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今更ながらマヴァール年代記について語る

さて今回取り上げるのは、田中芳樹先生の戦記小説『マヴァール年代記』
同じ頃に執筆された『アルスラーン戦記』と同じような世界観でありながら、ファンタジー色をあえて排し、中世の歴史小説の様相を呈した作品でもある。
中世東欧をモチーフとしたマヴァール帝国の皇子カルマーンを中心に、皇位継承をめぐる争いから周辺諸国との抗争、やがては腹心あり親友であったヴェンツェル公の反乱を描いた一大歴史絵巻が主なストーリー展開といえる。
そのストーリーについて、田中先生の作風といえばそうだけれど、物語を彩る、主役脇役敵役と、現れて活躍しては消えていくといった先生ならではの皮肉を利かせたある程度のご都合主義的な無情観が幅を利かせていった。
たしかにベースの世界の社会情勢もばかばかしいくらいに悪いともいえる。これは大半の先生の作品にも当てはまることなのだが。カルマーンの野心の発端たる父先帝をはじめ、ヴェンツェルを除く公国の国公もまた悪い意味での権力者として描かれていた。それらをカルマーンらが一掃したかと思えばやはり先述の動乱から物語に悪い意味で尾を引いてしまったともいえる。
しかしそれでも最後、そのカルマーンとヴェンツェルが野心の果てに相打ちで斃れた後、残された人々がカルマーンらが築いた時代をもう一人の親友たるリドワーンを中心に受け継いでいくといった結末もまた田中先生ならではだともいえる。
ついでに言えば、アルスラーンもやはりブランクが影響してか悪い意味でマヴァールの作風が影響しちゃったのかなとも思えてならない。

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