発火点<今更ながら銀英伝ノイエテーゼレビュー>
皇帝フリードリヒ4世の死と幼帝エルウィン=ヨーゼフの即位に伴う、ラインハルト陣営と貴族連合との対立が顕現化していく中、一人の女性貴族が帝都オーディンに降り立った。
彼女はマリーンドルフ伯の息女ヒルデガルド。
それに先立ち、彼女は父フランツがきたる騒乱を予感している中、いずれかに組まんと悩んでいた時、ラインハルトに組むことの意義を説く。そのためラインハルトへの交渉役を自らが買って出たりもするが。
こうして元帥府に赴いたヒルダは、自らの想いと帝国の行く末に対する憂いを込めてラインハルトマリーンドルフ家の全面的な協力を告げる。それにはラインハルトも感嘆し、ヒルダの協力を快く受け入れる。ここに歴史を動かした会談は成ったわけなのだが。
一方貴族側も手をこまねいているわけではなかった。まず戦力的の充実に関してはオフレッサーが先日軍を退きたミュッケンベルガーに協力を仰ぐも結局断られ、ついでラインハルトの危険性をも述べられた。そういえば前作の外伝でも今作より傲岸ながらも元帥にはある程度敬意を払っていたように見えたが。いずれにしても元帥の勧誘には失敗したのだが。
続いてブラウンシュヴァイク公自身がメルカッツに極力を持ち掛け、そこでも彼自身断ろうとしたが、そこから半ば脅迫じみた物言いに流れ、ついには提督の妻子に類を及ばさんとしたときにやむなく折れることになった。そのようなわけでメルカッツも以後苦難の道を歩むことになるのだが。
その一方でシュトライトやフェルナーなどの配下の将校は裏工作でラインハルトを排除せんとするも、にべもなく公に突っぱねられる。そこでやむなく自分たちで行動を起こさんとする。しかしすでにそれあるを承知のラインハルト陣営に阻まれる。そしてそれを奇貨としてラインハルトも様々な策謀を巡らせ、ついには軍全体を掌握するに至ったのだ。
こうして事前に帝都を発った貴族連合軍とそれを討つ大義名分を手に入れ、出撃するラインハルト。大いなる戦いの発火点たる今回の事態だが。その帰結するところは彼自身ですら理解し得ないでいたのだ。
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