我が友<今更ながら銀英伝ノイエテーゼレビュー>
自由惑星同盟首都ハイネセンにて、救国軍事会議のクーデター鎮圧を祝しての式典が開かれる運びとなった。誇大に過ぎる戦勝式典はむろんトリューニヒトの政治ショーであることはいくらかの人間は理解できた。おそらくもっとも理解し得た人物は我らがヤン提督であろうが。いずれにしても彼にとって空虚なる時間が過ぎるも、最後の議長閣下との握手、これが彼にとって最も不快なひと時であったのだろう。その虚構の式典が過ぎ降りかかった穢れを祓うがごとく入念に手を洗うヤン。それを気遣うユリアンとともにイゼルローンからとある来客が訪れたことを知らされる。何と先のリップシュタット戦役の指揮官で貴族どもの敗滅後、副官の進言でヤンを頼って亡命してきたのだ。メルカッツの勇名はヤンも知れ渡っていたので、これからの帝国、ことに実権を握ったラインハルトとの戦いを控える身としては彼の助力は貴重に思えたのか、自らを頼ってきたメルカッツを受け入れるのだった。
一方の帝国では、ラインハルトが貴族連合を一掃し、自らの権力を確立した。しかしあらためてその代償はあまりにも大きかった。
キルヒアイスの死で姉アンネローゼは郊外の別荘に引きこもり、ラインハルトと一定の距離を置くこととなる。
当のラインハルトはキルヒアイスの墓標に“我が友”と銘を打った。いかに公式での称号で労おうともキルヒアイス自身へのはなむけにはこの言葉が精いっぱいだったのだ。
その一方ヤンとしても、アスターテ以来過酷な運命に散った男女、ラップとジェシカの墓標を参る。こちらも自らの運命を乗り越えんとする誓いを新たにするのだったが、帝国軍、ラインハルトとの戦いはともかく、同盟首脳部、すなわちトリューニヒトの取り巻きの政治家たちが足を引っ張ることは今更述べるまでもないのだが。
いずれにしてもヤンとラインハルト、この二人を中心に戦乱の嵐が再び吹き荒れる頃もまた述べるまでもない。そして今や忘れられた惑星地球ではそこの支配者として宇宙にその影を落とさんとする地球教もその陰謀の手を伸ばさんとしていた。
こうして銀河系宇宙は新たな時代の渦を待つことになる。
といったところで銀英伝ノイエテーゼのレビューはひとまずお開きということになりますが、いずれ放映される次回シリーズでもレビューをお送りするかもしれません。それまでまた会う日まで。
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