« クラウン対ティンクル、どき魔女系キャラ<バトルコロシアムD.A.S> | トップページ | 今週の神様21年度29号:やはり待っていた者の巻 »

第10話:宿敵の刃(その2)<機動戦士ガンダム・クレイドルエンド>

さてみなさん、今回のクレイドルエンドは旧ティターンズ系が立てこもる敵基地を攻略する際に、かつての宿敵と刃を交え始める様をお送りいたします。
そういえば最近ガンダムエースにてキッカがジャーナリストとして活躍するコミックが連載されていますが、今作品もまあ今となっては可能性のひとつとしてご了承を頂ければとは思っておりますが。
といったところで、それでは、ごゆっくり。
 
ちなみに前回のストーリーはひとまずここに。
第10話:宿敵の刃
その1
それでは本編をば、あらためてごゆっくり。
 
 
旧ティターンズ系の反乱部隊が立てこもる基地に到着したキッカたち特務隊。
一閃を交えねばならぬとの覚悟の上で、まずは基地に投降を呼びかける。
「こちらは地球連邦軍特務隊、キッカ=コバヤシ。
貴官たちのこれまでのいきさつは承知しております。
当方としても上層部への呼び掛けを検討しています。
今より投降を希望するものは武装を解除して当艦に・・・・・」
突然基地よりバルカンの斉射が放たれる。投降の拒否の表れだとひとまず理解する。
「やはり、戦うしかないな」とトーレスも軽く肩をすくめる。
「そうですね、それでは、全機発進!」
指令が下され、ライエル、クム、そしてアレンたちMS部隊が逐次発進していく。
 
特務隊の任務は反乱部隊の鎮圧で、まず敵MS部隊の無力化を前提とするものだった。
しかし敵もそれを承知の上でキッカたちと対峙するのだ。
「ジオンももはや無きに等しいことは俺たちも承知している。そして俺たちも戦う意義はもはやない。その上でキッカ大佐もなるべく生け捕って取り押さえんとするだろう。なればこそあえてそれに甘えた上で抗わせてもらおう」
誰かがそう独語した上で迎撃にあたった。
 
敵MSの攻勢は、ハイザック、マラサイ、バーサムからなる陸戦用の機体が中心でやはり現代風の性能に準じてリチューンされていた。
しかしこちらも最新鋭に近い性能で数でかからんとする相手にそう引けは取らないだろう。
まず先陣を切ったライエルのジOが数機がかりでかかってくる敵機のサーベルをこちらもメイン、サブのアームでのサーベルで受け止め、その上でクムのファンネルで手足を落とし無力化する。
その中の1機のパイロットがコックプットからはい出し、おもむろに銃を取り出すが、自らに向けられたバルカンを確認して、手に持った銃を投げすて両手を挙げ降伏する。それに倣い他のパイロットも銃を捨て投降せんとする。
抵抗した上での降伏だから罪は重いと思うのだが、これも軍人の矜持だろうと、ひとまずキッカも納得の上で受けた勝負である。
「先陣は華々しく戦って降りたか、せめて俺たちは全力で戦い華々しく散って次代への礎となろう。たとえ徒花であろうともな」
第2陣が対するはアレンたちのリ・ガズイ隊である。もともと空中戦に長ける機体に見えるだけに、敵もそれなりの対処をしてきたようだが、アレンたちもひとまずは格闘戦で当たることにした。
グリプス戦役からのつわものぞろいなだけにその戦闘力は折り紙付きで一旦は押され気味だったが、アレンたちも伊逹に訓練を受けたわけではなく、一瞬の隙を見計らい、それぞれが要所を突いてやはりなるべく無力化する。
そして誰もが「ここまで、だな」との想いで投稿をしていく。
そして第3陣が出撃し、続きてアレンたちと対峙していく中のことだった。
 
「3時の方向から何者かが急速に接近してきます」
オペレーターの報告から数瞬の後、それが交戦中のアレンと敵機との間に接近し、サーベルの一閃で機体を切り裂いた。しかしアレンはすんでのところで飛びさがり、斬撃を免れた。
「これは、まさか・・・・・」
その光景を目の当たりにしたクムは驚愕とともに機体を見やった。それはまさにグリプス戦役で猛威を振るったバイアランであった。
そういえばこの機体も最近まで改良版の機体が開発されていたが、この機体はところどころにチューンアップが成されていて、今でも通用する性能だとか。
ともかくもこちらも状況を見極めなければならない、と特にキッカ自身がそう思ったが。
 
一方切り裂かれたバーサムを足元に、そのバイアランから声が響く。
「ほう、ついてたな。しかしこれくらいはカミーユなら朝飯前だ」
その声に幾人か、かの戦役を戦い抜いた者たちは確信した。そのバイアランのパイロットが誰あろう、ティターンズにその人ありといわれた、言うなれば自分たちにとっても宿敵ともいえる存在、ヤザン=ゲーブルであると。
「それから下の貴様、死にたくなければとっとと失せろ」
ヤザンの呼び掛けに腰部を切り裂かれかろうじて爆散は免れたバーサムのパイロットも急いでこの場を離れる。
そこにすかさずTWからキッカの通信が入る。
「気を付けて、この人はただ者じゃないわ」
その言葉に全機があらためて気を引き締める。
「ほう、キッカ=コバヤシ。カツの義妹、いや今やWB最後の勇者と呼んだほうがいいな」
あらためて全機に緊張が走る。しかしわずかな動揺からのMSの動きをヤザンは見逃さなかった。まず身じろいたウィルのリ・ガズイに狙いを定める。ウィルも果敢に応戦するが、最後にはサーベルをはじき落とされ、肩の装甲からの体当たりでぶっ飛ばされる。
「まずお前も、違うな・・・・・」
続いてアレンとギルダスが同時にかかっていく。しかしその2機もヤザンのたくみな操作であしらわれ、ギルダスを蹴り飛ばしてからアレンの右腕を斬り倒す。
「やはりお前らはカミーユのゼータとは大違いだ」
そう言うや、今度はライエルに襲い掛かる。こちらも4本の腕でのサーベル裁きを駆使しつつ応戦し、ひとまずの剣劇を繰り広げたりもしたが、やはり熟練度を生かしてヤザンがサーベルをはじき落とし、突撃からジOの機体ごと基地の岩盤に押し付ける。
「ウラキ博士もよくやってくれた。だが同じジOでも、この程度じゃシロッコの足元にも及ばん」
そして狙いをクムに定め、クムもまたサザビーにて構えの態勢に入る。
かの反乱戦にてのニューと同じく最新鋭の機体だっただけにその性能も引けを取らず、クム自身もエースと謳われただけあってよくよく攻撃を受け流していく。
「やっぱりこの人も戦いを楽しんでいる。だからこそ私もここで倒されるわけにはいかない。大佐のため、そして私自身のため」
しかしそんな自身の気持ちを呼んでか、次第にあしらわれている感じを覚える。実際ヤザンも手応えのある相手に多少のは楽しもうといった想いで戦いを運んでいた。
そしてこれまた一瞬の隙をついて、クムのアクスを弾き飛ばす。
「大した娘になったものだお嬢さん。だがもう少し楽しませてもらおうか」
と、ヤザンも最後のとどめとばかりに飛び掛かり、怯んでから体勢を立て直した矢先のクムも一瞬死を覚悟した。
しかしすんでの所でシールドをかざしてサーベルの斬撃を防いだのは、キッカのニュープラスだったのだ。
「大佐!」
「ごめんクム、この戦い、私たちの負けみたい」
そんなキッカにヤザンが呼び掛ける。
「やはりおいでなすったかキッカ大佐。その負け仕合を勝ちに転じてみるか」
その挑戦に受けて立つと言わんばかりにキッカもシールドを投げ捨ててからサーベルを構える。
しかし未だニュープラスの性能は十分に発揮されてはいなかった。

| |

« クラウン対ティンクル、どき魔女系キャラ<バトルコロシアムD.A.S> | トップページ | 今週の神様21年度29号:やはり待っていた者の巻 »

ガンダム」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« クラウン対ティンクル、どき魔女系キャラ<バトルコロシアムD.A.S> | トップページ | 今週の神様21年度29号:やはり待っていた者の巻 »