第15話:ラスタル・エリオン<機動戦士ガンダム・鉄血のオルフェンズDAWN>
さてみなさん、今回のオルフェンズDAWNは、かつての敵役にして、今や暁にとっては越えるべき存在でもあるギャラルホルン議長ラスタルとの対面を中心にお送りする運びです。はたして暁はこの最大の試練をいかに切り抜けるのか乞うご期待、といったところで、それでは、ごゆっくり。
あと今までのストーリーもこの場を借りて紹介したいと思いますので、ご興味があればそれらもお目通し下さい。
第1話:暁に立つ
第2話:汚名
第3話:世界を知れ
第4話:アステロイドの猫
第5話:テイワズの息子
第6話:マクギリスの遺産
第7話:散る命、守る命
第8話:鉄血の志
第9話:クアールのガンダム
第10話:再び赤き星へ
第11話:出会いと再会と
第12話:復讐こそ我がのぞみ
第13話:明日への誓い
第14話:女神再臨
以上をもとに今回のストーリーをお送りいたします。あらためてごゆっくり。
GH本部への途上、朝食がてら今後の対策を練ることとなった鉄血隊。
先の“事件”のことはもはや言うに及ばず、この先も更なる無理難題を吹っ掛けてくるかは容易に推測できる。かといってサンダルフォンの件は半ば預かり知らぬこととも理解はしているのだが。
そしてGH本部、人工島ヴィーンゴールヴにたどり着いた鉄血隊。降り立ってすかさずGH士官の一人が、GH本部にて今後の対策の協力のための会談をとある場所で行いたいという、ラスタルの意思を伝える。
その際に会談の要員をライド、暁、そして陽日を指名する。
ライドと暁はともかく、何故陽日なのかという問いに、やはり曽祖父の蒔苗老の縁だろうとライドは説明する。誰しも納得する中、陽日も多少の困惑交じりでひとまず承諾する。
ともかくGH本部、その上層部に向かうライドたち。かつてその本部とさらに中枢に乗り込んだ三日月のことを思い起こさんとする暁だが、エレベーターが上層にたどり着くや、ライドにならって回廊に足を踏み入れる。その際に案内役の士官は残り、会談の場であるセブンスターズの間に向かうよう告げる。
かくしてそのセブンスターズの間に入る一行、そこにはGH議長ラスタル・エリオンが一席に座していた。
一方で留守のラッシュたちは一応自由時間が与えられ、VGの施設は自由に使えるように取り付けているとは言われたものの、暁たちが心配なのか、とてもその気分ではなく、とりあえずは宿舎内での待機を続けていた。しかし何より気がかりなのは、あの指宿派がどう動くか、でもあるのだが。その一方で雪乃と春香、そしてクアールが物資の買い出しと称して密かにVGの動向をはかるべく施設内を回っていったのだが。
「よくぞ来た、鉄血隊の諸君。まずは向かいの席にかけるがいい」
戻ってセブンスターズの間、ラスタルが向かいの席に座るよう告げ、ライドたちもそれに倣う。はじめラスタルは陽日に向かい、
「まず蒔苗嬢には老の縁もあり、これからの彼らの、そして我らの行いを見極めたく思い、こうして招いたものだが」
「畏れ入ります、ですが今の私は鉄血隊の隊士としてこの場に参りましたこと、お見知り置きをお願いしますが」
と、陽日とラスタルの挨拶についで、
「ところで、こうしてお目にかけられるとは光栄だな、暁・ミクスタ・オーガス。ちなみに今座っている席は、彼のマクギリスが座していた席でもある」
と、暁にも声を掛ける。こうしてラスタルと鉄血隊との会談が開かれることとなった。
はじめラスタルは鉄血隊の目的、かつての鉄火団の名誉回復についてはすでになされたも同然と告げる。それは今後彼ら鉄血隊の行動次第で彼らの勇名も自然と高まると付け加えたりもしたのだが。
それについてはライドをはじめ暁、陽日もそれを承諾する。あらためて暁に話が向けられ、中でも三日月の悪名とともに勇名も話が持ち上がる。それを踏まえて自分との対峙をほのめかし、そのうち暁に銃口を向ける。
それにはライドも反応し、ことに陽日も席を立たんとするも「大丈夫だよ、陽日」と暁がたしなめる。
ラスタルが本気で自分を撃たないと踏んだことについて、まず今やGHのトップたるラスタル自身が上座の席ではなく脇の席に座したこと~そもそもその席がエリオン家の席でもあるが。この部屋がGHにとって神聖な場所であり、自分の血で穢すことはないだろうと応える。
そして「俺も母さんや先生の教えを受けたつもりだけど、父さんより扱いやすいとは限りませんよ」とも告げる。
その明快なる応えにラスタルも快い笑いとともに銃を収める。
その上でラスタルはあらためて問いかける。
「先に告げたが、かつての鉄火団、そしてお前たち鉄血隊が、単なるチンピラで終わるか、時代を築く志士となるか、今後の活躍にかかっている。我らGHを利用するもよし、己の力で切り拓くもよし、いずれにしてもそれだけを成すことは、お前にできるか暁よ」
「やってみます」と、ラスタルの問いに強い意志で応える。
こうしてひとまずの会談を終え、鉄血隊は反乱軍との対峙を任され、その際にGHの可能な限りの協力も取り付ける。ライドたちの退出にあたりラスタルは、GHにおけるMSの動力たるエイハブ・リアクターの自前での製造について、その施設をひとまず利用しているに過ぎないと告げる。
「ご忠告感謝する。これからも我ら鉄血隊の活躍を照覧あれ」
と鉄血隊一同が部屋を退出する。それを見届けた後に天を仰ぎつつ呼び掛けるように告げる。
「こういうこととあいなった。今一度世界の命運をかける戦い、お前も戦い抜けるか指宿よ」
それは、前もって仕掛けられた小型の盗聴器を察知しながらも、鉄血隊との会談を利用してのラスタルの挑戦状でもあった。
鉄血隊の宿舎にてまず雪乃たちが戻ってきて、施設のいくらかが閉鎖されていて、GHの兵士も動きが慌ただしいと報告する。後はライドたちが戻っての相談だとヤマギが返し、一抹の心配とともにライドたちを待つも、ややあってライドたちが戻ってきた。
ラッシュが暁に会談の帰趨を問うも、自分はなんとか切り抜けられたと応えたとともに、わざとらしくラッシュの頭を抱え込み「これから大変なことが起きるんだ、それだけは覚悟してもらおうか」
その呼び掛けにラッシュも圧倒されつつも「わ、わかったよ、兄貴」と応える。
続いて会談の詳細をライドに求め、そのライドも今すぐVGを発ち、自分たちなりに指宿たちの動向を迎え討つと告げる。
GHには遠く及ばないとはいえ指宿派の戦力も侮れないところもあり、それと直接対するのもまた、ある程度無理難題でもある。
「でも、あのMAよりは幾分楽に・・・・・」とラッシュが応えんとするも。陽日の厳しげな表情にある程度の状況の厳しさまでも理解したきらいがあった。それを察してかライドも先のラスタルの忠告を告げる。
「もし指宿がリアクター施設を求めるなら、たしかに軍事的に優位に立てるかもしれない。だが・・・・・」
なぜかこれ以上は言を止める。しかしラッシュなりに踏ん切りをつかせるのには十分だった。
「いずれにしても今後のことを踏まえてオーストラリアに行こう。そこでジュニアと落ち合うことになっているんだ」
ということで、鉄血隊はかつての厄災戦の被害を受け、今は巨大な港湾都市となってい、テイワズの支部も構えているオーストラリアへと向かう。
後の輸送船の甲板で、ふと暁は風を受けつつあらためて遠い日の誓いをあらためて思い起こす。
「この空の下で俺の手はちっぽけだけど、父さんや団長が目指した未来、この手で今度こそ掴むんだ、俺なりにね」
その誓いをラッシュが、そして陽日が見守っていて、そんな二人に暁も振り返りざまに昼食にしようと呼び掛け船内に戻るのだった。
次回 機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズDAWN
天のいかずち
俺たちの戦いは決して無駄じゃなかったってわけだね、オルガ、それに暁。
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