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新・のび太は悪い子:でも本当はいい子なんです<本当は怖いドラえもん>

さてみなさん、今回も遅ればせながらもこの記事をお送りする運びとなります。
これも前回の記事からもう少し読める記事を目指して改訂をしました。それでは、ごゆっくり。
 
先にのび太くんのワルい所を指摘し、本当の意味で悪い子なのかを検証したが、先の二本から検証した結果、知らず知らずに悪い子に仕立て上げられ、いうなれば悪い意味での勧善懲悪のお話にあてはめられたといったところだろう。
たしかにダメな自分なりに一歩ずつでもよくしていこうといった気持ちが描かれたお話もちらほら描かれているのも無視できないものなのだが。
そんなのび太くんだが本当はどうなんだろうと、これもあらためて検証していきたい。
これもまた結論からいうには、タイトル通りに本当はいい子で、それなりにがんばることも忘れてはいないということである。
そこでこの二本を通じて検証をしてみたい。
 
『悪魔のパスポート』(要点のみ)
どうしても欲しいマンガ本のためにちょっと魔が差してから、実際悪いことをしようと偶然“悪魔のパスポート”なる道具を手に入れていろいろ悪いことをしたのだが、流石に自分の良心が痛んできて使うのをやめたそうな。
 
『悪の道を進め』(要点のみ)
ある日自分がよい子になろうとして、進んでよいことをしようとしようとするも、どれも失敗ばかり。それならばいっそ悪いことをしようとして、心配になって駆けつけたドラえもんに“よいこバンド”をつけて結局どれもよいことになってしまう。結局よいことも悪いことも思うようにならないのかと悩むのび太くんに、今自分ができることからやっていこうとドラえもんは励ますのだったそうな。
 
この二本から描かれたように、結局のび太くん自身は多少のいたずら心やらちょっと魔がさすことがあっても、進んで悪いことはできない性格なのだなということで。
ことに『悪の道を進め』のお話は、最初からバンドを出せばある程度活躍できたのにという想いを抱いた方もおられただろうが。やはり素直に評してみれば、人が何かを成そうとする時に、ある程度の挫折を一度ならず味わうこともあるだろう。そんなときにも誰かが支えてくれるといったことを教えたかったのだろうと藤子F先生は描きたかっただろう。
 
あともう一つ『のび太の結婚前夜』にて結婚を間近に控えたしずかちゃんが父親に不安をたれると、その父親は旦那になるのび太くんのことを「あの子は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる子だ、それが人間にとって一番大切なことだ」と説いたということ。
つまりのび太くんは優しくて思いやりがある子なのだけれども、日常の困難やズッコケなどでそれを忘れがちになって、ちょっといたずら心や魔がさすことがあるのだろう。
それをドラえもんの道具や、時にはしずかちゃんたち周りの友達、たまにではあるけれどジャイアンやスネ夫などの助け、そして何よりのび太くんの一握りの努力で人間的に成長したのだなということで。
ともかくも、本当はよい子ののび太くんを通じてある程度勇気づけられた読者(編者含む)は本当に数多くいると思う。

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