なくて七クセ悪いクセ~物の投げ捨てに気を付けて<本当は怖いドラえもん>
ドラえもんのお話の中では時おりママあたりが『地球製造法(コミックス5巻)』然り『温泉ロープ(22巻)』然りと、のび太くんの部屋のものを窓から投げ捨てるくだりがある。一見「それは乱暴な」という方もおられるだろうが、いっつも部屋の中を散らかしっぱなしなのにママも辟易してのことだから、無理もないという意見もあるにはある。
これもいわゆるズッコケオチにいたるハプニングの一環でもあるけれど、今の情勢ならいざ知らず、当時としてはギャグマンガのシチュエーションととらえても差し支えはない、かもしれない。たとえば『ムシャクシャカーッとしたら(44巻)』のお話にてその“ムシャクシャタイマー”の道具の効能を試すため、机のイスを窓ガラスごとぶん投げるのがまさにそれである。
とはいえ実際窓からの投げ捨てはいろいろな被害をこうむることは述べるまでもなく、『季節カンヅメ(44巻)』のお話はいろんな季節のかんづめを投げ捨てた結果、お隣の庭がいろんな季節でパニックになったり、『すなおなロボットがほし~い(大全集9巻)』のお話では、何気なく投げ捨てたオモチャが交通事故を引き起こした。こればかりは昔も今も大ごとである。
あと少しパターンを変えながらも『オールシーズンバッジ(16巻)』のお話にてはひと通り季節のレジャーを楽しんだ後で、タケコプターで家に帰ろうとした時に、わざわざポケットから予備のバッジがいくらかこぼれ落ちて落ちた辺りが異常気象さながらにいろんな季節に変化してしまった。これもいささか強引ながらもズッコケオチとしては有効だったなと今となっては言えるけれど。
そんなこんなで、こういう一見乱暴なシチュエーションも先に述べたとおりに純粋なギャグと受け止めてもいいのかもしれない。たしかにのび太くんには最後災難でもあるのだが。
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