さらば、遠き日<今更ながら銀英伝ノイエテーゼレビュー>
リップシュタット戦役にて貴族連合軍を廃滅させたラインハルト、その戦勝式典にて。
まず警備兵に携帯した銃器を取り上げられるキルヒアイス。これは先のラインハルトとの確執からきたものだというが、そういえば前作ではそれに伴ってキルヒアイス自身の過去の回想がストーリーの半分を占められたことがあったか、まあそれはさておき。
その後で捕虜となったファーレンハイトがラインハルトに引き入れられ、続いて自決させられたブラウンシュヴァイクの遺体がアンスバッハに引き連れられる。しかし公の遺体の中からハンドキャノンが取り出され、それでラインハルトを狙わんとした。しかし砲弾はわずかにそれ、アンスバッハ自身はキルヒアイスに阻まれる。しかしキルヒアイスは隠し持った指輪型の光線に貫かれる。
こうしてキルヒアイスは駆け付けたラインハルトに自らの意思を伝えその短い生涯を終える。そしてラインハルトは自らの半身ともいえる友を永遠に失ったのだ。
この悲劇がラインハルト軍にとっても深刻な打撃を与えたことは述べるまでもなく、その隙に首都のリヒテンラーデに好機を与えることは想像に難くない。そもそもキルヒアイスの死の遠因ともいえるオーベルシュタインは、帝都の宰相に暗殺の容疑をかけて排除を持ち掛ける。はたしてリヒテンラーデは拘束されひとまずは後顧の憂いは断ち切られた。しかし今にして思えばリヒテンラーデが実際にラインハルトを排除せんとしたかは甚だ疑問もある。彼も彼なりにこれからもラインハルトを利用せんとしたのだろうが、しかしラインハルトの究極の目的のため有力貴族としてのリヒテンラーデもやはり邪魔な存在なので結果的に排除に踏み切らんとしたのだろう。
続いてオーベルシュタインは、キルヒアイスの死を報せたアンネローゼを使いラインハルトを立ち直させんとした。しかしそれは彼からアンネローゼとの距離を置かせることにもなる。
こうしてラインハルトの中に大いなる空洞が開かれ、それを満たさんとさらなる戦いを求めることになる。それが永遠に満たされぬものと知っていながらも。
そしてこの事件がさらに多くの人に影を落とすことになるだろうとひとまずは述べることにするが。
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