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第12話:アルセス・リターンズ(その2)<機動戦士ガンダム・クレイドルエンド>

さてみなさん、今回のクレイドルエンドは、アルセスの再始動に伴いかつての英雄マツナガが訪れ、新たなる力となるいきさつと、キッカの部隊内での新たなるつながりが結ばれたいきさつと合わせてお送りたく思います。それでは、ごゆっくり。
 
ちなみに前回のストーリーはひとまずここに。
第12話:アルセス・リターンズ
その1
それでは本編をば、あらためてごゆっくり。
 
 
その日、アルカディアの“CLUB EDEN”に初老の男が訪れた。
あれからアルセス一党はキッカたちの特務隊をはじめ、各組織の動向を見守りつつ、自身もきたる戦いに備え英気を養っていた。そこにその初老の男、シン=マツナガが訪れたのだった。
はじめマツナガが厳かに敬礼をすると、それに応え、アルセスとジョアンが、ややぎこちないながらもリッドたちが敬礼で返す。
「ランバ=ラルの息子、アルセス=ハモン=ラルです」
「シン=マツナガです」
互いの自己紹介の後に、少し整ったテーブルに腰を下ろす。そして腰を下ろすなり、マツナガが向かいのアルセスに向かい話を切りだす。
「何を話すべきか、まずは単刀直入に申し上げるが、小官も貴君らのお仲間に加わりたい」
リッドたちの軽いどよめきの後、アルセスが返答する。
「それはありがたい事、一年戦争以来の英雄の一人であるマツナガ大尉のお力を借りられることは望外の喜び、自分としても名誉なことでもありますが」
マツナガとしてもアルセスをはじめジョアンたちも緊張の面持ちで自分を見ていることに気が付き表情を幾分か和らげる。
「うむ、そう固くなることもありますまい。たしかにこれからの使命やらは易からぬこともありますが」
「ええ、そうですね」
マツナガの言にアルセスも幾分緊張を解きほぐし手応える。
「ところで我らの目的について、まずミネバ様とアルテイシア様の会談の実現は小官としても望むところ。それを阻む輩についての動向を探るべきなのだが」
「アルテイシア様か、祖父の代、ザビ家とは政敵同士だったが、そもそもはダイクンのもとスペースノイド、ひいては人類の生きるべき路を求めんとした同志。自分もその末裔として何をすべきか、ドズル中将、ひいてはミネバ様ゆかりのマツナガ殿の力添えはあらためて有難い」
「なれば我らも微力ながら行動を起こすべきですか。しかしアルセス殿、貴殿も今一つ策を講じていようかな」
アルセスの表情に不敵さが戻る。
「もちろん、一人心当たりが、それはかのトリントンゆかりの者といえばお判りいただけるが」
「やはり彼女か」
マツナガも得心する。
「自分としても味方は多いに越したことはない。もちろん信頼に値するかは別の話だが」
「できうる限り行動を起こしたほうがいい、来るべき時にそなえてですかな」
「まあ、そんなところでしょう」
そんなこんなで話はまとまり、マツナガもひとまずアルセス一党の食客として世話になることになった。
(さて、アルセス一党の件に関してひと段落はついたが、これでよろしいかな、ウラキ少尉・・・・・)
心の中でマツナガは独語し、軽く天井を見上げるのだった。
 
北米大陸のとあるダイナーにて、一人の男が食事を済ませてのコーヒーを傾けんとしているところ、若い一人の男が訪ねてきた。
「やあ、久しいなタクヤ君」
その男コウが、ミネバのエージェントの一人たる若い男タクヤに背中越しで応える。そのタクヤはそのまま隣の席に腰を下ろし、話を切りだす。
「今回のマツナガ氏の件は、これでよろしかったでしょうか」
つまりマツナガにアルセスとの接触を持ち掛けたのは実はコウだったのだ。
「たしかにアルセス氏も一度ならずキッカ大佐に敵対したが、彼としてもそう彼女たち、ひいては連邦に敵意を持っているわけではなさそうだからね、これは今の体制の連邦にも言えるだろう」
コウはコーヒーを一口すすり続ける。
「俺もいろいろあったけど、最終的に旧ジオンが落ち着いければ一つの時代に決着が付くんだ。そのためのミネバ様とセイラさんの接触は好ましい。俺としてもできうる限りの布石は打てたと思っている」
コウとしても面と向かってではないが、ダイクンの娘、キャスバルの妹やら、財団の総裁としてよりも、連邦の元軍人たるセイラの方が親しみがあったのだ。
「やはり、そんなところでしょうか」
半ば肩をすくめるタクヤの席にもマスターのおごりということでコーヒーが出された。
「まあ、マツナガ氏としても踏み出すきっかけが欲しい所だったから、少々お節介を焼いたけどが」
「あとはうまくいくか、といったところですか」
「まあ、うまくいくだろう。さて・・・・・」
再びコウは席を立つ。
「中米あたりで何やら不穏な動きがある、そこを鎮めればいくらかは彼女も楽になるだろう」
「はい、ご武運を・・・・・」
タクヤの言葉を背に、コウはダイナーを後にしつつ、空を仰ぎ独語する。
「とはいえ、今回の件一人では少しきついな。そういえばミウは、キッカ大佐のところでうまくやってるかな」
 
「・・・ところでどうしました、ミウさん」
TWの食堂室で何やら物思いにふけるミウに、向かいのアレンが話しかける。
「ああ、アレン少尉、ふと父のことを思い出しまして」
「うん、たしかウラキ元少尉ですね。大佐から聞きましたが、確か傭兵として活躍しているとか」
「はい、最近ミネバ様のもとに、身を寄せているとか」
「結構複雑な身の上だとは思いますが、僕もできうる限り力になりますから」
暗く沈みがちなミウの表情もアレンとの会話で次第に好転した感もあった。
「ありがとうございます、今はお気持ちだけで十分ですが」
ミウもゆっくり席を外す。それを見届け、ややあってアレンも自室へと戻っていく。
しかしそれぞれ二人が部屋に向かう途上、傍らで見届けた者たちがいたのだ。

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