小説・聖闘士星矢VSセーラームーン(その14)
第7話:出撃
城戸邸にてうさぎたちを待ち構えた星矢、紫龍、氷河、そして瞬の4人。
「これは一体、どういうことなんですか」と不安そうにうさぎが問う。
「平たく言えば、先に俺たちが話した新たなる脅威のお出ましってところだ」
「新たなる脅威、ですか」
うさぎの懸念に星矢は淡々と応える。
「おそらく奴らは、この東京を中心に人々の力を奪い、眠りに落としたんだ。もっとも俺たちや君たち、その他力あるものはその眠りに陥らなかったけど」
「そういえば沙織さんはどうしたの」肝心なことを問ううさぎだが。
「そう、それなんだ、朝早々に沙織さん、アテナはいち早く屋敷を出ていき、とある場所に赴いたようなんだ」
「それじゃ、私たちも赴かなきゃ」
「そうだな、あの人はまず自分が命を張らなきゃいけないたちだから、俺たちもそれを追わなきゃいけない」
「そうね、ここでいかなきゃ男がすたる、私たちも女がすたるってところかな」
「あっ、うまいこと言うねまこちゃん」
「それで、沙織さんの居所は分かりますか」
「それなんだ、今沙織さんのコスモをたどっていけば、おそらくはあの場所だ」
たずねる亜美に対し星矢が机上の地図を示した先は、東京タワーの上だった。
「そこを起点に敵の待つ天上へと昇って、敵の動きを封じ込めんとした。毎度のことだが急がないと大変なことになるから」
「はい」
というわけで、屋敷のバルコニーに立つ星矢たちとうさぎたち。
まず星矢たちがそれぞれコスモをため、続いてうさぎたちがそれぞれメイクアップの体制を取る。
星矢たちはそれぞれペガサス、キグナス、ドラゴン、そしてアンドロメダのクロスを装着する。
併せてうさぎたちもそれぞれ、
「ムーンプリズムパワー、メイクアップ!」
「マーキュリーパワー、メイクアップ!」
「マーズパワー、メイクアップ!」
「ジュピターパワー、メイクアップ!」
「ヴィーナスパワー、メイクアップ!」
と、セーラー戦士へとメイクアップを完了する。
こうしてアテナの聖闘士、セーラー戦士が勢ぞろいした。
「それじゃ、行くぞみんな」
「おう!」
「はい!」
そしてバルコニーから飛び出し、一路スカイツリーへと向かう。
そのスカイツリーの展望階上、星矢が見上げた先、曇天の空の真ん中の闇がにぽっかりと穴を開けていた。
「あの先に、沙織さんが・・・・・」
「そして、私たちの敵がいるのね・・・・・」
星矢とSムーンの言とともに皆が踏み出そうとしたその時、その闇の穴から声が聞こえた。
「・・・ようこそ、アテナの聖闘士、そしてセーラー戦士の諸君、我々の招待状、受けてくれてとてもうれしいよ」
「・・・お前は一体、なんなんだ!?」
「そうだね、僕たちはこの地球、そして宇宙の正当なる支配者、旧き神々、そして君たちの呼び名で、クトゥルフ・・・・・」
「・・・・・!」
その名を告げられ、星矢とSムーン、それぞれの身に戦慄が走る。それはあたかも人が持つ恐怖の心、それをわしづかみにされた感覚そのものだった。
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