第11話:出会いと再会と<機動戦士ガンダム・鉄血のオルフェンズDAWN>
さてみなさん、今回のオルフェンズDAWNは、舞台を地球圏へと移し、懐かしの人物の足跡とともに、繰り広げられる陰謀に立ち向かう様をお送りする運びとなります。それでは、ごゆっくり。
あと今までのストーリーもこの場を借りて紹介したいと思いますので、ご興味があればそれらもお目通し下さい。
第1話:暁に立つ
第2話:汚名
第3話:世界を知れ
第4話:アステロイドの猫
第5話:テイワズの息子
第6話:マクギリスの遺産
第7話:散る命、守る命
第8話:鉄血の志
第9話:クアールのガンダム
第10話:再び赤き星へ
以上をもとに今回のストーリーをお送りいたします。あらためてごゆっくり。
ライドたち鉄血隊は地球圏ドルトコロニーへとたどり着いた。そこでささやかな休養ついでにとある場所を訪れる。そこは一体の銅像が立っていた。革命の乙女の従者“フミタン・アトモス”の像だった。その清楚の顔立ちに意志の強さが込められた像に、ひとまず見守った暁をはじめ、菊千代、雪乃も感じ入りつつ、ライドはいささかの誇張を感じつつもかつての彼女との思いを致していた。
そこに懐かしい顔とも再会する。かつての騒乱にて懇意になったDCNの元アナウンサーのニナだった。あれから彼女も自分たちの事情を知る者として職を辞したかとライドも案じつつもらすも、実はその後アトモス商会の広報分野で働くことになり、その一環として地球や火星等の連絡役をも担っていた。もちろんGHともひとまずのパイプ役ともなっていたのだ、その際裏の事情は胸の内に秘めていたのは言うまでもなかったが。いずれにしても彼女もまたライドたち鉄血隊の助けになるべく地球の事情を提供していたのだ。
その後暁とラッシュを返し、アトモス商会のコロニー支社へと赴き情報の提供を求める。まずはアーブラウの予備選の情勢について、タカキの出馬に対し、対抗候補のバックにはかつて蒔苗の代表再選の対抗候補アンリ・フリュウの息子であるフリュウ上院議員がいろいろと工作をしているとか。そこにもやはり指宿の名が示されていたのだ。
一方で地球圏に向かわんとする陽日たち。アトモス商会及びロウ社から、近々反乱軍による地球圏への攻撃が行われるという情報を事前に受け。その標的が今暁たちがいるドルトコロニーだという。
火星での悲劇を繰り返させてはならない。それぞれの想いとともにまずは反乱軍の勢力を探し求め、ようやく廃棄されたコロニー跡に数隻の砲艦を発見する。それは件の“ダインスレイヴ”を登載した戦艦だった。
クアールに静かな怒りが沸き起こり、静かに闘志を燃やす陽日に調子を合わせ、オセとフォルネウスで乗り込まんとした。
それと合わせて、ドルトにいる鉄血隊のイサリビに~これも事前にコードを教えられた~援軍要請の信号を送る。
その一方で一隻の戦艦が地球圏に到達せんとしていた。地球圏に向かっているネオ・タービンズのハンマーヘッド2世。その艦橋に佇んでいる名瀬・タービン・ジュニア。その見据えた先にはもちろん地球である。
「待ってろよ、暁。そして作っていこうぜ、俺たちの未来を」
その一方で妹たちがとある信号を傍受するのだった。
イサリビに戻った暁とラッシュは、陽日の信号を受けコロニーを守るためと出撃を決める。ちょうどバルバトスとグシオンの調整を終え、いささか心もとない想いを抱きつつも出撃するのだった。
信号を頼りにたどり着いた暁とラッシュ。そこではオセとフォルネウスが反乱軍のMSと交戦していた。そこに助太刀をせんとする暁たち。ここにきて二人も手加減できるか否かを判断し戦いを進めることができるようになり、もちろんかすかな迷いもあるが暁は導かれるように、ラッシュは背中を押されるように立ち回っていく。
ことにラッシュの手には猫の手状のメイスが握られている。もちろんクアールとともに戦うといった意志が込められていた。しかしそのメイスに反応してか、おなじく対峙しているオセが近づいてきた。
「これはクアールのメイス、やっぱりラッシュが使っていたのか」
「え、この声は、クアール、生きていたのか、でも、このMSは」
「GHに助けられてこのMSをもらったのだ。これでラッシュたちと一緒に戦えるのだ」
再会の喜びもそこそこに、二人は襲い掛かる敵をよくよく退け続けていく。
一方暁にはフォルネウスが近づいていく。
「貴方が暁ですね、私は蒔苗陽日、あなたと同じ、サムライです」
「え、蒔苗ってどっかで」と応えようとする暁だが、おなじく襲い掛かる敵に対し戦いに専念しなければいけない。
「うん、君のことは後で聞くから、今はこいつらをやっつけよう」
闘いの高揚感を覚えることを自覚する暁、それと調子を合わせるかの如く陽日のフォルネウスもバルバトスとともに戦いを進めていく。
こうしてグシオン・オセ、バルバトス・フォルネウスの4機が大軍相手の大立ち回りを繰り広げていく。
やがて砲艦にたどり着きダインの発射装置を破壊せんとするも、なんとそれはダミーだったのだ。実は反乱軍も鉄血隊の襲来を予測しており~それでいて陽日たちもネオ・タービンズと同じく援軍の一環として読んでいたが~まずは鉄血隊撃破のためにおとりの砲艦を配備しておびき寄せたのだ。暁たちの目の前に、さらなる大軍をもって敵の増援が立ちはだかる。
同じくイサリビ経由で敵来襲の報せを受けてイサリビへと戻らんとするライドたち、フミタンの像まで差し掛かると、何やらの光に気付いてか、ライドはすかさず雪乃をかばって背中に銃弾を受けそのまま倒れ伏す。
直後に建物の物陰に隠れた賊が襲い掛かってきた。まず菊千代がテーザーで応戦し、やがてライドも何事もなかったごとくに応戦する。銃弾はピアスの保護具に当たりほぼ無傷でいられたのだ。
ほぼすべての敵を倒すも、その中の一人がなおも迫ってくる。自分たちはノブリスの部下で彼の仇を討つべく指宿に協力しつつ期を伺ってきたのだ。
それを阻まれかくなる上はと最期の力を振り絞り、懐の手榴弾を片手にライドたちに迫るもフミタンの像で力尽き、そのまま自爆する。
それぞれの想いで見守った一同、ことに雪乃は賊の運命に同情しつつ爆散したフミタンの像の頭部に心を痛めていたとみられ、ライドは彼女をなだめるように告げる。
「銅像はまた作り直せばいい。彼女は迷惑に思うだろうがな。この銅像は象徴にすぎない。彼女の魂はみんなの中に、特にクーデリアの中にいるんだ」
圧倒的大群を前にたった4機で奮闘するも、徐々に押し返される暁たち。三日月の最後の戦いのことを想いつつも、最期まで闘うと心に誓い、果敢にかつ着実に敵を打ち倒していく。それはラッシュ、クアール、そして陽日も思いを同じくしていた。
そんな時、1隻の武装艦が接近してきた、先に陽日の通信を傍受し、反応を頼りに駆け付けたハンマーヘッド二世だった。
しかしそれを見受けてか、反乱軍は撤退をし始め次々と宙域から離脱していく。続いてネオ・タービンズのMS群も現れ、ジュニアのガンダムが暁のバルバトスに近付いてきた。暁とラッシュの無事を確認し、続いてオセを通じてクアールの無事を喜んだ。そして陽日が名のると彼の蒔苗のひ孫だと軽い驚きで受け入れる。今回の作戦は自分たちをおびき寄せる罠なのかと暁が問うも、それ自体が陽動なら本当の目的はコロニー内だとジュニアが返す。いずれにしてもここはイサリビへ帰還することになる。
イサリビに戻った先で、ラッシュとクアールが生存と再会をあらためて喜び合い、ついで暁とジュニアがライドたちの無事を確認する。今回の作戦は反乱軍本隊と旧ノブリス派の連携、というよりもノブリス派を捨て駒にした肚だったとジュニアが推察する。そこから彼らが次に介入するのはアーブラウの予備選挙だという。かつての友に想いを馳せるライドだったが、そういえばともう一人の女性:陽日のことを思い出し彼女にも挨拶しようと声をかける。
その際あらためて鉄血隊への参加を確認の上で了承し、その際に曽祖父の蒔苗の度量を思い起こすライドだった。
その陽日、どこか暁が気に入っている節があり。暁も少しもてあましつつも、次に赴く地球について「ここでも父さんは暴れ回ったんだろうな」と想いを馳せるのだった。
そして地球某所、ノブリス派の全滅を知らされ、座している青年は何故かほくそ笑んでいた。
「彼らもこれで本望だっただろう。これで指令系統は一本化された。あと一つ大きな事件を経れば、これからが本当の勝負ですよエリオン公、そして鉄血隊のみなさん」
その青年指宿の笑いが部屋にこだまするのだった。
次回、機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズDAWN
“復讐こそ我が望み”
貴方も未来を創るというのね、タカキ・ウノ
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