« 今週の神様22年度5・6号:日頃の行いの積み重ねの巻 | トップページ | スパイダーマン ノーウェイホーム、ですか »

ザ・ドラえもんズオリジナル・トラえもん編:こーちゃんとダメな子奮戦記(その1)

さてみなさん、今回のザ・ドラえもんズオリジナルは、かつて旧々アニメ版に登場し、最近は虎ノ門ヒルズのマスコット“トラのもん”として再登場した“トラえもん”を、大阪の下町を舞台に、東京から転校したダメな男の子の奮戦を通じての交流をお送りいたします。それでは、ごゆっくり。
さて今回登場するキャラクターについて、
こーちゃん(士莉功太・のび太):トラえもんがお世話になっている家の男の子、これといって取り柄がないものの、いつかは立派な人間になりたいということで、多少のドジを踏むもののいつも努力を怠らない。
ゆうちゃん(幹枝祐介・スネ夫):近所の少しお金持ちの子でいつも自慢話をするがやはりとても寂しがり屋。
いさむ(巌勇・ジャイアン):近所の雑貨屋の子供でガキ大将的な存在で強引にこーちゃんたちを引っ張っていくがいざという時には頼りになる。
ちーちゃん(平千重子・しずか):お風呂屋さんの看板娘的な女の子みんなの憧れの的だが本当はこーちゃんが一番好き
しゅう君(冴渡秀一・出木杉):弁護士の息子であり標準語で話す物知りの男の子で、クラスの女の子にも人気がある。こーちゃんも少しうらやましくは思っているが、これまた頼りにしている。
以上の面々でお話を進めていきます、あらためてごゆっくり。
 
お話は一人の男の子の説明から入る。
「僕は士莉功太(しまりこうた)、みんなはこーちゃん呼ぶけど。大阪の下町に住んでるんよ。勉強もスポーツも苦手やけど、僕もそれなりがんばっとるんよ。ところが最近けったいなのがうちに住み着いていて、トラえもんいうんよ。結構面倒ごとばっか起こしとるけど、結構僕も役に立ってるんよ」
そこにトラ柄のヘンな生き物がこーちゃんに近付いてくる。しかし彼こそが未来の世界からやってきたネコ型ロボット“トラえもん”なのである。
トラえもん「おーいこーちゃん。今から遊び行こ」
こーちゃん「うん、今日は何しようか」
そこに一人の男の人が呼び掛ける。
「おーい、功太、トラ、今からお説教の時間や、ちょっとこっちきなさい」
「あ、はーい」
と、少し力なく応え、部屋を後にする。ちなみに声の主はこーちゃんのお父ちゃんで、毎日説教を受けるのが日課でもある。とはいえ、のび太くんのママみたいにガミガミではなく、整然としたまさにお説教でもあった。
いずれにしてもトラえもんとこーちゃんにとっては少し疲れるお父ちゃんのお説教が終わり、今度こそ遊びに行くこととなった。
いつもの空き地に行くと、少しさえなさそうな男の子が佇んでいた。何かなと思いその男にこに近付いていくと。
「あれ、きみはまさか・・・・・」と、こーちゃんに呼び掛ける。
こーちゃん「え、僕がどうしたの」
「あ、うん、以前東京で知り合ったことそっくりだから」
こーちゃん「うん、そうなの」
その子はトラえもんの方にも向いて告げる。
「そういえば、そこの人もあの青い人と似ているなあ」
トラえもん「え、まさかあいつのこと知ってるんか」
トラえもんとしてもとあるあおいネコ型のロボットとは面識はあったのだ。
「うん、あの青い人と一緒に知り合った子が、僕のことを親身になって付き合ってくれたんだ」
その男の子は話をしていくうちに元気が出てきた感もある。そのうち母親らしき人に呼ばれてこの場を離れようとする。
「それじゃあ、僕も近くの学校に転校するから、また会えればいね」
こーちゃん「うん、そうだね」
と、その男の子は去っていく。
 
次の日、こーちゃんたちが通う学校にて、先生があの男の子を連れて入ってきた。
先生「はい、今日は新しいお友だち紹介します。多目くんいって東京から引っ越してきました」
多目「多目です。よろしくお願いします」
と、恭しく一礼する。
先生「さしあたって席は、功太くんの後ろ座って」
多目「はい」
と、こーちゃんの後ろの席に座る。
多目「これで、一緒に勉強ができるね」
こーちゃん「うん、そうだね」
というわけで、多目くんとこーちゃんたちの学校での生活が始まったのだ。
ちなみに説明すると、こーちゃんが通う学校の生成は少し若い女の先生で、こーちゃんのお父ちゃんと同じように学校の授業はともかく、いかに努力をするかを淡々と説明するタイプなので、こーちゃんたちもひとまずはやる気を出てくるのだ。
たとえばある日こーちゃんがうとうとと眠気に襲われそうになると、
先生「はい功太くん、ちょっと気が抜けそやけどもうちょっとがんばって」
というふうに頭ごなしに叱りつけずにさりげなく発破をかけるといった具合である。
 
いくらか日にちを重ね、今回のテストの答案が返された。
先生「はい、功太くん、今日は35点、前回よりはようなっているからもうちょっとがんばりましょ」
こーちゃん「うん、35点か、まだまだがんばらなきゃなあ」
先生「はい、多目くんは30点、もうちょっとがんばりましょ」
多目「はい、引っ越しで勉強の時間がなかったからこんなものかな、でも次はもっとがんばれるかな」
変わって体育の授業では、グラウンドのランニングで、こーちゃんと多目くんがやはり周回遅れで足取りはやや遅い。
体育の先生「おい、功太に多目くん、もうちょっとでゴールやからもっとがんばれ」
こーちゃん「は、はい・・・・・」
やがて二人とも息も絶え絶えっぽく、まずはこーちゃんが、そして多目くんがゴールに着いたのだった。
体育の先生「おお功太前より50秒ほど早くなったぞ、次はもう少しがんばれ」
続いて多目くんには、
体育の先生「ようがんばったな、たとえ遅くても最後まで走れたのはえらかったぞ」
そしてクラスのみんなが多目くんを気遣ったのだ。
ゆうちゃん「頼りなかったと思ったけど結構しっかりしてんやな」
いさむ「やっぱ功太よりしっかりしてんなあ」
と、周りからちやほやされている多目くんに、こーちゃんは少し不満げだった。

| |

« 今週の神様22年度5・6号:日頃の行いの積み重ねの巻 | トップページ | スパイダーマン ノーウェイホーム、ですか »

ドラえもん」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 今週の神様22年度5・6号:日頃の行いの積み重ねの巻 | トップページ | スパイダーマン ノーウェイホーム、ですか »