死線(前編)<今更ながら銀英伝ノイエテーゼレビュー>
ついに同盟の帝国領侵攻作戦が始まり、しかし当初懸念された帝国軍の迎撃はなくいわゆる辺境の解放はすんなりと行われた。しかしそれに際し、民衆が食糧等の物資の供給を要求してきた。駐留部隊が物資をもって撤退したというのだ。つまりこれもラインハルトの、つまりはオーベルシュタインの罠の一環でもあった。
それに際してまずキャゼルヌが懸念を伝えるも司令官ロボス元帥は対応に消極的。この時点でもフォークの影響が強いとの感もあった。政府内でもこの事態に事の重大さを感じるのだがもはや後戻りもできないことも思い知ることになる。
そして前線の司令官の各々もひっ迫しつつある事態にいら立ちを募らせ、その中でヤンもウランプやビュコックに事態の打開を持ち掛ける。
そのうちに物資供給の滞りから各地で暴動が勃発してしまう。前作ではそれに際する悲喜劇が詳しく繰り広げられたが、いずれにしても同盟が解放者から略奪者、そして侵略者として帝国の人民に認識されることになり、やがては“敵”として見られることになる。これこそラインハルトの大戦略のはじまりでもあるとヤンもまた思い知ることになる。
一方でヤンの要請を受けてのビュコックが意見を具申するも代わり顔を出したフォークの無責任な対応についにはやり返す。その強烈な叱咤にフォークも不調を訴えて昏倒。後に精神疾患と知らされ一時退場と相成る。結局ロボスとの対面はあいならず、前線はそのまま戦線を維持することとなった。
そしてキルヒアイスによる補給部隊の殲滅が行われる。それ自体は彼も乗り気ではなく、ラインハルトとしても勝つためとたしなめてひとまず遂行される。ここに帝国軍の罠、焦土作戦は完了し、あとは同盟軍を殲滅するのみとなり、勝利の前祝いということで乾杯の後に全軍出動となる。
勇壮なる帝国艦隊の発進とともに、宇宙を覆う戦乱は再び起こらんとしていた。
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