知らないことの面白さ<本当は怖いドラえもん>
ドラえもんという物語の中で、それを通じて藤子F不二雄先生の知識や造詣を知り得た機会もあることだろう。しかしながら藤子F先生も知り得ないこと、あるいは知っていてもあえてこたえないこともある。そこで今回はそんな知らないことについての意義(みたいなもの)をこのお話を通じて述べてみたい。
『タイムマシンがなくなった』
ある日のび太くんがいたずら半分でタイムマシンに乗り込んで、誤って動かしてはるか昔に飛んでしまった。それを回収するためにドラえもんとともにはるか昔の日本に赴いたが、そこでの怪物騒ぎに巻き込まれ、それの他所をすることとなった。その怪物“ヤマタノオロチ”と出くわすも、結局これも冒頭のいたずらで使用したひみつ道具のモンスターボールで出した怪物の幻だったので、ひとまずこれをボールごと回収して現代に帰ったそうな。
このお話ではのび太くんが“ヤマタノオロチ”についてのうんちく(ここではちょっとした情報)について聞いてきたが、たしかに「8本の首を持った巨大な蛇のオバケ」であることは書かれていたか肝心な語源、つまりは“ヤマタノオロチ”はどうして“ヤマタ”なのかについてははぐらかされて書かれていない。
漢字で書けば『八俣大蛇』つまりは「たくさんの川の流れ」を表した怪物といえばすむ話なのだが。
実際のお話で、聞かれたドラえもんも本当は分からなかったのかと書いているが、実際知っていてもあえて教えなかったとも考えられる。
つまりはF先生もあれこれと教えて肝心な考える力を養わねば意味がないの考えたのであえて教えなかったのではないか。さらに言えば教えられた “情報”と“知識”を使う“判断”と“教養”を育てることこそが大切なのだと、編者としても今更ながら思うのだけれど。
とはいえそうこうと考えたり、今までひねくれて論文(みたいなもの)を書き続けたこともひとまずの“教養”と言えるのではあるまいかと自惚れたりもするのだが。
ともあれこういった深く入った考えもドラえもんを読む上で必要なのかもしれない。
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