第6話:マクギリスの遺産<機動戦士ガンダム・鉄血のオルフェンズDAWN>
さてみなさん、原作オルフェンズの続編として企画されたこのオルフェンズDAWN、おそらく今回で最後の投稿になるかもしれませんのでこの場を借りて今までのストーリーを紹介した上で本編に入りたいと思います。
第1話:暁に立つ
第2話:汚名
第3話:世界を知れ
第4話:アステロイドの猫
第5話:テイワズの息子
以上のストーリーとともに今回の第6話をお送りする運びです。まあいずれの形であれ。後日の“續”の内容にもひとまずの期待を抱きたいと思いますが。
さて前置きは長くはなりましたが、それでは、ごゆっくり。
かつてクアールが幼い頃、病床の母親から伯父クダルのことを聞かされ「あのろくでなしのようにはなるな」と告げられる。
後に母親も亡くなり、その墓の前で自分も一人立ちしつつ名を上げることを志すのだった。
そんなクアールが寝起きの中、部屋の呼び鈴が鳴り、応対せんとしてドア越しに自分を誰何する声が聞こえ、扉を開けて応対する。そこには数人の女性が立っていて、クアールも手をあげて女性の求めに応えるのだった。
テイワズの内乱がGHの介入を受けずに終息し(というか、ラスタルとの密約が守られ)、事後処理の一環として捕虜の引見が行われ、ほとんどが資源衛星の強制労働に贈られることとなる。
そんな中ラフタ暗殺の実行犯がアジーの前に引き出されたのだ。その男が言うには、幼い頃からジャスレイに面倒を見られ、彼の為ならどんな汚い仕事もこなしていただけだと語る。そのすべてを覚悟した表情を察しつつ。アジーは先に取り上げた銃、ラフタに手をかけたそれで彼を撃つのだった。それには幼いジュニアも立ち会っていたのだ。
そしてラフタの碑に佇むアジー。その傍らにはクアールがいた。
あれから彼女がどうなったというと、もともと彼女自身もラッシュたちの治安維持に協力しようと(あと自らの名を上げんと)同行せんと先日約束したが、今朝方応対した女性はテイワズの女エージェントたちひいては名瀬の娘たちだった。彼女たちに引き連れられるままに連れられたのは代表邸宅。つまりアジーたちの邸宅だったのだ。神妙なクアールに対しアジーはまず腹を割って話をしたいと持ち掛けるのだった。
戻って治安維持の活動に入る暁たち。訪れるテイワズ傘下の資源衛星は木星衛星の外縁軌道上に多数所在していて、そこから不穏な動きがないかを偵察するのが鉄血隊の主な任務である。ちなみにジュニアもテイワズ幹部の一人として別の資源衛星に赴いている。そこでは監督員の中年男性がやけに愛想よく応対しており、ジュニアも少し食傷気味に応えていた。
さておき鉄血隊はまず周辺宙域を暁と菊千代が警備に当たり。ラッシュと雪乃が内部の調査を行う。その中で旧鉄華団についての評判も聞き出すことができた。かつての事件において悪名を馳せていたものの、時を経て次第にそれ以前の勇名から、好評価に転じていった。これは近年名誉を回復した旧タービンズの影響もあるが、何より先述の監督員が彼らの勇名を触れ回ったことが大きかったのだ。
ちなみに雪乃たちが当たっていた監督員はメリビットの元同僚でもあり、軽めの歓待を受けたのは言うまでもない。
一方歳星ではアジーが先のラフタの碑に連れて行き、あらためてクアールに碑を通してそこで命を失ったラフタとその仇を取った鉄華団のこと、さらに命を張って名瀬たちの仇を取った昭弘~グシオンの先のパイロット~のことも告げ、今のパイロットたるラッシュを通じて因縁めいた言葉をほのめかしたりもした。その言葉に感じ入るかに見えたクアールだったが。
戻って資源衛星では、謎の一団の接近が告げられる。臨戦態勢の暁と菊千代はともかくイサリビに待機していたライド、衛星のラッシュも出撃していく。
それに反応するかのごとく、一団から多数のMSが出現する。グレイズを中心とした旧GH系のそれは、旧マクギリス派の一団だとトドが告げるのだが。
そこでもライドのブリュンヒルト(雷電号)に反応し、彼を“逆賊”ラスタル・エリオンに屈した裏切り者と非難する。
「我々は、社会の不公正を糺さんと決起した。それをラスタル・エリオンは奸計を用いてファリド公を陥れ、己の欲望のために利用した」
「お前たちはファリド公と志を同じくして我々の革命に加わったが、いざ自分たちが敗れるや、自らの素性を隠し、邪魔者となったノブリス・ゴルドンの抹殺に動かされ、結局ラスタルの犬となった・・・・・」などと口々にライドたちを非難する。
対するライドもつまらなさそうに「あの戦いはもう終わったんだ。エリオン公は勝者の権利を行使し、俺たちは敗者の地位に陥りながらも自分たちの生き方を貫いた・・・・・」と言葉を返すが。
そこに暁も「どうします、ライドさん」問い、ライドため息交じりに「ここは実力で分からせるしかないな」と返し、もはや理屈は不要とばかりに戦闘は開始された。ひとまず先のブルワーズと同じ程度の一団だろうと踏んで戦闘を開始させるのだが。
敵も元マクギリス派、元GHの軍人だけあって、その戦闘力は本物だったが、先に戦った査察団とそんなに実力は変わりはなかった。ただその統率された機動力から少々手強く感じられるのだったが。
たしかに戦闘力は前回以上で少々てこずったものの、やはりバルバトスたちや、あとで駆け付けたグシオンの敵ではなかった。前回と同じく敵MSを無力化して降伏を促さんとするも、全機が「我らは尖兵に過ぎん、ファリド公ばんざい!」と告げ、自爆してしまう。
敵の自決に軽い動揺を覚えるも、ひとまず平静を取り戻すかに見える暁。
「余計なことは考えちゃいけない、これも戦争だから、そうだよね、父さん・・・・・」
暁の独語~おそらくバルバトスの中の三日月と会話しているだろうと踏んだライドも軽く頷く。イサリビのトドも「バカ野郎どもが」ともの哀しげに吐き捨てる。しかし敵艦の異変を菊千代が告げる。艦内のエイハブ・リアクターの異常を感知し直に爆発すると告げたのだ。いち早くこの場を脱出する暁たち。ほどなくして戦艦は巨大な火球となって爆発する。その爆風に吹き飛ばされつつも、暁たちは難を逃れる。ついで衛星坑内に避難していた雪乃たちも外の爆風にあおられたか、大きめの地震に襲われる。そして巨大な火球に驚きつつもそこに駆け付けんとする1機のMS、専用のマンロディを駆るクアールだった。
しかしややあって、ひとつの小惑星。おそらく先のマクギリス派が何やらの工作を行い、仕掛けた装置のエイハブ・リアクターが作動。そしてそれに反応し、巨大な兵器が、目覚めてしまったのだ。
次回・鉄血のオルフェンズDAWN
“散る命、守る命”
俺はもう迷わない、一緒に戦おう、クアール。
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