第9話:コロニー落とし<今更ながらジ・オリジンレビュー>
ついにジオン必勝の、悪魔の作戦は実行される。先の工作の後コロニー内に毒ガスを注入し、気流に乗って充満させる。
周囲の人々が眠るように絶命する中、ユウキも悪寒とともに雪の幻を見つつ、ファンがいるシェルターを案じ、そこを護らんと向かう。そしてすでにこと切れたファンがいるシェルターの扉の前でユウキも力尽きてしまった。
ついにイフィッシュは外部エンジンによって発進され、一路地球へと降り立たんとする。対する連邦も落下を阻止せんとするも果たせず、イフィッシュも大気圏で分解、不幸な二人を含めた住民をも焼いて、ついに地球の各地に落下した。幸い、というべきかイフィッシュはジャブローへの落下は防げたが、地球は当然のごとく甚大な被害を被り、後に判明したが、先の戦争の分を含めて当時の総人口の半数が死滅する大惨事を引き起こした。
二人の魂は彼らが夢見た地球の土に還ったのだろうか。しかしこの惨劇を経ても戦争はまだ始まったばかりだったのだ。
先の作戦の事実上の失敗を受け、次の目標をルウムに定めるジオン軍。世論が割れる中、連邦の支援を受け連邦側の優勢を受けてのことだった。その際にデギンも先の作戦の失敗について問うも、ギレンもあくまで最終的な勝利まい進するのみと強調する。さしものデギンも不快の念を禁じ得ずこの場を後にする。対するギレンも失望の念を禁じ得ないが、不快なのはドズルも同じだった。
そのドズルは自邸に戻り、先年妻に迎えたゼナ、そして二人の間の一粒種ミネバが待っていた。そのミネバに対する溺愛ぶりはそれは目に入れても痛くはないくらいだった。
そのミネバが寝静まった後、ドズルはゼナに今回の作戦について涙ながらに後悔の言を発した。たしかに強面の彼だが武人としての純粋さと人としての優しさを込めたドズルをゼナは優しく支えんとする。その上でドズルも家族の将来についても語る。そんなミネバもやがてはドズルの実直を受け継いだことも知る人には知っていることなのだが。
サイド5のルウムにては国情が連邦とジオン、それぞれの支持に分かれ相争っていた。その混乱の中病院で治療に当たっていたセイラのもと、情報将校のタチが訪れる。かつて出国の手引きをした彼に訝るセイラ、しかしタチはシャアの実情と併せキャスバルの生存をほのめかす。それはすなわち現在のシャアがキャスバルで、本物の少年シャアは入れ替わりで命を落としたということになりセイラの心を揺れ動かす。そこにロジェから養父テアボロが心労で倒れたという知らせを聞かされる。
月のグラナダでは新型のザクのロールアウトに心弾ませる三連星と、テスト運用を済ませたシャアが顔を合わせ一触即発の様相を見せつつ、来る会戦に際して手柄の立てあいをもほのめかすシャアだったが。
地球のジャブローでは精鋭部隊の新造戦艦が次々と宇宙へと上がり、ルウムへと向かう。
対するジオンもギレンが将帥を鼓舞し、ドズルが勝利への叱咤激励とともに作戦概要の説明を行う。そこには秘匿したあの兵器を用いるのだった。
そしてエデンでも雌伏の身のラルにコズンたちが出征を告げ、ラルも生還を言い渡しつつ見送るのだった。
こうしてここに人類史上最大のルウム開戦の幕が切って落とされるのだった。
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