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第4話:月で待つもの(その2)<機動戦士ガンダム・クレイドルエンド>

さてみなさん、今回のクレイドルエンドは月に向かうキッカたち特務隊と、宇宙での任務にあたるアルセス一党、そしてキッカたちを待ち構えるカミーユとウォンの会合をお送りする運びです。それでは、ごゆっくり。
 
ちなみに前回のストーリーはひとまずここに。
第4話:月で待つもの
その1
それでは本編をば、あらためてごゆっくり。
 
強襲揚陸艦タイニーウィングが月のグラナダへの航行途中、クムを伴ったキッカがブリッジに入ってきた。キッカは入りざま、オペレーターの一人に問い掛ける。
「曹長」
「は、はい・・・・・!」
キッカの問い掛けにオペレーターはやや緊張した面持ちで応える。
「進路はそのままで、本艦の旧ア・バオア・クー宙域の最接近時刻はいつ?」
「・・・ア・バオア・クー・・・・・?」
戸惑うオペレーターに後方のノックスが割って入る。
「旧ゼダンの門だ。確か、記録があるはずだ」
「・・・はっ・・・・・!」
と、オペレーターが端末を走らせて時刻を割り出す。
「・・・約5分後です」
「うん・・・・・」
キッカが頷く。続いてノックスも、
「確か跡地が放置してあったはずだ」
「・・・はっ、映像、出します」
メインモニターにア・バオア・クー上部の残骸が映し出される。キッカはそれに直立不動を取る。
脇にいたクムもそれにならい、しばらくしてトーレスもオペレーター席にて直立の体勢を取る。やがて再接近時刻に近付いてきた。
「カウント取ります、30秒前・・・20秒前・・・・・」
ノックスもまた、艦長席から離れ、キッカの横に直立の体勢を取る。
「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、最接近時刻です」
キッカたちはモニターに向かい敬礼をする。
「そのまま航行を続行します。グラナダへの到達時刻は・・・・・」
オペレーターの報告を聞き流し、しばらくキッカも感慨に浸っているかに見えた。
 
ややあって、いずこかの発射場から1隻の偽装貨物船が宇宙に飛び立つ。それはアルセス一党の輸送艇だったのだ。
先に告げられた秘密の任務にあたって表面的に平静を装うアルセスはともかく、やや緊張気味の3人にジョアンがなだめるように話し掛ける。
「どうした3人とも、やはり怖いのか」
「うん、怖くないといえば嘘だけど、初めての宇宙だから、なんかこう、体中が透き通っていくような気がするんだ」
「あ、俺もちょっと。そういやティクバ、お前宇宙育ちだったろ、こういった気分は経験済みだろう」
リッドの感慨に続くレトーの問いにティクバもやや緊張気味に応える。
「あ、いや、俺もコロニーで暮らしたっきりだから。でもやはり怖いけど、そんなに悪い気はしないかな」
「よし、上出来だな3人とも。たしかに宇宙での訓練だ。危険なことには変わりはないが心配するな、シミュレーション通りにすればうまくいく。そうハデなドンパチはやらんだろうよ」
ジョアンはそう告げ、3人もひとまずは納得した。しかし続いてこうもつぶやく。
「・・・もっとも、あの化物みたいなのがいればまた別の話だがな」
それはトリントンの惨劇についてのことなのは誰しも感づいたことだった。そこまではいかないまでもこれからの情勢から予断は許さないのもまた承知の上だった。
 
そして月のグラナダ、アナハイム本社の会長室で会長のウォンと技術主任の男、かつてのグリプス戦役の英雄とうたわれ、精神障害を患い戦線を離脱して後、回復後アナハイムの技術者として身を置き、今回のウォンの会長職就任の後もその地位にとどまった。以前からの不仲説でその地位を追われるのではないかと噂されていたが、それからの留任もまた社内を驚かせたのもまた事実だったが。
実は離脱後のカミーユとファの地球行きの便宜を図ったのも実はウォンだったのだ。こういったところは彼なりの打算があったとはいえ義理堅いところもあったのだ。
ともかくもカミーユとウォンとの関係は傍目から見れば一触即発とはいかないまでも微妙なところだと誰しもが思っていた。もちろん二人の思惑のすべてを理解するものはいない。否、ファとトーレスの二人ならひとまずは理解しているだろうが。
そんな中カミーユがウォンのもとを訪れる。目的はMS開発部門の縮小に関する会合であるが実はもう一つ、ウォンに届けられた親書の主たる要人が絡んでのことでもあるのだが。
ノックとともにカミーユが入室を告げる。
「カミーユです」
「うむ、入れ」
スーツに身を包み、髪を少し整えた青年、カミーユが入室し、そのままウォンが座している事務机の前まで歩み寄る。そのまま立ったままのカミーユにウォンは本題を持ち掛ける。
「彼女のことは聞いているな」
「ええ、近々こちらに参るとトーレスから聞きました」
ウォンも軽く頷き、一つの懸案を持ち掛ける。
「在庫処分にはいい機会だ。せいぜい高く売りつけてやれ」
「ええ、それはもう」
皮肉を利かせた台詞にカミーユも軽く応える。続いて親書についての内容についても問い合わせる。
「先日俺のもとにこの手紙が届けられた。地球のアストライア財団からだが、内容については、承知しているな」
カミーユも無言で応える。それを確認した後でウォンも懸念を伝える。
「カミーユよ、一つ言っておきたいことがあるが、この計画が成功したとして一体どうなるか、正直俺は心配なのだ」
「新しい時代における争いの種との懸念でしょうか、たしかに心配をしても仕方がないことなのですが」
「はっきり言うが、これが後世に悪しき結果をもたらすことがあれば、俺は容認しかねる」
「どんなに殴ってでもですか」
「みなまで言うな!」
ついにウォンは声を荒げる。だがそれは痛いところを突かれ多少抵抗してみたまでのことである。
「・・・たしかに、俺自身としてもそのことに思いいたす義理はない。だがな、俺は今アナハイムの会長を務めている。故に会社に対し責任を持っている。お前とても家族に対し責任があるだろう」
「シーファンもアンリもいい子ですよ。僕なんかよりもね」
カミーユの二人の子供の名は、ウォンの不快をいくらか和らげた。子供たちにとっては怖い所もあるが優しいおじいちゃんでもあったのだ。
「MS開発部だけでなく、アナハイムとしても企業として縮小しなければなりませんから。僕もひと通りの仕事はこなしますよ」
「そうか、それならいい」
ウォンも了承の言葉を伝え、その日の会合はお開きとなる。
「まあ、僕もいつまでも子供のままではいられませんよ」
と言ってカミーユは部屋を出ていく。その後でウォンは机の中にしまわれた件の親書を覗き込み一言。
「しかし、俺はそんなに信用できないのか、トーレス」
 
そしてTWが月のグラナダに到着する。これよりの装備受領に先立つカミーユをはじめアナハイムの要人との会合に臨むために。

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