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小説・聖闘士星矢VSセーラームーン(その27)

第18話:力と力
星矢とガタノゾーアとの戦いは未だ繰り広げられている。しかし未だ星矢の神聖衣は覚醒しない。神に至れり人の路、だがあえて己の拳を信じ、あえて覚醒しなかったのだ。
今一度クトゥルフの神々、否、神の力を思い起こしてみる。
聖闘士、海闘士、冥闘士と、神に近き戦士たちは己の内なる力、コスモを拳や業に込めてそれを放つ。しかし神は己の意そのものを業となしそれを放つ。それは一瞬の差だったがそれが故に人と神の違いだったのだ。
最も神に近い男とうたわれた乙女座のシャカはその意をもって業を放っていた。いかにそれに近付かんとするか。それが今の星矢たちに課せられたものだったのだ。
「最も神に近い男、シャカの路、そして神に至る路に俺も到れれば、その意味で、俺もまた、神に至れり人の路に到れれば」
「なるほどな、しかし言っておくがそこにまで到れることを待つほど俺もお人よしではない。全力で阻ませてもらうぞ」
ガタノゾーアも構える。己の五体を駆使して敵を圧するのが彼の闘い方でもあった。かつてイタカもそうであったように。
 
変わって紫龍たち。ゴッドクロス、そしてエターナルモードへと変化した上でヒュプノスと対峙する。対するヒュプノスもあらためて戦闘態勢を整えんとする。
「先に言ったはずだが、わたしはタナトスとは違い乱暴な闘いは好まぬ。だがハーデス様が闇に落ちたのと同じ、守護を担った我らもまた闇に身を置いた。だが、いやそれゆえに闇の誇りというものもある。まだわたしは負けたわけではないのだよ」
ヒュプノスの周囲の闇のコスモが凝縮し、ヒュプノスの闇のコスモがオーラとなって身を包む。
「さあ、始めよう、最後の闇の宴を。エターナル・ドラウジネス・・・・・!」
ヒュプノスをまとったオーラが放出され、再び辺りを闇に包み込まんとしていた。
 
星矢とガタノゾーアとの闘いは文字通りの拳の打ち合い、というよりも拳のぶつけ合いに相成った。わずかながらにガタノゾーアの方が強かったが、その打ち合いにも彼の力を受け流していき、引いた分も隙をついて踏み込んでいく。
そうこうとしていくうちに星矢もまたある想いを馳せる。
「かつてのタナトスとの戦いでは奴の圧倒的な力の前に屈しかけた。しかしアテナの導きで、そしてアテナの血によって神聖衣に目覚めることができた。だが、本当の意味で神聖衣に目覚めるには、俺自身の力に目覚めるしかない。思い出せ、俺の力の源、真のコスモ、シャカが達した阿頼耶識に・・・・・」
星矢の五感、そして精神と心、魂、それらが呼び掛けあい、やがては共鳴せんとする。しかしそれも、ガタノゾーアにも知るところとなった。
「やはりそういうことか、傷付くことの怖れ、それはすなわち死の怖れにも至る。かつてはクトゥグアの火、ハストゥールの風、ツァトゥグアの土と、自然の怖れをも人は克服した。そして今、星矢よ、お前は力の怖れを俺を通じて乗り越えんとするのか」
両者が申し合わせたかのごとく、ガタノゾーアも構え直し、星矢もまた両拳を下におろして組む。
「ならば受けてみるがいい、この俺の渾身の拳を、そして人として、俺の拳を、超えられるならば超えてみせるがいい」
ガタノゾーアの拳が放たれる。それを受け止める星矢、クロスは砕け散り、肉体も今まさに砕かれんとしていた。それはタナトス、そしてハーデスとの戦い以上の威力だった。
しかし次の瞬間、
「何だと、この光は、これもアテナの、いや、これは星矢自身の、コスモの光だと、いうのか・・・・・!」
ついに星矢の、ペガサスの神聖衣が目覚めたのだ。
「これが俺の力、そして俺の、ペガサスの神聖衣。ようやく本当の意味で目覚めたのか。ペガサスよ、お前の目覚めが本当なら、俺に力を、いや俺自身の力を、コスモを引き出させてくれ。その時こそ、俺の本当の、戦いだ」
 
紫龍たちの方も、ヒュプノスの強大なコスモを前にまずは自分の守りを固めんとする。オリンポスの神々だけあってのコスモの強さと、ルルイエの闇の力も相まっての強大化、アテナの目覚めもあれどやはり戦うのは自分たち。未だ自分たちを覆っているヒュプノスの眠りのコスモに打ち勝たなければならない。
「この闇の眠りを乗り越えなければならない。そのために俺たちのコスモを高めなければならない」
「ああ、その時こそ、俺たちの力を奴に放つ時だ」
「そうね、私たちも力添えをしなきゃ」
「でもあの人は、何かを待っているみたい。もちろん私たちを倒すためでもあるけれど、それ以上に自分の力を何かに利用しようとしている」
「そうだな、だが今は奴を倒すことに専念しよう。まずは俺が先に立つが、君たちも力を貸してくれ」
「はい」
紫龍の呼び掛けに、マーズとジュピターもあらためて応える。
 
星矢とガタノゾーアの戦い、拳の打ち合いも佳境に差し掛からんとしていた。神聖衣の助けもあれ、星矢自身のコスモの高まりによる業運びそのものも着実なる強さを身に付けていたのだ。
「おお、これこそがお前の、そして人としての真なる力、なれば応えよう、俺自身の力と意すべてを込めた俺自身の業で」
ガタノゾーアもまた構える。星矢もまたあらためて構え直す。心なしか構えた星矢の拳に光が集まっていた。
「いくぞ、すべてを破壊する俺の拳を!」
ガタノゾーアが拳を放つ。そしてそれを受け止めんと、今まさに拳を開け放たんとしていた。
「かつて黄金聖闘士は光速の拳を繰り出すという。俺もここまで到れれば。そうだ、これこそが俺自身の光速の拳・・・・・」
そしてその拳が放たれる。
「・・・くらえ、ペガサス神光拳!」
星矢の拳が光となって放たれる。そしてその拳はガタノゾーアの拳を、そしてその身を貫いていく。
「これが、お前自身の、光の拳、そして人としての可能性だというのか、見事だ・・・・・!」
そしてガタノゾーアの身も光に呑み込まれていく。その表情には無念さはなく、心なしか満足の表情も浮かんでいた。
「終わったな、しかし・・・・・」
一人勝ち残った星矢、しかし一瞬懐かしくも忌まわしきコスモを感じられたのだった。
 
そして紫龍たち。高まったコスモをまさにヒュプノスに放たんとしていた。
「行くぞ、廬山百龍覇!」
「オーロラ・エクスキュージョン!」
「バーニング・マンダラー!」
「シュープリーム・サンダー・ドラゴン!」
4人の業が一斉にはなたれ、それがヒュプノスに炸裂した。しかしヒュプノスは抵抗するそぶりは見せなかった。むしろ自分を守るコスモのオーラを破られるに任せ、ついには自らの身をもかき消されるに至った刻、さしもの紫龍たちも何かに気が付くかに見えた。
「見事だ、紫龍、氷河、そしてセーラー戦士たち。しかしこれからがお前たちの真の恐怖、というよりも絶対の死が訪れるのだ」
「・・・やはり、そうか・・・・・」
「紫龍さん、それって、いったい・・・・・?」
「かつて俺たちが戦った死を司る神、彼らの主神たるもの」
「・・・その名も、冥王ハーデス」
「そのことを見越して、クトゥルフの神々もまず彼らを甦らせた。奴の復活のために必要なコスモを集めるため」
「もしものための保険ってことね」
「おそらくはそうだろう」
「もしそうだったら、星矢たちのことも心配だ、俺たちも先を急ごう」
「はい!」
ということで紫龍たちも先を急ぐ。
そして闇の淵より、彼が甦る。
「忌まわしき封印は再び破られた。彼らの思惑にはまるのは不本意なれど、この地上を静寂の闇に包む望み、それが果たされるならば。
余は冥王ハーデス。今ここに甦ったり!」
しかし黒い水晶の中、アテナ:沙織もまた未だ封じられるままの身で己のコスモを介して何かに呼びかける。
「いまだ異次元に封じられている黄金聖闘士たち、貴方達の力を今こそ必要としています。かつて嘆きの壁を貫いたる光をもって、貴方達の光、今こそ、甦りたまえ・・・・・」

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