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今更ながらマグマ大使についてひとまず語る

さてみなさん、今回は手塚治虫先生の描いたSF活劇たるマグマ大使について述べたいと思います。それでは、ごゆっくり。
マグマ大使は宇宙の帝王を名乗る怪物ゴアの地球侵略から守るべく、地球の守護神的な存在であるアースが創った人造人間である。彼はゴアが送り出す様々な怪物や引き起こされるさまざまな厄災と地球人のマモルとともに立ち向かうのだ。
といったストーリーでコミックと特撮番組で当時展開されたけれど、ひとまず人気を博したコミック版に対し、同じく制作されたテレビ版はウルトラマンに押される形となってしまう。やはり怪獣の襲来等の事件をウルトラマンは1話単位で解決するのに対し、マグマ大使は2、3話単位でじっくりととりかかったのだ。そういった重厚なストーリーもいいけれど、やはり子供には簡潔なお話がとっつきやすいのが実情だったろう。
そんな各メディアでの進行の後、90年代初頭にいわゆるOVAにても展開された。
主なストーリーはゴアとアース・マグマの抗争をベースにしたストーリーはそのままで、それなりの苦難を交えながらも戦い抜いていく。戦い続けていくうちやがては一時その身を砕かれたマグマにマモルが「君こそ本当の地球人だ」という賛辞を贈っていたのだが、冒頭ヒロインの命を生贄にして目覚めた事実はやはりいただけなかった。それについてもそれなりの哲学をもって、言ってしまえば『火の鳥』やら『ブッダ』やらの世界観をも組み込んだともいえるけれど、当時の手塚先生もここまでは描かなかったとは思う。
それからもその悲壮観なストーリーを引きずってほどよいカタストロフを繰り広げたりもした。もっとも後者については原作でも描かれたきらいもあり、それを顕著に描いたのだとも思うのだが。その具合で最後地球を守ろうというメッセージが少し露骨に描かれたのかなといった感もしないでもない。
ともかくも基本ハズレなしの手塚作品においてこのOVA版は少し頭をかしげるもののこれといった不可もないいわゆる佳作として名を刻んだことだろう。

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