長できみを乗せられるけれどどうかな」
ドラン「ああ、そうか」
ここであらためて説明をしよう。ドランことドラパンは未来の世界のネコ型ロボットであり、その体重は129.3キロであり、ピエールでも持ち上げるのには一苦労だろう。しかしそこはマンガ、いやいや未来の世界の技術。実はもしものときに使用者がロボットの体を運べるように重力制御装置が常設されていて、それでピエールもひとまずは肩車でドランを乗せられるのだ。
ともかくもドランを肩車に乗せ、件の開口部まであと50センチ足らず。あとはドランのペタリハンドでひたすら登るのみ。
ピエール「ふう、意外に重かったなあ、大丈夫かいドラン」
ドラン「うん、なんとかね、でもこいつは送風ダクトだな、屋敷に新鮮な空気を送り込むための。うかつに入ったら目の前の扇風機でバラバラになっちゃう」
ピエール「えっ、それじゃ中に入れないの」
ドラン「ちょっと待って、今入れるようにするから」
と言いつつ、ひそかにハットを取り出し、そこから“通りぬけフープ”を出してダクトの空気弁に取り付ける。これでダクトの扇風機も通り抜けられるのだ。
ドラン「(今となっては一緒に行かないと怪しまれるから)これで通り抜けられるよ。今ロープを出すから」
と“ナゲーなげなわ”を出してピエールに放り投げる。ピエールがなわをつかむや、ダクトまで引き寄せられるのだ。
ピエール「僕もなんとか上れたけど、入って大丈夫かな」
ドラン「なんとかセリーヌたちを助けないとね」
と、フープを外し、もとの扇風機が回るダクトに戻す。
ピエール「ほんとに大丈夫かな」
ドラン「まあまあ、僕らも先に急ごう」
ピエールをせかしつつ、ドランたちも内部に潜入するのだった。
しかしややあって、二人の紳士が屋敷を訪れた。
「どうやらこの屋敷でまちがいなさそうだね」
「わざわざフランスまで来たかいもあったものだよ、ホームズ」
とりあえず二人の紳士も先のドランたちとは違う形で屋敷に立ち入ろうとするのだが。

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