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小説・聖闘士星矢VSセーラームーン(その29)

第20話:黄金の意思たち
回廊の奥、おそらくはルルイエ中枢の間に誓い広間にて、星矢は一瞬歩みを止める。
「やはり、甦ってきたのか、おそらく俺を倒すために、そしてこの世を死で覆いつくさんがために」
「そうだ、いやそのことなどどうでもよい、そもそも余は闇とともにあり、その闇を覆わんとするクトゥルフの神々の企てに乗ったまでのこと。その上で闇に覆われた大地を支配する。これ以上の歓びがあろうか」
「いずれにしても、お前の好きにはさせない。ふたたび全力で止めてみせる」
「やってみるがいい。今こそ我が闇を受け、死の眠りに落ちるがいい」
闇の気を凝縮し、冥王剣を召喚するハーデス。しかし皮肉にもこの地の闇が薄れ、幾分か星矢の動きを解放する形となった。ハーデスにとっては己の全力をもって星矢を倒さんとする意図があるのだろう。いずれにしても、神話の時代より連綿と続けられたペガサスとハーデスとの戦いが再び繰り広げられんとしていた。
一方の星矢も、
「かつてハーデスと戦い、あの剣を受け死の淵をさまよった頃、先代のペガサスの聖闘士テンマ、そして歴代のペガサス。そして神話の時代まで連綿と受け継がれた闘いの歴史を垣間見た。それは人と神、この地上を護るに値するのは誰か、それを確かめるための戦い。それこそが俺たちの戦いなんだ」
そしてあらためて冥王剣を構えるハーデスと対峙する。その拳は黄金を超えた白金に輝いていた。
「あらためてもといた闇の中に返してやる、行くぞ」
 
一方でアザトースたちと対する紫龍たち。1人1人の実力は圧倒的で、流石に抗しきれないかに見えた。
「たしかに奴の実力は、今までの戦いはやはりお遊びに過ぎないか」
「そう卑下するものではない、たしかに君たちの実力を侮ったのもまた事実。かつてクトゥグァたちで十分とも思ったがね」
「ハストゥールたちをも退けて、今度は自分たちの出番といったところ、いや自分が動けばことを成すのはたやすい、といったところか」
 
また一方で一輝たちも、
「いずれにしてもこれからが本番だ、ここは俺だけで十分、というわけにはいかないな」
一輝が目を配り、瞬たちもこれに応じる。
「まずは、俺が先に行こう」
いずれ瞬たちも援護はするだろうと踏みつつ告げる。ひとまずは信頼の裏返しでもある。
 
変わって極北の地アスガルドにて、この地を治めるオーディンの地上代行者、ポラリスのヒルダ、彼女の周りにはゴッドウォリアー・ツヴァイが護りを固めていた。本来彼らを束ねるべきバドがルルイエで奮戦していることもあり、彼の無事を祈っていた。
そこにヒルダの妹フレアが駆け付ける。何かの訪れを感じてのことだ。しかしそれもヒルダ自身感づいていたのだ。
「お姉さま」
「ええ、やはり彼もまた参じるのですね」
ヒルダたちがいう“彼”は、アスガルド随一の勇者とうたわれた男だった。
 
それはアザトースの1体と対するバドたちのもとに訪れた。
「やはり、来たか」
「うん、彼はやはり」
それは、漆黒のゴッドローブをまとった、アルファ星ドウベのジークフリートだった。
「ふふ、どうしたバド、お前の白き影も薄れたというのか。それではお前にゼータ星の守護を託したシドも泣いているぞ」
「ああ、その言葉は耳に痛い。アスガルドを捨てた俺にとやかく言う資格はないが、この世界の平穏のため、奴を倒すために、力を貸してくれ」
「うむ、お前たちの力を借りずとも、もとよりそのつもり。しかし駆け付けたのはわたし一人ではない」
「やはり、彼らも来ていたのか」
 
それはシャイナたちのもとにもとある聖闘士が現れた。今や伝説の聖闘士とうたわれた琴座のオルフェだった。
「やはり貴方も来たのですね」
「ああ、今デメテルのもとに身を寄せていたと聞いたが」
琴座のオルフェ、かつて恋人のユリティースとともに冥界に陥るもデメテルに救われ、彼女のもとで傷を癒しつつ今に至り、この度の加勢と相成った。
「君たちも苦戦を強いられていると聞き、デメテルの呼び掛けに応じてここに来た。ハーデスには義理があるが僕もアテナの聖闘士。再び地上の平和のためにこの命を投げ出す覚悟だ」
「だけど、来たのは貴方だけじゃないだろう」
「そうだ、黄金の意思もまた、アテナの呼び掛けに応じ、陥った異次元から地上に、そしてこのルルイエにはせ参じた」
そんな中、ちびムーンがある決意を固めんとしていた。
「あたし、行かなきゃいけない」
「ちびちゃん」
「ごめんなさい、やっぱりセーラームーンのことが心配なの」
「そうかい、ここは私たちが食い止める。あんたは先に行きな」
「まずは僕から行こう。これ以上レディーを苦難に立たせるわけにはいかないから」
こうしてシャイナ、オルフェの援護もあり、ちびムーンはアザトースの攻勢を振り切り、やはりそこのアザトースも、ちびムーンをわざと行かせた感もあったのだったが。ともかく彼女もまた星矢やセーラームーンのもとにはせ参じんとする。
 
一方でセーラームーンも、ハーデスと対峙せんとする星矢のもとに参じるべくルルイエの回廊を走っていく。
 
そして紫龍たちのもと、ついに彼らも降り立った。
「やはり、来られましたか、師よ」
降り立ったのは、紫龍の師、天秤座ライブラの童虎だった。
「だいぶ苦戦を強いられたな、紫龍、氷河、それにセーラー戦士のお嬢さんたち。ここはわたしも力を貸そう。無論降り立ったのはわたしだけではない」
紫龍も重くうなずく。一方で一輝のもとにも、彼の最大の友にして師たる男も舞い降りた。
「大いなる試練を乗り越え、また一つ強くなったな、友よ」
「ふふ、しかしまだまだだ。これが野心だとすればいずれははかられねばならぬが、それは大いなる邪悪を祓った後だ。ここは俺だけで十分ともいえぬからな」
「その意気だな、一輝、さあ本当の戦いのはじまりだ」

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