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ザ・ドラえもんズオリジナル:怪盗ドラパン編・セリーヌと産業革命(その2)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズは、怪盗ドラパン・セリーヌと産業革命の2回目のお話をお送りいたします。
イギリス貴族の展覧会に赴くセリーヌたちだが、そこで巻き込まれる恐ろしくも恥ずかしい目とはいかにといったところで、それでは、ごゆっくり。

ちなみに前回のお話はこちら

アパルトメント前に集合したピエールとセリーヌ、ソフィーにマイア、そしてドランの一行。ピエールの友人のアンリが御者を務める馬車に乗り、件の展覧会の会場へと向かう。

ソフィー「男爵の展覧会なんて、今から楽しみねえ」
マイア「まったくね、今日はいっぱい楽しみましょう」
ピエール「ここは僕がエスコートしなくちゃいけないですね。うん、どうしましたドラン君」
そもそも未来のロボットたるドランも、ちょっとつまらなさそうに窓の外を見つめていたが。
ドラン「あ、うん、ちょっと考え事でボーっとしちゃって」
セリーヌ「おおかた昼寝のしすぎじゃないの、もっとしっかりしてよね」
とまあ、話に花を咲かせながらも馬車はマイルスの屋敷へと進めるのだった。

郊外のマイルス邸は先の産業革命にて富を得たイギリスの貴族の一家で、最近になってかつての大貴族の邸宅を買い、荒れ果てた内装を改築して別荘としたという。
ドラン「貴族のお屋敷にしちゃ少し広いかな」
セリーヌ「そう言っちゃ失礼よ」
ピエール「まあまあ、それだけ出し物が多いでしょうから」
そこに屋敷の主、マイルス男爵が現れる。
マイルス「よくぞ参られたお嬢さんたち、わたしが当家の主マイルスである」
マイルスの呼び掛けにセリーヌたちは会釈で応え、代表でピエールが挨拶をする。
ピエール「このたびはお屋敷にご招待いただき誠にありがとうございます」
マイルス「うむ、当方が用意した機械の数々、心行くまで楽しんでくれたまえ」
やけに馴れ馴れしい笑顔でマイルスが応え、一同は屋敷へと入る。

マイルスこれが蒸気機関だ、この中で水を温めて蒸気と化し、タービンを回して動力とするのだ。この機関の基本構造ははるか昔、古代ギリシャのアルキメデスのアイデアによるもので・・・・・」
屋敷内に並べられた機械たちを、マイルスが熱心かつ丁寧に説明し、ドランとセリーヌ以外の一同が目を輝かせながら聞き入っていた。
ピエール「これだけすごい機械がこれからの文明に役立てるのはまさにすごいですね」
マイルス「うむ、機械の文明がもたらすのは人類の幸福でなければならない。その上で自然との調和もはからねばならないからね」
ドラン「そうですねえ、機械がもたらされる公害も考えなきゃいけないですから」
セリーヌ(ドラン・・・・・!)
マイルス「おお、公害とな、なかなかうまいことを言うねネコ君。たしかにロンドンではえんとつの煙やらで空が汚れがちになって困っているが。これも人類の努力で切り抜けられると信じているよ」
マイルスの言葉にいまいち信じ切れないドランをよそに、ピエールたちも半ば感心して聞き入れるのだった。

こうして数多くの機械を目にした一行は、とある施設にたどり着く。
セリーヌ「この機械は、なんですか」
マイルス「これこそ我が屋敷が誇る最高の機械なのだよ、基本は坂道を滑って遊ぶのと同じ、いわば滑り台を派手にしたものだが。今までの機械の説明で少し肩が凝っただろうし。ここで少し楽しんでいきたまえ」
ドラン「滑り台か、これって箱の中に入って滑るんじゃないの、ちょっと危なさそうだな」
ソフィー「まあまあ、こういうのもなかなかに楽しそうじゃない」
ピエール「まずは僕が試していきましょう。楽しむにしても安全でなくちゃいけないですから」
と、まずはピエールが入口に入る。しかししばらくたっても何も反応がないのを受け、
ソフィー「何も起きないわね」
マイア「きっと別の部屋についているのよ」
セリーヌ「こうなったらドラン、あんたも入っていきなさいよ」
ドラン「あ、ちょっと・・・・・」
と、半ば強引に入口に入れられる。ちなみにマイルス男爵の姿はいつの間にか消えていて後ろの扉も閉ざされていった。しかしそうとは知らずセリーヌたちも、
マイア「こうなったらあたしたちも楽しもうよ」
と言ってまずマイアが、
ソフィー「ちょっと怖いけど、あたしも」
と、ソフィーがそれぞれ施設の中に入っていく。
セリーヌ「もう、しょうがないわねえ」
こうしてソフィーも入り、部屋には静けさだけが漂っていた。

滑り台を降りるセリーヌ。途中一つ二つの抜け穴に気付くも、それを通りすぎたその先、滑り台から動く床~ベルトコンベアーみたいなものに乗せられる。そこで何やら機械の手みたいなものが近付いてきて、セリーヌの衣服を脱がしてしまい、あられもない姿にしてしまったではないか。
セリーヌ「ちょ、ちょっと何これ、一体どういうことかしら」
そして床に運ばれるままにおそらくは地下だろう一室にたどり着く。
マイア「ちょっとセリーヌ、これいったいどういうこと」
ソフィー「何であたしたちがこんな目に」
セリーヌ「あらら、あなたたちもやられちゃったわけ」
マイア、セリーヌもあられのない姿で地下室に閉じ込められてしまったのだ。

一方ドランは機械のダクト(空気穴)を通って屋敷の外へと放り出されてしまっていた。
ドラン「あれ、ここは屋敷の外、ってことは僕は仲間外れってこと、ひどいなあ。というかあの男爵何か企んでいるな。こうなったらここは怪盗ドラパンの・・・・・」
ピエール「・・ドラン君」
屋敷の角からピエールが現れ、ドランに呼び掛けた。すかさず上着から取り出しかけたハットをしまう。
ドラン「や、やあピエール。君も追い出されたのかい」
ピエール「僕は別の部屋に入れられてしばらくたって、みんなの姿が見えないと思って探したら、まず君が見つかったわけなんだ」
ドラン「とすると狙いはセリーヌたちだな、やはり女の人だからまたどこかに売り飛ばそうと」
ピエール「それは大変だ。何とか手を打たないと」
ドラン「そ、そうだ、警察隊に連絡しに行こう。その間僕がセリーヌたちを助けに」
ピエール「いや、まずは一緒にセリーヌを助けに行こう。その後で連絡を取ってもいいだろう」
ドラン「う、うん・・・・・」
ドランとしてはピエールが連絡している間にドラパンになってセリーヌを助けてかたを付けんとしたが、そのピエールが一緒にいるとそれもままならない。こうなったらピエールと一緒に事を進めるしかない。こうなればドラパンとしてのひみつ道具もうまく使えないのが一番の問題だ。
ドラン「しょうがないな、まずはセリーヌたちがどこに閉じ込められてるかを調べてみよう」
というわけでピエールとドランがセリーヌの行方を探すために行動を起こす。そのセリーヌたちだが、あのまま手をこまねいて待っているわけではなかったのだ。

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