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第12話:復讐こそ我がすべて<機動戦士ガンダム・鉄血のオルフェンズDAWN>

さてみなさん、今回のオルフェンズDAWNは、いよいよ地球に降り立った鉄血隊。そこではかつての旧友タカキが下院議員の予備選挙に臨むためその護衛を担うことになるのだが。そこで待ち受ける事件の顛末までをお送りする運びです。
はたしてその顛末やいかにといったところで、それでは、ごゆっくり。
あと今までのストーリーもこの場を借りて紹介したいと思いますので、ご興味があればそれらもお目通し下さい。
 
第1話:暁に立つ
 
第2話:汚名
 
第3話:世界を知れ
 
第4話:アステロイドの猫
 
第5話:テイワズの息子
 
第6話:マクギリスの遺産
 
第7話:散る命、守る命
 
第8話:鉄血の志
 
第9話:クアールのガンダム
 
第10話:再び赤き星へ
 
第11話:出会いと再会と
 
以上をもとに今回のストーリーをお送りいたします。あらためてごゆっくり。
 
 
ドルドでの騒乱もひとまずかたが付き、次なる任務に臨むべく、いよいよ鉄血隊も地球への降下の準備にかかる。
まずは訪れたスーツ姿の紳士がクアールに用があると近付き、ライドの付き添いのもと、数枚の書類の署名の要請をする。
実は紳士はGHの士官で、書類は襲撃事件の始末書とオセの譲渡証明書などがそれで、これでオセが晴れてクアールの乗機となるのだ。やはりこれもガエリオの配慮だろうとライドは踏んだのだが。
その後で今度はジュニアからテイワズ支部に出向くよう言われ。今度は鉄血隊全員の付き添いで、陽日並びにクアールの分の盃の儀式を簡略化ながら取り行うことになる。
先に報されすでに身構えた陽日ははともかく、多少の戸惑いがあったものの先のユージンたちの言葉を思い出しクアールも謹んで儀式に臨むのだった。
こうしてドルドでの準備を全て片付けて、鉄血隊は地球へと降下するのだ。その際にジュニアもエドモントンにある支部の視察を名目に同行するのだが。
地球に降り立った鉄血隊は、かつて蒔苗が亡命時に逗留した別荘地で、その後の騒乱を経てオセアニア連邦の管理のもと、ロウ社を中心に施設の整備を行い今に至ったその別荘にたどり着く。
予備選までにはまだ時があり、数日の間英気を養う形で鉄血隊はこの島に逗留することとなった。
そんな中、水着姿の陽日をはじめ、恥ずかしげに水着に着替えて現れた雪乃とクアールは、春奈に連れられて現れた。それにはラッシュをはじめ暁たちも少し視線を外し気味だった。
それぞれがビーチでの一時を過ごしたその夜、タカキたちが滞在する別荘に一人の男が訪れた。ライドが言うにはタカキの弟、つまりタカキの妹フウカの夫であるタカキの側近の男だった。
少々気負いのある男が言うには、きたる予備選を迎えるにあたり、裏面で不穏な空気が漂っていた。ことにタカキの陣営を中心として裏でよからぬ策動がもたらされていたのだ。
現在アーブラウの政情は次の通りである。
前代表のアレジ氏の死去に伴い、後継には蒔苗老の元秘書の山田氏が選ばれることになり、併せて山田の秘書として働いていたタカキが下院議員として出馬することとなった。年はまだ若いながらも実績と人望は申し分はなく、議員選出は確実なものとなっていた。しかしまったくの問題がないわけではなかった。
まず阿羅耶職の被術者であることは前々から明かしていてさして問題というわけではなく、加えて元鉄華団員というのも“事件”前に脱退していたのでこれまた問題にはならない。
あと残る懸念は彼が手を汚したかどうかだが、戦時中なら仕方がないと誰もが思ったが、ジュニアがもたらした情報は特にライドを驚愕させた。
かつて鉄華団地球支部のお目付け役としてテイワズより派遣されたラディーチェという男がいて、アーブラウの争乱の後に発覚した内通の落とし前のために、あえてタカキがその手にかけたという。
これも戦時中なので仕方がないことになるが、問題はラディーチェに当時幼かった娘がいた。あの戦乱の後、名瀬のはからいで母親とともに生活の保証をしていたが、後の“事件”から程なくその消息は途絶えてしまったのだ。
ラディーチェの件は対外的には戦死扱いとしていて真相は明かされなかったが、それを明かしたものがいるとすれば、その娘が父の仇とタカキを狙わんとすることは十分に考えられる。
心当たりがあるとすれば今までの敵対組織が考えられるか。そんな折腹心の男が一つの情報をもたらした。予備選にはタカキの他に対立候補がいるが、まともに戦えばひとまず勝てる相手ながら、そのバックにはかつて蒔苗と対立したアンリ・フリュウの息子シャルル上院議員がいて何やらの策謀を仕掛けてくるというのだ。かくいう彼もそれを鉄血隊に知らせるため、お忍びかつ命がけで島へと赴いたのだ。
ともかくも彼の警護を兼ねて、後に用意された輸送船にて一路アーブラウ領へと向かうのだった。もちろん暁たちが交代で船の警護にあたって。
 
そしてアーブラウ領のバンクーバーへとたどり着いた一行は、衝撃的な報せを受ける。何と予備選を控えたタカキが何者かにさらわれたというのだ。
ひとまずタカキの陣営近くの小学校を訪れるライドたち。そこにはタカキの身を案ずる、今は学校の先生の職に就いている妹のフウカと、彼女の教え子の子供たちが待ち構えていた。ことに子供たちにはかつての仲間たちの面影を見て感じ入っていたライドに子供たちは「先生の友だちの人ですね、タカキ先生を助けて」と懇願され、己の思いをも込めて「大丈夫だ、今の俺は彼の友だちと呼ばれる資格はないが、頼まれた以上必ず助ける」と応える。その想いは暁たちも同じことだった。
一方どこかの一室で椅子に座らされたタカキ。数人の男女が一室に入ってきて自分が拉致されたと気が付き「何の目的だか知らないが、わたしの身に何かがあっても、今の体勢を覆すことにはならない」とやり返す。
そこで男の一人が「なにも貴方の命を奪う真似はしない。しばらくは大人しくしてもらうだけでいい」と返しつつ、傍らの女性を紹介するしぐさを見せるとタカキはそれに驚愕する。何と彼女こそがかつてタカキが手にかけたラディーチェの娘フィオーラだったのだ。彼女に反応して言葉を閉ざしたタカキに、何やらの失望を覚えたのか、一旦向けた視線をひとまずは外す。
やがて男たちが席を外し、タカキとフィオーラの二人だけとなった。
「まさか君が彼らとともにいるなんて、一体どういうことなんだ」と問うタカキに、フィオーラも、
「別にあなたに恨みはありません。父の死もあなたたちへの裏切りが原因だということも理解しています。私が言えることはそれだけです」
と重い口調で応え、タカキの口を閉ざす。そしてフィオーラもこの場を離れ。タカキの胸中を後悔の念が襲う。
「どんなに世のために働こうとしても、俺の手は、汚れている、か・・・・・」
じっと両手を見下ろしつつ、そのまま椅子に腰を下ろしたまま動かくなった。一方で自室に戻らんとするフィオーラも、
「たしかに私はあの人を憎みきれない。でも今はあなたたちの復讐に身を委ねるだけ。そう、今の私は、復讐こそ全てでしかないのね」と自嘲気味に独語するのだった。
テイワズの地球支部において、前もって配備されたバルバトスをはじめとするMSの整備に余念がない鉄血隊。そんな中で特に暁は。
「今度こそ俺たちは世界に打って出るというのか、たしかに鉄華団はかつて世界に負けたけど、ライドさんの言う通り。今度こそ世界を知って、それに認められなきゃかな」
実際三日月は笑わないだろうが、父に笑われるのを覚悟で、バルバトスを前に心の中で誓う暁だった。
かくして下院議員の予備選に向けてのタカキ救出作戦が始まろうとしていた。
 
次回、機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズDAWN
“明日への誓い”
誰もがスネに傷を持っているか、今度こそ俺も、乗り越えていきたいな。
 
キャラクター紹介
フィオーラ・リロト:かつての鉄華団地球支部の目付け役ラディーチェの一人娘。事件の後も母親とともに静かに暮らしていたが、母親の死後指宿ら反GH現体制派が接近し、父親の死の真相を知らされ、そのまま彼らと行動をともにする。本編において父の仇であるタカキに対する憎悪はそうそう現れないが、はたして彼女の真意やいかに。

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