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第11話:望まれし子(その2)<機動戦士ガンダム・クレイドルエンド>

さてみなさん、今回のクレイドルエンドはようやくセイラとの対面を果たしたキッカ。ミネバとの会談はまだ先とことわる一方でセイラ自身の胸の内を明かし、そして先に引き取った一人の少女。これもまたその後の物語について多大な影響を及ぼすことをここに明記します。といったところで、それでは、ごゆっくり。
 
ちなみに前回のストーリーはひとまずここに。
第11話:望まれし子
その1
それでは本編をば、あらためてごゆっくり。
 
 
ようやくセイラとの会談の場を得たキッカ。まずはインド風の少女、キッカにとってもどこか見覚えがあるよう少女だったか、その子が恭しくお茶を差し出す。
「ありがとうリュキア。あなたもゆっくりとしていきなさい」
セイラの応えにそのリュキアという少女は一礼の後に部屋を後にする。その後でキッカに向き直りあらためて話を切りださんとする。
「ここまで足を運んでくれて、本当にお疲れさまね、キッカ」
「はい、恐れ入ります」
キッカの応えを受けた後で、一瞬窓の外に目が映ったクムがキッカに告げる。
「・・・あの、大佐、少し席を外してよろしいでしょうか」
クムの言葉にキッカとセイラがほぼ同じく「ええ、いいわよ」と応える。その後にクムはまた一礼の後部屋を後にするのだった。
それを見届けたあとでセイラも一息ついて本題に入る。
「いきなりで申し訳ないけれど、私とミネバとの会談は、まずすぐには無理だけど」
「・・・そうですね」
キッカも頷きつつそう応える。たしかに今の状況ではそう応えるしかなかった。
続いてセイラが告げたのはやはり自身の身の上についてであった。
「それから、あなたたちにもう一つ謝らなければならないことがあるわね」
「やはり、シャアのことですか」
キッカとしてもかえって怒られることを覚悟の上で応えたが、セイラの方もそれを察して返す。
「ええ、今の状況は彼のことも要因でもあるけれど。この際だから私とシャアのことを放さなければいけないわね」
「はい、詳しいことは義母さんやブライトさんから聞きましたが」
「まず私とシャアが、ジオン=ダイクンの子のアルテイシアとキャスバルであることも」
「はい、私にとってセイラさんはセイラさんですし、シャアに関してもそんなに悪い感情は抱いていません。それに今にすれば素晴らしい人だなと、もちろん、理想に凝り固まらなければの話ですが」
「ありがとう、それを聞いて、私もいくらか気が楽になったわ」
一瞬セイラの表情が和らいだかと感じられ、セイラももう一つの話題を持ち掛けんとする。
「もう一つ言わなければならないこともあるから、それも聞いてくれるかしら」
「と、いいますと」
「あなたは、ララァ=スンという女性のことは聞いていたかしら」
キッカにとってもそう意外には思わない感もあった。
「士官学校に入るまではぼんやりと、それからソロモン戦の前後を調べて少し理解したつもりでした。ですがシャアとアムロさんとの確執に関係があるということ以上は私としても分かりかねるんですが」
「ええ、それで十分よ。実は、彼女と同じ出身の子を最近になって引き取ったんだけど。彼女には不思議な感じがして、おそらくニュータープの能力とは違う、そう、大昔から言われた霊的な何かを感じるのよ」
今となっては非科学的な事項でもあるのだが、キッカにとっては今更何を言われても驚かないつもりだった。
「まさか彼女がその生まれ変わり、ということですか」
「これも結局は私の推測の域を出ないけれどね」
そういえば先にお茶を出した小さなインド人風の女の子。彼女がそうだったのか。
「たしか、名前はリュキア、といいましたね。もしそうなら彼女を守らなければなりませんね」
「そうね、でもそれは私たちの役目だけれど、そう気を張る必要もないわね」
キッカもひとまず了承の意を伝える。しかしその会話を部屋を通り過ぎんとしたカガチ少年が耳にしたのだったが。
 
一方で外に出たクムは裏庭で様子をうかがっていた一人の女性エージェントを顔を合わせていた。
「やっぱり来ていたのね、ミコット」
クムとしても見知らぬ仲ではない彼女、ミコットに少し親しげに話しかける。
「ええ、会談の件はこちらも気になっていましたから」
「結論から言うけど、セイラさん、アルテイシア総裁の方もまだ踏ん切りが付いていないけれどね」
実はクムも耳に付けていた小型の通信機で逐次会談の内容は伝わっていたので、その内容を告げたのだ。
「・・・やはり、そうでしたか・・・・・」
「・・・ミネバ様・・・・・」
「今はオードリーですよ、ミコット」
割って入るように現れた一人の女性、サングラスを外し、クムにも顔を合わせる。
「そうだったわね」
クムもひとまずは親しげに応える。たしかに面識はなかったわけではなかった。
「お久しぶりですね、クム少尉」
「ええ、サイド2の頃から本当にお久しぶりね」
こうしてクムとオードリー、ミネバとの対面も行われんとした。

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