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第8話:鉄血の志<機動戦士ガンダム・鉄血のオルフェンズDAWN>

さてみなさん、今回のオルフェンズDAWNは、木星圏を襲ったMAを退け、新たなる決意を固め新たなる任務につかんとする暁たちをお送りする運びです。果たしてその先に何が待ち受けているか。それでは、ごゆっくり。
あと今までのストーリーもこの場を借りて紹介したいと思いますので、ご興味があればそれらもお目通し下さい。
 
第1話:暁に立つ  
第2話:汚名  
第3話:世界を知れ  
第4話:アステロイドの猫  
第5話:テイワズの息子  
第6話:マクギリスの遺産  
第7話:散る命、守る命  
以上をもとに今回のストーリーをお送りいたします。あらためてごゆっくり。
 
 
サンダルフォンの驚異は去った。しかし資源衛星周辺の被害は甚大だった。鉄血隊のイサリビはかろうじて被害が少なかった衛星に着艦する。帰還したバルバトスから出ようとする暁を、キャノピーの先にはいつになく真剣な表情のライドが待ち構え、体の具合を聞いてから肩で担ぎ下ろされる。傍らには救急用の担架が用意されてライドにそこで横になるように固く言いつけられる。ラッシュのことが気になるが、クアールのことはライドも承知の上で、今はそっとしてやるようにも言い渡される。
そこに同じく生き延びた衛星の主任の男が訪れる。元CGS代表のマルバ・アーケイだった。もはやテイワズに対する負債はなく、労役義務はとっくに消えた今でも、この生活になじみ今更外界には未練はないと告げる。何と彼にも家族ができていたのだ。そんな彼も鉄血隊に向かい、特に三日月の息子の暁に、バカなことができるのは若いときだけだと告げてこの場を離れる。それは搬送される暁にも聞こえていたのだ。
一方で同じくあの主任も菊千代に助け出され、駆け付けた雪乃に、多くの仲間を助け出せなかったと自嘲しつつも自分の無事を受け入れる。その言葉は雪乃の心を重くした。
こうして事後処理をネオ・タービンズに委ね、ライドたちは歳星に帰還する。一方でネオ・タービンズ旗艦ハンマーヘッド2世に帰還したジュニアはことの次第を歳星のアジーに伝える。対するアジーも承知はしていて事態をGHにも伝えていた。彼らは別の地点で何やらの調査を行っていて、その帰還の際に無駄を承知での連絡を取り付けたのだ。憮然としながらも連絡を受けるジュニアだったが、ひとまずの確認を行うためブリッジへと上がる。
戦場跡には件のGHの調査艇が到着していてそれを確認するも、オペレーターの妹たちは不満をあらわにしていた。
「いい気なものね、まったく今頃になって御到着なんて」
「そう言うなよ、彼らが後片付けをしてくれるんだからそれだけでもありがたく思わなくちゃな。そもそもGHもエリオン公があの時よりもマシにしてくれたんだからな」
と、妹たちの不満をなだめつつ。歳星への帰還を指示するのだった。
こうしてイサリビが歳星に着くや、暁は病院へと急行しそこで検査と治療を受けることになる。鼻血はともかく血涙まで流した様はライドやアジーらの心を寒からしめたが、幾度か精密検査の結果、機体のシンクロニティの影響なのは判明したものの今のところは特に障害や後遺症は見受けられなく、大事を取るためには養生を施していくことで一致した。暁自信は大丈夫だと返すも、ライドたちの言いつけならばとひとまずは従うのだった。
当面は車イスの生活を余儀なくされる暁。三日月やガエリオはどんな気持ちだろうと思いつつ、ラッシュのことが気になりさしあたり立ち寄りそうな場所を探そうと、まずは名瀬の墓標に赴く。案の定そこにはラッシュが佇んでいた。
クアールのことは暁も周知しており、沈んだままにみえたラッシュにふと「彼女が死んだと決まったわけじゃない」と漏らす。その言にラッシュも受け止め、自分は大丈夫と半ば強がりで返す。そこにジュニアも赴くも、墓標の前で二人にしか分からない無言の会話を交わしているかに見え、二人の邪魔をしてはならぬと思いつつこの場を外す。
そして部屋に戻らんとする際半ば自動で動けるはずの車いすをラッシュが押す。大丈夫と言いつつもラッシュの気持ちを受け止める。しかしどこか懐かしい感じがする暁だった。
その一方、今回の件で数多くの作業員が犠牲になり、その際雪乃は自分は何もできなかったことを悔いていた。菊千代にはなだめられたがやはり気が重く、菊千代もまた今はそっとしておいてやろうとライドに言われていたのだが。
その後で雪乃はネオ・タービンズの女性エージェントらに誘われる。彼女らも先にクアールの世話した縁から、彼女のことについて落ち込んでいたのだ。それを併せて他の姉妹たち、あと先に出会ったテイワズのメカニックの春菜らも加わって、その気持ちを晴らさんと、一つの宴席を設けるのだった。
かくいう雪乃もクアールのことも気にかけており、彼女への想いも合わせて今夜は最後まで付き合おうと思い宴に参加する。
ひと通りの盛り上がりの末、主催した副代表のエーコが話しかける。そのエーコの“お母さん”が言うには、先に隊の役に立ちたいという想いをくんで、操船技術を学んでみないかと持ち掛けたのだ。その言葉に雪乃も一つやってみようと心に決めるのだった。
その夜雪乃が帰ってきて、遅くなったと詫びるも、ライドも菊千代も宴席の事情を知っていて労いの言葉をかける。その上で雪乃もエーコを通じてのアジーからの言伝を告げる。それは暁たちとジュニアの兄弟の盃の儀を執り行うというのだ。かつて旧タービンズと鉄華団との儀とは違いあくまで個人的なものなのだが、お互いの友ぎのためとのことで、念のため暁たちの承諾を得てからというのだが、暁をはじめ誰もがそれに賛同するのだった。
この頃には車イスの拘束から解かれ、あらためてバルバトスを前にする暁。誰もいないその格納庫に暁は心の中で三日月に話しかける。
『父さんはあのMAと、その後の“事件”とでどう戦ったのかな。俺も最後まで戦い抜くつもりだけど、最後まで自分を失わないでいられるかな』
ふと暁の心の中に、三日月の言葉が聞こえるかに思えた。
(大丈夫だ、お前にはバルバトスが、そして俺もついている。それにオルガも、昭弘も、シノもいるんだ。いやもうお前には、仲間がいるじゃないか。とにかく、大丈夫だよ)
『うん、そうだね、父さん』
暁も意を決するようにバルバトスから離れ、自室へと戻る。その様を傍らのヤマギが、遠目でジュニア、そしてライドの姿がいた。
その後日兄弟の盃の儀を執り行うことになり、収監時に身に着けた書写の技術を振るう介添人ライド(雷弩抹主)、暁のほか義弟、義妹としてラッシュ(羅主美亭)、菊千代、雪乃、そしてクアール(紅亜瑠華照)の名も記されていた。
「あいつには迷惑だろうが」と告げつつも「きっと喜んでくれますよ」とラッシュも返す。
こうして儀は滞りなく行われ、個人的な関係ながらもジュニアと暁たちは義兄弟となった。
その後でアジーから、MAの被害は大きかったが一応の治安維持は保たれたことを機に、近々アーブラウでの議員改選選挙がありそこでの不穏を収めてほしいとの知らせが届いたのだ。ジュニアも治安維持のためしばらくとどまるがいずれは合流すると告げ、代わりにメカニック助手として春菜をよこすという。
こうして木星圏の治安維持に一段落を付けた鉄血隊は歳星を発ち、一路地球圏へと旅立つのだった。その様を見てアジーは感慨する。
「あの子たちも、三日月たちの志をちゃんと受け継いでいる。私たちが、名瀬や姐さん、それにラフタたちの志を受け継いでいるように・・・・・」
いつしかアジーはジュニアの背中に抱き寄っていた。もはやアジーの背を追い抜いているジュニアだったが、父名瀬に比べればまだ小さいと思いつつ、
「俺もすぐに行くぞ、暁」
とあらためて虚空に消えたイサリビを見据えていた。
再びトレーニングにいそしむ暁、新たにイサリビのメカニックとしてヤマギから指導を受ける春菜、その傍らでメカニックの手伝いをする傍ら操縦シミュレートでの訓練にもいそしむ菊千代、自室にこもり操船術のプログラムを学ぶ雪乃、そして地球圏でのニュースに目を通すライド、その画面に書かれていたのは旧友たるタカキが先年急死したアレジの後継者としての地位を固めるべく選挙に臨むという記事だったのだ。
そしてラッシュは通路の大窓の宇宙空間を見据えて「俺も、最後まで戦い抜くよ、クアール」と告げてからややあってこの場を後にするのだった。
それより少し前のこと、イサリビらが戦場を去って数刻後、件のGH調査艦が奇妙なMSの残骸を見かけ、そこの生命反応をキャッチし、ひとまずそれを回収したのだが。
 
次回・鉄血のオルフェンズDAWN
“クアールのガンダム”
「生きている限り路は開けてくる、決して、止まるんじゃねぇぞ」
 
一応のキャラクター設定
春菜・ブロッサム:テイワズのメカニック見習いで、かつての整備長(故人)の最後の弟子となった。着艦したイサリビに応対したのをはじめ、鉄血隊のマーク修正をはじめいくらかの仕事を受け持った縁からイサリビ付きの派遣要員となる。

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