今更ながらルパンレビュー:ザ・ファースト
さてみなさん、今回は初の3Dアニメ化されたルパン三世の『ザ・ファースト』のレビューをあらすじを追って述べたいと思います。それでは、ごゆっくり。
物語はとある考古学者が赤子を伴った娘夫婦にとある品を託して逃亡を促す。直後ナチスの残党によって考古学者は命を落とし、夫婦は追跡の後の事故で赤子を残して命を落とす。
それから十数年後、件の考古学者ブレッソンのお宝のオークション会場にてルパンがそれを奪い取らんと暗躍することから始まる。
そういえば時代設定は第二次大戦後しばらくしたころというから少し違和感を覚えたが、今や半世紀近くの歴史を持つルパンだから、こういう時代考証も今更気にしないのが正しい観かただろうけれど。
その後ルパンと同じくお宝のダイアリーを奪わんとした少女レティシアとルパンがひとまずの共闘と相成り。紆余曲折の後にお宝の仕掛けを解いて中の日記から、謎のエネルギーたるエクリプスをめぐっての攻防を繰り広げられる。
飛空艇を活動拠点とする残党軍にも用済みとなったレティシアとともに追われたルパンは、助けに来た次元や五エ門、別ルートでお宝を狙った不二子、そそのかすままに力を借りる銭形とおなじみのメンバー勢ぞろいでアーネンエルベの野望を阻止せんとする。もちろん本当のお宝を奪い取るために。そういえば銭形がレティシアに惚れたこともはじめいやいやながらひとまずの協力を取り付けた理由なのだろうか。
その本当のお宝というのがかのルパン一世も狙ったというエクリプスなる超エネルギー体。
一方のレティシア、幼い頃で残党軍の教授ランベールに育てられ、というより自分の地位の為に利用され続けた後に捨てられた。そんな彼女こそブレッソンの孫娘であり、そのブレッソンもかの1世との親交があり、それが縁でルパンとともにするのだ。
そして先に残党軍がたどり着いたエクリプスの遺跡、明らかに地球のテクノロジーとは別の厳重な防護システム。それを通るためのダイアリーもルパンにすり替えられ、悶着の後ひとまず撤退を余儀なくされ、その隙にルパン一味が防護システムすなわち“試練”を解くことになる。
アーネンエルベが手こずった“試練”もダイアリーをもとに一つずつ解いていく。第1の試練の重力装置はともかく、第2の試練の斬鉄剣が隕鉄からの造りなのは意外ながらもさもありなんという感もある。そして最終試練がまさに力業で切り抜けたのはいかにもルパンらしいか、その際に1世の遺物が役に立ったのも象徴的であった。
こうしてまさにエクリプスのもとにたどり着いたかと思いきや、引き揚げたかに見え試練を抜けシステムも解除したのを待ちかねた残党軍だった。
そのエクリプス、真実を知り協力を拒むレディシアを威迫しダイアリーを手にし、そのシステムを解放せんとするランベール。発動した天空の船とともに遺跡を崩壊させ飛び去っていく。その隙に間一髪脱出したルパンたちもあらためて残党軍を追い、まず飛空艇を阻止、なおも船を使って脱出を図るが、飛空艇を禍々しい生物の形に変え、そこから放たれたエネルギーはまさに巨大なブラックホール。これでは世界もひとたまりもない。何とか切り抜けたルパンも次の手を考えんとする。
あまりにも強大な力を目の当たりに、ランベールの野望に火が灯ったか、ダイアリーを燃やし次第に正気を失いつつあった。そんなランベールにレティシアは咎めるもそれをも聞き入れなかったか、さらに兵器を発動せんとする。しかしすんででゲラルトが阻み、その隙にシステムを止めんとするレティシアに銃口を放つ。しかしそれをかばったのはランベールだった。わずかに残ったレティシアへの思いがそうさせたのか、自分でも信じられぬと言いながらも今まで育て上げたレティシアの胸の中で息絶えるのだった。
そしてブラジルのアーネンエルベの本拠で、ヒトラーと対面したゲラルト、レティシアが銃を向けるもなおも不敵なヒトラー、実はルパンたちの変装で、すでに銭形の通報を受けて本拠は制圧されたのだ。真相はICPOが流したガセネタでゲラルトはそれにまんまと乗せられたのだ。
まんまと騙されたゲラルトももはやこれまでと思ったかルパンと取っ組み合いのさなかエクリプスが再び暴走をはじめ、放った重力波にゲラルトは呑み込まれる。ヒトラーの写真とともに、たとえそれが虚構であろうとも。その際にルパンもエクリプスと運命を共にせんとするところ、前もって遺跡がくすねた重力装置で難を逃れる。
こうして一軒が落着した後、また銭形と一味の追っかけっこが始まり、また騒がしい彼らなりの日常が始めんとし、ルパンもレティシアと別れを告げ新たなる仕事と冒険に乗り出すのだった。
そしてレティシアもいつかは本当の考古学者として新たなる一歩を歩まんとするのだ。
そういえばこの作品と前後して原作者のモンキー・パンチ先生が亡くなられたこともあり、先生のメッセージが流れたことも、この作品を新たなルパンの原点としての『ザ・ファーストなのだと今更ながら感じ入った。
そして来年度がルパンテレビアニメ50周年ということで、くり返しながらもまた新たなルパンの仕事と冒険が見られるのかという想いを抱きつつ、本記事のシメとしましょう。
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