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小説・聖闘士星矢VSセーラームーン(その24)

第15話:真綿の地獄
ちびムーンの前に立ちはだかった、真綿上のドレス、というかまるで真綿そのものをまとった一人の女性、彼女こそがクトゥルフ神族の一人、ショブ=ニグラスだった。
「あ、あなたがあたしの相手をしてくれるっていうの」
ちびムーンも強がって応えるが、やはり強がりきれない。
「ええそうよ、ここじゃあ少し狭すぎるから、いい場所に案内しましょう」
ショブが指を鳴らすと洞窟が開け、一面の綿の野原が広がっていた。しかし怪しき空の色が一層の陰鬱さを醸し出していたのだが。
「まるで天国みたい、ううん、こんなところが天国なはずないもの。早くここを抜け出さなきゃ」
まずはちびムーンが仕掛ける。しかしその攻撃はショブの周りの真綿に包み込まれてしまう。
「あらあら、これがあなたの攻撃なの、もう少し強くてもいいのに」
「うん、それだったら、これならどう、ピンクシュガー・ハートアタック!」
ちびムーンも渾身の業を放ったが、やはりショブの真綿で防がれる。やがてはちびムーンの足元に真綿が絡みつき、やがては体中を覆ってしまう。
「な、何よこれ」
「ちょっと退屈しちゃったからね、この服も悪くないけど、貴方にふさわしいと思って素敵なドレスをプレゼントしようと思ったの」
「バ、バカにして、こんなもの、どうってことないわ・・・きゃあ!」
真綿を振り払おうとしたちびムーンだったが、一見柔らかそうな真綿が一転して固い針金のようにちびムーンを叩くように締め付ける。
 
一方でダゴンとタキシード仮面との激闘が続けられていた。メイス片手に攻めるダゴンに、タキシード仮面もステッキを手に応戦する。
「くっ、こんなところで手こずってはいられない、セーラームーン、ちびムーン」
「くく、その娘はともかくあの小さいほうも心配か、あのショブの攻めに比べれば俺の攻撃など真綿のごとくだ。あの小娘も気に毒に。ショブにかかればひとたまりもないな」
「くうっ・・・・・!」
タキシード仮面もただダゴンの猛攻を受け続けるしかなかった。
 
一方でカノンとラダマンティスもディープスの精鋭たちの猛攻に苦戦していた。たしかにダゴンに比べて戦闘力も一回り小さいが、数に任せれば手こずるのも無理はなかった。
「くそっ、奴らフレギアスやシルフィードとどっこいだ、こんなところで手こずっては」
「ああ、星矢はともかくあのお嬢さんたちも心配だ。星矢を信じぬわけではないが、敵もどのような手を使うか」
 
そして力なくうずくまるちびムーンに、ショブも近付いていく。
「人は見た目で惑わされることもあります。柔らかく見えるものも、硬くその身を傷付けるものもあります。あなたの身をを覆い傷付ける私の真綿もまた然り」
「う、体が、動かない、体中が、いたい・・・・・」
ちびムーンのダメージは相当なもので、加えて体中の傷と痛みで体の自由が奪われていた。そしてショブの真綿がちびムーンの首を覆い、そのままつるし上げる。
「う、ぐうっ・・・・・!」
「この程度じゃつまらないから、もうちょっと愉しみましょう」
ちびムーンも真綿に手をかけようとするがやはりその硬さでらちが明かない。
「無駄よ、もがけばもがくほど苦しくなるから、その身を委ねて、楽になりなさい」
その言葉にちびムーンの手が外れる。しかし、
「・・・あ、あたし、だって、セーラー、戦、士、だから・・・・・」
そして額のティアラに手が伸びる。
「・・・絶対に、負けられない!」
一瞬の隙を突き、ショブの喉元にティアラアクションを放つ。これはかなり効いたようで、とたんちびムーンを締め付けた真綿も解かれる。
 
もう一方の星矢、対するガタノゾーアの圧倒的な気迫の前に、まずは受け止めるのみだったが。
「どうした、よもや俺の気迫に圧されるのみではなかろう。ポセイドンやハーデスとも退け、己が死をも超えたる身だ。それを俺に見せてみるがいい」
「言われずとも、やってみようか。これもみんなのため、そして世界のために」
改めて星矢も拳を構え直す。
 
まさかの反撃で大きくうろたえるショブ。しかしちびムーンもかなりのダメージを負っていた。
「まさか、こんな力が残っていたなんて。でも最後のあがきね、もうまどろっこしいのはなしにするわ。一気に片付けましょう」
両手両足に真綿を集中し、一気に襲い掛かるショブ。さしものちびムーンも徐々に追い詰められるかに見えた。
しかしちびムーンも今一度の反撃の機会をうかがっていた。間断なき攻撃もわずかな隙を生じる時がある。それを見計らって。ちびムーンもステッキを構える。そして、
「ムーンプリンセス・ハートアタック!」
ステッキから放たれた光が辺り一面を包み込み、その光がショブを貫く。
「こんな、あの娘のどこに、そんな力が、ああ、忘れていたわ、この娘も、月の女神の娘だということを・・・・・!」
こうしてショブも光の中に消えていくのだった。
「や、やったよ、セーラームーン、星矢さん、それに、みんな・・・・・」
強敵を撃破し、安堵の表情を浮かべつつ、ちびムーンも力なく倒れていく。そこはルルイエ宮の回廊だった。そこに駆け付けたのはシャイナやジュネ。そしてテティスだった。
「この娘は、たしかセーラームーンの妹のようね。まだ息があるわ。まずは手当てしましょう」
と、テティスが傷を癒す。その際に、
「別に、妹というわけじゃないけれど」とネプチューンが苦笑交じりにフォローをするが。
「あれ、体が楽になってる。そうだ、星矢さんとセーラームーンが」
「ああ、分かってるさ、ここは私たちに任せて」
「とりあえず心配だから、先に急ごう」
と、傷が癒えるやまた急いで先に進む。
「ああ、待ちなさい、ちびムーン」とネプチューンも追っていく。
「ああ、ちょっと待って、せわしないわね、どうします、シャイナさん」
「どうもこうもない、私たちも先に進むよ」
というわけでちびムーンたちを追う形でシャイナたちも先に進むのだった。

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