今更ながらジブリレビュー:風立ちぬ
今回はスタジオジブリ、宮崎駿監督最後の作品(当時)と目される『風立ちぬ』について
この物語は実在の人物で、ゼロ戦などを開発した堀越二郎の半生を描いたもの。
空に憧れた少年二郎は、夢の中で伝説の飛行機技師カプローニと出会い、諦めたパイロットの夢に代わり飛行機技師を目指すことになる。
後に関東大震災で助けた女中の縁から菜穂子と出会って後、飛行機会社に就職、幾度かの開発失敗の後についにはゼロ戦の開発に成功する。それは幼い彼が夢見た紙飛行機、それこそが彼の理想の形に近いものだったのだ。
その際菜穂子との再会の後結ばれるも、彼女は結核を患っておりそれがもとで命を落とす。
その後、彼が開発したゼロ戦も大戦でほとんどが撃墜され失意の中あのカプローニと菜穂子が夢の中、風の草原にて彼を励まし、後の世も生きることを誓うのだった。
あらすじに関しては以上のとおり、宮崎監督が堀辰雄原作の小説をベースに今までのジブリ作品、ナウシカ、ラピュタ、紅の豚、そして魔女の宅急便と、監督自身の空への憧れを二郎と重ね合わせて作ったものとして、つまりは今までの作品の集大成にして宮崎作品の帰結ともいえ、ファンの心をつかんだのは言うまでもない。その反面監督が自由に作ったのと併せて原作者と主人公への敬意を表す作品として表に出したものなのはここで語るまでもない。
そしてエンディングには先の宅急便と同じく松任谷由実の『ひこうき雲』。万感の思いとともに空と風を感じられた人がほとんどで、映画の感動を収められたことだろう。
これから先ジブリの製作の動きはあまり見られないように思われるが、今までの作品は今も支持され、息子の吾郎氏をはじめ、監督の遺伝子を継いでくれる人もきっとおられることだろうと、編者をはじめ期待もしているところ。いつかまた空への憧れをはじめ夢の物語を作ってくれるだろうと期待しつつ、キーを置きたい。
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