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なくて七くせワルいくせ:置きっぱなしにご用心<本当は怖いドラえもん>

よくドラえもんのひみつ道具の中で、おもむろに置かれていたのを、のび太くんあたりがたまたま動かしてお話が進むシチュエーションがある。
結論から言ってしまえばこれも「お約束」の類いであろうというのはいまさら述べるまでもない。
これまた知る人ぞ知るものだが、ドラえもんのひみつ道具は四次元ポケットにあらかじめ収まっているものや、途中で未来のデパート等にて購入したり借りたりするものがある。今回取り上げるのはそれら後者のものでもある。これは先に述べた事情から、のび太くんが何らかの問題にあってからドラえもんと相談の末ひみつ道具を出してもらうということの簡略化だろう。
と、そこまではいいけれど、問題はその置きっぱなしでトラブルにつながるといったことである。
その代表が大長編の『のび太の大魔境』にて空き地に置きっぱなしの“どこでもドア”を近所のおじさんたちに燃やされたり(原作)壊されたりして(新旧映画)帰れなくなり、『魔界大冒険』では置きっぱなしの“もしもボックス”をママが捨ててしまい、もとの世界に戻せなくなったというくだりである。
これは物語の中で冒険における「退路を絶つ」つまり「後戻りができなくなる」というシチュエーションで、それなりの緊張感を得られたこともある。
それはそうとこれら二つの事柄をまじめに検証すれば、別に置きっぱなしにしなくてもよかったのではないか。そうしないと道具の効き目がなくなる、とも描かれていないのでそう考えられる。
とはいえこれも最初の事情も相まっての、結局は作者の藤子F先生の漫画を描く際の、あえて言えば悪いクセから生じたものであったともいえるかもしれない。これを持ち味ととらえるかどうかはやはり読者の判断に任せてもいいことだけれど。

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