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小説・聖闘士星矢VSセーラームーン(その33)

最終回:光に帰す
光と闇、希望と恐怖、そして愛と憎しみが交錯する戦いはいつ果てるともなく続いていた。
汲めども尽きぬ闇の侵攻も押されては返し押しては返されの攻防を繰り返していた。
だが闇の侵攻も続けど星矢たちも諦めない。ほかの戦士たちも着実に敵を倒し続けるうち、星矢たちと通じていた。そして、
「・・・ヤ、星矢よ・・・・・」
星矢「・・・これは、童虎師匠」
童虎のコスモが星矢に語り掛ける。その声はセーラームーンにも伝わっていた。
童虎「星矢よ、それにセーラームーンだったな、お前たち二人に我らのコスモを送ろう」
ムーン「えっ、でもそれじゃあそちらの方は・・・・・」
童虎「心配には及ばぬお嬢さん。我らも闘ううちに自らのコスモも高まっているのだ。その上で一旦コスモも伝われば、お前さんたちに戦いで高まった我らのコスモもまた通じそれが我らの、そしてお前さんの力ともなるのだ」
紫龍「星矢、俺たちも師には及ばないがお前の力になれる。だから最期まで闘い抜いてくれ」
マーズ「セーラームーン、私たちも通じてるわよ、その力無駄にしたら承知しないんだから」
カノン「そうだ星矢、お前のコスモは先の闘いはともかく、今までの戦いよりもはるかに高まっている。お前たちが闘い続ける限り俺たちのコスモも無駄ではないはずだ」
ラダマンティス「いずれ再びお前と闘おう。ただし憎しみでなく真に戦士としての力を図るためにな。それまでは死ぬなよ」
ウラヌス「ここまで聖闘士のみんなががんばっているんだ、ボクらも全力のさらに上を目指して戦い抜くんだ」
サターン「そして私たちが目指す希望、この宇宙に再び響かせるために」
「・・・みんな・・・・・」
星矢もセーラームーンも、皆の力とコスモ、そして心に感じ入りながらも、戦いの果てに自らのコスモを最大限までに高めることができた。
そして星矢の手には一丁の弓矢が握られていた。
ムーン「星矢さん、この弓は・・・・・」
星矢「ああ、この弓は、サジタリウスの弓とは違う、俺自身の、ペガサスの弓だ」
そこに星矢の脳裏にアイオロスの声が響く。
アイオロス「星矢よ、これこそがペガサスの、お前自身の弓だ。今までは俺のサジタリウスが力を貸したが、お前のコスモが極限にまで高まり、ペガサスの神聖衣とともにこの弓を生み出されたのだ。さあ、この弓をもって、光を射ち闇を祓うのだ」
星矢「これこそが俺の、ペガサスの弓なら、この弓に俺の全てのコスモを込めて、この暗黒に光を差し込むんだ」
ナイア「なるほど、闇の中の一筋の光で制しようとするのか。でも相手は宇宙の闇そのもの、そこに光を指して何になるのかい」
再びナイアの指示で闇の戦士たちが一斉に襲い掛かる。
ムーン「今再び思い出した。光は命そのもの、その命を限りなく引き出せれば、宇宙を光に満ち溢れることができる」
セーラームーンの手には銀水晶が付いたロットが握られ、その姿も月の女神セレニティの姿に変わる。
同じくマーキュリーたちのセーラー戦士たちもそれぞれエターナルフォームへと変貌し、タキシード仮面もまた地球の守護神エンデミオンへと姿を変える。
エンデミオン「聖闘士たち、そして多くの戦士たちよ、この星の全ての命、勇気と希望を込めて闇の恐怖を討ち祓うのだ」
マーズ「私たちの力がみんなの力に繋げれば」
マーキュリー「皆さんから見ればたかだか祈りと思うけれども、その力が注がれれば」
ジュピター「私たちも守っていける。これもまたあなたたちの戦いに役に立てれば」
ヴィーナス「そして中枢で戦っているセーラームーン、そして星矢さんに伝われば」
ウラヌス「いずれは勝利につながる。そうだ、今一度ボクらの心を一つにするんだ」
童虎「我らだけでない、地上の全ての人の祈りを送ろう」
こうして皆の心が一つになり、星矢の矢に込められる。そして渾身の力を込め弓の弦を引く。
星矢「この俺の弓矢を、すべての人たちの勇気と希望を込め、今、本当の闇に放とう」
ついに矢は放たれ、すべての闇の中心にいるべきナイアめがけて飛んでいく。しかしナイアは避けるどころかそれを待ち受けるかの如く矢を受ける。
矢を受けたナイアその表情にはかすかな笑みをも浮かべていた。一方各地で対峙していた闇の戦士もことごとく闇の塊となり大地に飲み込まれるように消えていく。そしてナイアの肉体は受けた矢傷から闇がわき出し、いつしかこの場を、やがてはルルイエ全体を侵食していく。
ムーン「星矢さん、これは」
星矢「ああ、ナイアが言っていた闇とはこういうことだったんだ。確かに宇宙、永遠の闇のただなかに俺たちはいる。いや、闇の中に宇宙は生まれ、光とともに命もまた生まれた。今一度その闇に光を放てれば、闇もまた制せられるはずだ」
ムーン「でもその前に沙織さんを助け出さなきゃ」
そこにアテナの、沙織の声が響く。
沙織「そうですセーラームーン、その闇のただなかに私はいます。星矢、今こそこのペガサスの矢を私のもとに放ち、闇を制するのです」
つまりはアテナの真後ろに彼女は抑えている闇の根幹が存在するのだ。たしかに矢を放てば闇は抑えられる。しかしアテナをも射抜くやもしれない。
しかし星矢は迷いなく弓を引き、ペガサスの矢を放つ。はたしてやは沙織の脇を素通り、闇の根幹のど真ん中を貫く。
闇は光に飲み込まれ、ルルイエごと光にかき消されるのだった。
沙織「星矢、セーラームーン、そして数多の戦士たち、あなた方のおかげで闇は制せられ、この地上に再び光がよみがえり、もとの命溢れる世界に戻りました。しかし光あるところ闇もまたあります。私たちはその闇を抑え、光とともに命を守らなければなりません。そして人々が勇気と希望を失わない限り、光と命が失われることもないのです。私たちはそれを信じて、これからも戦い抜いていきましょう」
光の中漂う星矢とセーラームーン、そして数多の戦士たちをアテナが引き寄せる。その向かう先には地球、そこには大地の女神デメテルが待ち受けていた。
デメテル「見事です、アテナの聖闘士、セーラー戦士たち、そして数多の皆々方。アテナの言う通り、これからも冥きものたちはこの地上を狙っていくことでしょう。それは次なる戦いの幕開けでもあります。ですが今はひと時の休息に身を委ねましょう。そして、ありがとう、アテナ、いえ沙織・・・・・」
こうしてデメテルに導かれるかの如く、アテナたちは地上へと還っていくのだった。
 
そして季節は春。郊外の桜並木、何事もなかったの如く人々は花見に興じていた。そしてうさぎも亜美やレイたちとともに桜の散策に興じていた。
うさぎ「あの時からそうたっていないとはいっても、まるで昨日のように思えちゃうな」
亜美「でも、こうして平和が戻って本当によかった」
レイ「いつまた悪い人が現れるかもしれないから、それも供えないとね」
まこと「まあまあレイちゃん、今こうしてみんなで花見にきているんだから」
美奈子「今日は何もかも忘れてパーッといきましょう」
そこに聞き覚えのある声がした。
星矢「おーい、うさぎさんたち、よかったらこっちに来なよ」
桜の台地には星矢と沙織たちが座敷に座していた。
うさぎ「ああ沙織さん、それに星矢さん」
レイ「それじゃ、お言葉に甘えて」
こうしてうさぎたちも星矢たちの座敷に入ることとなった。
沙織「こうして人々が平和な日々を送るのは私たちの働きだというのはもちろんですが、人々の意思も呼び起こされたのもまた大きなことでしょう」
瞬「そうだね、紫龍や氷河、兄さんたちはまた修業に戻って、他の戦士たちも旅に出て人々のために闘っているんだね」
うさぎ「いずれあたしたちもがんばらなきゃいけないのかしら」
沙織「でもその前に、この桜の色と香りに身を委ねましょう。そこから新たなる英気を養うのです」
一同は沙織の言葉に頷き、花見座敷に身を置くのだった。沙織の言葉、戦いの女神アテナの優しいながらも強き意志の言葉に感じ入りながら。
そして遠目の台地の桜を横に、一人の淑女が見守っていく。
デメテル「いずれは新たなる闘いがあなたたちの前に立ちはだかるでしょう。でも今はひと時の休息を。また会いましょう、星矢、沙織、そしてセーラー戦士たち・・・・・」
いつしかデメテルの姿は桜の花霞に消えていく。
こうして一つの戦いは終わった、しかし新たなる闘いはまた遠くない時に訪れるだろう。
 
 
ということで、聖闘士星矢VSセーラームーン・クトゥルフ神話編はここに完結と相成りました。少し安直な作りながら何とか形にすることができました。
続いて魔界編をお送りする運びですが、今少しの構想を要するかもしれませんので、これは今少しお待ちください、といったところでご挨拶とさせて頂きます。
それでは永らくのご愛顧、まことにありがとうございます。

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